原貫太のブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカの問題、フリーランスの働き方など様々なテーマを解説しています。

NGOに就職するには?新卒・中途で就職する方法から必要なスキルまで解説!

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。自ら起業したNGOに、新卒で就職をした経験があります。

 

多くの学生から「NGOに就職したいのですが、具体的な方法や必要な能力を教えてください」と質問されます。

 

NGOに就職するのは狭き門です。NGOで働きたい人は、正しい情報を集め、できる限り早く準備を開始する必要があります。

 

今回の記事では、

 

  • NGOに新卒・中途で就職する具体的な方法
  • NGOの給料や待遇
  • NGOに就職するために必要なスキルや能力
  • NGOに就職したロールモデルのインタビュー記事

 

を紹介します。

 

 

こちらの記事もよく読まれています➡NGOとは何か?元NGO職員が日本一わかりやすく、簡単に解説します! - 原貫太のブログ

 

NGOに就職するには?新卒・中途で就職する方法

NGO 就職

NGOの一員として、難民支援に携わっていた

 

今回はNGOに就職する方法を

 

  • 新卒でNGOに就職する方法
  • 中途でNGOに就職する方法

 

にわけて紹介します。

 

新卒でNGOに就職する方法

国際協力に取り組むNGOは日本国内に400団体以上ありますが、新卒採用を行なっているNGOは非常に少ないのが現状です。

 

なぜならNGOは限られた資金や人員で活動しており、基本的には即戦力しか採用しないからです。

 

しかし、新卒でNGOに就職する方法が全くないというわけではありません。ここでは二つの方法を紹介します。

 

①在学中にインターン経験を長く積み、卒業後NGOに就職する

新卒でNGOに就職する一つ目の方法は、「在学中にインターン経験を長く積み、卒業後NGOに就職する」です。実際にこの方法で大学卒業後すぐにNGOに就職したのが、僕と『国際協力師たちの部屋』を共同執筆した延岡由規さんです。

 

具体的には、学生時代にインターン生としてNGOで2~3年活動し、その間にコネと実績を作って、卒業と同時にそのNGOに就職するという方法になります。日本のNGOに新卒ですぐ就職する方法は、特殊な例を除くとこれしかありません。

 

②卒業後に青年海外協力隊を経験し、帰国後NGOに就職する 

新卒でNGOに就職する二つ目の方法は、「大学卒業後に青年海外協力隊を経験し、帰国後NGOに就職する」です。社会人経験を経ることなく、実質的に新卒でNGOに就職することができます。

 

青年海外協力隊として2年間発展途上国で活動していれば、その経験を買われ、いきなりNGOの海外駐在員になれる可能性もゼロではありません。中には青年海外協力隊からの帰国後、大学院に進学して専門性を身につけてから、NGOに就職する人もいますね。

 

しかし、新卒で青年海外協力隊になるのは簡単なことではありません。大学在学中に何らかの専門性や資格を得ていない人は、新卒枠だと「コミュニティ開発」や「青少年育成」にしか応募できません。これらの職種は、倍率がめちゃくちゃ高いです。

 

①②をまとめると、新卒でNGOに就職するのはいかにハードルが高いか分かると思います。

 

中途でNGOに就職する方法

限られたリソースで活動するNGOは新人研修に時間を割くことができないため、基本的には即戦力しか採用していません。

 

そのため、一般企業で社会人経験を積んでからNGOに就職する人がほとんどです。実際、NGOの求人には「社会人経験2年以上が必要」と書かれていることほとんどです

 

以下の図を見てください。これは、国際協力NGOセンターとNPO法人Green Projectが共同実施した「NGOセンサス2017」の内容です。

NGO 就職

NGOセンサス2017より引用

 

これを見るとわかるように、多くのNGOは定期的に中途採用を行っているわけではありません。職員の欠員や事業拡大の際に、適宜人材の募集をかけます

 

そのため中途でNGOに就職したい場合、団体のホームページやSNS、またはJICAが運営する国際協力系人材サイトの「PARTNER」に求人が掲載されているか都度確認したり、直接団体に問い合わせたりする必要があります。

 

イレギュラーなケースではありますが、まずはアルバイトという形で雇用され、実績を残すことができれば正職員に昇格できる、という就職の方法もありますね。気になるNGOがあれば、就職・採用状況を一度問い合わせてみてください。

 

なお、リクナビNEXTのような転職サイトでもNGOの国内事務所のスタッフが募集されていることが時々あるので、「国際協力」や「NGO」といったキーワードで調べてみてください。

 

NGOに就職すると、給料や待遇はどう?

NGO 就職

ウガンダの子供

 

NGOへの就職を考えている人にとって、気になるのが給料や待遇事情だと思います。

 

「NGOの給料は341万円。そのお金はどこから出るの?元NGO職員がぶっちゃける」の記事で解説した通り、NGOの平均年収は341万円です。性別でみると女性346万円、男性331万円となっています。

 

法人格を持っているNGOに就職すれば、一般企業のサラリーマンと変わりません。そのため通勤手当や社会保険、労働保険も基本的には問題ないです。

NGO 就職

「NGOセンサス2017」より引用

 

NGOの給料や待遇事情に興味ある方は、以下の記事もあわせて読んでみてください。

NGOの給料は341万円。そのお金はどこから出るの?元NGO職員がぶっちゃける

 

NGOに就職するために必要なスキルや知識、能力は?

NGO 就職

Webマーケティングの知識がNGOの就職に役立つこともある

 

先述のように、NGOは決まった時期に人材募集を行っているわけではなく、欠員が出た際や事業を拡大する際に、その都度スタッフの求人情報を出しています。

 

そのため、各々のNGOがその時にどんな人材を求めているかに左右されるため、NGOに就職するために必要なスキルや能力を一概に伝えることはできません。

 

ただ、上記のことも理解してもらった上で、NGOで働いた経験のある立場からNGOで働くために必要なスキルをいくつか挙げたいと思います

 

NGOで働くのに必要なスキル① 広報・発信力

NGOの活動資金はその多くが寄付金によって支えられていますが、それでもほとんどの団体では常に資金不足の問題に直面しています。

 

NGOが寄付を集める方法は色々ありますが、近年はインターネット上でファンドレイジングをするのが主流です。2020年7月現在はコロナの影響で、対面のイベントや活動報告会も難しいですからね。

 

例えばNGOの国内事務所で広報・ファンドレイジングの人材を募集している場合、WebマーケティングやSNS運用に関するスキルや能力が高い人は、即戦力として採用してもらえる可能性があります。

 

NGOで働くのに必要なスキル② プロジェクト管理能力

特にNGOの海外駐在員になりたい場合は、プロジェクトの管理能力や経験が求められます。

 

日本人のNGO駐在員が発展途上国に行くと、基本的には「マネージャー」という立場に就きます。現地人スタッフが行っているプロジェクトを管理するのが主な役割です。

 

そのため、例えばPCM(Project Cycle Management)やPDM(Project Design Matrix)といったプロジェクト管理の経験・スキルがある人が求められます。他にも海外駐在員の場合は、高いレベルの語学力やコミュニティ開発に関する知識なども必要です。

 

NGOで働くのに必要なスキル③ タフな体と心

これを「スキル」と呼ぶかはわかりませんが、NGOに就職するためにはタフな体と心、言い換えると「健康」が必要です。

 

特に発展途上国の海外駐在員になると、日本とは全く違った環境で働き、生活するための体力や、不条理な問題を目の前にしながらも冷静に物事を進めていく精神力が求められます。

 

僕は実際にNGOの海外駐在員的な立場で働いたことがあるのですが、特に日本人が一人や二人しかいない海外駐在員の場合、めちゃくちゃに忙しいです。

 

また、国内事務所で仕事をするとしても、基本的には常に何らかの仕事に追われています。多くのNGOは限られた人員で活動しており、ぶっちゃけ時間外労働の多いNGOもあります。

 

どんな仕事においても身体が資本ではありますが、NGOに就職したいと考えている人は、特に健康に気を使うようにしましょう。

 

以上、NGOで働くために必要な3つのスキルを例示しましたが、基本的にはNGOに就職するために必要なスキルや能力は団体によって、また募集枠のポストによって異なるため、応募要項にしっかりと目を通し、自分の力がそのNGOで活かせるか考えましょう。

 

なお、新卒でNGOを起業した僕が思う、学生時代にやっておいてよかったことは以下の記事で紹介しています。

国際協力を仕事にした僕が思う、学生時代にやっておいてよかった11のこと

 

NGOに就職したロールモデルのインタビュー

NGO 就職

青年海外協力隊を経てNGOに就職した鈴鹿達二郎さん

 

実際にNGOに就職した方の体験談が、これからNGOで働きたい人にとってはキャリアプランや必要なスキルを考える上で、参考になると思います。

 

地雷・子ども兵士・小型兵器の問題に取り組むNGO、認定NPO法人テラ・ルネッサンスに就職した鈴鹿達二郎さんは、青年海外協力隊とタンザニアの大使館勤務を経て、NGOに就職しました。現在はテラ・ルネッサンスのウガンダ駐在員として働いています。

 

しかし、鈴鹿さんは学生時代からNGOで働くことを目指していたわけではありません。僕のインタビューに対して、「理系の大学院時代は、研究のためひたすら浜辺で貝を数えていたんですよ」と語っています。

NGO駐在員がアフリカ人から学んだ、人と”繋がる”生き方【鈴鹿達二郎さんインタビュー】

 

もう一人のロールモデルは、世界最大のNGOの一つ「国境なき医師団」に勤める看護師の白川優子さん。2010年に国境なき医師団に就職し、これまでにシリアやイエメン、南スーダンといった紛争地で医療活動にあたってきました。

 

彼女が僕のブログに、これから人道支援の道を目指す人がやっておくべき5つのことという記事を寄稿しています。NGOに就職したい人の参考にもなるはずです。こちらもぜひ、読んでみてください。

白川優子が語る、人道支援の道を目指す人が今から取り組むべき5つのこと

 

NGOに就職する方法 まとめ

  • NGOに新卒で就職する方法➡①学生時代に就職先のNGOでインターン経験を長く積み、卒業後に就職する。②新卒で青年海外協力隊に進み、帰国後に就職する
  • NGOに中途で就職する方法➡欠員や事業拡大の際にNGOが公募を出すので、その都度ホームページなどで情報をチェックする。
  • NGOに就職するために必要なスキルや能力は団体や公募枠によって異なるが、①広報・発信力②プロジェクト管理能力③タフな体と心が求められる。
  • NGOに就職した2人のロールモデル、鈴鹿達二郎さんと白川優子さんのインタビュー記事にも目を通してみよう

 

こちらの記事もよく読まれています。あわせてご覧ください➡NPOとNGOの違いを日本一わかりやすく解説【誤解してる人が多すぎる!】