フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。1年の半分をウガンダで生活しています。
この記事ではウガンダの治安情報と旅行者に実践してほしい5つの安全対策をまとめています。最後の更新は2020年3月13日、首都カンパラに滞在しながら編集しています。できる限り最新情報を載せるように努めています。
ウガンダの治安をざっくり説明すると、首都カンパラは貧富の格差も大きく、一般的に「治安はそれほど良くない」と言われています。こんな表現をされることもありますね。ウガンダは隣国ケニアよりは治安が良いが、ルワンダよりは治安が悪い、と。
ウガンダ旅行者の多くが心配する治安について、在住者だからこそ伝えられるナマの情報をお届けします。
- ウガンダの治安、まずは外務省の情報をチェック
- ウガンダ在住の日本人が語る治安情報
- カンパラと田舎の治安には大きな差がある
- ウガンダで夜間移動する時は乗用車のタクシーを使おう
- 2020年、ウガンダの治安は(2020年3月13日更新情報)
- ウガンダ旅行中は最低限意識!5つの安全対策を紹介
- ウガンダを旅行するなら海外旅行傷害保険を準備しよう
- さいごに
ウガンダを旅行する人向けに観光プランを作ってみました。こちらの記事もあわせてご覧ください➡ウガンダを観光する人向けに6日間プランを現地在住者が作ったよ - 原貫太のブログ
ウガンダの治安、まずは外務省の情報をチェック
ウガンダの治安について僕が解説する前に、外務省の「海外安全ホームページ」の情報にも軽く目を通しておきましょう。
記事更新の2020年3月13日現在、ウガンダの治安レベルは以下のようになっています。
記事更新の2020年6月25日現在、ウガンダはコロナウィルス対策の関係で入国制限を課しています。渡航予定のある方は外務省の海外安全ホームページにも一度目を通しておきましょう。
「海外安全ホームページ」より引用
国境付近では一部
- レベル3:渡航は止めてください
- レベル2:不要不急の渡航は止めて下さい
が出ていますが、ウガンダのほぼ全土で
- レベル1:十分注意してください
となっています。これは毎年多くの日本人が旅行するフィリピンの首都マニラと同じレベルです。
ウガンダを旅行するほとんどの人は首都カンパラに滞在します。旅行で南スーダンやコンゴ民主共和国との隣接地域に足を運ぶ人は、まずいないですよね。
ウガンダ在住の日本人が語る治安情報
僕もお世話になっているウガンダでバイク便ビジネスを営む伊藤淳さんは
治安も隣国に比べると安定しており、気を付ければ夜間でも外に出歩く事ができます。
とはいえ、もちろん、日本のような治安は望めません。外務省のページでは現在、カンパラ付近は「危険を避けるため、特別な注意が必要です」と書かれておりますし、ナイフによる窃盗や強盗は頻繁にあるので、初めて来られる方は注意が必要です。(「住所のない国で、地図の読めない人たちと、バイク便事業を始めた話。」より引用)
と語っています。
旅行者のほとんどが滞在する首都カンパラは、経済発展が著しく、貧富の差も年々拡大しています。ダウンタウンに行けば路上で暮らすストリートチルドレンも多いです。
日本人が歩いていたら、まず物乞いされるでしょう。僕も数え切れないほど「お金をください」と言われてきました。
他にも、カンパラで乗り合いタクシー(マタツ)を使った旅行者が、気づかぬ間に財布やスマホをすられたという話も聞きます。ウガンダ人も含めれば、小さな犯罪は日常茶飯事で起きています。
しかしながら、現地で生活する駐在員であっても、殺人や強盗といった凶悪犯罪に巻き込まれるのは2~3年に一回あるかないかと言われています。この後紹介する安全対策を実践していれば、ウガンダの治安はそれほど心配する必要はありません。
カンパラと田舎の治安には大きな差がある
ウガンダのようなアフリカ諸国では、一般的に田舎に行けば行くほど治安は良くなっていきます。
先ほども書いたように、カンパラでは貧富の格差が拡大しているため、スリや強盗などの犯罪も起きています。その一方、ウガンダの田舎では多くの人が農業や牧畜で生計を立てており、地域内の経済格差はほとんどありません。
そのため、金銭目当ての犯罪もカンパラと比べれば圧倒的に少ないです。
その一方で田舎に滞在すると、マラリアなどの病気に感染する危険性が高くなります。僕は日本人一人で地方に出張することが多々ありますが、その際は虫よけ対策は念入りにしていますね。
話が治安からそれるので深堀りしませんが、田舎に滞在予定がある人はマラリアの対策をしっかりとやりましょう。こちらの記事で詳しくまとめています。
➡【アフリカ旅行者向け】6つのマラリア対策【薬は現地購入】 - 原貫太のブログ
ウガンダで夜間移動する時は乗用車のタクシーを使おう
隣国ケニアの首都ナイロビに比べるとウガンダの治安は全体的に良いものの、それでもカンパラで夜間に徒歩移動するのは危ないです。できる限り乗用車のタクシーを使うようにしてください。
バイクタクシーでの移動もおすすめしません。理由は二つ、
- 強盗に遭う可能性があるから
- 事故に遭う可能性があるから
です。
特に夜間、流しのバイクタクシー(その辺を走っているバイク)を使うのは非常に危険です。犯罪集団と運転手がグルになって強盗を行う事件がよく起きています。運転手が合流地点まで乗客を連れていき、待ち構えていた集団が一斉に襲い掛かるのです。
また、ウガンダの道路は所々に大きな穴が開いており、夜は暗いため運転手さえも気づくことが難しいです。そのため走行中に穴にはまってしまい、転倒する事故が多発しています。
治安と安全を考慮し、多少お金が高くなったとしても、夜間の移動には乗用車のタクシーを使うようにしてください。
なお、首都のカンパラであれば通常のタクシーよりもアプリで配車できるUberが圧倒的に便利かつ安いです。僕も重宝しています。夜もかなり遅い時間まで車が走っていますね。
こちらのプロモーションリンクからアカウントを作成すると、一回分の無料乗車を手に入れることができます。出発前にアカウントを用意しておきましょう。
ウガンダでUberを使う方法はこちらの記事で詳しくまとめています。あわせてご覧ください。
➡ウガンダでタクシー使うならUberがおすすめ!使い方や注意点を説明 - 原貫太のブログ
2020年、ウガンダの治安は(2020年3月13日更新情報)
ウガンダには知り合いの日本人が多数生活していますが、治安情勢に大きな変化が起きている話は聞いていません。
2020年1月に日本人がマタツ(乗り合いタクシー)に乗車中、左ポケットに入れていたスマートフォンを盗まれる事案が起きていますが、こういったスリ、特にマタツ乗車中のスリは頻繁に起きています。
僕の知人もマタツ乗車中にスマートフォンを盗まれ、突然知らない場所で降ろされたことがあります。マタツに乗る場合、バッグは前に抱える、ポケットには何も入れないなど、荷物管理にはくれぐれも注意してください。
また、ウガンダ人の友人から「最近は夜間に家に強盗が入る事件が多発している」という話を聞きました。幸いなことに侵入までは至りませんでしたが、知り合いの日本人在住者宅にも強盗がやって来たと聞いたことがあります。
ウガンダで15年以上働く知人に聞いたところ、ここ10年ほどでウガンダは確実に治安が悪くなっているようです。特に強盗や窃盗の件数が増加傾向にあるとのこと。貧富の格差が拡大したり、物価が上昇していることが原因でしょう。
さらに、2020年3月現在、コロナウィルスの世界的流行に伴い、アジア人がカンパラ市内を歩いていると「コロナ!」と差別的言動をされることがあります。大抵は相手もふざけて言ってきているだけなので、感情的にはならず、足早にそこから離れることをお勧めします。
ウガンダはアフリカの中でも比較的治安の良い国ではありますが、十分に気をつけながら行動するようにしてください。
ウガンダ旅行中は最低限意識!5つの安全対策を紹介
ウガンダ旅行者ができる安全対策をいくつか紹介します。基本的にはその他のアフリカ諸国を旅行する時にも応用できます。
人込みは治安が悪い。リュックは前に持とう!
どんな国でも、人がごった返す場所の治安は悪いです。ウガンダも例外ではありません。
カンパラのバスターミナルやマーケットはいつも人で溢れていて、治安が悪いです。こういった場所に長時間滞在していると、主にスリなどの軽犯罪に巻き込まれる可能性があります。
人ごみの中を歩く時は、リュックサックは前に持つようにしてください。スリを回避するためです。また、そういった場所に行く時は貴重品や大金は携帯せず、身軽な格好(肩掛けポーチ一つなど)で足を運ぶようにしてください。
他にも、防犯・防刃機能付きのリュックサックでウガンダに行くこともお勧めです。先日ウガンダに一人で旅行に来た女子大生も使っていました。これから色々な国を旅行する方は一つ持っておくといいでしょう。
なお、スリや窃盗のターゲットにならないためには、旅行中の服装も大事です。アフリカ旅行者向けの服装をまとめた記事もありますので、こちらもあわせてご覧ください。
➡アフリカ旅行の服装 移動の機内からサファリの服装まで解説 - 原貫太のブログ
ホテル選びは慎重に。周辺の治安情報もチェック!
特に学生の場合、お金を節約することを意識するばかり、安全面を考慮せず宿泊先を決めてしまう人がいます。
ウガンダで安宿に泊まるリスクとして、外出中にホテルの部屋に置いていた貴重品を盗まれるケースがあります。鍵を持つ従業員が部屋に入って盗み、そのままどこかへ逃げてしまうことも。ウガンダでインターンをしていた友人は、大事にしていた一眼レフカメラやMac Bookをホテルで盗まれました。
ウガンダに到着してからホテルを探すのではなく、出発前にエクスペディアなどを使って事前に予約しておきましょう。ウガンダであればネットに情報を掲載するホテルがたくさんあります。口コミもチェックしてください。周辺の治安情報が分かるかもしれません。
ウガンダではAirbnbも使えます
ウガンダでもAirbnbが普及しています。一泊10ドル程度でも綺麗なゲストハウスに宿泊できますね。
個室やシェアルームを選択すれば、現地の人や他の旅行者とも交流できるはず。旅先での出会いが好きな人は、ウガンダでAirbnbを利用しても面白いでしょう。
※まだAirbnbのアカウントを持っていない人は、こちらから登録すると初回旅行が3,700円オフになるクーポンが貰えます。
治安よりも交通事故に気をつけて
ウガンダを旅行していて最もリスクの高い有事は、殺害や強盗、窃盗ではなく、間違いなく交通事故です。
ウガンダでは交通ルールなどあってないようなもの。法定速度を超過するのはもちろん、割り込みや追い抜き、反対車線の逆走は日常茶飯事です。先月だけでも公共バスが横転する死亡事故が2件も起きています。
こちらの写真は目の前で大型トラックが横転した時の様子。僕が撮影しました。人だかりができていますね。
ウガンダ国内をバスで長時間移動する場合、昼間の便を選ぶようにしてください。朝の8時か9時に出発するバスが多いです。夜間のバスはよく事故っており、運転手を寝させないため一晩中音楽がかかっていることもあるため、かなりしんどいです。
また、ウガンダのバイクタクシーでは、基本的に乗客はヘルメットを着用しません。バイクタクシーを使う人は、乗車前に「ゆっくり走ってくれ」と運転手に一声かけておきましょう。
なお、ウガンダのUberではバイクタクシーを呼ぶことも可能です。僕の印象では、一般のバイクタクシーよりもUberの方が安全に気を使いながら運転する人が多い印象。Uberのアカウントは必ず用意しておきましょう。
ウガンダ人でも寄り付かない場所は避ける
言うまでもありませんが、ウガンダの人でも寄り付かない場所には興味本位でも足を運んではなりません。例えばカンパラの場合、貧困層の人たちが暮らしているエリアは現地の友人も近寄りたがらないですね。
ウガンダに到着したら、ホテルのスタッフに「この周辺で行ってはいけない場所はある?」と訊いてみるのもいいでしょう。
旅行者が訪れることはまずないと思いますが、ウガンダの場合、隣国コンゴや南スーダンとの国境付近に近寄るのは絶対にやめましょう。
ウガンダ滞在中はネット環境を常に保つ
ウガンダを旅行している間、常にネット環境を保つことも一つの安全対策になります。道に迷ったらすぐに調べられるし、カンパラならその場からUberを呼ぶことも可能です。
僕はSIMロック解除したiPhoneに現地で購入したSIMカードを挿して使っているのですが、中にはSIMロック解除できないスマホを持っている人もいるかもしれません。そんな人はウガンダ旅行用にSIMフリーのスマホを一つ用意しておきましょう。
SIMフリーのスマホを一つ持っておけば、その他の国に海外旅行した時にも、現地のSIMカードさえ買ってしまえばネットに繋げます。イオシス のような中古サイトを使えば、SIMフリー機種も安く購入できます。
「現地でちゃんとSIMカードを購入できるか不安…」「ウガンダを旅行するためだけにSIMフリーのスマホを買うのはもったいない…」という人たちは、海外Wi-Fiレンタル をウガンダに持っていきましょう。
おすすめはイモトのWiFi 。ウガンダ以外にもアフリカでは40ヶ国以上に対応しています。一日1,580円でレンタル可能です。出発30日以上前に予約すると早割が適用されます。
なお、その他のアフリカ旅行の持ち物に関しては、こちらの記事でリスト化してまとめています。旅行準備をする際にご覧ください。
➡アフリカ旅行の持ち物リスト39選【必需品から隠れた便利グッズまで】 - 原貫太のブログ
ウガンダを旅行するなら海外旅行傷害保険を準備しよう
ここまでウガンダの治安事情と旅行者ができる安全対策を紹介しました。
一方で、どんなに用心しながら行動していても、ウガンダ旅行に予期せぬハプニングは付き物。リスクをまったくのゼロにすることは不可能に近いです。
だからこそ、日本のような治安は期待できないウガンダを旅行する際は、海外旅行傷害保険を準備しておきましょう。
旅行中に何かトラブルに巻き込まれ、保険に加入していなかったために思い出が台無しになるのはもったいないですから。一週間のウガンダ旅行なら、保険費用は5,000円が平均的な価格です。
なお、この記事の最後でも解説していますが、僕はウガンダに来るときクレジットカード付帯の海外旅行傷害保険を利用することで保険費用を節約しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
➡アフリカでクレジットカードは使える?VISA以外はダメなの?NGO職員が解説 - 原貫太のブログ
さいごに
ウガンダの治安は基本的に安定しています。日本人旅行者も確実に増えていますね。
カンパラ滞在中には用心が必要ですが、基本的な注意事項さえ守っていれば、そこまで心配する必要もありません。
しかし、リスクを全くのゼロにすることは不可能です。お金で買える安全と健康があれば迷わずに買いましょう。万が一のケースも想定しながら、旅行の準備にはしっかり時間を割いてくださいね。
【追記】ウガンダ旅行の費用を5,000円節約する方法
記事を読んでくださり、ありがとうございました。さいごに、ウガンダのような途上国を旅行する時にできる旅費節約の方法をご紹介します。
これは、僕がウガンダに行く時に毎回やっている方法です。
記事の中で、日本のような治安は期待できないウガンダを旅行するなら、海外旅行傷害保険は必須とお伝えしました。
しかし、当然ですが保険費用が加わるためその分旅費は高くなってしまいます。例えば一週間のウガンダ旅行なら、5,000円くらいがかかりますね。
できることなら旅行保険には入らず、少しでも旅費を浮かせたいですよね。もし帰国するまで何も問題が起きなければ、支払った保険代は正直もったいない気もしてしまいます…。
でも、行き先はアフリカのウガンダです。現地で何が起きるか分かりませんから、安心材料としても何らかの保険は絶対にあった方がいい。
ということで、保険費用を節約したいという人は、海外旅行傷害保険が付帯されるクレジットカードをウガンダに持っていきましょう。中でも一番おすすめなのがEPOSカードです。
※なお、盗難やATM吸い込み被害、また一時的な利用不可になる可能性を考慮し、海外旅行には2枚以上のクレジットカードを持っていくのが鉄則です。2枚目、3枚目のクレジットカードとしてもEPOSカードをご検討ください。
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ウガンダを旅行する方向けに観光プランを作ってみたので、参考にしてください。