フリーランス国際協力師の原貫太です。この記事では、僕が読んだ国際協力や国際問題に関係するおすすめ本を紹介しています。
この記事では、国際協力に興味を持った人が最初に読むべき入門書から、国際教養・国際問題の知識を身に着けられる本まで幅広く紹介します。
どれもおすすめの本なので、ぜひ読んでみてください。それでは行きましょう!
- 国際協力に興味を持ち始めた人におすすめ本
- 国際協力を深く学びたい人におすすめ本
- 国際協力の実践者から学べるおすすめ本
- 国際教養・国際問題を学べるおすすめ本
- 戦争について考えたい人へのおすすめ本
- アフリカを理解できるおすすめ本
- 貧困問題を学べるおすすめ本
- 環境問題を学べるおすすめ本
- NPOやソーシャルビジネスを学べるおすすめ本
- さいごに
2021年12月16日にKADOKAWAから新著『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』が出ました!ぜひご覧になってください。
国際協力に興味を持ち始めた人におすすめ本
国際協力に興味を持ち始めた人におすすめの本を紹介します。国際協力の基本的な知識や概念を学ぶことができます。
「国際協力」をやってみませんか? 仕事として、ボランティアで、普段の生活でも
まさに国際協力の入門書です。著者は国際協力のレジェンド的存在である山本敏晴さん。
いつ、だれが、どこで、何を、どのように、なぜ国際協力をするのか。国際協力について全く知らない女子大生と、国際協力のプロフェッショナルである山本さんとの対談形式で解説されています。
入門者のみならず、国際協力業界で働いている人にとっても体系的に学び直せる一冊です。
関連記事:国際協力を仕事にするには?7つの職業を日本一わかりやすく解説 - 原貫太の国際協力ブログ
国際協力師になるために
同じく山本敏晴さんが書いた本。「国際協力を仕事にしたい」と考え始めたら、一度は目を通しておきましょう。
『国際協力師になるために』では「そもそも国際協力師とは?」「国際協力師になるための条件とは?」など、国際協力を仕事にするための”イロハ”が、山本さんのこれまでの経験をもとに書かれています。
ただし出版が2007年のため、一部情報が古いものも含まれます。『国際協力師になるために』を読む方は、下記の記事もぜひ参照してください。
関連記事:国際協力師とは?定義、資格、給料、新しい働き方まで徹底解説【初心者必見】 - 原貫太の国際協力ブログ
国際協力師たちの部屋 特別版―ゼロから考える“本当の”国際協力―
大学卒業後に新卒で国際協力NGOに就職した延岡由規さんと、大学在学中に国際協力NGOを起業した原貫太の共著です。
本書で扱ったテーマは大きく6つです。
- そもそも『国際協力』って何?
- 国際協力の必要性って?なぜ日本の社会問題ではダメなの?
- なぜ学生時代に国際協力に携わるのに社会人になると辞める人が多いの?
- 「国際協力」とか「世界平和」、誰のためにやっていますか
- 新米国際協力師、原・延岡の一日のスケジュールは?毎日何をしているの?
- 自分で選んだ「国際協力」の道、やめたいと思った瞬間はありますか?
『国際協力師たちの部屋』はKindle Unlimited登録作品のため、30日間のKindle Unlimited無料トライアルを利用すればタダで読むことができます。
国際協力のレッスン―地球市民の国際協力論入門
国際協力について机上で勉強してみたいと思ったら、最初にこの本を読むことをおすすめします。僕自身も国際協力に興味を持ち始めた大学生の時、まず最初におすすめされた本です。
国際協力を深く学びたい人におすすめ本
国際協力についてもっと深く学びたくなったら、これらの本も読んでみてください。
国際協力 -- その新しい潮流 第3版
僕が早稲田大学で履修していた「国際協力学」の授業でも、教科書として使われていました。2016年に第3版が出版されています。
ODA(政府開発援助)やNGO(非政府組織)など、国際協力を体系的に整理しており、いわゆる「国際協力学」を学ぶのにおすすめの一冊です。電子版も発売されています。
テキスト国際開発論―貧困をなくすミレニアム開発目標へのアプローチ
国際協力に本格的に関心を持った大学生の時、ボロボロになるまで何度も読み返しました。当時まだ学生だった僕が国際協力業界で働く人たちと議論できるようになったのは、この本のおかげといっても過言ではありません。
2000年に国連加盟国が合意した「ミレニアム開発目標」を軸に、現代の国際社会が抱える主要な問題群を解決するための理論と実践をともに学ぶテキスト。国際機関、援助実施機関、NGOなどでの実務経験をもつ執筆陣が自身の経験もふまえて解説する。(Amazon商品ページより引用)
ミレニアム開発目標(MDGs)は2015年末に終わりを告げ、現在では持続可能な開発目標(SDGs)に移行していますが、それでもこの本を読めば開発分野に関する知識はかなり補えるはずです。
入門 人間の安全保障 増補版-恐怖と欠乏からの自由を求めて
国際協力について勉強していると「人間の安全保障」という概念を学ぶ時が必ず訪れます。
人間の安全保障とは,人間一人ひとりに着目し,生存・生活・尊厳に対する広範かつ深刻な脅威から人々を守り,それぞれの持つ豊かな可能性を実現するために,保護と能力強化を通じて持続可能な個人の自立と社会づくりを促す考え方です。(外務省ホームページ「人間の安全保障」より引用)
国際協力に関わっていく上で「人間の安全保障」は、避けては通れない概念です。基本的な知識を理解したい方は、読んでみてください。
国際貢献のウソ
国際協力にキラキラしたイメージを持っている人におすすめしたい本です。たぶんですが、国際協力に対する捉え方が変わり、良い意味で考え直すことになると思います(笑)
- 「NGOをはじめとする国際協力は、『貧困』を商品とするスキマ産業である」
- 「国際NGOに必要な人材はリストラできるマネージャーである」
- 「国連は費用対効果を考えない官僚組織である」
など、世間一般で考えられている国際協力の綺麗なイメージとは違う「汚い現実」を教えられます。
著者は「紛争屋」としても知られる東京外国語大学教授の伊勢崎賢治先生。国際協力の業界では、重鎮的存在です。
この本に対しては批判も多いようなのですが、理論と実践、その両方を極めている伊勢崎先生だからこそ、僕は説得力を感じながら読むことができました。
援助じゃアフリカは発展しない
アメリカやヨーロッパ諸国、日本が莫大な援助をアフリカに注いできたにもかかわらず、なぜ未だにアフリカには貧困や紛争の問題が絶えないのか?
そんな疑問を持ったことがある人も多いはず。ぜひ『援助じゃアフリカは発展しない』を読んでみてください。
アフリカと聞くと頭の中に「貧困」のイメージが浮かび、だから援助が必要…と考える人もいるかもしれませんが、この本を読めば「逆に援助があるからこそ、いつまでもアフリカは発展しない」と気づくきっかけになるはずです。
他の本に比べると内容・ページ数ともにボリュームがあり、国際協力に興味を持ち始めたばかりの人なら難しく感じるかもしれませんが、時間をかけてでも読みたい一冊です。
経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか
2019年に読んだ本の中でベストな一冊でした。社会に対する「常識」がブチ破られます。
「そもそも経済成長って正しいの?」「途上国って開発されるべき対象なの?」「いい加減、地球温暖化ヤバくない?」「いつになったら人類は目を覚ますの?」といった疑問を持っているなら、間違いなくドはまりする一冊です。
日本の政治や社会の空気に違和感を抱いている人にも、ぜひ手に取ってほしい一冊。文量はそれほど多くないので、一気に読めると思います。僕の国際協力に対する哲学は、この本にかなり支えられているかもしれません。
国際政治学をつかむ 新版
国際協力に関わっていくのであれば、マクロな視点である国際政治の基本的な知識は頭の中に入れておきましょう。
『国際政治学をつかむ』は
- 歴史
- 理論
- アクター
- イシュー
という4つの章から、国際政治学の基礎知識を幅広く学ぶことができます。
国際協力の実践者から学べるおすすめ本
国際協力を実践している人たちから経験や知識を学べる本を紹介します。
紛争地の看護師
めちゃくちゃおすすめです。2019年に読んだ本の中で間違いなくトップ5に入ります。著者は国境なき医師団看護師の白川優子さん。
遠くの世界で起きている出来事として感じていたシリアや南スーダンの紛争。白川優子という一人の人間を通じて知るだけで、こんなにもリアルなものになるとは思ってもいませんでした。
白川さんとは個人的に親交もあるのですが、その優しいお人柄からは想像もできないくらい厳しい現場で支援活動に携わってきた、真の人道支援のプロフェッショナルです。強くおすすめします。
白川優子さんが書いた記事「これから人道支援の道を目指すあなたが今から取り組むべき5つの事(白川優子)」もあわせてご覧ください。
職業は武装解除
武装解除のプロフェッショナルとして20代から世界中の紛争地に足を運び、平和構築に携わってきた瀬谷ルミ子さん。平和な世界を創るため、彼女がどんな仕事に携わっているかを理解できるだけではなく、その哲学的な言葉には重みがあります。
紛争地にいると、一人ひとりの命の重さと人生の価値が、「人類みな平等」ではない現実に日々、直面する。ある紛争の被害者の数は、八十万人から百万人と推定されている。誤差の二十万人の人生一つひとつに、注意を向ける人は誰もいない。でも、その一人ひとりに、確実に人生は存在する。(『職業は武装解除』より引用)
関連記事:【感想】職業は武装解除 DDRや平和構築に興味ある人は必ず読もう - 原貫太の国際協力ブログ
こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した
僕もかつてインターンをしていた、アフリカで元子ども兵の社会復帰支援に取り組む認定NPO法人テラ・ルネッサンス創業者・鬼丸昌也さんの自伝です。
特に国際協力NGOの起業を考えている人におすすめしたい本です。鬼丸さんがどのようにしてテラ・ルネッサンスを作っていったか、そのプロセスが分かります。僕も大学在学中にNGOを起業した時、この本は参考にさせてもらいました。
世界を無視しない大人になるために 僕がアフリカで見た「本当の」国際支援
自分の書いた本ですみません。でも、やっぱり読んでほしいです。特に学生の方にはぜひおすすめさせてください。
誰だって、一度は思ったことがあるだろう。今この瞬間にも、世界には紛争や貧困で苦しんでいる人がいるのはなぜなのだろうと。その人たちのために、自分にできることはなんだろうと。
僕は、世界を無視しない大人になりたい。 —本文より抜粋
紙版の購入はこちら
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『世界を無視しない大人になるために』はKindle Unlimited登録作品のため、30日間のKindle Unlimited無料トライアルを利用すればタダで読むことができます。
裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記
バングラデシュで「途上国発バックブランド」を立ち上げた山口絵里子さんの自伝エッセイ。「こんなスゲェ人がいるのかwww」と、思わず読みながらニヤニヤしました。「行動力を手に入れたい」と考えている人には、ぜひおすすめしたい本です。
2、3とシリーズ化されているので、すべて読むことで山口絵里子さんの人生や考え方を深く理解することができます。
山口さんが創業したマザーハウスはソーシャルビジネスの第一線を走る会社なので、国際協力という文脈だけではなく、社会起業に興味ある人にもおすすめの本です。
前へ ! 前へ ! 前へ ! ― 足立区の落ちこぼれが、バングラデシュでおこした奇跡。
学生時代にe-educationを創設した税所篤快さんの本。僕にとっては、早稲田大学の先輩にあたります。国際協力に携わりたい、もしくはすでに携わっている学生におすすめします。
僕自身はバングラデシュ支援の学生団体で活動していた時、初めての現地渡航直前にこの本を読みました。「大学生だってここまで国際協力をやれるのか…!」と、モチベーションが爆発したのを覚えています。
歩き続ければ、大丈夫。
まだインターネットも存在せず、アフリカに関する情報もほとんどない中、35歳でケニア・ナッツ・カンパニーを創業した佐藤芳之さんの著作です。70歳を超えた現在も、新しいビジネスに挑戦し続けています。
アフリカや国際協力、ソーシャルビジネスに関する情報だけではなく、生き方も教えてくれる、哲学的な内容にも富んだ一冊です。アフリカ界隈では人気の高い本ですね。
世界を救う7人の日本人 国際貢献の教科書
仕事として国際協力に携わるイメージをより明確にするためには、「先輩たち」から学ぶことが一番。この本では、国際協力の実務に関わる7人が池上彰さんの視点から紹介されています。
緒方貞子氏をはじめ、食、教育、医療、経済などの分野で、途上国を舞台に活躍する熱いプロフェッショナルたちが登場。彼らとの対話を通じ、池上彰が日本の支援の重要性、グローバル社会における途上国でのビジネスチャンスなど、世界の「いま」をわかりやすく解説。(Amazon 商品ページより引用)
特に最終章の「池上彰×緒方貞子」対談は、非常に読み応えがありました。レイアウトも読みやすく工夫されているため、この本なら読書が苦手な人でも読み切れるはず。
国際教養・国際問題を学べるおすすめ本
国際教養を身に着けたり、国際問題の知識を得たりしたい人におすすめの本です。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
言わずと知れたベストセラー『ファクトフルネス』です。日本で100万部売れています。国際教養を身に着ける上では、まず読んでおきたい一冊です。
国際協力に携わる上でも、まずは現状の世界を正しく認識することが大切です。ボリュームが多いので、一回読むだけではすべて理解し切ることは難しいはず。僕は3周読みました。
要約記事や要約動画もたくさんありますが、国際協力に携わりたい人なら、一度はジックリと時間をかけて読むことをおすすめします。
あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣
原貫太の新著です。SDGsに関係する国際問題を膨大なデータやファクトに基づきながら解説しています。
「国際問題」という言葉を聞けば、多くの人は難解な印象を持ってしまうかもしれません。しかし、本書では私たちの何気ない普段の生活が、実は遠くの国で起きている問題と繋がっていることを解説しています。
一般的過ぎず、それでいて専門的過ぎない事実を詰め込みました。平易な文章で書いているため、読書が苦手な方でも読みやすいはずです。
まずは世界の問題を「知る」ところから始めたい、そんな方にこそ読んでほしい一冊です。
2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望
落合陽一さんの著作です。SDGsを軸にしながら世界の現状や国際問題を学ぶことができます。
アフリカにもフォーカスが当たっていたため、僕は自分のYouTubeチャンネルで動画を作る際にも参考にさせていただきました。
データでわかる 2030年 地球のすがた
気候変動や食糧危機、森林破壊、漁業危機など、国際協力にも関係する様々なテーマに関して、これからの世界の動向を学べる本です。
著者はSDGsやESGの専門家である夫馬賢治さん。ビジネスパーソンにもよく読まれている一冊です。
高校チュータイ外交官のイチからわかる! 国際情勢
国際情勢について広く、浅く学ぶための入門書です。外交官の方が書かれているため、日本の視点から国際情勢について学ぶことができます。
戦争について考えたい人へのおすすめ本
戦争について考えたい人へのおすすめ本を紹介しています。
本当の戦争の話をしよう: 世界の「対立」を仕切る
こちらも伊勢崎賢治先生が書かれた本です。紛争や平和構築の本当の姿と共に、目まぐるしく変わる国際情勢における日本人の立ち位置を考えられる一冊。
文量もかなりあるので、読了後はお腹いっぱいになります。
池上彰の 君と考える戦争のない未来
なぜ、世界から戦争がなくならないのか?
池上彰の 君と考える戦争のない未来
池上彰さんは戦争に関する本を何冊か出していますが、僕はこの3冊を読みました。上から順番に、少しずつ内容が難しくなっていきます。
アフリカを理解できるおすすめ本
これから国際協力に関わる上では、アフリカについての理解を深めておく必要があります。アフリカの貧困や紛争を理解するためのおすすめ本を紹介します。
ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?
アフリカ支援に携わりたい人には、強くおすすめする本です。僕は6周読みました。
僕が「人生の師匠」として尊敬する、認定NPO法人テラ・ルネッサンス理事長小川真吾さんの本です。
アフリカで紛争がなくならない原因は決してアフリカの中だけにあるのではなく、歴史的背景や先進国の経済的利害と深い関わりがあることを、小川さんの現場経験を踏まえながら教えてくれます。
きっと、多くの日本人にとって「目から鱗」であると同時に、読み終わった後にはアフリカの紛争を遠くの世界の出来事で終わらせることができず、「何か行動を起こしたい」と思わされるでしょう。
何よりも、ウガンダが内戦中だった頃から現地に入り、元子ども兵の社会復帰支援をゼロから立ち上げた小川さんの言葉は、ひとつ一つ重みがあります。読めば読むほどアフリカで起きている紛争を深く理解できる本です。おすすめします。
ぼくは13歳 職業、兵士。―あなたが戦争のある村で生まれたら
こちらも小川真吾さん、また『こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した』の鬼丸昌也さん共著の本です。個人的には『ぼくらのアフリカ』のほうをよりおすすめしますが、特に子ども兵の問題に関心ある人にはこちらをおすすめします。
ルポ 資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄
毎日新聞のアフリカ特派員として取材をされていた新聞記者・白戸圭一さんの本です。先進国の経済的繁栄が、アフリカで吹き荒れる暴力と貧困の上に成り立っていることを痛感させられるおすすめの一冊です。
ジャーナリストの方が現場で取材をした話を元に書かれているので、とにかくリアルで内容が分厚く、読了後にはずっしりとした重い気分にさせられます。おすすめです。
アフリカを見る アフリカから見る
こちらも白戸圭一さんの書かれた本です。歴史は常に力を持っている側(欧米先進国側)から語られることが多いですが、アフリカ”から”世界を見てみると、国際情勢に対する見方も変わるかもしれません。
アフリカの現状を知る上でもおすすめの一冊です。
すべては救済のために――デニ・ムクウェゲ自伝
2018年にノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ医師の自伝です。
コンゴ民主共和国東部では、住民を服従させる手段としてレイプが使われている。この事実を知った時、僕自身大きな衝撃を受けました。ムクウェゲ医師の生涯を通じて、コンゴで今なお続いている不条理な痛みを感じられるはずです。
世界最悪の紛争「コンゴ」
アフリカには55カ国ありますが、中でもコンゴは「世界の闇の縮図」と呼ばれることもあるほど、主要先進国に翻弄され続けてきた国です。
副題にある「平和以外に何でもある国」とは、まさにその通り。コンゴを切り口にアフリカ、さらには国際問題について学びたい方にはお勧めの本です。
新・現代アフリカ入門――人々が変える大陸
一部情報が古くなっている箇所もありますが、近現代アフリカの歴史や現状を理解したい方にはおすすめの本です。
貧困問題を学べるおすすめ本
ここではルポライターの石井光太さんが書かれた本を紹介します。貧困現場に足を運び、自らの取材を元にしながら書かれているため、貧困問題のリアルを学ぶことができます。
絶対貧困―世界リアル貧困学講義
バングラデシュで貧困問題に取り組んでいた時に、何度も読み返した本です。
「貧困問題のリアルは現場に行かなければ知ることはできない」と言われることもありますが、このルポタージュからはその「リアル」がひしひしと伝わってきます。
レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち
この本は、衝撃度では人生で読んだ本の中ではトップレベルに高いです。物乞いビジネスの闇深さを知りたい人におすすめの本です。
世界には物乞いのためにわずか数百円で貸し借りをされる子どもたち、「レンタルチャイルド」がいます。中には手足を切断されたり、目を潰されたりして、よりみすぼらしい格好にさせられる子どもも。
そんなレンタルチャイルドの問題を、筆者の取材を元にストーリー仕立てで伝えてくれる一冊です。とにかく衝撃度が凄い。
それでも生きる ──国際協力リアル教室
「国際協力に関わってみたい!」という学生は多いかもしれませんが、この本を読むと(良い意味で)現場のリアルに打ちのめされるかもしれません。
現場のリアルから国際協力を学びたい方におすすめです。
世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか
あなたが国際協力に関わりたい動機に「海外の貧困問題の方が、日本の貧困問題より深刻だろう」という考えがあるとするなら、ぜひ読んでみてほしい一冊です。
日本の相対的貧困と海外の絶対的貧困を比較することで、貧困問題の本質に迫ります。
環境問題を学べるおすすめ本
気候変動が世界的に問題視される今、国際協力に関わる上でも環境問題は避けては通れません。環境問題や気候変動に関するおすすめの本を紹介します。
地球に住めなくなる日 「気候崩壊」の避けられない真実
オリエンタルラジオの中田敦彦さんがYouTubeで紹介したことでも有名になった一冊。
近年世界各地で様々な異常気象が起きていますが、その背景には人間の経済活動が産み出した「地球温暖化」があると言われています。
『地球に住めなくなる日』では膨大なデータや論文を引用しながら、このまま気候変動が続くと地球環境がどのように変わってしまうのか、分かりやすく書いてあります。
13歳からの環境問題
環境問題を網羅的に理解したい人におすすめの本です。著者は環境、平和、人権をテーマにフリーランスジャーナリストとして活動する志葉玲さん。
タイトルに「13歳からの」とあるように、文章は分かりやすい語り口でありながらも、その視点は鋭く、また内容も様々なデータや取材内容に基づいているため、大人の方でも読み応えのある一冊です。
出版も2020年4月と新しいため、データやニュースなども比較的最新のものが掲載されています。
DRAWDOWNドローダウン― 地球温暖化を逆転させる100の方法
地球温暖化や気候変動に対する具体的な解決策100通りが載っている本です。
432ページと非常にボリュームのある本のため、通読するというよりかは、一冊手元に置いておき、辞書的な感覚で活用するといいかもしれません。
NPOやソーシャルビジネスを学べるおすすめ本
NPOやソーシャルビジネスを学べるおすすめ本も紹介しておきます。
初歩的な疑問から答える NPOの教科書
NPO入門書の決定版とも呼ぶべき一冊。NPOを基礎の基礎から理解したい人におすすめです。
NPO初心者である乙武洋匡さんと、長くNPO業界を引っ張ってきたドットジェイピーの佐藤大吾さんとの対談形式のため、非常にわかりやすく書かれています。
20代からはじめる社会貢献: 400社が支援した「社会起業」とは
思い返せば、僕が人生で初めて読んだ国際協力やNPOに関する本はこれでした。高校生の頃に父親からおすすめされました。
著者は食事代の一部(20円)がアフリカの学校給食支援に充てられる「Table For Two」という仕組みを作った小暮真久さん。「Table For Two」は認定NPO法人ですが、画期的な仕組みが求められるソーシャルビジネスの具体例を知りたい人にはおすすめの本です。
さいごに
国際協力に関連するおすすめの本を紹介しました。
たくさん紹介しましたが、どれから読もうか迷っている人は、ぜひ拙著『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』を手に取っていただければ幸いです。