フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。今回の記事では、
- 国連公用語は何か?
- 国連公用語に日本語が加わらない理由は?
- 国連公用語を勉強するなら、どの言語がおすすめか?
を解説します。
こちらの記事もよく読まれています➡【断言】国際協力に英語は必要です【その理由と英語力の伸ばし方を紹介】 - 原貫太のブログ
国連公用語は何?
国連憲章が規定する国連公用語は中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語の5か国語ですが、1973年にアラビア語が加えられ、現在の国連公用語は6か国語となっています。
それぞれの国連公用語を話者人口別にみると、
- 英語…5億3000万人
- フランス語...1億2,300万人
- スペイン語...4億2,000万人
- 中国語...13億7,000万人
- ロシア語...1億8,000万人
- アラビア語...2億3,000万人
となっています。(参照「世界の言語ランキングTOP31!アラビア語が驚異の成長率に」)
国連公用語には常任理事国の言語を反映している
国連の中でも、唯一法的な拘束力を持つ安全保障理事会。その常任理事国はアメリカ・イギリス・フランス・中国・ロシアです。
国連公用語には、常任理事国で使われている言語が反映されていますね。英語、フランス語、中国語、ロシア語がそうです。
スペイン語が国連公用語になっている理由
スペイン語が公用語になっている理由としては、第二次世界大戦前からスペインが世界各地に植民地を持っており、世界中に多くの話者がいたというのが大きな理由です。
特に中南米に多く、またアメリカの一部にもスペイン語を話す人は暮らしています。
アラビア語が国連公用語に追加された理由
アラビア語は1973年に国連公用語に追加されました。その理由としては、
- 中国語以外の公用語はすべて西欧諸国の言語
- 中東~北アフリカではアラビア語の話者が多い
などが挙げられますが、「なぜこのタイミングで国連公用語に追加されたのか?」は、僕もわかりませんでした。
調べたところ「オイルショックをきっかけに…」などが見られましたが、根拠が曖昧。何か情報をお持ちの方は、ぜひ教えてください。
国連公用語に日本語が加わらない理由は?
国連公用語に日本語が加わらないの理由を考えたことある人はいませんか?
戦後70年以上が経ち、日本はGDPで世界の上位をずっとキープしてきました。また、国連分担金でもアメリカに次ぐ2位を長年占めてきました。
「そろそろ日本語が国連公用語に入ってもいいんじゃないの?」と思っている人もいるかもしれません。
日本以外にも、同じく第二次世界大戦の敗戦国でありながら、今ではヨーロッパ統合で大きな役割を果たすドイツ(ドイツ語)、世界第二位の人口を誇り、経済成長著しいインド(ヒンドゥー語)など、国連公用語に加えられてもおかしくない言語は他にもあります。
では、なぜ日本語やドイツ語が新しく国連公用語にならないのでしょうか。その理由は、新たに言語を導入することによって生まれるメリットよりも、デメリットのほうが圧倒的に大きいからです。
現状でも6つの言語が公用語になっている国連では、翻訳業務一つとっても、莫大な経費と人員が必要です。実際には英語とフランス語による運用がほとんどである国連では、公用語を増やすことによって生まれるデメリットの方が大きいのです。
そのため、日本語は国連公用語に加わらないのです。
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国連公用語を勉強するならどの言語がおすすめ?
国連公用語を勉強するなら、どの言語を勉強するべきでしょうか?
国連公用語を勉強するなら、まずは英語から始めよう
言うまでもありませんが、国連公用語を勉強するなら、まずは英語から始めましょう。英語が話せない状態でフランス語や中国語に手を出すのは、賢明とは言えません。
日本人のほとんどは、英語力の基礎は学校教育である程度築かれているはずです。そのためゼロから始めるその他の国連公用語よりは、英語を習得するまでの道のりの方が相対的には楽になるでしょう。
また、フィールドレベルでの国際協力に携わりたい場合、その多くは英語で仕事が行われています。詳しくは以下の記事に書いたので、こちらもあわせてご覧ください。
➡【断言】国際協力に英語は必要です【その理由と英語力の伸ばし方を紹介】 - 原貫太のブログ
興味のある地域に対応した国連公用語を勉強しよう
英語ができることを前提とするならば、自分が活動対象にしたい地域の言語を勉強するのがいいでしょう。アフリカならフランス語、中東ならアラビア語、南米であればスペイン語といった具合に。
ただ、国連ポストの応募条件としては、「英語またはフランス語での業務遂行が可能であること」が多くの場合設けられているため、どの言語を学ぶべきか迷っている人にはフランス語をおすすめしておきます。
でも、いつか「言葉の壁」はなくなりそう
一方で、これからAI(人工知能)が進化していくことによって、「言葉の壁」は無くなることが期待されています。先日、Googleが40か国以上の言語をリアルタイムで翻訳するイヤホン「Pixel Buds」を発表したことが、大きな話題になっていましたね。
そのうち国連会議での「同時通訳」という仕事は、なくなる可能性があります。また、語学で不利な立場にある日本人が国連職員になりやすい日も、遠くない将来訪れるかもしれませんね。
国連公用語 総まとめ
- 国連公用語は英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、中国語、アラビア語
- すでに6つの言語が国連公用語になっている現状、日本語などが新たに国連公用語として追加されることにはデメリットが大きい
- 国連公用語を勉強するなら興味のある地域から選ぼう。英語はできてあたりまえ。もう一つの言語はフランス語がおすすめ。
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