原貫太の国際協力ブログ

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ガーナの治安、2020年版も!青年海外協力隊のナマの声を紹介します

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。この記事ではガーナ旅行者向けに、2019年最新情報を含むガーナの治安や旅行者が気をつけるべきことを解説します


…が、僕はガーナを旅行したことがありません。なので今回は、ガーナ在住の羽立大介さんに寄稿してもらいました。お楽しみください!

 

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羽立大介と申します!「はだて」と読みます。私はガーナのイースタン州の盲学校で、体育やブラインドサッカーの指導をしています。

ガーナ 治安

 

今回はガーナを旅行する日本人向けに、現地で生活する日本人の視点からガーナの治安を解説します!

 

 

※ガーナ在住・羽立さんのインスタグラムはこちら

 

ガーナの治安・外務省が発する情報は?

まずは外務省が提供しているガーナの治安情報を見てみましょう。ガーナ全域、黄色のレベル1「十分注意してください」が出されています。しかし、北部の国境付近は隣国のブルキナファソやトーゴのレベル2、レベル3のエリアと隣接しています。

 

2020年2月、隣国ブルキナファソの治安悪化に伴い、ブルキナファソとの国境地域とトーゴ、コートジボワールとの一部の国境地域の危険度がレベル2に引き上げられました。

ガーナ 治安

外務省「海外安全ホームページ」より借用

 

英語圏かつ治安が良いということで、西アフリカの中では比較的訪れやすい国とされているガーナですが、治安は以前より悪くなっているようです。日本人が犯罪被害に遭うこともあります。

 

在ガーナ日本国大使館から発信されているガーナ国内での犯罪情報が海外安全ホームページに掲載されているので、渡航前に一度目を通しておくと良いでしょう。

 

首都アクラの治安は?

ガーナ 治安

首都アクラはガーナで最も多く外国人が住むエリアのため、数ヶ月に一度は不法侵入や強盗の情報を大使館からのメールで受け取ります。金銭目的の路上強盗やひったくりも起きており、比較的治安は悪いです。

 

一人歩きは厳禁、というわけではありませんが、注意は必要です。また、夜間の一人歩きはやめておいたほうがよいでしょう。複数人でも、夜間の移動はドア toドアが基本です。

 

立ち入り禁止区域のようなものはないものの、他の地方都市に比べると首都アクラの治安は悪く、日本人だけで訪れないほうが良いエリアは点在します。

 

タマレの治安は?

ガーナ 治安

 

野性の象が見られるモレ国立公園や、かごバッグの産地であるボルガタンガなどに2~3時間でいける、ガーナ北部最大の都市であるタマレ。

 

首都アクラからは飛行機で1時間、陸路の場合は12時間ほどです。費用は飛行機だと1万円、長距離バスだと2千円ほどかかります。

 

陸路では、たびたび路上強盗や夜行バスの事故などが起きています。2019年9月に国連の車が襲われたという情報もあります。飛行機のほうが高額ですが、時間の節約、体への負担軽減、安全面などを考慮すると空路移動のほうが無難です。

 

またタマレ市内は非常に交通量が多く、歩道をバイクが走ることも珍しくありません。治安のみならず、交通事故にも十分な注意が必要です。特に一般のトロトロ(乗合バス)を利用する予定のある人は、十分に注意してください。

 

カクム・ケープコーストの治安は?

つり橋が有名なカクム国立公園や世界遺産のエルミナ城、ケープコースト城があるセントラル州。アクラから車で西へ約3~4時間とアクセスが良く、旅行客が多く訪れる人気のエリアです。

 

治安はそれほど悪くはありませんが、タクシーの値段交渉時は観光客価格で足元を見られることが多いようです

 

また2019年8月、アクラからケープコーストまでの道中にある「ウィネバ」という町で警官が殺害されるという事件が発生しました。殺人事件が頻繁に起きている地域というわけではありませんが、注意をしておくに越したことはないでしょう。

 

2020年、ガーナの最新治安情報

ガーナ 治安

 

ここ数年、ガーナの治安は悪化してきていると言われています。特に注意が必要なのが大都市圏、都市間の幹線道路、国境付近です。犯罪件数の増加だけでなく、命に関わるような重大犯罪も増えています。


大都市圏ではここ1年ほど、身代金目的の誘拐事件が頻発しています。報道を受けての模倣班も出てきています。幹線道路では先述のような事件が起きるほど治安の悪い場所・時間帯もあるため、どのように移動するのか事前に情報収集しておくのが賢明です。

 

また、ガーナの隣国ブルキナファソの情勢悪化を受け、国境近くの治安は特に悪くなっています。先ほども書きましたが、2020年2月には国境付近の危険度がレベル2に引き上げられています。

 

既にアメリカのボランティア団体「peace coap」は北部から撤退、青年海外協力隊も国境付近にいた隊員は南部の任地へ移ることになりました。

 

ガーナ旅行中は意識しよう。5つの安全対策

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自分の心構えや準備次第で防げる犯罪被害は少なくありません。日本と同じような治安は期待できないガーナ。せっかくの旅行を最大限楽しむためのポイントを、ガーナ在住者の視点から紹介します!

 

移動にはUberを使う

タクシー配車アプリである「Uber」はおそらくガーナ在住日本人のダウンロード率は100%です。あらかじめ値段が提示されるので値段交渉が不要、提示される額も流しのタクシーより安いことが多いです

 

また、Uberのドライバーは自身の評価に関わるので、高評価を得るために運転や接客が丁寧な方が多い印象です。乗り合いバスよりは交通費が高くつきますが、目的地までの行き方がわからない時や荷物が多い時、また治安の比較的悪い時間帯である早朝や夕方以降は重宝します。

 

「道を知らない」「わざと遠回りして多めに金額を請求する」そんなドライバーもたまにいますが、”This is Ghana”の精神で土産話にしていただけたらと思います笑

 

中国人と間違われたら否定する

中国人と間違われる、というのはアフリカあるあるです。その時にどのように感じるのか、対応するのかは人それぞれ。正解があるものではありません。

 

ただ安全のために、ガーナでは「日本人だよ」と訂正しておくことをお勧めします。というのもガーナでは金が採れるのですが、一部の中国人による違法採掘が問題となっており、中国人に対して良いイメージを持っていないガーナ人が一定数います。

 

避けられるトラブルには巻き込まれないよう、念のため意識しておくと良いです。

 

狂犬病をはじめとする様々な感染症に気を付ける

治安とは少し話がずれますが、様々な病気・感染症についても注意が必要です。黄熱病の予防接種はガーナへの渡航のためには必須です。その他の感染症については人それぞれですが、不安なようでしたら予防接種を済ましてからお越しください。

 

極わずかな一部の病院を除いて、日本クオリティの医療施設はあまり期待できないものと思っておいてください。

 

また、お腹の「治安」を守るためには水道水を飲むのも控え、ボトルウォーターを飲用とするのが良いでしょう。500mlのボトルウォーターで20円ほどです。

 

※海外旅行中に実践できる下痢対策はこちらの記事をご覧ください。

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携帯・財布の露出は最低限に

旅行中の基本かもしれませんが、つい気が緩む瞬間は誰しも訪れるものです。ガーナ人たちの日常の様子というのは、私たちが日本で過ごしている日常とは大きくかけ離れており、記録に残しておきたくなります。

 

一切撮影してはダメ、というほど治安が悪いわけではありませんが、スマートフォンや財布などの貴重品を手に持ったまま長時間いるのは、スリやひったくりの被害に遭うリスクを自ら招いてしまいます。

 

ズボンのポケットに入れておくのも安全とは言えないでしょう(自分もやってしまうときがあるので自戒を込めて・・・)。

 

※海外旅行中に実践できるスリ対策はこちらの記事をご覧ください。

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「オブロニ」であることを忘れない

おそらくガーナ滞在中、一度は「オブロニ!」と呼ばれることがあるはずです(特に子どもたちから)。

 

ガーナには70とも100とも言われる数の現地語がありますが、広く話されている言語がチュイ語。‘オブロニ’はチュイ語、意味は「白人」です。

 

どれだけガーナの人と仲良くなろうと、自分たちが「オブロニ」であるという事実は変わりません。「オブロニはカネを持っている」と多くの人は思っています。旅行中は開放的な気分になってしまいがちですが、自分たちが常に目立つ存在であるということは忘れることなく、ガーナを満喫していただけたらと思います。

 

ガーナを旅行するなら海外旅行傷害保険を準備しよう

ガーナ 治安

 

ここまでガーナの治安と旅行者ができる安全対策を紹介しました。

 

一方で、どんなに用心しながら行動していても、アフリカ旅行に予期せぬハプニングは付き物。リスクをまったくのゼロにすることは難しいです。

 

だからこそ、日本と同じ治安は期待できないガーナを旅行する際は、海外旅行傷害保険を準備しておきましょう。

 

旅行中に何かトラブルに巻き込まれ、保険に加入していなかったためにせっかくの思い出が台無しになるのはもったいないですからね。一週間のガーナ旅行なら、保険費用は概ね5,000円程度です。

 

さいごに

ガーナ 治安


なんだかガーナが危ない国のような書き方になってしまいましたが・・・笑

 

基本的にガーナの治安は良いため、「用心を怠らない」という海外旅行の基本を抑え、スラムや人通りの少ない場所に一人で出向くなどの行動をしなければ、そこまで気を張らなくていいと思います

 

ガーナ人は陽気で優しい人が多いです。こちらから助けを求めたら快く応じてくれます。私は1年3ヶ月ガーナで生活してきましたが、犯罪に巻き込まれそうになったことはまだありません。

 

人々の生き方、気候や食事に交通マナーまで、日本とは全く異なる世界がガーナにはあります。皆さんが安全にガーナを楽しんで、ガーナを好きになってもらえたら嬉しいです!

 

【追記】ガーナ旅行の費用を5,000円節約する方法

ボリビア 治安

 

羽立さん、ありがとうございました。最後にこのブログの運営者である原貫太から、ちょっとしたトラベルハックをご紹介します。

 

これは僕がアフリカに行く時、毎回やっている方法です。

 

記事の中で羽立さんも「日本と同じ治安は期待できないガーナを旅行するなら海外旅行保険を準備してください」と書いています。

 

しかし、当然ですが保険費用が加わるため、その分旅費は高くなってしまいます。例えば一週間のガーナ旅行なら、5,000円くらいはかかると思います。

 

できることなら旅行保険には入らず、少しでも旅費を浮かせたいですよね。もし帰国するまで何も問題が起きなければ、支払った保険代は正直もったいない気もしてしまいます…。

 

でも、行き先はアフリカのガーナです。比較的治安が良いとはいえ、現地で何が起きるか分かりません。安心材料としても何らかの保険は絶対あった方がいいです。

 

ということで保険費用を節約したい人は、海外旅行傷害保険が付帯されるクレジットカードをガーナに持っていきましょう。僕はEPOSカードを使っています。

 

\エポスカードのお申し込みはこちら/

 

※なお、盗難やATM吸い込み被害、また一時的な利用不可になる可能性を考慮し、海外旅行には2枚以上のクレジットカードを持っていくのが鉄則です。2枚目、3枚目のクレジットカードとしてもEPOSカードをご検討ください。

 

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