原貫太の国際協力ブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカ、社会問題などのテーマを中心に解説しています。

国際協力と子育ての両立は可能か?【かなり大変だが、解決策も提示します】

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。先日、Twitterのフォロワー(女性・大学生)からこんな質問を貰いました。

 

国際協力を仕事にしたいけど、子育てをしたいという思いもあります。子育てしながら海外で国際協力をやるのは、現実的に可能でしょうか?

 

国際協力に興味のある方なら、同じ悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?今回の記事では、

 

  • 国際協力の道に進みたいが、家庭と両立できるか心配な学生の方
  • 現在進行形で子育てをしているが、いつか国際協力をやってみたい方

 

をターゲットに、「子育てしながら海外で国際協力をするのは可能か?」という問いに対する僕の考えを述べます。

 

 

まずは国際協力を基礎の基礎から解説した以下の記事から読むと、理解が深まると思います!

国際協力とは何か?定義から必要性、日本でできることまで世界一分かりやすく解説 - 原貫太のブログ

 

子育てしながら海外で国際協力するのは可能か?

国際協力 子育て

 

僕自身はいま結婚はしておらず、子供もいません。そのため、僕自身の経験を語ることはできません。

 

ただ、国際協力関係の知り合いにも、働きながら子育てをされている方はいますし、また僕が活動するウガンダにも、子育てをしながら現地で何らかの仕事に携わる方がいます。

 

そういった方たちから聞いた話を踏まえると、「子育てしながら海外で国際協力するのは可能か?」に対する答えは、

 

子供が小さいうちは可能だが、学校に通い始める年齢になってくると、かなり難しくなる。一番のネックは教育費。

 

です。「子育てしながら海外で国際協力」を考える上では、特に小学校から大学にかけての「教育費」が一番のネックになります。この内容を踏まえて、以下を読み進めてください。 

 

国際協力の仕事別に、子育てしながら国際協力は可能かを考察

国際協力 子育て

 

海外で国際協力の仕事に携わる方法はいくつかありますが、今回は

 

  • NGOの海外駐在員として国際協力をやる
  • 国際機関(政府機関)の職員として国際協力をやる
  • フリーランス(個人)として国際協力をやる

 

の3パターンに絞って解説をします。

 

NGOの海外駐在員として国際協力をやる

僕の周りのNGO海外駐在員は、

 

  • 独身
  • 単身赴任

 

の2パターンが多い、というかほとんどがこのどちらかに該当します。特にウガンダ(アフリカ)だと、NGO駐在員が派遣される地域は生活環境的にかなり厳しい場所が多いので、20代後半から30代前半の若い人が多数を占めますね。(僕の周りだけ?)

 

一方で、NGO駐在員として子育てをしながら国際協力に携わる人も少なからずいますが、その場合は

 

  • まだ子供が幼い
  • 現地に帰化している

 

のパターンが多いです。

 

すでに述べた通り、海外、とりわけ発展途上国で子育てをする場合、一番のネックになるのが「教育費」と言われています。

 

一定レベル以上の教育を受けさせるにはインターナショナル・スクールに通わせる必要がありますが、学費が高額なんですよね。例えばウガンダの首都カンパラの場合、インターナショナル・スクールの学費はこんな感じ。

 

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https://www.kisu.com/fees-structureより引用

 

日本の中学生レベルにあたるYEAR7-9の学費は、一学期で7,770ドルします。日本円に換算すると約80万円です。

 

この後に説明する国際機関(政府機関)の職員と違って、よほど大きな団体でない限りは、学費を補助してくれるNGOはほぼありません。NGOの活動は、人さまから預かった寄付金や助成金によって回っていますからね…。

 

そのため、特に子供が中学生以上になるタイミングで、日本に帰国するNGO駐在員が多いです。やはり日本のNGOが若い人材を確保していくなら、こういった待遇の改善は今後さらに必要になると思う…。

 

NGO駐在員として子育てをしながら国際協力をやりたい場合は、

 

  1. 給料や待遇のいい国際大型NGOに就職する
  2. 現地人のお金持ちと結婚する
  3. ノマドワークかつ高収入の(日本人)夫に一緒に現地に来てもらう
  4. 副業で収入を作りながらNGO駐在員として働く

 

あたりが解決策になると思います。

 

ちなみに僕の知人だと、ミャンマー人と結婚し、現地で子育てしながらNGO駐在員として働く鈴木亜香里さんという方がブログを書いているので、興味のある方は覗いてみてください。

ミャンマー人と結婚する前に知っておきたい子育ての話【里帰り出産・学費・マルチリンガル】 - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

 

国際機関(政府機関)の職員として国際協力をする

僕がウガンダで出会う子育てをしながら国際協力をやっている人は、このパターンが一番多いです。理由は簡単、国際機関の場合は福利厚生や待遇がいいからです

 

僕が国連職員の方から聞いた話では、組織が学費を負担してくれるだけではなく、住居まで提供されるそうです。正直言って、日本と全く変わらないような条件で子育てをしたいなら、これしか方法はない気がします

 

とはいえ、国連職員として発展途上国のフィールドで働くというのはポストは非常に限られていますし、外国人職員の主な仕事は「調整役」になるので、僕のような「草の根の国際協力」に携わるのは、かなり難しい気がします。

 

実際、国際機関の職員としてフィールドで支援対象者と直接向き合うのは、現地採用の現地人スタッフがほとんどですからね。なので、あくまでも「草の根の国際協力がやりたい」という方には、この方法はあまりおすすめしません。

 

なお、国際機関で働くことに興味のある方は、こちらの記事もあわせてご覧ください➡国際機関で働きたいなら、これだけは絶対に考えよう【ビジョンは何?】 - 原貫太のブログ

 

フリーランス(個人)として国際協力をやる

最後は僕のように、フリーランス(個人)として国際協力をやるパターン。特に草の根の国際協力に関わりたい場合は、この働き方がおすすめ。今日紹介した三つの働き方の中では、最も現場との距離が近いです。

 

僕自身は今のところ子育てする予定はありませんが、可能かどうか考えてみたところ、以下のような結論が出ました。

 

  1. 子供が小さいうちなら、子育てはできる
  2. パソコン一台で死ぬほど稼げるようになれば、子供が成長した後でも子育てはできる

 

一つ目ですが、経済的な観点から言うと、学費のかからないうちは現地での子育ても可能だと思います。これはNGO駐在員と一緒ですね。メイドさんを雇えば(アフリカなら毎月1万円ほど)、日中に自分が仕事をしている間も子守をお願いできます。

 

むしろ子供が小さいうちは、日本よりアフリカの方が子育てはしやすそう。日本だと、保育園に入れるのも一苦労らしいし…。

 

ただ、僕が活動するウガンダ北東部はマラリアの感染率が非常に高く、幼い子供を連れていくには危険すぎます。なので活動地と首都を往復することになるなど、働き方には制約が課されそう。

 

また二つ目ですが、僕の場合はブログやYouTubeなどを使って、パソコン一台でめちゃくちゃ稼げるようになれば、子供が成長した後の教育費も何とかできると思います。

 

とはいえ、稼いだ金額のほとんどが教育費に消えてしまうことを考えると、26歳の時点では子どもを持つのは見合わないなぁ、と正直思ってしまいます。だって、国連職員の待遇を考えたら…(笑)

 

結論的には、フリーランスとして国際協力をしながら子育てもやるのは、不可能ではないけれど、かなり難しいことは間違いありません。

 

国際協力ではなく、子育てしながらビジネスは?

国際協力(支援)ではなくなりますが、現地でビジネスをしながら子育てをしている人も僕の周りにチラホラいます。(この場合は商社などの駐在員ではなく、個人でビジネスを起業しているケースを想定)

 

多くの場合、NGO駐在員やフリーランスの国際協力活動家よりも、ビジネスをやっている人のほうが収入は高いので、こちらの方が相対的には実現可能性は高いはずです。

 

とはいえ知人に話を聞いたところ、「小さいうちは特に心配していないが、いずれは教育費の問題と向き合わなくてはならない…」と語っていました。

 

繰り返しになりますが、発展途上国で子育てをする場合、一番のネックになるのは教育費ですね。

 

子育てしながら草の根の国際協力に関わりたい場合、解決策は?

国際協力 子育て

 

僕のように草の根の国際協力に携わりながら、子育てにも取り組む場合は、どんな解決策があるのか?いくつかアイデアを提示してみます。

 

ひたすらスキルを磨き、世界中どこでも稼げるようになる

シンプルな解決策ですが、世界中どこにいても稼げるようになりましょう。フリーランスになる場合は高いレベルのスキル、そしてできればセルフブランディングが必要です。

 

個人でガッツリ稼げる人間になりましょう。

 

就職せずに生きていきたい方が何をやっておくべきか、以下の記事で解説しています。大学生以外の参考にもなるはずです。あわせて読んでみてください。

就職しない大学生が今からやるべき4つのこと【まずはバイト以外で100円稼ごう】 - 原貫太のブログ

 

子供が独り立ちしてから、ボランティアで発展途上国に行く

収入は一旦置いておいて、とにかく草の根の国際協力に携わりたい方は、子供が独り立ちしてからボランティアで現地に行きましょう。フリーランス、というか個人でやってみてもいいし、経験がない人ならJICAのシニア海外ボランティア制度を使うのもありです。

 

ただ、継続的に草の根の国際協力に関わりたい方や、個人で自由に働きたい方は、やはり「フリーランス国際協力師」になるのがおすすめ。フリーランスで国際協力をやるための条件は、僕のYouTubeチャンネルで解説しています。

 

NGOに就職し、日本をベースにして出張で海外に行く

現実的にはこの方法が一番だと思います。実際、子育てをしながら国際協力を仕事にしている方の多くが、基本的には日本で働きながら定期的に出張で海外に赴いています。

 

NGOに就職し、国内スタッフになるのはそこまで難しくはありません。NGOに就職する方法に関しては、以下の記事を読んでみてください。

NGOに就職する2つの最短ルートを紹介します【具体例あり】 - 原貫太のブログ

 

ということで、子育てしながら海外で国際協力をする方法に関して紹介しました。国際協力を仕事にする具体的な方法は以下の記事で解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

国際協力を仕事にする7つの方法【JICAや国連だけではない!】 - 原貫太のブログ

 

 

こちらの記事もおすすめです➡国際協力おすすめ本32選 入門書から常識をブチ破る本、洋書までドドンと紹介 - 原貫太のブログ