原貫太の国際協力ブログ

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NPOとボランティアの違いは?NPOは組織、ボランティアは個人を表す言葉です

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。この記事では「NPOとボランティア」の違いを解説します。

 

僕は大学在学中にNPOを起業した経験があるのですが、当時は「NPOってボランティアですよね?どうやって生計を立てるのですか?」と何度も質問されました。

 

NPOにはボランティアでも関わることはできますが、仕事として給料をもらいながら関わることもできます。そのため「NPO=ボランティア」と考えてしまうのは、誤解です。

 

NPOとボランティアの違いを明確にしておきましょう。

 

 

NPOとボランティアの違いは?

NPO ボランティア 違い

NPOとボランティアの違いは、組織に注目するか個人に注目するか

 

NPOとボランティアの違いは、NPOが社会貢献活動を行う「組織」に注目する言葉である一方、ボランティアは「個人」に注目する言葉という点にあります。

 

ボランティアもNPOも社会貢献活動を行うという点では同じ意味ですが、ボランティアはそれを行う個人を、NPOは組織を指す言葉と理解してください。

 

NPOはNon-Profits Organizationの略称です。日本語では「非営利組織」と訳します。

 

NPOは構成員に対して収益を分配することなく、社会貢献を主な目的とする組織を指します。このうち、NPO法人格を取得した団体はNPO法人と呼ばれます。

 

一方のボランティアとは、

 

  • 自発的に
  • 利他性のある活動を
  • 無報酬で行う個人

 

を意味します。あくまでもボランティアは、社会貢献を行う「個人」であると理解しておきましょう。

 

NPOは社会貢献をしたい人たちが集まって構成される組織です。上の図で示したようにNPOにはボランティアだけではなく、有給職員も含まれます。

 

NPOとボランティアの違いは、あくまでもNPOが組織全体に着目し、ボランティアがそれを構成する個人という点にあるのです。

 

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NPOが全員ボランティアなら、持続可能な組織とは呼べない

NPO ボランティア 違い

NPOにはボランティアだけではなく、有給職員もいる

 

NPOはスタッフ全員がボランティアというわけではありません。ボランティアで活動する人もいますし、お金をもらいながら有給職員として働く人もいます。

 

NPOは日本語で「非営利団体」と呼びますが、この「非営利」という呼び方が「NPOは全員ボランティア」と誤解を招く大きな原因になっています。つまり、

 

NPO

非営利団体

営利に非ず

無報酬で行う

ボランティア

お金を取るべきではない

 

という構図ができてしまっているのです。

 

「NPOは非営利なんだから、お金は取らないでしょ?」と考えている人がいますが、もしNPOが全くお金を取らず、スタッフ全員がボランティアで活動していたら、持続可能な組織とは呼べませんよね?

 

事務所の維持費や職員の給与、交通費、プロジェクトを実行するための費用など、NPOが活動を継続するためにはお金が必要になります。あたりまえのことです。

 

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NPOはあくまでも「営利のためではない」組織

NPO ボランティア 違い

起業したNPOの代表として、難民支援をしていた

 

お金をもらうこと自体は、営利活動ではありません。NPOとは「活動の第一の目的が利益を生むことではなく、社会課題の解決にある組織」です。これは内閣府の「NPOホームページ」にもハッキリと記載されています。

 

「NPO」とは「Non-Profit Organization」又は「Not-for-Profit Organization」の略称で、様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称です。

したがって、収益を目的とする事業を行うこと自体は認められますが、事業で得た収益は、様々な社会貢献活動に充てることになります。

 

そのため、「NPOはお金を取ることもあるけど、それは利益を出すことを目的としているわけではなく、最終的に社会貢献を行うためにお金を取っている」と理解してください。

 

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NPOをボランティアではなく、仕事にしよう

NPOの多くは限られた資金と人員で活動しており、有給職員だけではすべての仕事が回らないのが現状です。

 

そのため、ボランティアやインターンに支えられているNPOはとても多いです。

 

この記事を読んでいる方がNPOの活動に携わりたいと思ったら、よほど経験やスキルがある人でなければ、まずはボランティアやインターンから始まることになるはずです。

 

しかし、社会課題が複雑化している今、NPOの活動は社会から間違いなく求められています。だからこそ、ボランティアではなく、しっかりとした「報酬」を受け取りながら携わる人が増えるべきだと僕は思います。

 

NPOの活動がもっと認知され、ボランティアではなく、より主体的に、より持続可能な形で働く人が増える社会になるといいですね。

 

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NPOとボランティアの違い まとめ

  • NPOとボランティアの違いは、NPOは社会貢献活動を行う「組織」に注目する言葉である一方、ボランティアは「個人」に注目する言葉
  • NPOのスタッフにはボランティアだけではなく、有給職員もいる
  • NPOの活動は社会から求められているからこそ、ボランティアではなく仕事として行う人が増えていくべき。

 

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