「世界平和に貢献できる仕事には、どんなものがあるのだろう?」
「将来は世界の貧困や戦争を解決する仕事に就きたい」
こんな疑問にお答えします。
フリーランス国際協力師の原貫太です。アフリカのウガンダ共和国にて、貧困層の子供たちに教育支援の活動を行っています。
貧困や紛争、環境破壊などの国際問題を解決し、世界平和を実現することが目的の国際協力。
国際協力には国連やJICAなど様々な関わり方・職業がありますが、世界平和の実現に貢献する仕事をしたいと考えている人なら、僕はNGO職員になることをおすすめします。
世界平和の実現を仕事にするNGO職員とは?
貧困や戦争、難民、環境破壊などの国際的な問題を解決し、世界平和を実現するために海外・国内で仕事をする人たち、それがNGO職員です。
NGOとは英語でNon Governmental Organizationの頭文字を取った略称で、日本語では非政府組織を意味します。
NGOは政府や国際機関とは違う民間の団体であり、利益を主要な目的にすることなく、貧困や戦争、環境破壊、人権侵害などの国際的な課題解決に取り組むことで、世界平和の実現に貢献することを目的とする団体です。
後ほど詳しく解説しますが、政府や国際機関とは違ってNGOはあくまでも民間の団体のため、活動内容が政治的利害や国益に左右されることが(基本的には)ありません。
日本には400以上のNGOが存在しますが、例えばかつて僕が働いていたテラ・ルネッサンスという団体は「世界平和の実現=すべての生命が安心して生活できる社会の実現」というビジョンを掲げています。
テラ・ルネッサンスは、アフリカでの戦争被害者の支援やアジアでの地雷撤去活動、また日本では平和教育活動などに取り組んでいますが、すべての仕事は「世界平和を実現する」というビジョンを達成するために行われています。
国際協力や平和活動に興味のない人からすれば、スピリチュアルな印象を持つ人もいるかもしれません。
しかし、NGOで働く人たちは純粋な思いで世の中を良くしよう、世界平和の実現に貢献しようと思って日々の仕事に取り組んでいます。決して怪しい活動をしている団体ではありません。
NGOについてさらに詳しく知りたい人は、こちらの記事も読んでみてください。
➡NGOとは何か?元NGO職員が日本一わかりやすく、簡単に解説します! - 原貫太の国際協力ブログ
世界平和が達成されると仕事を失う?!
NGO職員の間では、冗談交じりでこんな会話が交わされることがあります。
「私たちは世界平和が実現された時に、仕事を失ってしまうよね。」
そうです。NGOの最終的な目標は貧困や戦争、環境破壊など、あらゆる国際問題を解決すること、つまりは世界平和を実現することにあります。
だから、世界平和が実現された時にはNGOの役割も終わりを迎え、仕事を失ってしまうのです。
現実の世界を見ると、NGOの仕事が全く必要なくなり、世界から貧困や戦争などの問題が消滅する可能性は、残念ながら限りなくゼロに近いです。
経済成長を求め続ける資本主義社会が存在する限り、格差や貧困、環境破壊の問題がなくなることは恐らくありません。
また、問題が発生することを未然に防ぐという「予防」の観点からも、NGOが仕事をする意義はあります。
しかし、ただのレトリックに過ぎないとしても、自分たちの仕事が無くなる時というのは世界平和が達成された時。失業することは決して悲しいものではなく、むしろ喜ぶべきもの。
そんな考えを持ちながら日々の仕事に臨めるのは、NGO職員の面白さでもあります。
国連やJICAとは何が違うのか?
国連やJICAに就職しても国際協力、つまり世界平和の実現に貢献する仕事に携わることはできます。
念のため説明しておくと、国連は国際連合の略称で国際機関の一つです。JICAは国際協力機構の略称で、日本の政府機関の一つです。
NGOに比べると、国連やJICAの方が圧倒的に知名度は高いですよね。
もちろん国連やJICAで働く人たちの中には、世界平和を実現するために日々仕事に取り組まれている方がたくさんいます。僕の知人にも、国連やJICAで仕事をしている方はいます。
しかし、組織全体として見た時には、国連やJICAといった政治的な組織は、その政治性ゆえに身動きが取れなくなることもあり、今の世界では相対的にNGOが担う役割が大きくなっている、という現実があります。
ほんの一例にすぎませんが、国連とJICAの問題点を簡単に紹介します。
国連の中枢を担う安全保障理事会では、第二次世界大戦に勝利した5大国(アメリカ・ロシア・中国・イギリス・フランス)のみに拒否権が与えられています。
例えば過去には、シリア内戦を停めるための決議に対してロシアが拒否権を使ったり、パレスチナ紛争を停めるための決議に対してアメリカが拒否権を使ったりと、世界平和の実現とは逆行する動きも見られます。
国連の問題点について詳しく知りたい方は、こちらの動画をご覧ください。
また、JICAも基本的には日本の政府機関の一つであるため、意思決定が日本の国益に左右される場面も多いです。
例えばJICAがアフリカのモザンビークで行っていた大規模開発事業『プロサバンナ事業』は、現地の農民たちから大反対を受けていたにもかかわらず、日本の税金を使って何年も活動が続けられていました。
もちろんNGOに対する批判も存在します。
NGOの中にも(本来NGOは非政府組織のはずなのに)政治的利害に左右されている団体はありますし、国連やJICAのような大きな組織に比べると、生み出せる社会的なインパクトが小さいといった批判もあります。
国連・JICA・NGO・その他の国際協力を行う団体、それぞれにメリットとデメリットがあることは間違いありません。
しかし、国連やJICAのような極めて政治的な組織と比べると、民間の立場から国際協力を行うNGOのほうが、相対的に世界平和の実現には貢献しやすい仕事だと僕は考えています。
NGOにはどんな仕事がある?
NGOの仕事は多岐に渡っており、一言で説明することはできません。しかし、大きく分けると海外での仕事と国内での仕事にわけられます。
かつて僕が所属していたテラ・ルネッサンスでの仕事を具体例に説明します。
例えばテラ・ルネッサンスの場合、アフリカやアジアの発展途上国にて、難民や元子ども兵士の社会復帰支援を行ったり、地雷によって被害を受けた人たちの生計向上支援を行っています。
現地には日本人スタッフが駐在しており、支援活動をスムーズに進めるためのマネージャー的な役割で仕事をしています。NGOの海外駐在員がどんな仕事を行っているか興味のある方は、以下の記事を読んでみてください。
➡NGO駐在員がアフリカ人から学んだ、人と”繋がる”生き方【鈴鹿達二郎さんインタビュー】 - 原貫太の国際協力ブログ
僕自身はインターン生としてウガンダで仕事をさせてもらっていましたが、難民の人たちに足りない物資を渡す支援活動を行ったり、その準備のために調整役として動き回ったり、時には会計作業などの仕事にも関わっていました。
一方、NGOの仕事は海外だけではありません。日本にも本部となる事務所が置いてあり、そこでも職員が様々な仕事に関わっています。
例えば僕が国内事務所で仕事をしていた時は、アフリカやアジアでの支援活動を行うための資金を集めるため広報をやったり、寄付者として応援してくれる人たちに活動の報告をしたりしていました。
その他にも、イベントやセミナーを開催して、世界平和の実現に向かって多くの日本人を巻き込んでいく…そんな仕事もあります。
NGO職員になることに興味がある人は、こちらの記事も読んでみてください。
➡NGOに就職するには?新卒・中途で就職する具体的な方法や必要なスキルを解説 - 原貫太の国際協力ブログ
さいごに
様々な国際問題が存在する21世紀の今、世界平和を実現するのは決して簡単なことではありません。
海外で起きている貧困や戦争など、悲しいニュースを目にするたびに「世界平和の実現なんて不可能なのではないか」と、絶望感に襲われる時もあります。
しかし、決して簡単なことではないからこそ、世界平和の実現に向かって日々貢献することができるNGO職員の仕事は、非常にやりがいがあります。
僕のブログでは国際協力やNGOに関する記事を多数アップしていますので、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
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