やりたいことを「今」やるために全力で行動を起こし始めると、「将来は◯◯したい」という想いが自分の中から無くなっていくことに最近気が付いた。
「原さんが将来やりたいことは何ですか?」と聞かれても、今日、明日、明後日にやりたいことがたくさんあるから、その質問にあまり上手く答えられる気がしない。
経営者として、リーダーとして、組織のビジョンだけではなく、3年後、5年後、10年後の姿を見据えた計画を示さなくてはならない。だから、少し前までは「自分の中で具体的なプランが見えていないのではないか…」と、不安になっていた時もありました。
でも、目の前に集中し、そのために動き始めてみると、"「今」やらなくてはならないこと"がたくさん出てくるし、そこにワクワクした気持ちが掛け合わされると、"「今」やりたいこと"もドンドンと湧き出てくる。
そんでもって、一つの行動を起こしてみると、そこから得られる情報によって勇気が湧いてきて、また次の行動へ繋がるという繰り返しになるので、一向に将来のことを考える暇が来ないんです。
そうすると、「将来は〇〇したい」という、将来を起点とした考え方をあまりしなくなってくる。「今〇〇をやりたい/やらなくてはならないから、△△が必要だ。そのために◇◇しよう。お、分かってくると意外といけそうだぞ。▽▽もやれるな。」と、「今」を出発点にして物事を考える"癖"がついてきます。
「将来は途上国支援に携わりたい」「将来はアフリカで国際協力したい」と大学生から相談を受ける度に、僕は「今この瞬間から始めてみるのは無理なの?」とアドバイスを送る。
これは別に、上から目線で話しているわけでも、無責任なアドバイスをしているわけでもない。やりたいと思っていることがあるなら、将来の自分にプレゼントしちゃうのではなく、今やる方法を模索してみれば良い。特に国際協力の分野は、それを実践するための方法はたくさんあるのだから、行動の起こし方だって様々に存在します。
大抵の人は「まだスキルが足りないから…」「経験が足りないから…」と言うけれど、まず動き始めてみれば自分に何が必要なのかが身をもって分かり、走りながらそれらを身に付けていくことができる。
ただ、現実では様々な制約によって、今すぐに行動を起こすのが難しいという人がいるのも理解できる(まぁ後で言うけど思い込みは怖いので簡単に決めつけない方がいいけど)。
そうであっても、今置かれている環境の中で、やれる限りの行動をまず起こしてみること。「将来への準備として、今は我慢の時期だ」という考え方は、しない方が良い。
そもそも、行動を起こすことを妨げている制約なんて、自分の「思い込み」によって生じていることが多い。そしてその「思い込み」は「勇気の無さ」が関係していて、その「勇気の無さ」は「情報不足」によって生じていることが多い。
行動し始めてみてわかってきたけど、大変なことはたくさんあっても、NPOを作ることもアフリカで働くことも、"想像していたよりは"ずっと難しくない。
なぜなら、その想像していた頃の自分には情報が不足していたから、勇気が無くて、勝手な思い込みで「自分には難しい」と制約を造っていただけだったから。
でも、本を読んだり、色々な人から話を聞いたりする中で情報を手にしたことにより、「意外とやれるもんなんだな」と勇気(自信?)が湧いてきて、さらなる「行動」へと繋がっている。
きっと、行動することによって情報が手に入り、それによって勇気が生まれ、その勇気はまた次の行動を生み出すのだろう。これが繰り返されると、「将来は〇〇したい」という考え方をする機会が、相対的にでも少なくなってくる。
色々偉そうに書いたけど、そんな僕でも「将来やりたいことって何かな~」と気晴らしに考えてみたら、『世界を無視しない大人になるために』の続編を出すことが頭に浮かんだ。
この本のエピローグでは、3月に日本へと帰国した僕の「葛藤」をモロに書いているのだけど、その後にコンフロントワールドを起業して、どのように「葛藤」が変わっていったのか、それを乗り越えていったのか、そして起業を決意した気持ちの裏側を伝えたい。
この本は、僕の処女作にして、渾身の力で書いた一冊。「我が子」のように大事にして、もっともっとたくさんの人たちに届けたい。