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貧困とは何か?定義や違いを簡単に、超わかりやすく解説します!

貧困とは何か?この記事では貧困の定義や絶対的貧困と相対的貧困の違い、また貧困から具体的にどんな問題が生じるのか、簡単に、分かりやすく解説したいと思います。


一言で「貧困」と表しても、その定義は様々です。ある人はその日の食べ物さえ手に入れられないアフリカの「貧困」を定義するし、また別の人は日本のシングルマザーが直面しているような「貧困」を定義するでしょう。

 

そもそも貧困には、どんな定義が存在するのか?日本と海外の貧困にはどんな違いがあるのか?

 

簡単に、わかりやすく解説します!

 

 

貧困の定義は2つ。簡単に説明すると…

貧困とは何か

 

貧困にも様々な定義、形態が存在しますが、今回の記事では簡単に説明するため、以下2つの定義を覚えてください。

 

  • 絶対的貧困
  • 相対的貧困

 

それぞれを簡単に説明すると、絶対的貧困はアフリカなどの発展途上国において主に問題になっており、人間として生きるために最低限必要なとされる衣食住、また医療や基礎教育すら欠くレベルの貧困を指します

 

一方、相対的貧困は日本などの先進国において主に問題になっており、人間としての基本的な衣食住は満たせているものの、その国の文化水準や生活水準に比べると、適正な水準で生活を送ることが困難なレベルの貧困を指します

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

絶対的貧困とは?

貧困とは 簡単に

バングラデシュ首都ダッカのストリートチルドレン

 

絶対的貧困とは衣食住すら欠くレベルの貧困

絶対的貧困とは、人間が人間としての必要最低限の生活を営むことができない、そんなレベルの状態の貧困を指します。

 

必要最低限の生活とは、基本的には衣食住のことを指しますが、これに加えて医療や初等教育も含めることが多いです。こういった必要最低限のニーズを表す言葉として、「ベーシック・ヒューマン・ニーズ」という言葉もあります。

 

僕が取り組んでいるアフリカの貧困問題は、その多くが絶対的貧困から定義されますね。

 

「世界には一日100円で暮らす人たちが12億人以上もいます。」といった話を聞いたことがある人もいるでしょう。簡単に言えば、そのレベルの貧困が絶対的貧困になります。

 

絶対的貧困の定義は1日1.90ドル以下

かつては一日1.0ドル以下で生活する人を「絶対的貧困」と定義していましたが、その後一日1.25ドル以下に変更となり、さらに2015年10月には一日1.90ドル以下に改定されました。

 

この一日1.90ドルが、世界の貧困を定義する「国際貧困ライン」と呼ばれるものです。なお、この絶対的貧困の定義は、国際機関である世界銀行(World Bank)が定めたものになります。

 

絶対的貧困を定義する「国際貧困ライン」は1.90”ドル”と、アメリカの”ドル”で定義されています。そのため2015年に1.20ドル→1.90ドルに改定されたのは、単純にドルの価値が落ちたことを受けたものと考えていいでしょう。

 

日本円にすると約200円なので、「一日を約200円以下で暮らす人たちが絶対的貧困」と定義することもできます。

 

この国際貧困ライン以下で暮らす世界の貧困層は、2012年の9億200万人(世界人口の12.8%)から、2015年には7億200万人(世界人口の9.6%)に減少すると世界銀行は予測しています。

 

世界では約10人に1人が絶対的貧困、すなわち人間として最低限の生活すらままならない状態に置かれているのです。

 

なお、絶対的貧困をさらに詳しく勉強したい人は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。僕がアフリカで撮影した写真を使いながら、絶対的貧困のリアルな実態を紹介しています

www.kantahara.com

 

相対的貧困とは

貧困とは

 

日本の貧困は相対的貧困から定義される

もう一つの貧困の定義、相対的貧困について分かりやすく解説します。少し難しいですが、まずは以下の文章を読んでください。

 

OECDでは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としている。相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標であるため、日本など比較的豊かな先進国でも高い割合が示される。「コトバンク」より引用)

 

日本における貧困は絶対的貧困ではなく、相対的貧困から定義されます。上の文章はつまり、「日本の貧困は所得の中央値の半分を下回っている状態として定義される」という意味です。

 

年によって変化はあるものの、日本の所得の中央値は概ね年収250万円と言われています。簡単に説明すると、日本ではその半分にあたる年収約125万円以下が貧困として定義されるのです。

 

日本は貧困率が約16%と非常に高い国の一つで、約6人に1人が貧困ラインを下回る生活を強いられています。これは、OECD加盟国の先進国30か国中でも4番目に高いです。

 

「日本に貧困はない」わけではない

以前Twitterで「これだけ経済的に発展し、生活保護などの制度もある日本に貧困なんか存在しない」といった投稿を見ました。

 

たしかに現代の日本では、アフリカのような地域で問題になっている絶対的貧困はほぼ根絶されました。日本の物価では、一日1.90ドル以下で生活し続けるのはかなり難しいでしょう。

 

また、衣(医)食住が欠如している場合には、生活保護やNPOの支援を含めて、何らかの対応をとることができます。

 

しかし、一つの事実として日本にも貧困は存在します。そこで使われる定義は「絶対的貧困」(衣食住の欠如)ではなく、上記で解説した「相対的貧困」なのです。

 

それぞれの貧困、問題点は何?

貧困とは 簡単に

南スーダン難民の子ども。2017年9月に筆者撮影

 

絶対的貧困と相対的貧困、それぞれどんな問題があるのでしょうか。

 

絶対的貧困の問題点とは

貧困とは 簡単に

南スーダン難民の子どもたちと筆者。2017年2月に撮影

 

絶対的貧困の問題点はわかりやすいと思います。

 

人間としての基本的なニーズが満たされていない状態は、例えば着る服がない(衣)、食べる物がない(食)、住む家がない(住)。また、学校に通えない子どもたちは、基礎教育という人間としての基本的なニーズが満たされていません。

 

僕が出会った南スーダン難民の子どもたちは、一日一食しか食べることができないために栄養失調からお腹が膨れていたり、難民居住区に暮らす18,000人の子どものうち半分の約9,000人が小学校に通えていませんでした。

 

相対的貧困の問題点とは

貧困とは
 

一方で、相対的貧困の問題点は何でしょうか。

 

年収125万円以下というと、月収にすると約10万円です。もちろん日本の”一般的”な家庭、例えば子どもが大学に通えるような家庭と比べれば、月収10万円という額はとても少ないです。

 

学生なら、夏休みに思いっきりバイトすれば稼げるような金額です。

 

もちろん、日本の貧困家庭にも一日一食しか食べることができない家庭が存在すると聞きます。新宿の高架下でダンボール生活をするホームレスの方々も、非常に厳しい生活を送っています。

 

ですが、先ほど紹介した南スーダン難民の月収はわずか300円でした。

 

もちろんアフリカと日本の間には物価の違いがありますが、難民には安全な水や衛生環境、住居も確保されていないことを考えると、「月収10万円」という日本の貧困ラインはまだ”マシ”に思えるかもしれません。

 

では、日本における相対的貧困の問題点とは、いったい何なのでしょうか?その時に考えるべき一つの視点が、社会における「公正」だと僕は思います。

 

一言で説明するのは難しいですが、公正とは、人々に同じ機会へのアクセシビリティ、つまり同じ機会にアクセスすることができる社会環境が確保されていることを指します。

 

時として、個人それぞれの差異や来歴は、何らかの機会参加に対して障壁となることがあります。先進国と途上国の間でも、同じ国の中でも、生まれた場所の状況や家庭環境によって医療、教育、食事、情報といった、一般的には「あたりまえ」のものとして享受できる機会への参加が妨げられてしまいます。

 

相対的貧困が問題になっている日本では、この公正が担保されていないのです。

 

大学に通って高等教育にアクセスできること。スマートフォンを手にしてあらゆる情報にアクセスできること。

 

もはや周りのみんなにとっては「あたりまえ」である生活を享受できない人がいる社会は、決して「公正な社会」とは呼べません。相対的貧困の問題は、公正の欠如にあると言えるでしょう。

 

貧困とは何か、簡単にまとめると…

  • 貧困の定義には大きく二つ、絶対的貧困と相対的貧困がある
  • 絶対的貧困とは人間としての基本的なニーズが欠如している状態を指す。主にはアフリカをはじめとした発展途上国における貧困を表す時に使われる。
  • 相対的貧困とは、日本では所得の中央値の半分を下回っている状態を指す。主には先進国の貧困を表す時に使われ、日本では6人に1人が相対的貧困と考えられている。
  • 絶対的貧困の問題点は衣食住や教育、医療に欠いている点。
  • 相対的貧困の問題点は社会の公正が保たれていない点。日本でも人間としての基本的なニーズが満たされていない人たちも存在する。

 

貧困問題をさらに詳しく勉強したい方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

www.kantahara.com

 

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