原貫太の国際協力ブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカ、社会問題などのテーマを中心に解説しています。

国際的な仕事をしたい高校生におすすめの本10選【国際問題も学べます】

「将来は国際的な仕事をしたい。おすすめの本は何だろうか?」

「途上国の貧しい人を助ける仕事をやりたいが、まずは本で勉強したい」

 

こんな疑問にお答えします。

 

フリーランス国際協力師の原貫太です。特定の組織には所属しないフリーランスとして、アフリカの貧しい子どもたちを支援しています。

国際 本 高校生

アフリカの子供たちと原貫太


将来的に国際機関やNGOに入って国際的な仕事をしたい高校生や、国際問題をもっと勉強したい高校生は、この記事で紹介する本を読んでみてください。

 

 

国際的な仕事をしたい高校生におすすめの本10選

国際的な仕事をしたい高校生や国際問題を学びたい高校生におすすめの本は、この10冊です。

 

「国際協力」をやってみませんか?

 

国際的な仕事をやってみたい高校生に、僕が一番におすすめしている本です。

 

国際協力とは、国際機関や政府、NGO(非政府組織)、個人などのあらゆる立場から、貧困や戦争、環境問題などの国際問題を解決するために仕事をすることを指します。

 

いわゆる「国際的な仕事」に関わることができるのが国際協力ですが、例えば国際公務員になって国際機関に就職することもできれば、僕のように組織には所属しないフリーランスとして国際協力に関わることもできます。

 

そんな国際協力の世界を、入門者にもわかりやすく解説してくれる本が『国際協力をやってみませんか?』です。

 

国際協力のプロとして世界各地で活動してきた著者の山本敏晴さんと、国際協力の知識が全くない大学生の対話形式で話が進んでいくため、国際協力に興味を持ち始めたばかりの人でも読めるはずです。

 

国際協力師たちの部屋

 

国際的な仕事に就きたいと考え始めると、いつか必ずこんな疑問に直面します。

 

「なぜ日本にも困っている人たちはいるのに、自分は海外で仕事をしたいのだろう?」

 

親や先生に「将来は海外で仕事をしたい」と相談したら、「まずは日本で働きなさい」と自分の進路を否定されてしまった高校生もいるのではないでしょうか?

 

そんな国際協力に興味を持ち始めると直面する課題に答えていくのが、この『国際協力師たちの部屋』です。

 

「そもそも国際協力とは何か?」「国際協力はなぜ必要なのか?どうして日本の社会問題ではダメなのか?」などの問いに、国際協力を仕事にする二人が交換日記形式で答えています。

 

国際協力師になるために

 

生活するのに十分な給料をもらいながら、仕事として国際協力に携わる人を「国際協力師」といいます。

 

国際協力師になりたい人の中で、バイブルとも呼ばれる一冊が『国際協力師になるために』です。

 

出版されたのが2007年のため、一部古い情報も載っていますが、国際協力師になるための大まかなキャリアプランなどを知るためには一読しておきたい一冊です。

 

「国際協力師とは何か?」に関しては僕のブログでも詳しく解説しているので、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

国際協力師とは?定義、資格、給料、新しい働き方まで徹底解説【初心者必見】 - 原貫太の国際協力ブログ

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス)

 

2019年最も売れた本の一冊、『ファクトフルネス』。電車の中の広告とかで観たことある人も多いのではないでしょうか?

 

「アフリカには満足に食べられない子どもたちがたくさんいる」

「発展途上国の子どもたちは学校で教育を受けることすらできない」

 

国際問題の解決に貢献したいと考えている高校生なら、こんなイメージを持っている人も多いかもしれません。

 

間違ってはいません。現在のアフリカにも一日200円以下で生活している「絶対的貧困層」はたくさんいますし、僕が支援活動をしているウガンダにも、小学校に通えない子供たちはたくさんいます。

 

しかし、この10年から20年の間に、世界の様々な問題が改善されつつあることも事実です。

 

客観的な事実やデータを把握しなければ、世界の現状をを正しく捉えることはできません。

 

また、国際的な仕事につくとしても、どんな分野で働くべきかを検討することもできないでしょう。

 

ファクトフルネスは今回紹介する10冊の中では内容・ページ数ともにかなり重たく、高校生にとってはむずかしいと感じるかもしれません。

 

ですが、自分が取り組みたい国際問題の全体像を把握することにもなるので、時間がかかっても一読しておきたい一冊です。

 

紛争地の看護師

 

国境なき医師団の看護師である白川優子さんが書かれた本です。シリアやイエメンなど、世界の厳しい紛争地で白川さんがどんな仕事をされてきたのかが分かります

 

国境なき医師団は、国際関係の仕事に興味がある人なら聞いたことくらいはあるでしょう。

 

『紛争地の看護師』は高校生の課題図書に使われることもあるらしく、国際関係の本の中ではかなり売れている一冊ですね。

 

例えばシリア内戦はテレビや新聞でも度々扱われているため、何となくでも知っている人は多いはず。

 

とはいえ高校生なら、どこか遠くの国で起きている戦争としか認識していない人もいるかもしれません。

 

でも『紛争地の看護師』という本を読むと、シリアの内戦地で起きている様々な悲劇が白川優子という一人の人間の視点から描かれているため、一気にリアリティを増して心に迫ってきます。

 

白川優子さんは国際的な仕事に就きたい高校生にとっては、間違いなく一人のロールモデルです。

 

国際貢献のウソ

 

国際的な仕事に何か輝かしいイメージを持っている高校生にこそ、読んでみてほしい本が『国際貢献のウソ』です。

 

”国際協力や国際援助の世界で働く人たちは、みんな素晴らしい志を持っている『聖者』のような人たちだ。”

 

そんなイメージを持っている人がこの本を読むと、根底からそのイメージが覆ります。もしかしたら国際的な仕事に汚さを感じてしまう人もいるかもしれません。

 

国連もJICAもNGOも、必ずしも良い側面だけを持っているわけではありません。特に国連にはかっこいいイメージや正義のようなものを感じている人もいるかもしれませんが、国連のような国際機関は批判されることも多い存在です。

 

そういった国際協力のダークな部分を知りたい人は、『国際貢献のウソ』を読んでみてください。

 

ぼくは13歳 職業、兵士。―あなたが戦争のある村で生まれたら

 

アフリカや中東の紛争地では、18歳にもならない子どもが政府軍や反政府軍に加入し、子ども兵士として戦いに駆り出されています。

 

そんな子ども兵士の問題を解説しているのが、この本です。アフリカで元子ども兵の社会復帰支援に取り組む認定NPO法人テラ・ルネッサンスの方が書いています。

 

出版社は合同出版という会社なのですが、この合同出版は中学生や高校生、大学生など比較的若い人たち向けに『ぼくは/わたしは〇歳』シリーズを出しています。

 

この他にも

 

  • 『ぼくは12歳、路上で暮らしはじめたわけ。―私には何ができますか?その悲しみがなくなる日を夢見て』
  • 『わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて。―児童労働者とよばれる2億1800万人の子どもたち』
  • 『ぼくは13歳、任務は自爆テロ。: テロと戦争をなくすために必要なこと』

 

などが同じシリーズの系列として出されているので、国際系の本を読みたい高校生は、一つずつ読破してみてもいいかもしれません。

 

文章は平易に書かれている本が多いですが、どの本もそれぞれの社会問題に取り組むNGO職員が詳しく解説しているので、十分に勉強になるはずです。

 

絶対貧困

 

著者はルポライターの石井光太さん。世界の貧困の現場を取材されて書かれている一冊です。

 

僕は国際協力に興味を持ってすぐの頃に読みましたが、貧困問題のリアルな実態を知れた一冊でした。

 

国際的な仕事をしたいと思っていても、高校生ではそう簡単に発展途上国に足を運ぶことは出来ないと思います。

 

石井光太さんの本はどれも現場を丁寧に取材された上で書かれているため、国際問題のリアルな実態を知りたい人にはお勧めです。

 

13歳からの環境問題

 

環境問題や気候変動などの国際問題に興味がある高校生は、『13歳からの環境問題』を読んでみてください。

 

著者は環境・人権系の問題を主に扱っているフリージャーナリストの志葉玲さん。タイトルに『13歳』とあるように、中学生や高校生でも読める一冊です。

 

文章は平易に書かれていますが、様々な文献や取材内容をもとに書かれているため、環境問題に関する十分な量の知識を得られるはずです

 

また、環境問題は色々な立場から本が出されているため「何が正解なのだろう」と迷うこともありますが、志葉さんは客観的かつ冷静な視点から環境問題を解説してくれています。

 

僕自身は最も深刻な国際問題の一つは環境問題や気候変動だと思っています。環境問題を広く勉強したいという人は、この本を読んでみてください。

 

世界を無視しない大人になるために

国際 本 高校生

 

最後は僕の書いた本を紹介させてください。『世界を無視しない大人になるために 僕がアフリカで見た「本当の」国際支援』です。

 

僕がアフリカで支援活動を始めるためのきっかけや、現地で目の当たりにした難民の方たちの厳しい生活の状況などを書きました。

 

僕自身は高校生の頃は、国際的な仕事には全く興味がありませんでした。そんな僕でも現地で感じた気持ちを大切にしながら行動し続けた結果、国際協力を仕事にすることができました。

 

国際的な仕事についてみたいと思っている高校生や大学生には、是非とも読んでみてほしい一冊です。

 

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さいごに

国際的な仕事に就きたいと考えている高校生におすすめの本を10冊紹介しました。

 

国際協力や国際問題についてもっと深く勉強したい方は、以下の記事も読んでみてください。

国際協力おすすめ本35選 入門書から常識をブチ破る本、洋書までドドンと紹介 - 原貫太の国際協力ブログ

 

また、原貫太のYouTubeチャンネルでは子ども兵士問題やストリートチルドレンの問題など、日本人が知らない世界の問題も詳しく解説しています。

 

今回紹介した本に加えて、僕のYouTubeでも勉強をしてくれたら嬉しいです。