フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。今回のテーマは「英語を勉強する時は、どんな目標を設定すればいいの?」
特に英語がスラスラ読めるようになりたい人や、苦手な英会話を克服したい人には、とても大切な内容になっています。
英語学習における目標設定の例として、しばしば挙げられるのが
- TOEIC 700点
- 英検二級
- TOEFL 81点
など。こういった具体的な目標設定もいいですが、英語学習における”本質的な目標設定”として「英語を英語として理解できるようになる」というものがあります。
「英語を英語として理解できるようになる」とは、一体どんな状態を指すのか。また、その目標を達成するために、どんな勉強方法があるのか。解説します。
英語学習の目標設定は「英語を英語として理解できる」にしよう
英語を勉強する人は、「英語を英語として理解できるようになる」を目標に設定しましょう。
英語を勉強し始めた人は、その多くが「英語→日本語」の変換をしています。例えば、分からない英単語は英和辞典で調べたり、文章は日本語に訳しながら読み進めたり。
受験勉強であれば、この勉強方法でも問題ないでしょう。試験ではたっぷり時間もあるし、和訳問題はまさに「英語→日本語」の翻訳力が試されます。
しかし、日本人が苦手とする英会話の場面では、頭の中でいちいち「英語→日本語」と訳す暇はありません。誰かと英語で会話する時は、リアルタイムで話が進んでいくからこそ、その瞬間瞬間で意味を理解しなくてはならない。
そのためには、「英語を英語として理解できるようになる」ことが必要です。例えば、
"This is a pencil."
と外国人が話していたら、頭の中で「"This"が『これ』、"a"は単数名詞、"pencil"は『鉛筆』だから、『これは鉛筆です』と話しているんだな」と、いちいち頭の中で日本語に訳しませんよね?"This is a pencil"と言われたら、そのまま意味を理解できますよね?
どんな英単語が表れても、どんな文法が使われても、その状態になれること、つまり英語を英語のままで意味が理解できる状態になれることが、英語学習における本質的な目標設定となるべきなのです。
目標を達成するための4つの勉強方法
「英語を英語として理解できるようになる」という目標を達成するために、僕が実践した4つの方法をご紹介します。
音読する
大学受験生だった時、長文読解を一問解いたら、その文章を必ず音読するようにしていました。「音読」は読んで字のごとく、「声を出して英語の文章を読む」というやり方です。
発音を気にし過ぎる人もいますが、僕が考える音読のメリットは
- 英語独特のリズムが身に付く
- "前→後"で意味を理解しようとする
英語なんて日本語と同じ、言葉に過ぎません。言葉だからこそ、リズムで覚えるのは大切です。皆さんも小さい頃、絵本を音読した経験があるでしょう。その言葉独特のリズムを体で覚えるのは、言語学習における大切な方法です。
また、音読の場合は「少しだけ前に戻って意味を理解しよう」ができません。例えば、
"These were built because winters in Hokkaido are very cold."
という例文であれば、日本語に訳す時には
北海道はとても寒いから、これらは建設された。
と、前後を逆にして意味を理解する人がいるでしょう。音読では、このように前後をひっくり返して意味を理解することができない、つまり、英語が出てきた順番通りに意味を理解しながら読み進めていく必要があるので、「英語を英語として理解する」必要があるのです。
この、「英語が出てきた順番通りに意味を理解する」は、②リスニング ③字幕付き映像を観る にも関係してきます。
リスニングする(シャドーイングする)
リスニングも、「英語を英語として理解する」という目標を達成するための方法として効果的。
文章と違い、後から聴き直す(読み直す)ことができないため、「英語が出てきた順番通りに意味を理解する」必要があります。また、頭の中で「日本語→英語」の翻訳を行っていては、無いようについていくことができません。
リスニングのみならず、シャドーイングも非常に効果的な学習方法です。
シャドーイングとは、(イヤホンなどで)音声を聞いた後、即座に復唱する実験技術である。(wikipedia「シャドーイング」より引用)
イヤホンで英語を聴きながら、コンマ数秒遅れで同じ内容を復唱する勉強方法。初めて聴く文章をシャドーイングするのはかなり難しいので、内容を理解した上でやる方が良いでしょう。僕は受験生時代、リスニング問題を解いたら必ずシャドーイングするようにしていました。
字幕付き映像を観る
映画やドキュメンタリー番組を英語字幕付きに設定し、文字で内容を確認しながら観るのは良い方法です。目と耳の両方で英語を理解できますが、前に戻っている時間がないため、先述した「英語を英語として理解する」必要があります。
僕の友人でもあり、現在はカンボジアでNGOスタッフとして働く延岡由規さんは、TEDをオススメしています。
世界中の素晴らしいアイディアを無料で聴くことのできるTEDを使って、アフリカの国で育った方がスピーカーとして話している動画をいくつかピックアップし、電車の中で何度も何度も見ました。(国際協力師たちの部屋「vol.7-2 海外で働く英語力、こうやって身に付けました。超具体的にお答えします!(延岡)」より引用)
英英辞典を使う
分からない英単語があると、日本人はすぐに和英辞典を使ってしまいます。そうすると、次回もその英単語が出てきたときに、日本語の意味がすぐに頭に浮かんでしまうんですよね。
だから、僕はできる限り英英辞典を使うようにしています。
例えば、"predecessor"という単語。日本語では「前任者」という意味ですが、これを英英辞典で引くと
"a person who held a job or office before the current holder"
となります。何となく、英語のままでも意味を理解できませんか?
和英辞典を使わなければどうしても理解できない単語以外は、英英辞典を使うようにしましょう。英英辞典を使い続けていれば、少しずつ「英語を英語のままで理解する」感覚が分かってくるはずです。
まとめ
英語学習における本質的な目標設定は、「英語を英語として理解できるようになる」ことです。
特に、リアルタイムで進んでいく英会話では、頭の中で「英語→日本語」で翻訳している時間はありません。英語を英語のまま理解できるようになることを、一つの目標として掲げましょう。
その目標設定を突破するための勉強方法として、以下4つがおすすめです。
- 音読する
- リスニングする(シャドーイングする)
- 字幕付き映像を観る
- 英英辞典を使う
そして、少しずつ英語を英語として理解できるようになったら、とにかく実用するのみです。ガンガン”英会話”をやってください。量をこなすことで、「英語を英語として理解できる」状態がさらに進化していきます。
僕は大学生になるまで英会話が苦手でしたが、アメリカ留学に出発するまでの一年間オンライン英会話を続けたことで、スピーキングが得意になりました。
上記した4つの勉強方法に加え、オンライン英会話も日々の英語学習に組み込んでみると、「英語を英語として理解する」という目標をいち早く達成できるかもしれません。頑張ってください。
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