原貫太の国際協力ブログ

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NGOに就職するなら学歴は必要か?【実は学歴より大切なものが3つある】

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。NGOのスタッフとして2年間働いた後、現在はフリーランスとして国際協力をやっています。

 

「NGOに就職するには学歴が必要ですか?」とよく質問されますが、NGOに就職するためには原則として最終学歴は大学卒が必要です。中卒・高卒だとまず不可能、できれば大学院卒が望ましいと考えてください。

 

一方で、NGOに就職するには学歴よりも大切なものが3つあります。職務経験・専門性・ビジョンへの共感です。

 

この記事では、

 

  • NGOに就職するためには最終学歴は大学卒が必要。学校名は気にしなくていい。できれば大学院を卒業しておくことが望ましい
  • NGOに就職するなら学歴よりも大切なものが3つある

 

この二つのポイントを詳しくお伝えします。

 

 

NGOに就職するためには最終学歴は大学卒が必要

NGO 就職 学歴

NGOのスタッフとしてアフリカで難民支援に携わっていた

 

NGOに就職するためには、最終学歴は大学卒が必要と考えてください。NGOセンサス2017という調査によると、NGOの有給職員に最終学歴が中卒・高卒の人は一人もいません。

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NGOセンサス2017より

 

NGOに就職した人の学歴は以下のようになっています。

 

  • 大卒 60%
  • 大学院卒 34%
  • 短大卒 4%
  • 専門学校卒 2%
  • 高卒 0%
  • 中卒 0%

 

僕の周りにいるNGO職員も、全員大学を卒業していますね。高卒でNGO職員として働いている人は一人も知りません。

 

NGOは学校名や偏差値にはうるさくありませんが、ほとんどのNGOでは募集条件の学歴に大学卒、または大学院卒を設けています。大学院で開発学や国際政治学に関する学問を修めている場合、大卒の人よりは就職で有利に働く可能性もありますね。

 

NGO以外にも、国際協力の仕事全般と学歴の関係性を以下の記事で解説しています。

国際協力に学歴は必要?大学院まで行くべき?高卒はまず無理?解説します! - 原貫太のブログ

 

NGOに就職するなら学歴よりも大切なものが3つある

NGO 就職 学歴

 

NGOに就職する場合、学歴よりも大切なものが3つあります。

 

  1. 職務経験
  2. 専門性
  3. ビジョンに共感しているか

 

NGOの採用担当の人から話を聞く限り、学歴よりもこの3つを重視して採用可否を決めることが多いようです。

 

職務経験

一つ目は職務経験です。社会人経験と言い換えることもできます。実際にNGO職員の募集要項には、条件の一つとして「3~5年以上の社会人経験」が設けられていることが多いです。

 

なぜNGOは職務経験のある人を優先的に採用するのか?その理由は、NGOは限られた人員と資金で活動しているため、即戦力しか採用しないからです。

 

一般的な企業の場合、入社後に数か月から半年程度は研修の時期がありますよね。

 

しかし、限られたリソースで活動するNGOは、新人研修にお金や時間を割く余裕はほとんどありません。そのため、即戦力として就職後すぐに働き始めてもらえるよう、職務経験がある人を優先して採用するのです。

 

求められる職務経験の内容は、採用されるポストによって変わります。広報やファンドレイジング(資金調達)職であれば、企業でのマーケティング経験などが求められますし、海外駐在員であれば海外での職務経験や高い語学力が必要です。

 

★関連記事★

NGOとは何か?元NGO職員が日本一わかりやすく、簡単に解説します! - 原貫太のブログ

 

専門性

上述したようにNGOは限られた資金で活動しているため、人件費に多くのリソースを割くことが出来ません。(それはそれで問題なので、NGO業界全体に改革が求められますが…)

 

そのため、少ないリソースで最大限パフォーマンスを発揮してくれる人材、つまりは何かの分野で高い専門性を持っている人をNGOは求める傾向があります。

 

この専門性は、開発学や国際政治学といった国際協力に関係する学問的な専門性だけではなく、広報やマーケティングなど、ビジネス面における専門性も含みます。

 

特に近年のNGOは、インターネットを活用した広報・ファンドレイジングに注力する団体が多いです。

 

そのため、WebライティングやSNS活用で高い専門性を持っている人、またはWebマーケティングやファンドレイジング全般に関する専門的な知識を有している人は、優先的に採用されるかもしれません。

 

なお、NGOに就職するために必要なスキルはこちらの記事で解説しました。

NGOに就職するには?新卒・中途で就職する方法から必要なスキルまで解説! - 原貫太のブログ

 

ビジョンに共感しているか

NGOに就職する上で最も大切な要素は、そのNGOが掲げるビジョンに共感しているかどうかです。

 

NGOの一番の使命は、社会課題を解決することにあります。だからこそ、どんなビジョンを掲げているのか、どんな理想の社会を作るために活動しているのかが最も大事です。

 

NGOの給料は決して生活ができないレベルではありませんが、一般企業で働くよりも相対的に低くなります。そのため、お金のためにNGOに就職するのは割に合いません。

 

それよりも、NGOのビジョンに共感し、社会課題を解決するという仕事に情熱を捧げられるかどうかが大事です。

 

★関連記事★

NGOの給料は341万円!どこから出る?待遇は?元NGO職員が全部教えます - 原貫太のブログ

 

NGOのビジョンに心から共感した上で就職する人は、お金のためではなく、ビジョンのために働きます。

 

そのため採用するNGO側としても、就職希望者がビジョンにどれだけ共感しているか、自分の言葉でどれだけビジョンへの共感を説明できるかどうかを鋭く観察しています。

 

ただ、NGOのビジョンは例えば「世界平和を実現する」など、フワッとしたものが多いという実状もあります。そのため就職したいNGOの候補が決まったら、一度活動報告会やイベントに参加し、直接職員と話す機会を作ってみましょう。

 

NGOに就職するなら学歴は必要か まとめ

NGOへの就職と学歴の関係性を解説してきました。

 

NGOに就職したいと考えている人は、大学・大学院でしっかり勉強するだけではなく、NGO就職後に即戦力として活躍できるだけのスキルと経験を積んでおきましょう。

 

NGOに新卒、または中途で就職するための具体的な方法をこちらの記事で解説しています。よく読まれているので、あわせて読んでみてください。

NGOに就職するには?新卒・中途で就職する方法から必要なスキルまで解説! - 原貫太のブログ

 

 

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