原貫太の国際協力ブログ

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ネパールの治安を青年海外協力隊が解説【4つの安全対策も紹介します】

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。この記事ではネパール旅行者向けに、最新情報を含むネパールの治安や旅行者が気をつけるべきことを解説します


…が、僕はネパールを旅行したことがありません。なので今回は、ネパール在住の石川栄貴さんに寄稿してもらいました。お楽しみください!

 

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石川栄貴(@IshikawaHideta1)と申します!私はネパールの首都カトマンズとポカラの間にある都市ゴルカに滞在し、有機栽培の普及活動に携わっています。

ネパール 治安

 

今回はネパールを旅行する日本人向けに、現地で生活する日本人の視点からネパールの治安を解説します!

 

 

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ネパールの治安、外務省が発する情報は?

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ネパールの治安は、隣国インドやバングラデシュと比べると安全な国と言われていますが、外務省の治安情報ではネパールのほぼ全域が危険レベル1以上に指定されています。

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「日本とは違う」という基本的な心構えを持ち、常に危機意識を持って行動することが必要です。

 

また、ネパールとインドの国境は「オープン・ボーダー」といって、インド人及びネパール人は旅券がなくても相手国に陸路で通行が可能なため、両国国民はどこからでも自由に出入りできます。

 

そのため、インドからネパールへ拳銃等の武器や爆薬等が流れ込み、犯罪者集団の手に渡っています。

 

首都カトマンズの治安は?

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ネパールの治安は比較的良いと言われていますが、首都カトマンズは他の地域に比べて犯罪が多いです。強盗・窃盗事件などの一般犯罪が増加傾向にあります。特に観光客で賑わうタメル地区では大麻のバイヤーが数多く存在し、観光客は良く話しかけられます。

 

また、多くのマッサージ店と称した風俗店があります。マッサージを受けたい旅行者は、多少高くともガイドブックなどに掲載されているお店に行くことをお勧めします。

 

ネパールの中で特段交通量が多いカトマンズでは交通事故やひったくりが多発しているので、基本的な安全対策を怠ってはいけません。

 

※海外旅行で実践できるスリ対策はこちらをご覧ください。

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ポカラの治安は?

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ネパール第二の都市ポカラには欧米人のトレッカーが多く訪れます。そのため外国人観光客向けの店が多く、値段設定がネパール国内で一番高くなっています

 

夜遅くまで開いているお店も多いのですが、人気が少なくなる夜の時間帯は多少治安も悪くなるため、外出には安全上注意が必要です。また、夜間には野犬がどこからともなく現われるので、野犬にも注意しましょう。

 

ポカラの観光の要としてフェワ湖という湖があり、湖畔の散歩はとても癒されます。しかし、その湖から蚊も多く発生します。治安から少し話が逸れますが、2019年10月現在デング熱が流行しているので、蚊に刺されないよう健康管理にも注意が必要です

 

▼デング熱の予防・対策はこちらの記事で解説しています▼

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ネパールの最新治安情報

ネパール 治安


2019年9月4日と7日に、カトマンズ市内で邦人男性に対する暴力事件が立て続けに発生しました。いずれも深夜の飲み屋での事件です。

 

飲酒した状態での外出は判断能力も鈍り、大変危険です。「遅くとも何時までには帰る」「お酒は飲みすぎない」などの安全対策が必要になります。

 

また、今年に入って爆発事件も数件発生しています。5月の爆発事件では4名が亡くなりました。不審なものには近づかず、またインターネットで最新の治安情報を入手して行動するよう心がけて下さい。

 

ネパール旅行中は意識しよう。4つの安全対策

ネパール 治安

 

ネパールの治安は悪くないといえど、様々な危険が潜んでいます。特に2015年のネパール大地震を機に道路や建物が崩れ、その影響はいまだに散見できます

 

また近年の人口増加により都市の発展がおいついていません。現在大建築ラッシュのネパールで気を付けるべきポイントを紹介します。

 

病気やけがに注意しよう

ネパールでは多くの野犬や猿がいます。基本的に哺乳類全般から狂犬病に感染するリスクがあります。

 

狂犬病は発症すれば100%死に至る恐ろしい病気です。事前にワクチンを打っていても、動物にかまれた後追加で3回以上追加接種をしなければなりません。費用も時間もかかるので、ネパールでの動物との接触はやめましょう

 

また、最近ではデング熱が流行しています。デング熱は蚊を媒体に感染するので、安全のため防虫スプレーや長袖の着用などを心がけましょう

 

さらにネパールの道路状態は悪く、どこもかしこもアスファルトが剥がれています。転倒や擦り傷のリスクがあるため、極力サンダルは控え靴を履きましょう。小さな傷からでも細菌が入り、破傷風に感染する恐れがあります。

 

バンダ(ゼネラルストライキ)に注意しよう

ネパールでは「バンダ」と呼ばれる政治的なゼネラルストライキが行われます。ストライキ発生時は学校や商店は休みになり、道路も公共バスなどが全く走らなくなり、主要道路では旗を持った党員が行進をします。

 

ストライキが過熱すると暴動に発展し、営業している商店や運行している公共バスなどに投石が行われるなど、治安が悪化します。最近では観光客専用のバスや空港までのタクシーは運航を許されていますが、バンダの際は不要不急の外出は控えましょう。

 

バンダの予定、状況は外務省の『たびレジ』に登録しておくと受け取ることが出来ます。

 

大麻、薬物に注意しよう

ネパールでは薬物の販売は禁止されているにもかかわらず、多くの観光地では『大麻』をはじめとした薬物の販売がされています。ネパールでは薬物の取締りが厳しく、外国人観光客であっても違反した場合には犯罪とみなされ、禁固刑及び罰金刑に処せられます。

 

中には日本語を話し、観光客に近寄ってくる密売人もいます。私の経験したものでは日本語で「葉っぱ(大麻)」や「チョコ(シンナー)」といった隠語を用いて近寄ってきます。昨年も日本人が大麻の使用で捕まった事例もあります

 

ネパール滞在中、路上での怪しい人の話はとにかく聞かないようにしましょう。また、治安の悪化する深夜の時間帯に外出するのは控えましょう。

 

交通事故に注意しよう

ネパールでは交通ルールやマナーに対する意識は非常に薄く、交通事故が多発しています。道路を横断する際も、不慣れな旅行客にとっては非常に危険です。

 

ネパールでタクシーやバスを使って移動する際には注意が必要です。タクシーやローカルバスは過度にスピードを出し、無理な追い越しをします。観光客用のバスであっても転落事故・追突事故が毎年各地で複数発生しており、多数の死傷者が出ています

 

私もバスに乗る際は、なるべく中央の座席に座り、シートベルトを締めて安全対策を取るようにしています。安価なローカルバスや夜行バスの利用は避け、安全のため長距離の移動は飛行機を利用することをお勧めします。

 

ネパールを旅行する前に海外旅行保険を準備しよう

ここまでネパールの治安と旅行者ができる安全対策を紹介しました。

 

一方で、どんなに用心しながら行動していても、海外旅行に予期せぬハプニングは付き物です。リスクをまったくのゼロにすることは難しい。

 

だからこそ、日本と同じ治安は期待できないネパールを旅行する際には、海外旅行傷害保険を準備しておきましょう。

 

旅行中に何かトラブルに巻き込まれ、保険に加入していなかったためにせっかくの思い出が台無しになるのはもったいないです。一週間のネパール旅行なら、保険費用は3,000円程度になります。

 

さいごに

ネパール 治安


私はこれまでに15か国以上訪れましたが、ネパールの治安はいいと感じています。

 

ネパール人自身も鞄を開けっ放しで人ごみを歩いたり、満員のバスで手が空いてる人に荷物を預けたりと、セキュリティ意識が薄いです。「治安のよい日本でもそんな事したら危ないぞ?」と思うことは多々あります。

 

そして、多くのネパール人は人懐っこくて、優しさに溢れ、他人を簡単に信用します。こういった国民性から重大な犯罪が起きにくいのかもしれません。

 

とはいえアジアの最貧国であることには変わりなく、交通事故や感染症など多くの危険も潜んでいます。日本にいても当然危険を避けるように、ネパールでも危険を避けつつ、かといって過度に怖がらず、独特な内陸国の雰囲気を楽しんでください。

 

【原追記】ネパール旅行の費用を3,000円節約する方法

ボリビア 治安

 

石川さん、ありがとうございました。最後にこのブログの運営者である原貫太から、ちょっとしたトラベルハックをご紹介します。

 

これは僕が海外旅行に行く時、毎回やっている方法です。

 

記事の中で石川さんも「日本と同じ治安は期待できないネパールを旅行するなら海外旅行保険を準備してください」と書いています。

 

しかし、当然ですが保険費用が加わるため、その分旅費は高くなってしまいます。例えば一週間のネパール旅行なら、3,000円くらいはかかるみたいです。

 

できることなら旅行保険には入らず、少しでも旅費を浮かせたいですよね。もし帰国するまで何も問題が起きなければ、支払った保険代は正直もったいない気もしてしまいます…。

 

でも、行き先はアジア最貧国のネパールです。比較的治安が良いとはいえ、現地で何が起きるか分かりません。安心材料としても何らかの保険は絶対あった方がいいです。

 

ということで保険費用を節約したい人は、海外旅行傷害保険が付帯されるクレジットカードをネパールに持っていきましょう。僕はEPOSカードを使っています。

 

\エポスカードのお申し込みはこちら/

 

※なお、盗難やATM吸い込み被害、また一時的な利用不可になる可能性を考慮し、海外旅行には2枚以上のクレジットカードを持っていくのが鉄則です。2枚目、3枚目のクレジットカードとしてもEPOSカードをご検討ください。

 

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