原貫太のブログ

フリーランス国際協力師原貫太のオフィシャルブログです

NPOとNGOに違いはありません【その理由を世界一わかりやすく解説】

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。僕は大学在学中に国際協力NGOを立ち上げ、NPO法人化まで完了させました。

...もしかしたら、この文章を読んで「ん?」と思った人がいるかもしれませんね(笑)

 

でも、安心してください。この記事を最後まで読めば、NPOとNGOの違いを本質的に理解できるはずです

 

最初に結論を言っておくと、そもそもNPOとNGOは対立する概念ではないので、この2つの言葉に”明確な違い”を見出すことはできません。その理由を詳しく解説します。

 

 

NPOとNGOの定義から確認

NPO NGO 違い

NPOの代表として南スーダン難民の支援に取り組んでいた

 

NPOとNGOの違いを解説するにあたって、まずはそれぞれの定義を確認しておきましょう。言葉の定義を把握すれば、この後の説明がスムーズになります。

 

NPOとは 

NPOは”Non-Profit Organization”の略称です。日本語では「非営利組織」と呼びます。

 

NPOは様々な社会貢献活動を行いますが、団体の構成員に対して収益を分配することを目的としない団体の総称が「NPO」と考えて構いません。

 

NPOは「非営利組織」と訳されるため、しばしば「収益を生み出すことを目的としない組織」と思われていますが、これは大きな誤解です。NPOでも収益を目的とする事業を行うこと自体は認められますが、その事業を通じて生まれた収益を構成員に分配することができないのです。

 

ちなみに「構成員」とは、NPOでは「正会員」を指します。株式会社で言うところの「株主」にあたる存在ですね。

 

「NPOとNGOの違い」という本題からそれるのでこれ以上は深掘りしませんが、「NPOはお金儲けしてはいけない」というのは、誤解ですね。

 

NPO=ボランティアと誤解している人がとても多いので、このあたりは別の記事で詳しく解説しました。こちらもあわせてご覧ください。


NPOとボランティアの違い 「NPOは無報酬」なんて幻想に過ぎないよ - 原貫太のブログ

 

NPO法人とは?

余談ですが、NPOとNPO法人の違いも軽く説明しておきます。

 

任意団体(法的な登録などを行っていない団体)であっても、公益に繋がる社会貢献活動を行なっている組織は、広い意味では「NPO」と呼ぶことができます。

 

これらの中でも、日本の場合は特定非営利活動促進法に基づき、法人格を取得した団体を「特定非営利活動法人」、略称で「NPO法人」と呼びます。

 

NGOとは

続いてNGOの定義を確認します。一旦、頭からNPOは取っ払ってください。

 

NGOは”Non-governmental Organization”の略称で、日本語では「非政府組織」と呼びます。「政府」に「非」る「組織」なので、広い意味では地域の市民団体から大学のサークルまで、政府系の組織でなければどんな組織もNGOと呼ぶことができます。

 

元々NGOという言葉は、国連における会議の参加国以外の組織を指す言葉として用いられたことが始まりです。そのため一般的には、NGOは国境を越えて活動する組織に使われています。

 

日本では、特に国際協力や環境の分野で活動する組織は、NGOと名乗っているところが多いですね。僕が大学生の時にNPO法人コンフロントワールドは、法人化が完了するまでは自分たちのことを「国際協力NGOコンフロントワールド」と呼んでいました。 

 

NPOとNGOに明確な違いはない。対立概念ではないから。

NPO NGO 違い

 

NPOとNGO、それぞれの言葉の定義を確認したところで、本題の「NPOとNGOの違い」に入ります。

 

結論的には、NPOとNGOという言葉の間に明確な違いは存在しません。そもそも、NPOとNGOの間に違いを見出そうとするのが誤っているのです。

 

NPOとNGOは言葉が似ているので、多くの人が「違いは何?」と疑問を持つようですが、実はこの2つの言葉はただ似ているだけであって、違いが明確に現れるような対立概念ではないのです。そもそもNPOとNGOの間に違いを見出そうとすることが間違っています。

 

対立軸で捉えるなら、「非営利組織」であるNPOは「営利組織」と対立し、「非政府組織」であるNGOは「政府組織」と対立します。

 

多くのNGOはNPOであり、そしてまた多くのNPOはNGOでもあるのです。

 

NPOでありNGOでもある国際協力団体

例えば、僕が学生時代に創設した団体「コンフロントワールド」は、国内で講演活動を行う際は「日本人のグローバルイシューに対する関心を喚起する」という社会貢献を行なっていることから、NPOになりえます(もちろんそれ以外の活動でも)

 

また、特定非営利活動法人格を取得すれば「NPO法人コンフロントワールド」になります。

 

一方で、政府の組織ではないし、日本を飛び出してアフリカ支援を行なう団体であることから、NGOでもあります。国際協力をしていることがわかりやすく伝わるように「国際協力NGOコンフロントワールド」と、組織名称の前に「国際協力NGO」を付けることもありますね。

 

つまりはNPOであり、NGOでもある団体なのです。

 

NPOは国内、NGOは海外?ザックリした違いは…

NPO NGO 違い

 

このように、そもそもNPOとNGOは対立する概念ではないため、明確な違いを見出すことはできません。

 

しかし、便宜上、というかNPOとNGOの間にザックリした違いはあります。

 

日本では一般的に、地域や子育て、いじめ、労働環境など、国内の課題に取り組む団体をNPO、開発・貧困・人権・紛争など、国際的な課題(地球課題)に取り組む団体をNGOと使い分けることが多いです。

 

例えば病児保育の問題に取り組む特定非営利活動法人フローレンスはNPOではありますが、NGOという呼び方は”一般的には”あまりされません。

 

また、地雷・子ども兵・小型武器の問題に取り組む特定非営利活動法人テラ・ルネッサンスは、特定非営利活動法人格、つまりNPO法人格を持っていることからも(当然)NPOですが、国際的な課題に取り組んでいるという意味ではNGOとも呼ばれます。

 

ただ、この使い分け方は本質的ではありません。なぜなら、たとえ日本の課題に取り組んでいる組織(NPO)であっても、それが政府組織でなければNGOと呼ぶことができるし、国際的な課題に取り組んでいる組織(NGO)であっても、営利の追求が第一の目的でなければNPOと呼ぶことができるからです。

 

ですので、「国内の課題に取り組むのがNPO、海外の問題に取り組むのがNGO」と二つの違いを紹介している記事が多数ありますが、本質的には正しくありません。

 

海外ではNGOを名乗り、NPOはほぼ使わない

ただ、アフリカをはじめとした海外の国際協力の現場では、自分たちのことをNGOと名乗る一方、NPOと名乗ることはほぼありません。

 

僕は東アフリカのウガンダ共和国で難民支援に携わっていましたが、そういった支援の現場では「私たちはNGOです」と名乗っていました。「私たちはNPOです」と言ったことはないですし、恐らく意味が通じないと思います

 

英語で詳しく「Non-Profit Organiztion」と言えば大体の意味は通じるかもしれませんが、海外支援の現場ではNGOという言葉が一般的。NPOはあまり使いません。

 

逆に言えば、NGOという言葉は、難民キャンプのような環境でも広く一般的に使われています。難民の人たちも「UN(国連)ではなくNGOが支援してくれている」など、普通に使いこなしていますからね。

 

まとめ

  • NPOは「非営利組織」と訳され、様々な社会貢献活動を行い、収益を構成員に分配しない組織
  • NGOは「非政府組織」と訳され、一般的には国境を越えて活動する組織を表す
  • NPOとNGOは対立する概念ではないため、明確な違いは存在しない。「非営利組織」であるNPOは「営利組織」と対立する。「非政府組織」であるNGOは「政府組織」と対立する。←大事
  • NPOとNGOのザックリした違いは、国内の課題に取り組むのがNPO、国際的な課題(地球課題)に取り組むのがNGO。
  • ただ、この違いの見出し方は本質的ではない。なぜなら国内の課題に取り組んでいたとしても政府組織でなければNGOだし、海外の問題に取り組んでいたとしても営利の追求が第一の目的でなければNPOだから。←大事
  • 海外の現場ではNGOを名乗り、NPOを使うことはほとんどない

 

僕がNPO法人を設立した際に参考にしたおすすめ書籍を紹介しています➡NPOの本ならこの4冊!学生でNPO法人を設立した僕がおすすめします。 - 原貫太のブログ

 

国際協力に関するおすすめの書籍を30冊以上まとめて紹介しています➡国際協力おすすめ本32選 入門書から常識をブチ破る本、洋書までドドンと紹介 - 原貫太のブログ