フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。今年5月末に心療内科で「適応障害抑うつ」と診断され、半年間の休養生活を送ってきました。
僕の周りには、適応障害を経験したことのある知人がチラホラいます。何を隠そう、僕のパートナーも過去に適応障害を経験しました。
自分で色々と調べたり、周りの適応障害経験者から話を聞いてみると、適応障害になりやすい人には共通の特徴があるように感じます。
適応障害になりやすい人の特徴
僕が調べた限りでわかった「適応障害になりやすい人の特徴」を、自分の実体験も踏まえて8つまとめました。
- 真面目すぎる
- 几帳面すぎる
- 仕事熱心すぎる
- 完璧主義すぎる
- 責任感が強すぎる
- 妥協ができない
- 他人任せにできない
- 他人の評価を気にしすぎる
それぞれの特徴を強調するため、あえて「すぎる」という言葉を付けています。
一点注意していただきたいのは、これらの特徴を持つ人がみんな適応障害になるわけではありませんし、これらの特徴がなくても適応障害になる可能性はあります。いくつかの特徴は重なる部分もあります。
これらの特徴を持つ人はストレスを溜めこんでしまいやすく、心のバランスを崩してしまった結果として、適応障害になりやすいようです。
真面目すぎる
適応障害になりやすい人の特徴、一つ目は「真面目すぎる」です。
映画『ツレがうつになりまして。』を観たことがある人はいますか?堺雅人演じる”ツレ”がうつ病と診断されて会社を辞めることになりますが、この”ツレ”、めちゃくちゃ真面目な人間に描かれています。
ツレが発症したのは適応障害ではなくうつ病ですが、専門医でもうつ病と適応障害の見分けは難しいと言われています。そのため、一つの例として紹介しました。
真面目は別に悪いことではありません。真面目な人がいるからこそ、社会も組織も回っています。
でも、真面目”すぎる”性格は、時には自分を追い込んでしまい、ストレスを溜めこんでしまうことに繋がります。
真面目ゆえに、社会の中では「損」をしてしまう人がたくさんいるのです。真面目に生きすぎるあまり、緊張の糸がプツンと切れてしまった時に、適応障害になってしまう人が多いようです。
几帳面すぎる
適応障害になりやすい人の特徴、二つ目は「几帳面すぎる」です。
これもぜひ『ツレがうつになりまして。』を観てほしいのですが、うつ病になった”ツレ”はネクタイの色や弁当のおかずまで、曜日ごとに管理するほど几帳面な人間として描かれています。
僕は幼い頃から母親に「片づけをしなさい」「身なりをきちんとしなさい」と何度も注意されながら育った人間なので(笑)、日常生活はそれほど几帳面ではありません。
でも、病気になる前に起業したNPOで働いていた時は、ホームページの文章が一文字間違っていただけでもすぐに修正しないと気が済まなかったし、講演会やイベントを実施した時には、活動報告をその日中にSNSにアップしていました。
普通の人からすれば「そんなこと、気にしなくてもよくない?」と思うことでも、細かい所まで気を張りすぎる几帳面な人は、適応障害やうつ病になりやすいのかもしれません。
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仕事熱心すぎる
適応障害になりやすい人の特徴、三つ目は「仕事熱心すぎる」です。
多くの人が、仕事が原因で適応障害になると聞きます。家庭の問題や友人関係が原因となる人がいますが、少なくとも僕の周りの適応障害経験者のほとんどは、仕事が原因で発症しています。
僕も病気になる前は、「自分には仕事しかない」とすら思い込んでいる時もありました。家族からは「たまには仕事から離れてのんびりしたら?」ともアドバイスされていましたが、仕事から少し距離を置くだけで、ソワソワしちゃってましたね。
仕事熱心なことは決して悪いことではありませんが、熱心すぎるあまり、目の前が仕事しか見えなくなってしまう人はストレスを溜めこみやすく、適応障害になりやすいのではないかと思います。
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完璧主義すぎる
適応障害になりやすい人の特徴、四つ目は「完璧主義すぎる」です。
完璧主義(かんぺきしゅぎ、英: Perfectionism)とは心理学においては、万全を期すために努力し、過度に高い目標基準を設定し、自分に厳しい自己評価を課し、他人からの評価を気にする性格を特徴とする人のこと 。(wikipediaより引用)
「万全を期すために」という部分は、「几帳面」や「真面目」、また6つ目に紹介する「妥協ができない」人に見られる特徴と重なりますし、また「他人からの評価を気にする」部分は8つ目に紹介する特徴と同じです。
責任感が強すぎる
適応障害になりやすい人の特徴、五つ目は「責任感が強すぎる」です。
例えば寝られない、気分が乗らないなど、適応障害の兆候が出ているにもかかわらず、責任感の強すぎる人は「自分が休んだら他の人に迷惑がかかる」と思ってしまい、仕事を休む決断ができません。
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そんな状態が長引けば、ストレスはドンドンと溜まり、適応障害を発症する可能性も高まります。
僕も今年5月初めから病気の兆候は出ていたのですが、起業したNPOの仕事が山のようにあったため「僕が休んではいられない」と自分に言い聞かせていました。
もちろん責任感が強い人は周りから信頼されたり、リーダーシップを発揮できたりといったポジティブな面もあります。
しかし、強すぎる責任感は時に自分の身体を追い込んでしまい、適応障害にもなりやすくなるのでしょう。
妥協ができない
適応障害になりやすい人の特徴、六つ目は「妥協ができない」です。
大事な仕事には120%の力を注いだとしても、日々の細かい仕事なんか少しくらい手を抜けばいいのです。妥協すればいいのです。
でも、真面目すぎる人や完璧主義すぎる人は、この「妥協」を許すことができません。「妥協」という言葉に悪いイメージばかり持っているのです。
妥協すると罪悪感すら感じてしまうような人は、自分の体や心の状態を優先して考えることができないため、適応障害になりやすいのかもしれません。
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他人任せにできない
適応障害になりやすい人の特徴、七つ目は「他人任せにできない」です。
自分が大変なときは、仕事でも何でも誰かの力を借りればいい。誰かに頼ればいい。なのに、他人任せにできない人は「お願いしたら申し訳ない」と感じてしまい、結局は自分でやってしまいます。
僕も起業したNPOで働いていた時は「誰かに任せるよりも自分でやってしまった方がいい」と考えていました。この姿勢は他のスタッフの教育にもならなければ、自分を追い込んでしまうことにも繋がりかねません。
また、他人任せにできない人には、人から何か頼まれると断れない人も多いです。
仕事においても日常生活においても、一人が背負えることには限界があります。その限界を理解せず、何でも一人で背負ってしまう人が、適応障害になりやすいのです。
他人の評価を気にしすぎる
適応障害になりやすい人の特徴、最後は「他人の評価を気にしすぎる」です。
他人の評価を気にしすぎる人は、承認欲求が強いのです。「誰かに認めてもらわなければ自分に価値を感じられない」とも言えるでしょう。
しかし、
- 「あぁ、上司に〇〇と言われてしまった…。嫌われてしまっただろうか…。」
- 「会議でこんな発言をしたら、周りに何と思われるだろうか…。」
- 「SNSにあげた投稿、誰からもいいねされない…。」
などと他人の評価ばかりを気にしながら生きていたら、心は休む暇がありません。ストレスも溜まる一方です。
僕自身、幼い頃から周りの顔色ばかり気にして生きてきました。他人から言われた何気ない一言でも、過剰に受け取り、気を揉んだことが何度もあります。
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しかし、他人の評価を気にするということは、他人の期待を満たしながら生きることになります。そんな姿勢では、自分自身の人生を生きることはできません。
他人の顔色ばかり気にする生き方は、小さなストレスを自分の中に蓄積させることになり、その結果として適応障害にもなりやすくなるのではないでしょうか。
さいごに
適応障害になりやすい人の特徴を8つ挙げてみました。もう一度整理しておくと、
- 真面目すぎる
- 几帳面すぎる
- 仕事熱心すぎる
- 完璧主義すぎる
- 責任感が強すぎる
- 妥協ができない
- 他人任せにできない
- 他人の評価を気にしすぎる
を挙げました。ちなみに僕は全部の特徴に心当たりがあります(笑)
最初に書いた通り、これらの特徴を持つ人がみんな適応障害になりやすいわけではありません。また、これらの特徴がない人でも適応障害を発症する可能性はあります。
また、捉え方によっては、これらの特徴はポジティブなものにも考えられます。だから無理してまで変えようとする必要はありません。僕自身は一つの「個性」だと考えています。
真面目すぎる、完璧主義すぎるなど、その度合いが強すぎれば自分を休ませることができず、ストレスは溜まっていくばかり。自分を追い込みすぎてしまった結果、適応障害になりやすいのだと思います。
自分の心と体の信号は、最後は自分にしかわかりません。この記事が今のあなたを見直す一つのきっかけになれば幸いです。
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自分の経験を発信することで、適応障害に苦しむ人を減らしたい。その想いから、適応障害になって学んだ経験をブログにまとめています。ぜひ、こちらのページから適応障害のブログ一覧をご覧ください。