フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。この記事ではNPOやソーシャルの分野に関心ある人向けに、
- NPO入門者におすすめの本
- NPO法人を設立したい人におすすめの本
- NPOで働くロールモデルを知りたい人におすすめの本
3つのカテゴリーにわけて、NPO関連のおすすめ本を紹介しています。僕は大学在学中にNPO法人を起業した人間ですが、その際に活用していた本も紹介しています。参考になれば幸いです。
NPO入門者におすすめの本
「そもそもNPOとは何か?NPOとNGOの違いは何か?NPO職員はお給料が出るのか?」などなど、NPOのことをまだほとんど理解していない方におすすめの入門書です。
初歩的な疑問から答える NPOの教科書☚おすすめ
NPOを基礎の基礎から理解したい人は、この本だけ読んでおけば大丈夫です。僕自身もNPO法人の設立を考えた時、まず最初に手に取った本がこれでした。NPO入門書として一番おすすめです。
NPO初心者である乙武洋匡さんが、NPOの世界で17年以上働く佐藤大吾さんに質問する形で話が進んでいくため、読んでいて飽きません。NPOの全体像をつかみたいという方には、この本をおすすめします。
ちなみにNPOに関するブログは僕も多数書いているので、こちらの記事も読んでみてください。
➡NPOとNGOの違いを日本一わかりやすく解説【誤解してる人が多すぎる!】
NPO法人を設立したい人におすすめの本
NPO法人を設立したい人におすすめの本を4冊まとめました。僕もNPO法人を設立した時、実際に活用していた本です。
新版 自分たちでつくろうNPO法人!☚おすすめ
NPO法人を設立したい人は、この本は一冊持っておきましょう。というか設立に必要な情報は、もしかしたらこの本だけでも十分かもしれません。
NPO法人を設立する際、仲間集めや事業方針の決定が終わった後に取り組まなくてはならない一番大変な作業は、書類作成です。NPO法人設立に必要な書類は、全部で11種類あります。
- 設立認証申請書
- 定款
- 役員名簿
- 就任承諾及び各役員の誓約書の謄本(写し)
- 各役員の住所または居所を証する書面(住民票の写し)
- 社員のうち10人以上の者の氏名・住所または居所を記載した書面
- 確認書
- 設立趣旨書
- 設立について意志の決定を証する議事録の謄本
- 設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書
- 設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書
中でもNPO法人の目的や事業、運営のルールなどをまとめた定款の作成は、非常に工数がかかります。
ですが、『新版 自分たちでつくろうNPO法人!』では具体的な定款の書き方や細かな留意点など、非常に丁寧に解説してくれているので、問題なく完了できました。
認証・登記から税務・保険、認定NPO法人や特例認定NPO法人のことまで、この本さえ持っておけばNPO法人の設立は問題なく進められると思います。
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NPO法人の給料は231万円。そのお金はどこから出る?元NPO職員が解説
NPOの法律相談――知っておきたい基礎知識60
NPOの経営や法務に携わる上で、勉強しなくてはならないのが「法律問題」。僕も本やネットで勉強しましたが、すべてを記憶に留めておくのは難しいです。
『NPOの法律相談』では、NPOを設立し、運営してから出てくる法律問題を一問一答形式で全60テーマ取り上げているため、何かわからないことがあればその都度開く…といった形で活用していました。例えば、
Q.02:NPO法人の設立にはどのような手続きが必要ですか。どのくらいの時間と費用がかかりますか。
Q.11:理事・監事は具体的に何をするのでしょうか。また、どのような方になっていただくのがよいでしょうか。
Q.25:個人からの小口の寄付又は出資をたくさん集めたいと思っています。どのような方法がありますか。また、それぞれの注意すべき点を教えて下さい。
Q.35(2):大学生のインターンを受け入れることになりました。気をつけるべきポイントを教えて下さい。
など。どのクエスチョンも、NPOの専門家に聞きたくなりませんか?
NPOが仕事の人なら、ずっと愛用できる本だと思います。少なくとも団体として一冊は持っておくことをおすすめします。
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NPOとボランティアの違いは?NPOは組織、ボランティアは個人を表す言葉です - 原貫太のブログ
ファンドレイジングが社会を変える (非営利の資金調達を成功させるための原則)☚おすすめ
NPOを設立する以上、お金と向き合う必要があります。「社会に良いことをしているのだから、自然と寄付は集まってくるだろ~」なんて呑気なことを考えていたらダメです。
NPO経営者になる以上はファンドレイジング、つまり「資金調達」と向き合わなくてはなりません。
『ファンドレイジングが社会を変える』の著者であり、日本ファンドレイジング協会代表理事も務める鵜尾雅隆さんは、このように述べています。
ファンドレイジングを「単なる資金集めの手段」ではなく、「社会を変えていく手段」として捉え直す(『ファンドレイジングが社会を変える』より引用)
この本では、ファンドレイジングを成功させるための具体的なステップに加えて
- そもそもNPO関係者はファンドレイジングをどう捉えるべきか?
- 日本には寄付文化が存在しないというのは本当なのか?
など、NPOとは切っても切れないファンドレイジングの哲学からメソッドまで、幅広く学ぶことができます。NPO法人を設立するなら、一度メンバー全員で輪読会をやることをおすすめします。
非営利団体の資金調達ハンドブック
『ファンドレイジングが社会を変える』を読んだら、次はこの本を読んでみましょう。さらに踏み込んだ資金調達の方法を学ぶことができます。
「ハンドブック」とあるくらいなので、内容はかなり具体的。例えば
「NPOのウェブサイトの寄付メニューで「寄付会員になって継続的に支援(月々1000円から)」と「今回のみ自由な金額で寄付する」の2つのタブを設け、「継続支援」をディフォルトとする(導線を「太目」にする)。
アフリカの貧困の統計を示して寄付を訴えるより、特定の名前の子どもの困窮の話で訴える。感情に訴える、「誰のために」が大切。延々と統計データで説明すると感情のスイッチが切れる。
助成金申請書はタイトルを見ただけで「これに取り組むことで、喫緊のこの課題が解決する(あるいは、こうした効果が出る)」ということが分かるようにしておく。(Amazonの商品紹介ページより引用)
など。NPO法人創業者の方はもちろん、ファンドレイジング担当の方も読んでおくことをおすすめします。
というよりも一冊手元に置いておけば、これを見ながら日々のファンドレイジング業務に取り組むことができますね。
なめらかなお金がめぐる社会。 あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。
クラウドファンディングを運営するCAMPFIRE創業者・家入一真さんの著作。家入さんはNPOで働く方ではありませんが、NPOやソーシャルの道に進みたい方にはおすすめしたい一冊です。
NPO法人を設立すると、「お金とは何か?」という課題と向き合うことになります。行き過ぎた資本主義を再考しつつ、「社会にとって良いお金の回り方」を考えるためにおすすめの本です。NPO関係者の多くが読んでいます。
NPOで働くロールモデルを知りたい人におすすめの本
NPOやソーシャルの分野で働く人の自伝本や本人執筆の著書でおすすめの本です。
こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した☚おすすめ
僕もかつてインターンをしていた、アフリカで元子ども兵や紛争被害者の支援に取り組む認定NPO法人テラ・ルネッサンス創業者、鬼丸昌也さんの自伝です。
NPO分野の中でも、特に国際協力の道に進みたい方やNGOの起業を考えている人におすすめの本です。鬼丸さんがどのようにしてテラ・ルネッサンスを作っていったか、どんなことを考えながら設立したのか、そのプロセスがよくわかります。
僕も大学在学中にNPO法人を起業した時、この本を参考にしました。モチベーションもわいてくる一冊です。
20代からはじめる社会貢献: 400社が支援した「社会起業」とは
思い返せば、僕が人生で初めて読んだNPOに関する本はこれでした。高校生の頃に父親からおすすめされたのを覚えています。
著者はNPO法人Table For Two代表の小暮真久さん。食事代の一部(20円)がアフリカの学校給食支援に充てられる仕組みを作った方です。
Table For TwoはNPO法人ですが、画期的な仕組みが求められるソーシャルビジネスの具体例を知りたい人にもおすすめの本です。
「社会を変える」を仕事にする ― 社会起業家という生き方
日本のNPO業界では第一人者である、認定NPO法人フローレンス代表・駒崎弘樹さんの本です。
NPOやソーシャルビジネスを志す人にとって、駒崎さんは間違いなくロールモデル。NPOの道を志す学生にも人気の本です。おすすめします。
以上、NPOに関連するおすすめ本を全部で9冊紹介しました。以下の記事では国際協力に関連するおすすめ本を紹介しているので、あわせて読んでみてください。