原貫太の国際協力ブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカ、社会問題などのテーマを中心に解説しています。

NGOとは何か?日本一簡単に、わかりやすく解説【元NGO職員が書きました】

「テレビや新聞でよく目にするNGOとは何だろう?NGOについてわかりやすく解説した記事を読みたい。」

 

こんな悩みを解決します。

 

フリーランス国際協力師の原貫太です。NGOのスタッフとして、アフリカで難民支援活動に取り組んでいた経験があります。

NGOとは 簡単に

NGOの一員として、アフリカで難民支援に携わっていた

 

NGOについて詳しく知りたい方は、この記事を読んでもらえればNGOの定義や歴史、活動内容まで、NGOに関する知識を網羅的に理解できるはずです。

 

 

NGOは何の略称?定義は?

NGOは英語のNon Governmental Organizationの頭文字を取った略称で、日本語では非政府組織と呼びます。

 

非政府組織(NGO)とは、政府や国際機関とは異なる民間の立場から、利益を主な目的にせず、貧困・紛争・環境問題などの国際的な課題の解決を目指して活動する団体です。一言で表現すると、国際協力を行う民間の非営利組織がNGOです。

 

「政府」に「非」ざる「組織」と書いて「非政府組織」なので、あくまでも民間の立場から、政治的な利害に囚われずに活動する点がNGOの特徴です。

 

NGOの歴史は?

NGOの歴史は世界全体で見ると150年以上、日本だけでも50年以上の歴史があります。

 

  • 世界最古のNGOが誕生した歴史
  • 日本で国際協力NGOが登場した歴史
  • 日本のNGOが法人格を持てるようになった歴史

 

この3つに分けて、NGOの歴史を簡単に説明します。

 

世界最古のNGOは19世紀中頃に誕生

NGOの歴史を振り返ると、今から約150年以上前の19世紀中頃まで遡ります。世界史を習った人ならピンと来るはずです。

 

1859年頃、フランスとオーストリアの間でソルフェリーノの戦いという戦争が勃発しました。

 

ソルフェリーノの戦いは4万人以上の死傷者を出す悲惨な戦争だったのですが、当時スイス人のアンリー・デュナンという人が「敵味方に関係なく、戦争に傷ついた人たちを助けよう」という支援活動を始めました。

 

これが、のちの『赤十字』(Red Cross)の活動の元になります。赤十字という団体は多くの人が聞いたことあるでしょう。世界最古にして最大のNGOの一つです。

 

日本の国際協力NGOは1979年頃から登場

1970年代後半から1980年代前半にかけて、日本では国際協力をするNGOが数多く登場しました。

 

この背景にあったのが、インドシナ難民危機です。ご年配の方であれば「ボートピープル」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

 

インドシナ難民危機とは、カンボジアやベトナム、ラオスなどの東南アジア諸国が社会主義国家になった際、弾圧・迫害された人々が「ボートピープル」、つまり船に乗った難民となって国外に流出した問題です。

 

ボートピープルは日本にも多数やってきたのですが、その難民を救出・支援することを目的に多数のNGOが日本で設立されました。いわゆる「老舗NGO」と呼ばれる団体は、この時期に作られた団体が多いです。

 

NPO法の制定が日本のNGO活動を後押しする

日本のNGOが勃興したもう一つの流れが、1998年に特定非営利活動促進法、通称NPO法が制定されたことです。

 

それまで多くのNGOは任意団体として活動していましたが、特定非営利活動促進法が制定されたことによって、NGOは法人格を持ちやすくなりました

 

この法人格というのが、NPO法人です。日本のNGOが法人格を持つ場合、ほとんどのNGOはNPO法人格(または一般社団法人格等)を取得することになります。

 

NPO法が制定されたことは、日本のNGO活動の後押しに繋がりました。

 

★関連記事★ 

NPOとNGOの違いを日本一わかりやすく解説【誤解してる人が多すぎる!】

 

NGOとODAの違いは?

NGOとODAをセットで習った人も多いと思います。ODA・NGO(おだんご)といった覚え方をしませんでしたか?

 

ODAはOfficial Development Assistanceの頭文字を取った略称で、日本語では政府開発援助と呼びます。外務省やJICA(国際協力機構)が主導する、政府のお金によって行われる途上国への援助や国際協力のことです。

 

NGOとODAの違いを簡単に説明すると、NGOは市民⇔市民の間で国際協力が行われる一方で、ODAは政府⇔政府の間で国際協力が行われます

 

NGOの活動分野は?

NGOとは 簡単に

認定NPO法人テラ・ルネッサンスがウガンダで行う、元子ども兵社会復帰支援の様子

 

NGOの活動分野は多岐に渡っており、例えば

 

  • 教育
  • 環境保護
  • 開発
  • 人権
  • 平和構築
  • 紛争解決

 

などの分野で国際協力を実施しています。資金援助や物資供与、人材育成などを通じて、海外の困っている人たちが抱えている課題を解決することがNGOの主な役割です

 

例えば僕が働いていたNGO「テラ・ルネッサンス」は、アジアやアフリカの発展途上国で職業訓練や物資供与を行うことを通じて、地雷や紛争の被害者、また元子ども兵士の支援活動を行っています。

 

また、NGOは海外での支援活動以外にも、アドボカシーと呼ばれる政府や国際機関への政策提言活動を行っていることも多いです。

 

さらに国内では、教育機関などでの講演活動やイベントを通じて、国際問題に対する関心を喚起したり、国際協力に携わる人材育成を行ったりもしています。

 

代表的なNGOの例は?

世界には数万のNGOがあると言われていますが、海外発のNGOと日本発のNGOをそれぞれ5つずつ紹介します。

 

海外発のNGO

国境なき医師団

世界で最も有名なNGOは国境なき医師団でしょう。

 

国境なき医師団は1971年にフランスの医師やジャーナリストによって設立されたNGOです。紛争地での緊急支援・医療支援を主な活動としており、1999年にはノーベル平和賞も受賞しました。

 

国境なき医師団で看護師を務める白川優子さんが書いた記事も、ぜひ読んでみてください。

白川優子が語る、人道支援の道を目指す人が今から取り組むべき5つのこと - 原貫太の国際協力ブログ

 

赤十字国際委員会

世界最古にして最大のNGOが赤十字国際委員会です。赤十字国際委員会も国境なき医師団と同じように、紛争地での人道支援を主な活動としています。僕も大学生の頃、赤十字国際委員会の駐日事務所でインターンをしていました。

 

オックスファム

貧困や格差の問題を無くすため、世界90ヶ国以上で活動を展開するNGOです。

 

第二次世界大戦下の1942年にイギリス・オックスフォード大学の教育関係者や社会活動家らが設立した団体で、当初は「オックスフォード飢餓救済委員会」と呼ばれていました。

 

1967年に名称をオックスファムに変更しています。

 

セーブザチルドレン

1919年にイギリスで設立されたNGOです。第一次世界大戦によって荒廃したヨーロッパにて、子どもたちの支援活動を行うためにイギリス人女性エグランタイン・ジェブによって創設されました。

 

戦争や貧困、自然災害などによって苦しむ子どもたちを支援するため、現在は約120ヶ国で国際協力活動を行っています。

 

ワールドビジョン

1950年にアメリカ人宣教師のボブ・ピアスによって設立された国際協力団体です。第二次世界大戦後、戦争によって荒廃した中国を訪れたボブ・ピアスが、一人の女の子の支援を始めたことから活動が始まりました。

 

緊急人道支援・開発援助・アドボカシーの3つを柱に、現在は世界約100ヶ国で活動をしています。

 

★関連記事★

ワールドビジョンとは?寄付して大丈夫?元NPO職員が日本一わかりやすく解説 - 原貫太の国際協力ブログ

 

 

日本発のNGO 

難民を助ける会

1979年に設立されたNGOです。日本のNGOの中では最も歴史のあるNGOの一つ。緊急支援や地雷対策、感染症対策、国際理解教育の普及を中心に活動しています。

 

シャプラニール

1972年に設立されたNGOで、バングラデシュ・ネパールの貧困問題に取り組むNGOです。シャプラニールとはバングラデシュの言葉・ベンガル語で「睡蓮の家」を意味します。

 

日本国際ボランティアセンター

1980年にインドシナ難民の支援をきっかけに設立され、現在はアジア、アフリカ、中東、日本の震災被災地で活動する国際協力NGOです。

 

かものはしプロジェクト

子どもが売られない世界を作るため、インドやカンボジアなどで人身売買の問題に取り組むNGOです。

 

認定NPO法人テラ・ルネッサンス

平和教育・地雷・小型武器・子ども兵の問題に取り組むNGOです。2001年に当時立命館大学の学生だった鬼丸昌也氏によって設立されました。

 

日本のNGOの収入源は?資金規模は?

NGOの収入源は多岐に渡りますが、主には以下の4つです。

 

  1. 会費…NGOの正会員から集める年会費・月会費など
  2. 寄付…マンスリーサポーターやクラウドファンディングを通じて集める寄付
  3. 事業収入…講演や物販などの事業を通じて得る収入
  4. 助成金…財団やJICAなどから得られる助成金

 

外務省とJANICが公開している「NGOデータブック2016」によると、多くのNGOの収入源は、約半分が寄付金からの収入になっています。

NGOとは 簡単に

 

また、同じく「NGOデータブック2016」によると、調査した312団体のうち資金規模が1000万~2000万円未満のNGOが58団体、1000万円未満のNGOが103団体です。

 

つまり日本のNGOの半分以上は、年間の収入規模は2000万円以下なのです。

NGO

「NGOデータブック2016」より引用

 

一方で、年間1億円以上の収入があるNGOは53団体ありますが、これらのNGOはその多くが海外NGOの日本支部です。

 

NGOは給料出るの?

NGOとは 簡単に

現在はNGOを退職し、フリーランスとしてアフリカで働いている

 

NGOの活動はボランティアだと考えている人がいますが、正職員になれば給料はちゃんと支払われます。

 

日本のNGOは比較的安月給ではありますが、海外のNGOだと月収100万円以上もらえるような団体もあります。

 

日本のNGOは、多くが資金不足の問題に直面しています。そのため収入の観点から、結婚や子育てを機に一般企業に転職してしまう人が多いという課題を抱えているNGOは多いです。

 

NGOの給料事情について知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。

NGOの給料は341万円。そのお金はどこから出るの?元NGO職員がぶっちゃける

 

まとめ

NGOについて解説してきました。

 

国際協力をする団体には国連やJICAなど様々な団体がありますが、NGOの一番の特徴は政治的利害に翻弄されることなく、民間の立場から国際協力をできる点です。

 

こちらの記事もよく読まれています。NGOで働くことに興味のある方は、あわせてご覧ください。

NGOに就職するなら学歴は必要か?【実は学歴より大切なものが3つある】 - 原貫太の国際協力ブログ

 

 

【国際協力やNGOについて、一緒に勉強しませんか?】

「NGOで働くことに興味があるけど、具体的な関わり方がわからない…」

「NGOで働いている人たちと繋がってみたい…」

 

そんな悩みを解決するため、国際協力やNGOに特化したオンラインサロンを運営しています。

 

国際協力やNGOについて深く勉強してみたい方、NGOで働く人たちのナマの声を聞いてみたい方、ぜひこちらのページをご覧ください。

peraichi.com