ウガンダ最北部の南スーダン難民居住区。昨年7月に紛争が悪化し、難民が急激に流入したために食糧援助が追い付いておらず、栄養失調に苦しむ子どもたちも報告されている。特に紛争で両親を失った子どもや、夫を失った女性の生活は困難を極める。昨日、5回目の調査を行った
難民居住区では、「WFP」(世界食糧計画)の委託を受けた国際NGO「ワールド・ビジョン」によって月に一回、主に豆などの食糧が配給される。2016年1月以降の3年間は一人当たり12kg/月だが、それを超えると6kg/月。現地スタッフ「一日に一回しか食べられない家族もいる」
配給された食糧を転売して生活費を稼ぐ者もいる。紛争で両親を失い、子どもたちだけになった家族から話を聞いた。次女(16歳)「食糧の転売で得たお金は学費に消える。母は2013年に死んだ。父は家財を取りに南スーダンに戻った時に銃殺された」末っ子はまだ6歳、近所の子の面倒も見ている
現金支給のサポートは、2人がこれまでに1回だけ受けることができた。その額は、合計で約8,000円。家族の生活費を稼ぐために、18歳の長女は一人、南スーダンとの国境の町で洗濯の仕事を続けている。次女「お姉ちゃんはたまにしか帰って来ない」
紛争で夫と離別した女性(23歳)は、身寄りの無い孤児7人や生後2週間の赤ん坊を含む9人の子どもを抱えている。「夫もいないし、生活費を稼ぐための仕事もない」難民の85%は女性と18歳以下の子どもであり、食料や医療、住居へのアクセスに欠いていることが指摘されている
彼女は私に、わずか2週間前に出産した赤ん坊を見せてくれた。私と年齢が1歳しか変わらない女性が、妊娠した状態で母国から逃げなければならなかったこと、そして夫を失い、仕事も持たない状態で9人もの子どもを世話しなければならないことに、”世界の不条理”を痛感する
今年末までにウガンダ国内の南スーダン難民は100万人近くまで膨れ上がる見通しだ。さらに北に位置する難民居住区では現在も毎日多くの難民が流入しており、緊急支援の必要が叫ばれている。日本人の私たちに出来ることは何だろうか。まずは現状を知り、そして情報拡散に協力してほしい(終)