原貫太の国際協力ブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカ、社会問題などのテーマを中心に解説しています。

ユニセフで働くためには大学で何をするべきか?【語学や授業だけでは不十分です】

「将来ユニセフで働きたい。そのために大学では何を勉強しておくべきか?」

「ユニセフのような国際機関に入るためには、何が必要なのだろう?」

 

こんな疑問にお答えします。

 

フリーランス国際協力師の原貫太です。どこの組織にも所属することなく、個人でアフリカ支援の仕事を続けています。

ユニセフで働くためには

ウガンダで一緒に働く現地パートナーのサイラスと

 

世界の貧しい子どもたちを助ける国際機関の一つ、ユニセフ(UNICEF)。国際協力や途上国支援の仕事に興味がある人なら、一度くらいはユニセフでの仕事に憧れたことがあるかもしれません。

 

ユニセフで働くためには、大学生のうちに何をやっておくべきか?詳しく説明します。

 

 

ユニセフで働くためには大学で何をするべきか?

ユニセフのような国際機関で働くためには、高い語学力、開発学などユニセフの仕事内容に関係する修士号、2年以上の海外勤務経験、この3つが必要です。

 

この3つに加えて、大学時代に国際機関やNGOでインターンシップをした経験や、フランス語・スペイン語などの国連公用語も話せると強いと言われています。

 

以上のことから、ユニセフで働くためには大学生の間に

 

  1. 高い英語力を身に着ける
  2. 大学院に進むため好成績をキープする
  3. 在学中、または卒業後に青年海外協力隊にトライする
  4. インターンシップをする
  5. 第二外国語を勉強する

 

この5つに取り組むことが理想です。

 

高い英語力を身に着ける

ユニセフをはじめとした国際機関では、基本的には英語もしくはフランス語で仕事をすることになります。そのため、大学在学中に高い英語力を身に着けることは必須です。

 

最低でもTOEFL80点以上、TOEIC800点以上、英検準一級以上、できるなら大学在学中にTOEFL100点以上、TOEIC900点以上、英検一級を取得できることが望ましいです。

 

僕は大学生の時にアメリカに一年間留学したことで、仕事で困らないレベルの英語力を身に着けることができました。

 

ただ、留学をするのであれば英語を学ぶための語学留学ではなく、英語で勉強をする交換留学をおすすめします。僕はカリフォルニアの大学に一年間留学し、現地で国際関係論を専攻しました。

ユニセフで働くためには

アメリカの大学に留学していた時の原貫太

 

高校までの英語学習では単語や文法、長文読解が中心ですが、ユニセフで働くためには英語での高いコミュニケーション力が必要になります。まずは大学生の間に、自分の意見を英語で問題なく伝えられるようになることを目指しましょう

 

僕自身はアメリカに留学するまで、オンライン英会話で英語学習をしていました。25分のマンツーマンレッスンが200円程度と安価で英会話を勉強できるため、大学生や高校生にもおすすめです。

 

こちらの記事では無料で受けられるオンライン英会話を紹介していますので、ぜひ活用してください。

オンライン英会話無料体験32選 はしごするのは1ヶ月までにしよう - 原貫太の国際協力ブログ

 

大学院に進むため好成績をキープする

ユニセフで働くためには、開発学や国際政治学などユニセフでの業務に関係する分野で修士号を持っておく必要があります。

 

ユニセフのような国際機関で働く人には、高学歴の人が多いです。「学歴は関係ない」という意見もありますが、ユニセフなどの国連で働く日本人の学歴を見ると、有名海外大学院の出身者が圧倒的に多いです

 

海外の大学院は選考時に大学時代の成績を厳しくチェックしています。大学時代のGPAは最低でも3.0以上、できれば3.5は欲しいですね

 

僕の知人でも、大学を卒業してからユニセフで働くことに興味を持って大学院に進もうとしたけど、大学時代の成績が悪かったから申し込みできる海外大学院が少ない…という問題に直面した人がいました。

 

ユニセフで働きたいと考えている人は、学校の勉強も馬鹿にすることなく、真面目に取り組んでおきましょう。

 

大学でどんな学問を勉強するべきかについては、こちらの記事が参考になると思います。

国際協力を仕事にしたい人は、大学で何を学ぶのがおすすめか?【4つの学問を紹介】 - 原貫太のブログ

 

在学中または卒業後に青年海外協力隊にトライする

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ウガンダの活動地にて。原貫太は青年海外協力隊は経験していません。

 

ユニセフのような国際機関で仕事をするためには、最低でも2年以上の社会人経験が必要になります。海外、特に発展途上国で仕事をした経験を持っていると強いです。

 

これを満たしてくれるのが、JICA(国際協力機構)が実施している海外ボランティア制度の「青年海外協力隊」です。(2020年からは名前が「JICA海外協力隊」に変わっています)

 

大学在学中、または大学を卒業してすぐに青年海外協力隊に合格することは非常に難しいです。「コミュニティ開発」や「青少年育成」といった分野を除くと、何の資格も社会人経験もない大学生が申し込みできる職種は限られています。

 

しかし、大学在学中や卒業してすぐに青年海外協力隊に進めると、その後のキャリアの選択肢が広がります。青年海外協力隊では2年間のうちに約180万円を受け取ることができるので、これを原資に大学院に進むこともできますね。

 

ユニセフのような国際貢献を仕事にしたい人が青年海外協力隊を活用するべき理由は、こちらの記事で解説しました。20代のうちに青年海外協力隊を経験しておくことをおすすめします。

国際ボランティアを仕事にしたい人はまず青年海外協力隊を目指すべき3つの理由 - 原貫太の国際協力ブログ

 

インターンシップをする

大学在学中にインターンシップをしておくと、ユニセフで働く際にもその経験が生きるはずです。もちろん選考時に有利になる可能性も期待できます。

 

具体的には国際機関・NGO・企業、この3つでインターンシップをやってください。大学生は時間の余裕もあると思うので、3つ全部でインターンすることをおすすめします。

 

僕は大学生の時に国際機関とNGOの両方でインターンをしましたが、実際に中に入って働いたからこそ、NGOの立場から国際協力に関わりたいと思うようになりました。

ユニセフで働くためには

ウガンダのNGOでインターンをしていた時の原貫太

 

ちなみに僕がインターンした国際機関は「赤十字国際委員会」の駐日事務所、NGOは「認定NPO法人テラ・ルネッサンス」です。

 

僕自身は学生時代にはできませんでしたが、できれば大学在学中に企業でインターンすることもおすすめします

 

今はSDGs「持続可能な開発目標」がトレンドになったおかげで、企業に入っても国際協力に関わる機会はあります。

 

資本主義社会で大きな力を持つ企業だから発揮できる価値がありますし、学生のうちに一度企業を見てみるのは、その後のキャリアを描く上でもいい経験になるはずです。

 

国際機関・NGO・企業すべてでインターンをすれば相当の経験を積めるだけではなく、自分がどのような立場から国際協力に関わりたいかも見えてきます。

 

ユニセフで働くことだけに固執し過ぎず、色々な立場から国際協力に関わる方法を模索しましょう。

 

NGOでインターンすることに興味のある方は、こちらの記事を参考にしてください。

NGOでインターンするなら、どう団体を選ぶべき?4つの判断基準を紹介します - 原貫太の国際協力ブログ

 

第二外国語を勉強する

ユニセフで働くような人たちは、あたりまえのように英語を使いこなします。英語ができるだけでは、何の強みにもなりません。英語が話せるのは当然の世界です

 

そのため、英語に加えてもう一つの外国語、できれば国連公用語が話せると強いです。国連公用語は英語に加えてフランス語、スペイン語、ロシア語、中国語、アラビア語です。

 

★関連記事★

国連公用語が6言語しかない理由 日本語が国連公用語にならないのはなぜ? - 原貫太の国際協力ブログ

 

ユニセフをはじめとした国際機関は、今後アフリカの開発や支援に力を入れていくので、特に植民地時代の宗主国のフランス語がおすすめです。

 

大学に入ると一年時に第二外国語を勉強すると思いますが、どの言語を専攻するか迷ったらフランス語を選ぶことをおすすめします

 

僕自身は大学一年生の時にフランス語専攻だったんですが、当時はまだそんなに国際協力に興味がなかったので、あまり真剣に勉強していませんでした。今では勉強した内容もほとんど忘れてしまい、深く反省しています。

 

僕みたいに後悔してほしくないので、将来的にユニセフで働きたいと考えている大学生は、第二外国語の授業も真剣に取り組むようにしましょう。

 

★関連記事★

国際協力師になるには英語が必要である3つの理由【英語力の伸ばし方を解説】 - 原貫太の国際協力ブログ

 

さいごに

ユニセフで働くために大学でやっておくべきことを解説しました。紹介した5つに真剣に取り組んでいれば、将来的にユニセフで働くことは決して不可能ではありません。

 

その一方、国際協力や途上国支援の仕事は、何もユニセフに入らなくても関わることができます。ユニセフだけに固執するのではなく、俯瞰的な視点でキャリアを考えるようにしましょう。

 

ユニセフ以外にも国際機関はたくさんあるし、NGO職員になって途上国支援をすることもできるし、僕のようにフリーランスとして、個人で国際協力に関わることも可能です。

 

国際協力について幅広く勉強した上で、果たしてユニセフで働くことが最も自分にふさわしいのか考えるようにしてくださいね。

 

 

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