原貫太オフィシャルブログ

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NGOの給料は341万円。安いから食べていけないは本当なのか?

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。今回はみんな大好きお金の話、NGOの給料事情を紹介します。


よく学生から「NGOで働くことに興味があるけど、食べていけませんよね?」と質問をされます。

 

もちろんどんな組織で働くかにもよりますが、「NGO=給料安い=食べていけない」はちょっと誤解です。有給職員になれば、日本で平均的な生活を送ることは十分に可能です。

 

 

NGOの給料は平均341万円

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NGOで難民支援に携わっていた時の原貫太

 

国際協力NGOセンター(JANIC)とNPO法人Green Projectによる「NGOセンサス2017」によれば、NGOに勤める有給職員の平均年収は341万円でした。性別でみると、女性346万円、男性331万円となっています。

NGO 給料

「NGOセンサス2017」より引用

 

「これからNGOに就職したい!」と考えている人には若い人が多いと思うので、20代の年収に注目してみると、平均年収は276万円。女性の平均は288万円、男性は262万円となっていますね

 

その一方、平成26年度の「民間給与実態統計調査」によると

 

★20代前半

  • 平均年収:248万円
  • 男性平均:265万円
  • 女性平均:231万円

 

★20代後半

  • 平均年収:344万円
  • 男性平均:378万円
  • 女性平均:297万円

 

となっています。一応補足しておくと、これは民間企業に勤めた場合の給料の平均値です。

 

両者を比較してみると、NGOの給料は20代前半は民間企業と比べてそれほど大差はありませんが、20代後半になると特に男性は一般企業よりかなり安くなる感じですね

 

一方の女性の場合は、NGOの20代平均が288万円、一般が297万円となっているので、その差はわずか9万円となっています。

 

NGO職員はサラリーマン。福利厚生や手当も問題ない

NGOで働きたい人が給料の次に気になるのは、福利厚生や通勤手当の有無だと思います。こちらも「NGOセンサス2017」で調査結果が出ています。

NGO 福利厚生

「NGOセンサス2017」より引用

 

これを見ると、通勤手当は96%、社会保険は96%、労働保険は94%のNGOが用意しています

 

僕はNGOを起業した経験があるのでわかるのですが、特に「NPO法人格」を持っているNGOが職員を雇用する場合は、社会保険や厚生年金への加入が義務付けられています。その辺は普通の会社と何ら変わりありません。

 

たしかに男性の給料は民間企業に比べると安い

一方で、男性の平均年収は民間企業に比べるとたしかに安いです

 

★NGO職員

  • 30代:310万円

 

★民間企業

  • 30代前半:384万円
  • 30代後半:425万円

 

こうやって比較してみると、NGOの給料はかなり安くなっていますよね。

 

「NGOセンサス2017」によると、NGOの有給職員は男性が全体の35%、女性が65%なので、民間企業に比べて男性の給料が低いことは、NGO職員に男性が少ない大きな原因になっているのかもしれません。

 

独り身の男性なら問題なく食べていけるかもしれませんが、結婚して、子どもができて…と家族が増え、誰かを養わなければいけない状況になると、共働きでもない限りこの給料では厳しいでしょう。

 

実際に僕の周りでも、20代はNGOで働いたけど、結婚や子育てを機に民間企業に転職した…という男性はいますね。

 

自分でNGOを起業する場合、給料はさらに低い

今回の調査に回答しているNGOは、「NPO法人」または「認定NPO法人」の資格をすでに取得している団体がほとんどです。

 

この記事を読んでいる方が「NGOで働きたい!」となった時、就職先の候補になるのは基本的にNPO法人、もしくは認定NPO法人です。

NGO 給料 安い

「NGOセンサス2017」より引用

 

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ですが、就職ではなく自分でNGOを立ち上げることに興味がある人もいると思います。僕自身はNGO起業の経験があるので、自分でゼロからNGOを立ち上げる場合の給料事情も簡単に紹介しておきます。

 

 

結論的には、自分でNGOを起業する場合は「NGOだけではまず食べていけないルート」だと思ってください。

 

当然ですが、NGOを起業してすぐの頃というのは、人件費(給料)にたくさんのお金を割く余裕はありません。NGOの一番の目的は、国際協力によって社会課題を解決することですからね。

 

一年目の給料は月に5万円とか、よくても10万円とかだと思います。

 

ですので、NGOでの仕事とは別にバイトをしたり、副業で稼いだりする必要があります。僕は役員報酬という形で月6万円ほど貰っていましたが、その他にブログや本で毎月10万円ほど収入があったので、何とか食べていくことはできました。

 

僕の周りでも、NGOを起業しながらバイトで生計を立てたり、会社に勤めながら副業でNGOを起業したりしている人がいます。

 

NGOを起業する場合、よほど事業型のNGOで収益性が期待できない限り、最初の数年間はNGOからの給料だけで食べていくことは難しいのが現実です。

 

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海外NGOの給料は月230万円?!

海外NGOの給料事情も少しだけ紹介しておきます。

 

僕の知人(アメリカ人)でアメリカのNGOで副代表を務めていた人がいるのですが、当時の月給は2万ドルだったらしいです。日本円に換算すると約230万円ですね。ハンパないですね…。

 

日本にせよ海外にせよ、NGOの規模も団体によってピンキリなので、一概に言うことはできません。しかし、「NGOの給料は安いから食べていけない」というのは、少し偏ったイメージです

 

むしろ海外のNGOでは好待遇の場所も多く、「NGOはエリートが働く場所」というイメージもあります。

 

特にアフリカをはじめとした発展途上国の場合、ただでさえ失業率が高い国が多いため、NGO職員は超エリートとも考えられています。大きな国際NGOの職員になると、一年目から日本円で月給20~30万円くらいは貰えるらしいので、現地では「金持ち階級」に分類されます。

 

 

ということで、今回はNGOの給料事情を解説しました。サラッとNGO・NPOといった言葉を使いましたが、もしこの言葉の違いを説明できない人がいたら、以下の記事もあわせて読んでみてください。

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