原貫太のブログ

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ワールドビジョンとは?寄付して大丈夫な団体?国際協力のプロが丁寧に教えます

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。

 

「YouTubeやテレビの広告で目にすることの多いワールドビジョンとは、いったいどんな団体なのだろうか?寄付先として信頼できる団体なのだろうか?」

 

こんな疑問を持っている方向けに、この記事では

 

  1. ワールドビジョンとはどんな団体か?
  2. ワールドビジョンはどんな活動をしているのか?
  3. ワールドビジョンの運営するチャイルドスポンサーシップとはどんな仕組みなのか?
  4. ワールドビジョンを寄付先として選んでも大丈夫か?

 

以上の4点を詳しくお伝えします。ワールドビジョンに寄付をしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

\日本で生活しながら続けられる国際協力/

 

ワールドビジョンとはどんな団体?

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ワールドビジョンの公式ホームページより

 

ワールドビジョンは1950年に設立された国際協力団体

ワールドビジョンとは、1950年にアメリカ人宣教師ボブ・ピアスによって設立された、世界屈指の活動規模を誇る国際協力NGOです。キリスト教の精神に基づき、国際支援活動を70年以上継続しています。

 

第二次世界大戦後、創立者のボブ・ピアスは戦争によって荒廃した中国を訪れ、一人の女の子の支援活動を始めました。

 

その後、「すべての人々に何もかもはできなくても、誰かに何かはできる」と考えるようになり、より多くの人たちを支援するため、アメリカ・オレゴン州でワールドビジョンを設立したのが始まりです。

 

設立から70年以上が経ち、現在は約100か国で活動を展開しています。「国際協力業界ではワールドビジョンを知らない人はいない」と言っても過言ではありません。それくらい歴史が深く、著名な国際協力団体ですね。

 

ワールドビジョンジャパンとは?

ワールドビジョンの日本支部であるワールドビジョンジャパンは、1987年に設立されました。1999年には特定非営利活動法人(NPO法人)として認証され、2002年には国税庁から認定NPO法人と認定されています。

 

日本にはワールドビジョンジャパン以外にも多くの国際協力団体がありますが、そのほとんどが1998年の特定非営利活動促進法(NPO法)施行後に設立された団体です。

 

その10年以上前から活動しているワールドビジョンジャパンは、日本の中でも歴史ある国際協力団体と言えますね。

 

2019年度の活動概要によると、ワールドビジョンジャパンだけでも世界32か国で159の事業を行っています。

ワールドビジョンとは

ワールドビジョンジャパンの公式ホームページより

 

また、支援者の数も6万人以上と、日本の国際協力団体の中でも屈指の活動規模を誇っています。NGOについて詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。

NGOとは何か?元NGO職員が日本一わかりやすく、簡単に解説します! - 原貫太のブログ

 

ワールドビジョンジャパンは宗教団体ではない

「ワールドビジョンジャパンは怪しい宗教団体なのではないか?」と疑問を持っている人もいるかもしれません。実際にGoogleで検索してみると「ワールドビジョンジャパン 宗教」といった候補が出てきます。

 

ワールドビジョンは創設者がキリスト教の宣教師であること、またキリスト教の精神に基づいた活動を行っていることから、キリスト教系の団体ではあります。

 

しかし、ワールドビジョンは布教を目的に活動する宗教団体ではなく、あくまでも国際援助を行うことが目的の団体です。

 

僕自身もNPO法人を起業したことがあるのでわかりますが、日本でNPO法人を設立するには「宗教活動や政治活動を主な目的としていないこと」が条件として課されます。

 

ワールドビジョンジャパンは、NPO法人よりもさらに厳しい条件が求められる「認定NPO法人」です。その点からも、宗教活動・布教活動を目的としていないことが分かります。

 

仮に布教活動をしていたら、認定の資格はすぐに外されてしまいますからね。要は、ワールドビジョンジャパンはキリスト教系の団体ではあるけど、布教が目的の宗教団体ではなく、純粋に国際援助をすることが目的の団体と考えてもらえればOKです。

 

ワールドビジョンの評判を知りたい方は、以下の記事もあわせて読んでみてください。

ワールドビジョンの評判は?宗教団体?国際協力のプロが超丁寧に解説します - 原貫太のブログ

 

 

ワールドビジョンはどんな活動をしているの?

ワールドビジョンはキリスト教の精神に基づき、以下の3つを柱に世界中で活動を行っています。

 

  1. 開発援助:発展途上国の経済発展や福祉向上のために行われる援助
  2. 緊急人道支援:紛争や自然災害発生時に行われる人命救助や苦痛の軽減などを目的にした支援
  3. アドボカシー:市民社会に対する啓発や政策提言活動

 

例えば僕が活動していたウガンダ共和国北部の南スーダン難民居住区でも、ワールドビジョンは支援活動を行っていました。

ワールドビジョンとは

ワールドビジョンによる食糧配給の様子。ウガンダ北部で筆者撮影

 

当時(2017年2月)は南スーダンの内戦が再燃して間もない頃だったため、ワールドビジョンは難民に食糧配給の支援を行っていましたね。

 

難民の方に「食糧はどうしていますか?足りていますか?」と話を聞いてみると、「ワールドビジョンの支援に助けてもらっている。ワールドビジョンには感謝している」といった話を聞きました。

 

僕は日本とウガンダを往復しながら国際協力の仕事をしていますが、「ワールドビジョン」という団体名は日本でもアフリカでも、色んな場所で見聞きします。それくらい規模が大きく、歴史があり、有名な団体です。

 

 

ワールドビジョンが運営するチャイルドスポンサーシップとは?

ワールドビジョンとは

ワールドビジョンの公式ホームページより

 

ワールドビジョンが運営するチャイルドスポンサーシップとはどんな制度なのか?簡潔に説明します。

 

ワールドビジョンが運営する月額制寄付制度

チャイルドスポンサーシップとは、ワールドビジョンが運営する月額制の寄付制度(マンスリーサポーター)です。毎月4,500円をワールドビジョンに寄付することで、手紙や写真でのやり取りを通じ、途上国に暮らす子どもと直接的につながることができるのが特徴です。

 

一口あたり毎月4500円なので、一人の子供を支援するためには毎月4500円、二人の子供を支援するためには毎月9000円が必要です。

 

日本だけでも5万人以上がチャイルドスポンサーとしてワールドビジョンを支援しており、例えばプロゴルファーの東尾理子さんや、株式会社ZOZOファウンダーの前澤友作さんなど、多くの著名人もチャイルドスポンサーシップに参加しています。

チャイルドスポンサーになった芸能人8名を紹介【あの超大物ハリウッド俳優も】 - 原貫太のブログ

 

ワールドビジョンへの寄付が直接子どもに手渡されるわけではない

チャイルドスポンサーシップは、よくある「里親制度」とは違います。ワールドビジョンへの寄付が直接子どもに手渡されるわけではないので、その点は誤解しないように注意してください。

 

チャイルドスポンサーシップを通じて支援したお金は、

 

  • 教育
  • 保健衛生
  • 生計向上
  • 水衛生
  • 栄養

 

など、子どもたちを取り巻く環境を包括的に支援するために使われています。寄付者には子どもがマッチングされますが、その子どもが現地のコミュニティーの代表的な存在として、寄付者に感謝のメッセージを書いてくれるのです。

 

これからワールドビジョンに寄付する人の中には「里親になって、子どもに直接お金を渡したい」と考える人もいるかもしれません。

 

しかし、経済的に貧しい生活を送る子供に多額のお金を渡してしまうと、自分でやりくりすることが出来なかったり、支援してもらえなかった近隣住民との間に格差を生み出すことに繋がるなど、新たな問題が発生しかねません。

 

長期的な視点に立って現地の発展を考えると、より包括的なアプローチをする方が、国際協力の手法としては望ましいのです。

 

月額4,500円は一般的なマンスリーサポーターと比べると高額

チャイルドスポンサーシップの月額は4,500円です。国際協力団体の一般的なマンスリーサポーターは月額1,000円から申し込めることを考えると、4,500円という金額は決して安くはありません。

 

しかし、手紙や写真のやり取りを通じて現地の子どもとつながることができる仕組みを考えたら、4,500円という金額は妥当だと個人的には思います。

 

手紙を翻訳したり、写真付きの成長報告書を支援者に送ったりと、チャイルドスポンサーシップの運営には多くのコストがかかるはずです。

 

職員が10人にも満たない小さな団体では、チャイルドスポンサーシップのようなマンスリーサポーターを維持するのは、まず不可能でしょう。ワールドビジョンのような大きな団体だからこそ、チャイルドスポンサーの仕組みが成り立っていると言えます。

 

そのことを考慮すれば、一口4,500円という金額設定は決して高すぎる金額ではありません。

 

 

ワールドビジョンは寄付先として信頼できる?

ワールドビジョンジャパンは寄付先として信頼できるのか、2つのポイントで解説します。

 

ワールドビジョンジャパンは国税庁から認定された認定NPO法人

先ほども書いたように、ワールドビジョンジャパンは2002年に認定NPO法人として国税庁から認定されています。

 

NPO法人は日本に約5万団体ありますが、そのうちワールドビジョンジャパンのように所轄庁から認定を受けた認定NPO法人は全体の2%、わずか1,095団体しかありません。(平成30年11月時点)

 

認定NPO法人になるためには、要件の一つとして「パブリック・サポート・テスト」と呼ばれる審査があります。

 

パブリック・サポート・テストとは、簡単に言えば広く市民からの支援を受けているかどうかを判断するためのテストです。例えば審査の一つとして、3000円以上の支援を毎年100人以上から安定して受けているかなどがあります。 

 

認定NPO法人の資格は、取得するだけではなく、継続するのも簡単なことではありません。毎年経理や監査で厳しい審査があります。

 

ワールドビジョンジャパンは20年近く認定NPO法人としての資格を維持していることから、寄付先として信頼することができると言えます。

 

ワールドビジョンジャパンは支援金の8割以上を現地事業に充てている

「ワールドビジョンへの寄付金は、現地の活動にちゃんと使われているのか?」と不安な方もいるかもしれません。

 

ワールドビジョンはチャイルドスポンサーシップで受け取った支援金のうち、81.5%を現地での活動に充てています。

 

国際協力NGOには「7割の原則」というものがあります。これは「NGOは寄付で集めたお金のうち、最低でも7割は現地での支援活動に充てるべき」という考えを指します。

 

ですので、寄付金のうち8割以上を現地事業に充てているワールドビジョンの「チャイルドスポンサーシップ」は評価することができます。

 

チャイルドスポンサーシップの実態をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。

チャイルドスポンサーシップの実態を国際協力のプロが解説【うさんくさくないです】 - 原貫太のブログ

 

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