「将来はNGOスタッフになりたい。どの大学に行くべきだろう?」
「NGO職員になるために、大学で何を専攻するべきだろう?」
こんな疑問にお答えします。
フリーランス国際協力師の原貫太です。大学在学中に国際協力NGOを設立し、新卒でNGO職員になりました。
2019年からはフリーランスに転向し、個人で国際協力の仕事を続けています。
将来NGOで働きたい高校生や大学生から「どの大学に進むべきか?」「大学では何を専攻するべきか?」とよく質問をされます。
NGO業界に長く関わってきた立場から、NGOスタッフになりたい人がどの大学で何を専攻するべきか解説します。
NGOスタッフになるにはどの大学がおすすめ?
僕の周りにいるNGO職員には、例えばこんな大学の出身者が多いです。
- 東京外国語大学
- 桜美林大学
- 立命館大学
- 早稲田大学
- 上智大学
- 拓殖大学
東京外国語大学
東京外国語大学では発展途上国のマイナー言語を学ぶこともできます。そのため、将来的に活動したい途上国の言語を大学で学び、その後NGOの海外駐在員となって働く方がいます。
例えば僕が運営する「原貫太のオンラインサロン」には、東京外国語大学でミャンマー語を学び、現在はNGOのミャンマー駐在員として働く方が所属しています。
www.ngomyanmar.com
桜美林大学
桜美林大学には学部では比較的珍しい国際協力専攻があります。そのため相対的にはNGO職員を目指している学生が多いですし、出身者の中には自分でNGOを起業している人もいます。
例えばシエラレオネ支援NGO・Alazi Dream Project代表の下里夢美さんは桜美林大学の出身者です。
下里夢美プロフィール | 下里夢美オフィシャルブログ
立命館大学
立命館大学出身者の中には、アフリカで元子ども兵士や難民の支援に取り組む国際NGOテラ・ルネッサンスの創業者である鬼丸昌也さんがいます。彼は法学部出身です。
講師プロフィール 鬼丸昌也(おにまるまさや)
早稲田大学
早稲田大学は学部生の数も5万人以上と非常に多く、副専攻に平和学なども存在するため、現在NGOスタッフとして働いている出身者も多いです。
大学4年生でNGOを設立した原貫太(僕です)は、早稲田大学の文学部出身です。海外留学プログラムも充実しているため、早稲田大学に進んでおけば間違いありません。
フリーランス国際協力師原貫太(はらかんた)のプロフィール - 原貫太の国際協力ブログ
上智大学
上智大学には総合グローバル学部があり、また偏差値も高いことから、国際機関やNGOで働く意思のある学生が多いです。
僕の周りにいるNGOスタッフを目指している学生にも、上智在学中の人は多いですね。
拓殖大学
拓殖大学には桜美林大学と同じく、学部としては珍しい国際協力専攻があります。そのためNGO職員を目指す学生も多いです。
どの大学に進んでもNGOスタッフにはなれる
今回は「僕の周りにいるNGO職員には、この大学の出身者が多い」として6大学を例示しましたが、NGO業界全体を見ると、出身大学は非常に多岐に渡っています。
NGOとは全く関係ない大学出身者もいるし、日本だけではなくアメリカやイギリスの大学出身者の方もいます。
「傾向として、日本のNGO職員にはこの大学の出身者が多い」というのはありますが、どんな大学に進んだとしても、NGO職員になることは可能です。
なぜならNGOに就職するためには、学歴以上に、NGOが掲げるビジョンへの共感や社会人としての実務経験、即戦力になれるスキルの有無のほうが大切だからです。
この点は、記事の後半部分でも解説します。
NGOスタッフになるには何を専攻すべき?
国際協力NGOセンターによる『NGOセンサス2017』によると、NGO職員の大学・大学院での専攻分野は以下のようになっています。
- 国際関係
- 情報処理
- 建築
- 地理学
- 家政
- 栄養
- 史学
- 地域研究
- 他
この図を見るとわかるように、NGO職員が専攻していた学問分野は多岐に渡りますし、必ずしも大学で開発学や国際協力学を勉強しなくてもNGO職員にはなれます。
NGOスタッフの中には大学で国際関係を学んでいた人が多いですが、「国際関係を勉強したからNGO職員になれた」ではなく「国際関係を勉強する人にはNGOに興味ある人が多かった」だけの話と推測されます。
なお、僕個人としてはNGO職員になって草の根の国際協力に関わりたい人には、
①文化人類学
➁外国語
③統計学
④国際関係学
をおすすめしています。詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください➡国際協力を仕事にしたい人は大学で何を学ぶべきか?【4つの学問を紹介】 - 原貫太の国際協力ブログ
NGOスタッフを目指す学生に伝えたいこと
将来的にNGOスタッフになりたい学生が知っておくべきことが3つあります。
大学卒業後すぐにNGOスタッフにはなれない
NGOで新卒採用を行っている団体は非常に稀です。NGOスタッフになるには、基本的には社会人経験3年~5年が必要になると考えてください。
その理由は、NGOは活動するための資金が限られており、新人研修にリソースを割くことができないからです。
また、定期採用を行っているNGOも少なく、事業拡大や欠員の際に人材募集をかけるNGOがほとんどです。
NGOに就職する具体的な方法はこちらの記事で解説しています➡NGOに就職するには?元NGO職員が必要なスキルや具体的なフローを解説します - 原貫太の国際協力ブログ
大学では国際協力を浅く、広く学ぶだけ
近年は国際協力学や国際関係学を擁する大学も増えてきましたが、そういった学部では国際協力の世界を浅く、広く勉強するだけに過ぎません。
そのため、「国際」という名前が付く学部を卒業したくらいでは、NGOの世界で活躍できる専門性を身に着けたとは言うことができません。
僕自身、学部時代には国際関係学を日本・アメリカで学びましたが、NGO職員としての仕事にはほとんど役立ちませんでした。
こちらの記事で詳しく書いています➡国際関係学は仕事で生かせない【国際関係学を学ぶ人にどうしても伝えたいこと】 - 原貫太の国際協力ブログ
大学の偏差値は気にしなくてOK
スタッフを採用する側のNGOとしては、応募者の学歴はほとんど気にしません。たとえ偏差値が低い大学の出身者であっても、NGOスタッフになっている人はいます。
NGOスタッフになるためには、学歴や偏差値以上に大事なものが3つあります。それが①職務経験➁専門性③ビジョンへの共感です。
➡NGOに就職するなら学歴は必要か?【実は学歴より大切なものが3つある】 - 原貫太の国際協力ブログ
NGOスタッフになりたい方は、あまり学歴だけにはとらわれず、広い視野で自らのキャリアを考えてみてください。
さいごに
NGO業界で働いてきた立場から、NGOスタッフになりたい人が進むべき大学や専攻するべき学問を紹介しました。
結論的には「傾向としてNGOスタッフになる人が多い大学や専攻はあるが、それ以外の道でもNGOスタッフになることはできる」ということです。
NGOで働くことに興味がある人は、こちらの記事もあわせて読んでみてください➡NGOに就職するなら学歴は必要か?【実は学歴より大切なものが3つある】 - 原貫太の国際協力ブログ
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