原貫太オフィシャルブログ

フリーランス国際協力師原貫太のオフィシャルブログです。

国際協力とは何か?定義から必要性、日本でできることまで世界一分かりやすく解説

「国際協力とは何か?なぜ国際協力は必要なのか?」この問いに対して、あなたは答えることができますか?

 

大学在学中から国際協力をはじめ、アフリカで難民支援や元子ども兵の支援に携わってきた原貫太(@kantahara)です。2019年1月からは「フリーランス国際協力師」に転向し、現在はウガンダ北東部で女子児童に生理用ナプキンの作り方を教える活動をしています。

国際協力

ウガンダの女の子たちと布ナプキンを作る原貫太

 

僕の周りには、「国際協力に関心がある」「国際協力を仕事にしたい」という人がたくさんいます。

 

でも、よく考えてみてください。「国際協力」とは「国際」と「協力」、たった二つの単語で成り立つ言葉です。あまりにも広く、抽象的な概念だとは思いませんか?

 

国際協力とは何を意味するのか。国際協力の世界に足を踏み入れる前に、定義からその必要性まで、一緒に考えてみましょう。

 

 

国際協力とは「国境を越えて行われる協力活動」

国際協力とは

 

「国際協力とは?」

 

このシンプルな問いに対して、大学新卒で国際協力NGOに就職した延岡由規さんは、『国際協力師たちの部屋』の中でこう回答しています。

 

一応、英語で「国際協力」を表すなら、“International Cooperation” 。これはJICAの正式名称を確認してもらえたらお分かりかと。

 

この“Cooperation”の語源は、「“co”(共に)“opera”(働く)“ate”(する/為す)」って感じで。かなりざっくりですが、英語から考えると国際協力=「国境を越えて行われる協力活動」という日本語がでてきます。『国際協力師たちの部屋』より引用)

 

さらに、国際協力をする「目的」を考える大切さに触れながら、最終的には国際協力を

 

世界の平和を実現することを目的に、国境を越えて行われるすべての協力活動

 

と定義しています。

 

あくまでも、「国際協力=世界の平和を実現することを目的に、国境を越えて行われるすべての協力活動」は、延岡さんが定義する国際協力です。

 

『国際協力師たちの部屋』の中で僕も書きましたが、国際協力は良くも悪くもフワッとした言葉だからこそ、国際協力に携わる、もしくは携わりたいひとり一人が、「国際協力とは」という問いに対し、自分自身の答えを用意するべきなのです。 

 

狭義での国際協力は二つしかない

国際協力

 

とはいえ、狭い意味での国際協力は大きく分けると二つ、

 

  1. 緊急援助
  2. 開発援助


しかありません。それぞれ解説します。

 

緊急援助とは?

緊急援助とは、台風や地震などの自然災害が起きた時や、どこかの国で戦争が起きている時に行われる国際協力です。別の言い方をすると、「人道支援」とも呼ばれます。

 

開発援助とは?

一方の開発援助は、緊急援助とは180度対極にあります。これは、基本的には治安が安定し、地元の人たちも普通に生活している国で社会福祉や教育、医療、インフラなどをより向上させるために行われる国際協力です。

 

緊急援助と開発援助は「主役」が違う

この緊急援助と開発援助の違いを考える上では、「誰が『主役』か?」という視点を持つとわかりやすいです。

 

緊急援助の主役は外国人

緊急援助の主役は、その国や地域に助けにやってきた外国人です

 

緊急援助の場合は、自然災害や内戦などによって傷ついた人たちに対して、衣食住など人間としての基本的なニーズを満たすための支援が外国人主導で行われます。

 

衣食住というくらいなので、例えば寒さをしのぐための服を配給したり、清潔な水と栄養のある食べ物を配給したり、一時的にでも生活ができるシェルターを建設したりします。

 

また、必要であれば医者や看護師も派遣され、治療を行う医療支援もあります。例えばみなさんも「国境なき医師団」という団体の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

国際協力に興味を持ち始めたばかりの人であれば、こういった支援をイメージする人が多いかと思います。

 

僕自身も大学4年生の時、東アフリカのウガンダ共和国で緊急援助に携わっていました。当時はウガンダの北に位置する南スーダンの内戦が激しく、100万人を超える難民がウガンダに逃げてきていました。

国際協力を簡単に解説

難民支援に携わっていた時の筆者

 

その難民の中でも最もニーズのある女性や子どもたちを対象に、食料や衛生用品などを支援する緊急援助に携わっていました。気温40度近い炎天下の中で難民の人たちから何が必要ですかと話を聞いたり、物を渡したりしたのを覚えています。

 

緊急援助と開発援助をハイブリッド、つまり融合した形の援助も行われているため一概に言うことはできないのですが、基本的にはこういった自然災害や内戦が起きている地域で行われる「物をあげる」緊急援助は、外国人の価値観で、外国人主導で行われます

 

開発援助の主役は現地人

一方の開発援助では、あくまでも地元の人たちが主役です。例えば地元の人たちが何らかの課題を解決しようとしている時に、外国人が資金や技術の援助を通じて手助けしてあげることが開発援助です。

 

基本的には、地元の人たちが「こういうことをやりたい」と思っているときに、外からやってきた外国人が「すみません、協力させてもらえませんか?」というような形で申し出をし、そこから村単位や町単位でプロジェクトが始まっていくのが基本的な開発援助になります。

国際協力を簡単に

ウガンダで現地の友人と打ち合わせする筆者

 

例えば、村の人たちが小学校の教育レベルをあげたいと考えている時に、外国人がお金を出して学校の設備を整えてあげたり、もしくはお金は全く出さず、例えば学校の先生たちを教育したりするといった国際協力が行われます。

 

繰り返しになりますが、開発援助の主役はあくまでも地元の人たち。外からやってきた外国人は、彼らが望むことを手伝わせてもらう形で協力するのが開発援助です。その意味で「国際協力」なんですね

 

国際協力は現地での支援活動だけを指すのか?

国際協力とは

 

「国際協力とは、世界平和を実現するために行われる、国境を超えた協力活動である」と定義しながらも、「狭い意味では『緊急援助』『開発援助』の二つしかない」と解説しました。

 

ただ、僕自身は「国際協力は決して、途上国の現地に足を運んで支援活動をすることだけではない」と考えています。

 

僕が国際協力を始めてから6年以上が経ちますが、実際に国際協力の世界で仕事をしてみると、そんな仕事、つまり実際に途上国に行き、現地での活動に携わるという国際協力は、ごくごく一部に過ぎないことを痛感します。

 

国際協力に関わる3つの「人」

国際協力とは

 

国際協力の世界には、3つの「人」が存在します。

 

  1. 考える人…プロジェクトの目的や手順、予算などを設計する人。
  2. つなぐ人…プロジェクトを実施するために必要な「人・物・金」を用意したり、調整したりする人。一言で表せば、”裏方”。
  3. やる人…途上国の現場で実際にプロジェクトを実行し、受益者と直接的な関わり方をする人。皆さんがイメージする「国際協力」はほとんどがこれ。

 

(参照:山本敏晴著『「国際協力」をやってみませんか? 仕事として、ボランティアで、普段の生活でも』

 

この「考える人」「つなぐ人」「やる人」の割合は、概ね「1:8:1」と言われています。

 

つまり、国際協力に携わるとしても、ほとんどの人は国内での資金調達(ファンドレイジング)に走り回ったり、広報やイベントを通じて問題の啓発に携わったりする「つなぐ人」になるのです。

 

一言で表せば、ほとんどの人は「国際協力の裏方」なのです。ちなみにここで書いた”国際協力”は、狭義での国際協力ですね。

 

途上国の現場にも「つなぐ人」はいますが、難民や貧困層といった受益者と直接関わるというよりは、日本から送られてくる資金を管理したり、プロジェクトを実施するための許可を現地政府からもらったり、必要な物資を街で調達したりと、サポートの役割に回ることが多いです。

 

途上国に駐在し、支援を受ける人と直接関わる活動ができる日本人は、国際協力に携わる人全体の1割にもなりません。実際は、「やる人」の多くには現地人が採用されています。

 

現場での国際協力に携われる日本人は、非常に限られた人のみなのです。

 

※もっと詳しく知りたい人は、国際協力業界ではレジェンド的存在の山本敏晴氏が書いた『「国際協力」をやってみませんか? 仕事として、ボランティアで、普段の生活でも』を読んでください。国際協力を体系的に学べる一冊なので、国際協力入門者以外にもおすすめです。

 

もし、「国際協力とは、途上国で貧しい人に直接支援をすることだ」というイメージを持っている人がいたら、「海外の現場で支援に携わることだけが国際協力ではない」ということを認識しておきましょう

 

国際協力はなぜ必要なのか?

国際協力とは

 

そもそも、なぜ国際協力は必要なのでしょうか?前提から考えてみましょう。

 

僕も時々、「わざわざ海外まで足を運び、なぜ国際協力をする必要性があるのか?なぜ日本の問題ではないのか?」という質問を受けます。そんな質問をされたら、僕はこう返しています。

 

『日本人だと、海外の問題に取り組むべきではないのですか?』

『逆に、国際協力をする必要がない理由って何ですか?世界で起きている問題に取り組む必要がない理由って何ですか?』 

 

日本で暮らす僕たちの生活が、海外との繋がり無しには考えられなくなった今日。ヒト、モノ、カネ、情報が簡単に国境を超えているにもかかわらず、社会問題の文脈になった瞬間だけ「アフリカの貧困はアフリカ人が解決し、日本の貧困は日本人が解決する」という指摘に、僕は違和感を抱きます

 

国際協力の必要性は、数え挙げたらキリがありません。ただ一つ明確に言えること、それは「僕たち日本人の生活は世界との繋がりなくては成り立ちえない」ということです。

 

日本さえよければ他の国はどうでもいい、なんてことはありえません。だからこそ、国際協力という”手段”を通じ、人類共通の問題(グローバル・イシュー)に取り組む必要があるのです。

 

国際協力の必要性を考えるとき、この指摘が本質的な理由に繋がります。

 

なぜ国際協力をするのか、国際協力の必要性をより深く理解したい人は、拙著『国際協力師たちの部屋 特別版―ゼロから考える“本当の”国際協力―』をご覧ください。

 

国際協力の失敗は、主役が誰かを間違えると起きる

国際協力を簡単に

 

よく、「国際協力には失敗例がたくさんある」と考えている人がいます。その通りです。

 

では、なぜ「失敗する国際協力」が生まれてしまうのでしょうか?その理由は先ほど書いた、「緊急援助の主役は外からやってきた外国人、開発援助の主役は現地人」という視点が大切になります。

 

開発援助の主役は現地人と書きましたが、その一方で、中には外国人の価値観が押し付けられている開発援助もたくさんあります。

 

そういったものがよく、国際協力の失敗例として批判されているのです。

 

本来は地元の人たちが望むことを手伝わせてもらうのが開発援助ですが、先進国側、外国人側の利益を追求するために行われ、地元の人たちの生活がないがしろにされているケースも多くあります。

 

今回詳しくは説明しませんが、そういった国際協力の失敗例を考えるときは、その活動の主役が誰になっているかという視点で見てみるとわかりやすいです

 

国際協力は日常生活の中でも実践できる

国際協力とは

 

先ほども書いたように、国際協力とは何も海外の現場に足を運んで支援活動をすることだけではありません。多くの人が「つなぐ人」として、日本の中で仕事をしています。

 

ただ、そういった「つなぐ人」として国内のNPO・NGOで働かなければ国際協力はできない、というわけでも。日常生活で地球環境のため、世界平和のためにできることを実践するのもまた国際協力だと僕は考えています。

 

例えば、

 

  1. 国際協力に関する情報に触れ、それを発信する
  2. 国際協力に関連するイベントや講演会に足を運ぶ
  3. 日々の消費行動を改める
  4. ボランティアやインターンをする
  5. プロボノをする
  6. 本業の中で国際協力をする
  7. 継続寄付をする

 

こういった行動も、「世界を良くするために行われている活動」という意味では、国際協力と呼ぶことができます。

 

一つ一つの行動はそれほど大きな社会的インパクトを起こさないかもしれませんが、より長いスパンで考えると、一人ひとりの市民が自分のできることを実行していくことが、本当の意味での良い世界につながると思います。

 

世界で起きている紛争や貧困、環境破壊といった問題の多くは、先進国の経済活動がその一因となっています。その意味でも、広義での「国際協力」を実践する人や組織を増やすことは、問題が生まれない社会を創っていくことに繋がるのです。

 

国際協力とは何か。さあ、あなたも考えよう。行動しよう。

国際協力とは

 

国際協力とは、一言で説明できるほど簡単な概念ではありません。

 

しかし、国際協力に取り組みたい人であれば、その定義から必要性まで自分の頭で考え続けることが大切です。

 

なぜなら、国際協力とはそれだけ広く、深い世界だから。 

 

国際協力に関する記事を100本以上書きました

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ウガンダで子どもたちに手洗いの方法を教える原貫太



原貫太オフィシャルブログの中で、国際協力に関する記事を100本以上書きました。これまで人気のあった記事をいくつか紹介します。

 

  • 国際協力を仕事にするために学生の間にやるべきことは?
  • 国際協力を仕事にするには具体的にどんな方法があるのか?
  • 国際協力をやるには英語は必要なのか?
  • 国際協力を知るには、どんな本を読めばいいのか?

 

 

こんな疑問を持っている人は、これから紹介する記事もあわせて参考にしてくださいね。

 

国際協力を仕事にするためにやっておくべき11のこと

大学新卒で国際協力を仕事にした立場から、「国際協力を仕事にするためにやっておくべき11のこと」をまとめました。

www.kantahara.com

 

国際協力を仕事にする具体的な7つの方法

国際協力を仕事にする、つまり「職業」にするにはどんな選択肢があるのか、この記事で解説しました。

www.kantahara.com

 

「国際協力師」とは何か?

プロとして持続的に国際協力を行っている人々を「国際協力師」と呼びます。詳しく解説しました。

www.kantahara.com

 

国際協力と英語は、やっぱり切っても切り離せない。

国際協力をやっていくには、やはり英語力は必要だと思います。僕がそう思う理由を解説しました。

www.kantahara.com

 

国際協力のおすすめ本はこちら

国際協力を学ぶことができるおすすめの本をまとめています。

www.kantahara.com

 

その他の国際協力に関する記事はこちらのカテゴリーにまとめています。

www.kantahara.com

 

書籍『世界を無視しない大人になるために』の紹介

国際協力とは

 

記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。改めまして、フリーランス国際協力師として活動する原貫太と申します。

 

記事の中では「国際協力とは…」「国際協力の必要性は…」と偉そうに語ってしまいましたが、かく言う僕自身、これまで携わった国際協力活動の中で何度も壁にぶつかってきました。

 

14年間も戦場に駆り出されてきた元子ども兵士の女性。目の前で両親を殺されたと涙ながらに話す難民の女の子。精神障害を抱え、一人寂しそうに地面を見つめる難民の男の子。

 

普段は日本の大学生として生活し、恵まれた環境で暮らしているからこそ、彼らと直接出会う中で「どうして世界はこんなにも不条理なのか」と、何度も涙を流しました。

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本の中でも紹介した精神障害を抱える南スーダン難民の男の子。足元には汚物が溜まり、全身にハエがたかっていた。この光景を今も忘れることができない。

 

でも、自分なりにそこで感じる葛藤とうまく向き合いながら、これまでアフリカでの国際協力を続けてきました。その活動の軌跡をまとめたのが、僕の処女作『世界を無視しない大人になるために 僕がアフリカで見た「本当の」国際支援』です。

 

あなたはこの記事を「国際協力」という単語で検索し、見つけてくれたと思います。

 

これもきっと何かの縁です。この機会にぜひ、僕のアフリカでの経験を描いた『世界を無視しない大人になるために』も読んでくださると嬉しいです。

 

この本は執筆から装丁、印刷まですべて自分で行った自費出版本です。もしかしたら、「素人が書いた本なんかに700円も払えない」と思われてしまうかもしれません。

 

でも、これまで約3,000人の方がこの本を手に取ってくださり、そしてたくさんの評価をいただくことができました。ほんの一部ではありますが、いくつか本を読んでくださった方の感想を紹介します。

 

 

国際協力やアフリカに関心ある人であれば、絶対に刺さる「何か」があると思います。第一章まで全文を無料公開しているので、こちらもあわせてご覧ください。

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アフリカで出会った元子ども兵や難民ひとり一人のストーリーを中心に描いた一冊、『世界を無視しない大人になるために 僕がアフリカで見た「本当の」国際支援』。

 

ぜひこの機会にご覧ください。よろしくお願いいたします。

 

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なお、『世界を無視しない大人になるために』はKindle Unlimited登録作品のため、30日間のKindle Unlimited無料トライアル*を利用すれば無料で読むことができます。こちらもご活用ください。

 

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