原貫太のブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカの問題、フリーランスの働き方など様々なテーマを解説しています。

国際協力を仕事にしたい人は、大学で何を学ぶのがおすすめか?【4つの学問を紹介】

「将来国際協力の仕事に就きたいと考えているが、そのために大学では何を勉強するべきなのだろうか?おすすめの専攻は何だろうか?」

 

この記事ではそんな悩みを解決します。

 

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。以前「国際関係学は役に立たない」と書いたブログがプチ炎上したこともあり、「じゃあ、大学で何を勉強するのがおすすめか?」という質問がよく届きます。

 

進学先の大学・学部選びに迷っている高校生や、大学でどんな授業を履修するのがおすすめか知りたい大学生の方は、参考にしてください。

 

※国際協力業界では理系出身の人も求められていますが、僕自身が学生時代は完全なる文系人間だったので、今回の記事では理系学部に関しては考慮していません。ご了承くださいm(__)m

※「そもそも国際協力とは何か?」を体系的に説明することが難しい方は、まずは以下の記事を読むと、より内容を理解できると思います➡国際協力とは何か?定義から必要性、日本でできることまで世界一分かりやすく解説 - 原貫太のブログ

 

国際協力を仕事にするなら、大学で何を学ぶのがおすすめか?

国際協力 大学 おすすめ

ウガンダ北部で南スーダン難民の支援に携わっていた時

 

僕自身の国際協力のキャリアは「NGOインターン→NGO起業→フリーランスで国際支援」と、かなり偏っています。

 

そのため今回は、「民間、かつ草の根の国際協力に携わりたい人が、大学で何を勉強するべきか?」という視点から、僕のおすすめを紹介します。

 

本当は「そもそも大学に行く必要があるのか? 」というレベルから話をしたいのですが、今回は大学に進むことを前提にした上で話を進めます。

 

この記事の内容は、僕が運営する国際協力系ブロガーサロンのメンバーで、NGO職員として働く人たちからの意見も踏まえています。サロンでは「大学で何を勉強するべきか?」というテーマの勉強会もやっているので、興味のある方はこちらもご検討ください。国際協力系ブロガーサロンの詳細はこちら

 

文化人類学

一つ目のおすすめは、文化人類学です。草の根の国際協力に携わりたい人なら、現場で文化人類学的な視点が必要になる場面がよくあります。

 

文化人類学とは、「文化」という概念を中心に、人間の行動や生活の様子を観察することで、その地域に根づく文化や社会のしくみを研究する学問です。インタビュー調査をしたり、時には現地の人たちと一緒に生活したりしながら、研究を行うことが特徴です。

 

例えば僕が活動する東アフリカのウガンダ共和国では、国際機関やNGOなどの援助関係者が足を踏み入れないディープなエリアにも、文化人類学者が研究で入っている場合があります。

 

草の根の国際協力に携わる一つの楽しさは、日本とは全く違う文化や人々の生活に触れられる点にあります。発展途上国でフィールドワークをして、その内容を卒業論文や卒業研究にするのもありですね。

 

外国語

二つ目のおすすめは、外国語。これは簡単に思いつくかもしれませんが、英語やフランス語などのポピュラーな言語というよりは、発展途上国でしか使われていないマイナーな言語をイメージしています。

 

NGO駐在員としてミャンマーで働く知人がいるのですが、その方は大学でビルマ語を勉強したことが一番役に立っていると話していました。草の根の国際協力なら、言語は実務でもすぐに役立ちますね。

 

ただ、そういったマイナーな言語は、東京外国語大学など限られた大学でしか専門的に学ぶことは難しいです。また、高校生や大学生の時点で「この言語が使われている、この国の、この問題に取り組みます!」と、一つに絞り切れる人はまずいないと思います。

 

そのため外国語だけではなく、同時に文化人類学や国際関係学、開発学を学べる大学に進むことをおすすめします。

 

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【断言】国際協力に英語は必要です【その理由と英語力の伸ばし方を紹介】 - 原貫太のブログ

 

統計学

三つ目のおすすめは、統計学。国際協力のプロジェクトを設計したり、評価をしたりするために、統計学の知識が活かすことができます。

 

例えば現地の人たちにインタビューを行って、統計的手法を使って何にどれだけのニーズがあるのかを調べたり、活動の成果を測ったりすることができるでしょう。

 

ただ、大学で統計学だけを専門に勉強するのって、それほど多くないと思います。政治経済学部に進学し、統計学の授業を中心に履修しながら、卒業論文では途上国で行ったフィールドワークの調査内容を統計の手法を用いて分析する…といったことをやれば面白いと思います。

 

国際関係論

四つ目のおすすめは、国際関係学。なんだかんだ言っても、迷ったら国際関係論を勉強すればいいと思います

 

ただ、「国際関係学は仕事で役に立たない」の記事でも書いた通り、ぶっちゃけ僕が普段仕事をしている中で、国際関係論の知識を活かす場面はほとんどありません。

 

でも、国際協力に携わる上で、世界の仕組みがどう変わってきたのか、どうなっているのかを学んでおくことは、社会に大きなうねりを生み出すためには必要なことです。僕が言っても説得力に欠けるので、国連事務次長のツイートを引用します。

 

 

ちなみに当時は、中満さんにこの引用リツイートをされたことがきっかけで僕のTwitterが炎上しました笑その詳細は以下の記事で書いています。

「国際関係学は役に立たない」のツイートが炎上した件に関して - 原貫太のブログ

 

とはいえ、やはり「国際関係学部」「国際〇〇学部」は、あくまでも国際協力の世界を薄く、広く勉強するだけの学部です。そのため「国際協力に興味はあるけど、まず何をすればいいか分からない」という人にはおすすめしますが、大学卒業後に何らかの現場で使える専門性が欲しい人にはおすすめしません

 

 

大学で国際協力を学ぶ人は、この記事を鵜呑みにはしないでほしい

国際協力 大学 おすすめ

僕は早稲田大学に通っていました

 

以上、今回は4つの大学(学問)をおすすめしてみました。

 

他にも「国際開発学部」などが挙げられますが、学部レベルで開発学を専門的に学べる場所は限られているのと、国際協力を仕事にしたい人に「おすすめは国際開発学部」と伝えるのはストレートすぎるので(笑)、今回は取り上げていません。

 

ただ、この記事を読んだ人に伝えたいことがあります。それは、この記事の内容をそのまま鵜呑みにはしてほしくないということです。

 

なぜそんなことを書くのか?その理由は3つあります。

 

国際協力と一言で表しても、関わり方はたくさんある

国際協力と一言で表しても

 

  • 国連職員になって政策作りに取り組む
  • NGOで広報ファンドレイジングを担当する
  • NGOの海外駐在員になる
  • フリーランスとして草の根支援に携わる
  • 開発コンサルタントとしてプロジェクトを管理

 

など、仕事として国際協力に関わる方法は一つではありません。詳しくは「国際協力を仕事にする7つの方法【JICAや国連だけではない!】」の記事を読んでください。

 

今回はあくまでも「民間、かつ草の根の国際協力に携わるなら」という視点で紹介しましたが、国際協力のどんな職種に就くか、どんな国際協力団体で働くかによって、大学で勉強するべき内容は変わります。

 

そのため「国際協力を仕事にするなら、大学で〇〇を勉強すればいい」と断言するのは難しいのです。

 

大学レベルの勉強だけではプロフェッショナルになることは難しい

これから大学に進んで勉強する人には厳しい話になりますが、大学の学部レベルの勉強だけでは、正直に言って国際協力のプロフェッショナルになることは難しいです

 

即戦力として働けるプロになるためには、大学院に進んで自分だけの専門性を身に着けたり、仕事の現場で実務経験を積んだりする必要があります。国際協力業界で働く人には、大卒なんていくらでもいますからね。

 

そのため「大学でこれを勉強しておけば大丈夫。国際協力の仕事を得られる」と断言することはできません。大学という環境だけではなく、そこを飛び出して様々な環境で自分の能力を磨く必要があります。

 

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国際協力を仕事にするためにやるべき11のこと【今日から行動を開始しよう】 - 原貫太のブログ

 

原の意見だけをそのまま鵜呑みにせず、他の人の話も聞こう

自分で言うのもアレですが、僕は国際協力に興味のある高校生や大学生には、かなり影響力のある人間だと思います。

 

実際に僕のTwitterやYouTubeには、現役高校生や大学生から「大学で何を勉強するのがおすすめですか?」と、頻繁に質問が届きます。

 

この記事を読んだ人が僕の意見をそのまま鵜呑みにして、他に検討したり、自分で調べたりせずに進路を決めてしまうのは、良いことだとは思っていません。なので、この記事を書くにあたっては、本当に慎重になりました。

 

あくまでも今回の記事の内容は、僕の一意見として受け止めてください。さっきも書いた通り、国際協力には多様な関わり方があるからこそ、色んな人から意見を聞くことが大切だと思います。

 

宣伝になりますが、僕が運営する国際協力系ブロガーサロンでは、様々なバックグラウンドで国際協力に携わる人が講演をやったり、みんなで一つのテーマで勉強会をやったりしています。

 

Zoomを使って「結局、国際協力を仕事にしたいなら大学では何を勉強するべきなのか?」というテーマでディスカッションもやっています。色んな視点から国際協力を学びたいという方は、ぜひご検討ください。詳細はこちら

 

大学で学ぶべき学問のおすすめは紹介したけど、国際協力をやりたい人に伝えたいことがある…

国際協力 大学 おすすめ

ウガンダ北部で行っていた公衆衛生プロジェクトの様子

 

大学で専攻するべきおすすめの学問は紹介しましたが、最後に3つほど、草の根の国際協力をやりたい人に伝えておきたいことがあります。

 

とにかく現場に出ろ!

はい、これです。とにかく現場に出てください。最初はスタディツアーでも一人旅でもいいから、まずは問題が起きている現地に行きましょう。

 

もちろん大学で学べることもたくさんあります。文化人類学の論文を一本読むだけでも、相当ディープな内容を学べるはず。

 

でも、国際協力の仕事に就きたい人には、とにかく現場に出てほしいと思います。ここで言う「現場」は、アジアやアフリカなどいわゆる発展途上国のフィールドです。

 

僕たちが最終的に向き合うことになる存在は「人」です。僕が国際協力の道を志すことが出来たのも、大学生の間にバングラデシュやウガンダで現地の人たちと向き合ってきたから。

 

机の上の勉強だけでは感じることのできない「国際協力の魅力」がそこにはあります。教科書を閉じて、現場に行きましょう。

 

大学の勉強を「仕事で役に立つか、役に立たないか」で決めなくていいのでは?

特に今の高校生や大学生は、短期的に実務で役立つものばかりを追い求めている傾向があります。彼ら自身が悪いのではなく、日本の新卒一括採用などの就職システムが原因だとは思いますが。

 

でも、大学で勉強する内容を「仕事で役に立つか、役に立たないか」という判断基準だけで決めなくてもいいのではないでしょうか?

 

特に国際協力は、人生をかけて挑むような大きなテーマ。国際協力は仕事ではなく、一つの生き方です。どこで何が役立つかなんて、予測を立てるのは難しい。

 

だから、短期的な損得で学ぶ内容を決めるのではなく、あなたの純粋な興味や好奇心で勉強する内容を決めてもいいのではないかと、僕は考えています。

 

大学の勉強だけではなく、本をたくさん読もう

国際協力の仕事に就いている人は、本を出している人が多いです。もちろん大学のようなアカデミックな環境でしか学べないこともたくさんありますが、すでに国際協力の仕事に就いている人から聞く体験談には、また違った学びがあります。

 

ぶっちゃけ「将来のキャリアに直結するか」という視点で考えると、大学で勉強するよりも本をたくさん読んだ方がいい気もしますね。

 

以下の記事では国際協力に関するおすすめの本を紹介しているので、ぜひあわせて読んでみてください。

国際協力おすすめ本32選 入門書から常識をブチ破る本、洋書までドドンと紹介 - 原貫太のブログ

 

 

以上、今回は国際協力の道に進みたい人が、大学で何を勉強するのがおすすめか解説しました。僕のブログでは他にも国際協力系の記事をたくさん書いているので、ぜひ読んでみてくださいね。