原貫太オフィシャルブログ

アフリカでの国際協力活動から新時代の働き方、情報発信術まで。※本ブログの内容は個人の見解によるものです。

「アフリカの危険地帯で活動する人は命知らず」が間違いである2つの理由

12月は寄付月間。あなたは「本当に意味のある寄付」ができていますか?

スポンサーリンク


「アフリカの危険地帯で活動する人は命知らず」というのは大きな間違いだ。

 

僕自身はまだ紛争地と呼ばれる地域には足を運んでことがないが、それでも日本と比べたらはるかに治安の悪い地域に行き、支援活動に携わってきた。

 

 

時々、「アフリカなんかに足を運ぶ人は命知らずだ。もっと命を大事にしなさい。」と言ってくる人がいる。お気遣いは本当に有難いのだが、真剣に活動してる人にとっては、その心配が無用であることを説明したい。

 

 

危険地帯での仕事は絶対に死んではならない

f:id:KantaHara:20171124211807j:plain

photo by Julien Harneis

 

 

元国境なき医師団の日本理事で、国際協力の世界ではレジェンド的存在である山本敏晴さん。紛争地で働いてきた経験を踏まえ、以下のように述べている。

 

もしも海外の、「とある国」で日本人が死んだ場合、
その国で日本人(さらには欧米人までも)が働くのは危険だ
という風潮になり、
国際協力団体の国連のユニセフやjica(日本政府の国際協力機構)、
民間のNGO(非政府組織)たちが、
活動を停止してしまうことが多いのである。

日本人や欧米人のスタッフたちが、みんな、その国から撤退する。
こうなると、その「とある国(イラクやシリアなど)」で
おこなわれてきた国際協力活動は、中断されてしまう。

数百人以上の外国から来た援助関係者が、
数億円以上のお金を使っておこなってきた、
「数十万人の貧しい人たち」への援助が、
突然、打ち切られてしまうのである。

たった一人の日本人が、殺されただけで。

食料援助や医療援助が打ち切られることは、
それすなわち、彼ら彼女ら、数十万人の死を意味する。

このため、少なくとも、国際協力活動や援助活動として、
途上国や紛争地帯に入っていく場合は、
自分は絶対に死んではならない、と肝に銘じて仕事をしている。

「紛争地帯での仕事は「死んではならない」」より引用)

 

 

真剣に仕事と向き合っている人ほど、自分が死んだ時にどれだけの迷惑を現地にかけるかを理解している。最も被害を受けるのは、自分が助けようとしている難民や貧困層の人たちなのだ。

 

 

紛争地での武装解除に取り組む瀬谷ルミ子さんは、著者『職業は武装解除』の中で以下のように語っている。

 

紛争地の宿泊先では、いざというときに脱出する経路を考えておく。日本大使館員時代にアフガニスタンで住んでいた家の場合は、襲撃されたときに隠れられる場所を確保していたし、外から分かりにくく屋根をつたって逃げる方法などを何通りかシミュレーションしていた。

自爆テロや迫撃砲などが飛んでくる可能性のある場所に泊まるときは、爆発で窓が割れたときのために、部屋に厚手のカーテンをかけていつも窓を閉めておく。そしてベッドは絶対に窓の側には置かない。

 

 

プロ中のプロは、万が一にでも「コト」が起きてしまった場合を想定して、現地での安全管理に徹底して取り組んでいる。

 

紛争地ではないものの、実際のケースとしては去年7月、バングラデシュ首都ダッカで日本人7名が殺害された後は、現地で働く多くの日本人が帰国することを余儀なくされた。亡くなられた方たちをここで批判するつもりはないが、事件によって支援やビジネスが止まってしまい、バングラデシュ現地の人たちにも影響が出てしまったことを、僕たちは忘れてはならない。

 

 

「死」が身近にあるからこそ、命の重みを知っている

f:id:KantaHara:20171124211519j:plain

photo by DVIDSHUB

 

 

西アフリカのベナンで働く内藤さんのツイート。現地に長く滞在している人だからこその視点だ。

 

特に、アフリカで紛争被害者(難民や元子ども兵など)をはじめとした、社会的に最も弱い立場に置かれている人の支援に携わっていると、日本よりもよっぽど近くに「死」があることを痛感する。

 

僕が現地に滞在している間にも、南スーダン難民のシングルマザーが自殺した。日本で生活している限り、「死」を考える機会はほとんどない。けれど、「生きるか死ぬか」の瀬戸際に立たされている人たちと現場で向き合っていれば、いやでも「命の価値」を考えさせられるものだ。

www.kantahara.com

 

 

時々、危険地帯に足を踏み入れたことを「英雄」気取りで語る人がいる。世界一周をして、旅慣れしてきた頃に気が緩み、やすっぽい「ヒーローイズム」に酔いしれる人もいる。

 

僕は、そんな人たちに対しては批判的な立場を取っている。

 

 

真剣に活動している人は、絶対に死んではならないことを肝に銘じている。僕は来年から再びアフリカに出向くことになるが、真のプロフェッショナルになるためにも、今一度現地での安全管理を徹底するようにしたい。

 

 

 

 

 

「不条理の無い世界の実現」をビジョンに掲げ、日本・アフリカで活動する国際協力NGOコンフロントワールド。今月から「マンスリーパートナー」「国際協力サロン」の2つを始めています。

f:id:KantaHara:20171124213001j:plain

私たちの活動を応援してください!

 

 

f:id:KantaHara:20171121193012p:plain

f:id:KantaHara:20171121193016p:plain