アフリカへの日本人の関わり方を3つに大別すると、「ビジネス」「援助」「文化」に分けられると思います。
アフリカに滞在していた時に、テラ・ルネッサンス駐在員の方とも話していたのですが、この3つはそれぞれが独立していて、フィールド間ではあまり連携が取れていないように感じます。むしろ、お互いに牽制(批判?)し合っているようにすら感じることもあります。
「ビジネス」の立場でアフリカに関わる人たちは、「経済的な活動に組み込んでいくビジネスこそが、アフリカの明るい未来を築いていく」「ビジネスが持つ価値と可能性に大きなワクワクを感じる」「援助関係者はアフリカを一方的に『貧しい』『可哀想』だと決めつけている」。
「援助」の立場でアフリカに関わる人たちは、「今まさに貧困や飢餓で苦しんでいる人たちを救わなくてはならない」「どんなにBOPビジネスが盛んになっていっても、社会の本当の最底辺(Bottom of BOP)にはビジネスではアプローチできない」。
「文化」の立場でアフリカに関わる人たちは、「アフリカの持つ文化や伝統の素晴らしさに虜になった」「『困っている人を助けたい』『貧困を改善したい』『国の(経済的)発展に寄与したい』だけではなく、アフリカの持つ力強さや美しさにもっと目を向けるべきだ」。
僕は、どれも正しいことを言っていると思います。
どの立場の人だって、目指している方向性や思い描いているビジョンは、根底では通じる部分が必ずあるはずです。何か一つの目的に対しても、人によってその達成のために取る手段は様々だし、それこそ「適材適所」、人それぞれの果たせる役割があります。
目指している方向性や思い描いているビジョンが合致しているならば、牽制し合うのではなく、批判し合うのではなく、互いの強みを活かして協働することで、大きな成果を出すことができるはずです。
何度も言っているように、社会に大きなうねりを創り出すためには、「コレクティブ・インパクト」、立場の異なる組織や人が、その壁を越えてお互いの強みを出し合い、社会課題の解決を目指す必要がある。
「アフリカのより良い未来」という共通の目的に向かって、「ビジネス」「援助」「文化」それぞれの立場からアフリカに関わる人たちが、批判的な視点であっても提言をし合い、そして協働する可能性を追求するべきだと思います。
まぁ、二つ以上の立場からアフリカに関わっている人もいるし、既に立場間での協働が行われている事例はあるのですが・・・。