春休みや夏休みの長期休みになると、スタディーツアーやワークキャンプで途上国に足を運ぶ学生も多いでしょう。そんな人たちから、何度かこの質問を受けてきました。
途上国滞在中にストリートチルドレンからお金を物乞いされたら、どのように対応していますか?
最近はLCC(格安飛行機)の普及もあり、カンボジアやフィリピンなどの東南アジアに渡航するハードルは大きく下がりました。
友人の大学生は、先日シーズンを外してフィリピンのセブ島に行ってましたが、セール中だったこともあり、航空券は(何と!)往復で12,000円。破格すぎる…。
途上国に足を運べば、必ずといって良いほど路上で暮らす子ども「ストリートチルドレン」と出会うでしょう。そんな彼らから物乞いをされたら、あなたはどうやって対応していますか?
ストリートチルドレンを無視しない
これはあくまで、僕個人がストリートチルドレンから物乞いされた時の接し方ですが、基本的に「無視」はしないように努めています。
もちろん、どこまでもついてきて「お金を下さい」と物乞いしてくる子どもを振り切る時は、結局は無視になってしまうかもしれません。
でも、最初から最後まで、まるで其処に「彼」が存在していないかのように振舞うことはしません。だって、(当たり前だけど)「彼」も一人の人間だし、命を懸けて生きている「彼」の人生があるから。
言い過ぎかもしれませんが、無視することは「人権侵害」をしている気さえ僕はします。
だから、断る際は
I'm sorry. I cannot give you money. (ごめんね。お金はあげられないんだ。)
I don't have much money today.(今日はそんなにお金を持っていないんだ。)
など、必ず一声を掛けるようにしています。英語が通じていようが通じていなかろうが、「僕は君のことを気にかけているよ」というのが伝わるように接するのです。
ストリートチルドレンと「友達」になる方法
ウガンダ首都カンパラのストリートチルドレンたちと。近くのスーパーマーケットで購入したサモサを一緒に食べた。
基本的に、僕はストリートチルドレンにお金を渡すことはしません。
詳しくは以下の記事を読んでもらいたいですが、彼らの背後には(親を含めて)悪い大人が隠れている場合がほとんどで、彼らにお金を渡したとしても、ほとんどのケースでは、彼らの手元に入ることはありません。
➡物乞いビジネスとは?衝撃的なレンタルチャイルドの実態も解説 - 原貫太のブログ
そのため、ストリートチルドレンから物乞いをされた時、僕はお菓子を渡すようにしています。
小さな屋台など、地元の人が食べるようなお菓子であれば、一個20~30円程度で購入できます。子どもたちにはお店の外で待っていてもらい、その後に購入したお菓子を渡して、できれば一緒に食べるのです。
(もちろん僕だって人間なので、忙しい時やお金の持ち合わせが無い時はこの限りの対応ではありませんが)
このような対応をすると、大体の子どもたちは心を開いてくれます。お菓子を食べながら、
「今はどこで暮らしているの?」
「お母さんとお父さんはどこ?」
「普段は何をしているの?」
といった質問を英語ですると、(英語が話せる子どもであれば)答えてくれます。
日本人がストリートチルドレンとお菓子を食べている姿は珍しいので、興味を持った地元の大人が近づいてきて、そのまま通訳してくれることもありましたね。
そうやって、ストリートチルドレンと「友達」になり、後日また同じ場所へ足を運ぶと、今度は物乞いしてくるのではなく「また会ったね!」という流れになることも。上の写真に写るウガンダの子どもたちがまさにそうでした。
あくまでこの接し方は、これまで途上国を中心に、色々な国でストリートチルドレンと接してきた僕個人の方法です。中には盗みを働くようなストリートチルドレンや、マフィアと関係を持つストリートチルドレンがいるのも事実です。
用心するのに越したことはありませんが、一つの参考にしてください。
おすすめの書籍紹介
途上国には物乞いをするためだけに貸し借りされる「レンタルチャイルド」と呼ばれる子どもたちがいる。中には、少しでも多くのお金を稼ぐために、意図的に腕を切断されたり、目を潰されたりする子どもも…。
ストリートチルドレン問題の「闇」に迫った『レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち』は鳥肌が立ちました。
ストリートチルドレン問題について詳しく解説した以下の記事もご覧ください。