原貫太のブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカの問題、フリーランスの働き方など様々なテーマを解説しています。

国際協力師とは?定義、資格、給料、新しい働き方まで徹底解説【初心者必見】

国際協力師という言葉を聞いたことはありますか?国際協力師は、かつてNPO法人宇宙船地球号で理事長を務めていた山本敏晴さんが生み出した言葉です。

 

しかし、国際協力師が初めて誕生したのは今から15年前の2005年。山本さんが執筆した『国際協力師になるために』は2007年出版のため、一部情報が古いものもあります。

 

2019年から「フリーランス国際協力師」として活動する原貫太が、最新情報を加えながら国際協力師の定義、資格、給料、新しい働き方まで徹底解説します。

 

 

「そもそも国際協力とは何か?」を体系的に説明することが難しい方は、まずは以下の記事を読んでください。そのほうが、より内容を理解できると思います!

国際協力とは何か?定義から必要性、日本でできることまで世界一分かりやすく解説 - 原貫太のブログ

 

国際協力師とは?

国際協力師

国際協力師とは何か?

 

国際協力師とは、生活するのに十分な給料をもらいながら、仕事としての国際協力を持続的に行っている人を指します。NPO法人宇宙船地球号が2005年頃に提唱し始めた、新しい職業人の概念です。

 

国際協力師の条件は二つあります。

 

  1. 生活するのに十分な給料をもらっていること
  2. 国際協力を持続的に行っていること

 

基本的にはこの二つを満たしていることが、国際協力師です。

 

国際協力はボランティアで行うこともできますが、それでは持続可能とは言えません。国際協力を行う人にも、自分の生活がありますからね。

 

ボランティアではなく、仕事として給料をもらいながら、かつ持続的に国際協力を行っている人を国際協力師と呼びます。

 

なお、NPO法人宇宙船地球号は2013年5月末に団体としての活動を停止しています。山本敏晴さんのブログによると、疾患及び手術の影響で発声が困難になり、現在は国内外での活動は行っておらず、またブログの更新も停止されています。 

 

国際協力師とは具体的にどんな職業を指す?

国際協力師

国際協力NGOの一員として、ウガンダで難民支援に携わっていた時の筆者

 

国際協力師は、以下5つの職業を指します。

 

  • 国際公務員(国連職員など)
  • 政府機関職員(JICA職員など)
  • 政府機関専門家(JICA専門家など)
  • NGO職員(日本ではNPO法人職員)
  • 開発コンサルタント

 

しかし、先ほども書いたように『国際協力師になるために』が出版されたのは2007年頃。今から13年前です。

 

「国際協力を仕事にするには?具体的な7種類の職業を紹介します」の記事の中で、以下二つも、仕事として持続的に国際協力を行うことになり得ると紹介しています。

 

  • ソーシャルビジネス
  • フリーランス

 

時代が進み、働き方や収入を得る方法も多様化する中、新しい「国際協力師」が誕生しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

「国際協力を仕事にするには?具体的な7種類の職業を紹介します」

 

国際協力師に青年海外協力隊は含まれない

国際協力師

フリーランス国際協力師として、ウガンダ北東部で手洗い指導を行っていた時の様子

 

この記事を読んでいる人の中には、「青年海外協力隊は国際協力師ではないのか?」と疑問を持つ人がいるかもしれません。

 

「海外ボランティアを仕事にしたい人は最初に青年海外協力隊を検討すべき3つの理由」で書いたように、青年海外協力隊は無給で行う一般的なボランティアとは違います。

 

2年間の派遣期間中、再就職準備金という名の”給与”がもらえる他、現地での住居や渡航費も負担されます。 

 

一方で、

 

  • 2年間という派遣期間が決まっている➡「持続的」とは呼べない
  • 支給されるのはあくまでも再就職準備金➡「生活するのに十分な給料」とは呼べない

 

このことから、国際協力師の二つの条件を満たしていません。そのため、青年海外協力隊は国際協力師ではないのです。

 

僕の周りの青年海外協力隊の方たちも、「あくまでも自分はボランティアであり、国際協力師ではない」と語っていますね。

 

国際協力師になるための資格は?

国際協力師

ウガンダ北部の南スーダン難民居住区で行われている食糧配給の様子

 

『国際協力師になるために』の中では、国際協力師になるために必要な資格は以下3つとされています。

 

  • 英語力(TOEFL 600点以上)
  • 大学院修士
  • 2年間の海外勤務経験

 

もちろん就職先の団体によって条件は異なるため、これらの資格は「あった方が就職できる確率は高い」と考えてください。

 

例えばNGOの海外駐在員になるためには ①英語力 や ③2年間の海外勤務経験 が求められることがほとんどですが、国内事務所のスタッフになり、広報やファンドレイジングに携わるなら、この3つの資格は必ずしも必要ではありません

 

なお、①の英語力に関してですが、今はTOEFL pbtではなくTOEFL ibtのスコアが求められます。pbtは"paper-based test"の略称、ibtは"internet-based test"の略称です。現在の日本ではTOEFL ibtしか受験できません。

 

pbtは677点満点、ibtは120点満点なので、「TOEFL pbt 600点以上」は「TOEFL ibt 100点以上」と解釈して問題ありません。

 

★関連記事★

【断言】国際協力に英語は必要です【その理由と英語力の伸ばし方を紹介】 - 原貫太のブログ

 

なお、本の中ではこの3つの資格以外にも、国際協力師になるためには

 

  • 他の国連公用語(仏、西、露、中、アラビア語)
  • 大学院時代の国際機関または政府機関でのインターン経験
  • 大学時代のNGOまたは企業でのインターン経験

 

があることが望ましいとされています。

 

いずれにせよ、国際協力師は狭き門です。国際協力師を目指すなら、やはり学生時代から行動を起こし始める必要があります

 

国際協力師になった僕が思う、大学生の間にやっておくべきことを以下の記事で書いたので、あわせて読んでみてください。

国際協力を仕事にするためにやるべき11のこと【今日から行動を開始しよう】 - 原貫太のブログ

 

国際協力師の給料はどれくらい?

国際協力師にも様々な職種があり、一概に言うことはできませんが、年収の目安はこんな感じです。

 

国連職員の給料 500万円~1000万円

国際公務員の中でも国連職員の場合、基本給は500万円程度です。

 

しかし、例えば紛争地に派遣されれば「危険地手当」が支給されたり、また配偶者や子供がいる場合は「扶養家族手当」なども支給されます。

 

また、勤続年数が増えて国連職員としての階級が上昇していけば、年収が1000万円を超えることもあります。

 

JICA職員の給料 300万円~1000万円

政府機関職員の中で最も有名なJICA職員の場合、基本的な給料は一般的な国家公務員と同等か、それより少し低いと言われています。(これもポジションや勤続年数によります)

 

ちなみにJICAの新卒初任給は約20万円のため、一般企業とほぼ変わりません。JICAの給料に興味ある人は、JICAの募集要項に目を通してみるといいでしょう。

 

JICA専門家の給料 500万円~1000万円

専門や経験年数によりますが、国連職員とほぼ同額の給料がもらえます。

 

NGO職員の給料 200万円~400万円

日本のNGOの給料の平均額は341万円です。詳しくは以下の記事をご覧ください。

NGOの給料は341万円。安いから食べていけないは本当なのか? - 原貫太のブログ

 

開発コンサルタントの給料 300万円~1000万円

開発コンサルタント会社職員は基本的にはサラリーマンのため、日本の企業と同じくらいの給料をもらっています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

開発コンサルタントとは?必要なスキルから年収、やりがいまで解説 - 原貫太のブログ

 

ソーシャルビジネスの給料 300万円~600万円

どのような形態のソーシャルビジネスをやるか、事業の規模がどれくらいかにもよりますが、一定の実績があるソーシャルビジネスなら、日本の一般企業と給料はそれほど変わらないと思います。

 

フリーランスの給料(収入) 200万円~500万円

これは僕の場合ですが、仕事が多い時は月収40万円程度、仕事が少ない時は月収15万円程度とバラつきがあります。

 

 

ここで紹介した年収は、あくまでも給料の目安です。めちゃくちゃ幅がありますが、その理由は一つの職種の中でも様々な階級・ポジション・団体の規模があるからです。

 

国際協力師の具体的な給料を知りたい人は、国連やJICA、NGO、開発コンサルタント会社の実際の募集要項に目を通してみるのがいいでしょう。

 

国際協力師になるなら、大学で何を勉強するべきか?

国際協力師になるためには大学院修士を持っていることが望ましいとされていますが、一部のNGO職員や開発コンサルタント、ソーシャルビジネスやフリーランスなら、学歴は大卒でも大丈夫です。

 

その一方で大学は出ていなければ、どの国際協力師になることも難しいと考えてください。

 

大学で何を勉強するべきかですが、これも職種によって違うため一概に言うことはできませんが、草の根の国際協力に携わる僕は

 

  • 文化人類学
  • 外国語
  • 統計学
  • 国際関係学

 

をおすすめしています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

国際協力をやりたい人は、大学で何を学ぶのがおすすめか?【4つの学問を紹介】 - 原貫太のブログ

 

NPO法人を起業した原貫太は国際協力師なのか?(2018年1月時点)

国際協力師

起業したNPO法人の代表として、難民支援をしていた

 

国際協力師の中には「NGO職員」が入っています。

 

僕は2017年5月に国際協力NGOを起業し、代表として働いています。ですが、学生の間は給料は一円も受け取っていません。

 

国際協力師とは、生活するのに十分な給料をもらいながら、仕事としての国際協力を持続的に行っている人を指します。 

 

生活するのに十分な給料…。

 

十分な給料…。

 

給料…。

 

!!!

 

現在僕は、給料は一円も受け取っていません。NGOを起業したばかりで、まだ活動資金もそれほど集まっていないため、給料を出す余裕はないからです。

 

ということは、NGOを起業しても、給料をもらっていなければ国際協力師とは呼べないのか…。

 

…が、それでも僕は自分の書いた本『世界を無視しない大人になるために』の売上や講演の謝礼、このブログから収入を得ることができています。

 

国際協力師という概念が誕生したのは、2005年です。あれから10年以上が経ち、当時と比べて収入を得る方法は多様化し、国際協力師には新たな選択肢も加わっているのです。 

 

2019年からフリーランス国際協力師になりました

国際協力師

ウガンダの子供たちと

 

大学卒業後にうつ病を患い、2018年末に僕は自分で起業した国際協力NGOを離れました。

 

そして2019年からは「フリーランス国際協力師」という肩書を名乗り、日本とアフリカを往復しながら仕事をしています。

 

先ほど解説したように、従来の国際協力師とは、国際機関や政府機関など特定の組織に所属しながら、国際協力を行っている人のことを指します。

 

一方の僕は、どの組織に所属することもなく、フリーランスとして国際協力活動を続けています。この記事を更新している2020年3月現在は東アフリカのウガンダ共和国に滞在中です。

 

フリーランスと国際協力師は、言ってしまえば相対立する概念です。でも、僕は「フリーランス国際協力師」として活動しています。

 

現地人パートナーと草の根支援を行ったり、ブログやYouTubeで現地から情報発信をしたり、日本では国際協力に関する講演をしたりしています。

 

「自由に働きながら世界を変える」というコンセプトを掲げ、国際協力をテーマに様々な働き方を実践するのがフリーランス国際協力師です。

 

時代が進み、働き方や収入を得る方法も多様化する中で、新しい「国際協力師」の形を僕は作っていきます。

 

国際協力師のまとめ

  • 国際協力師とは、生活するのに十分な給料をもらいながら、プロとして国際協力を持続的に行っている人を指す。
  • 国際協力師には国際公務員や政府機関職員、政府機関専門家、NGO職員、開発コンサルタントがあたるが、新たにソーシャルビジネスやフリーランスという選択肢もある。
  • 国際協力師になるには、一般的には英語力、修士号、2年間の海外勤務経験が必要。ただし、就職先の団体によって必要な資格は変わってくる。
  • 国際協力師の給料は職種によってバラバラだが、概ね年収300万円~1000万円。
  • 国際協力師になるには、基本的には大学は出ている必要がある。大学で専攻すべき学問は、原貫太は文化人類学・外国語・統計学・国際関係学をおすすめしている。
  • 原貫太はニュータイプの国際協力師。2019年からはフリーランス国際協力師として活動している。
  • 時代が進んで働き方が多様化する中、国際協力師の形も少しずつ変わっている。というか、僕が変えていく

 

 

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