原貫太の国際協力ブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカ、社会問題などのテーマを中心に解説しています。

「忘れかけていた気持ちを思い出した」大学生のカラモジャ訪問体験記①

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。先月下旬、活動対象地のカラモジャに行ってきました。

 

この訪問では2名の日本人大学生を連れていきました。今回、彼女らに活動に参加した感想を寄稿してもらったので、ブログに掲載します。

 

これからカラモジャに行ってみたい方、原の活動に参加してみたい方は、ぜひ読んでみてください。

 

 

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初めまして、戸賀沢未来と申します。現在私は大学4年次を休学し、ウガンダに来ています。

 

今回ご縁があり、原さん・原さんの現地人パートナーであるサイラスさんが実施している北東部カラモジャでの活動に同行させてもらいました。

 

感想記事を書く機会をいただいたので、5日間のカラモジャ訪問を通じて感じたことやそこでの学びを紹介します。

 

 

現地に足を運んだからこそ分かったこと

憧れだったウガンダに足を踏み入れてから1ヶ月。私にとっては初めての地方訪問がカラモジャでした。

 

ウガンダで1ヶ月を過ごしたとは言っても、首都カンパラと今住んでいる場所の近隣を少し知った程度です。これまで見てきたウガンダとは全く違った光景が見られるのではないかと、わくわくしながらカラモジャに向かいました。

 

カンパラではお店がたくさん並び、マタツ(乗合タクシー)やバイクタクシーがひしめくように走っています。しかし、車で約10時間行った先のカラモジョでは、これまで見たことのない大自然が広がっていました

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寄り道した大岩の上から(筆者:右)

 

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フィールド調査時は子どもたちがたくさん集まってきた。後ろに写っているのが現地でよく見た家

 

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Napakの小学校に向かう道

 

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雨のせいで車がはまってしまった。この後たくさんの子どもたちが来てくれたおかげで無事脱出。現地の人の知恵と優しさに助けられた

 

 

広大な自然に見惚れるのも束の間、田舎におけるゴミ問題は本当に深刻なのだと実感しました。私が普段暮らす地域にもゴミはたくさん落ちていますが、それ以上の量のゴミがあちこちに散乱しているのです。

 

ビニール袋、ペットボトル、紙くず、残飯、衣類、割れた食器まで。「どうしてこんな場所に捨てられているのだろう」そう思わざるを得ませんでした。

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活動する中で少しずつ見えてきたゴミ問題の根本的な原因

「なぜ現地の人たちはゴミを道端に捨ててしまうのか」この問いに対する答えは、インタビューやプロジェクトを実施する中で少しずつわかってきました。

 

まず根本的な原因として、公衆衛生に対する知識がないことが挙げられます。捨てられたゴミによって生活にどんな影響があるのか分からない人が多いのです。


もう一つは、ごみを処理する仕組みが整っていないこと。かつては存在したはずのゴミ収集の仕組みも、今では全く機能していないようです。

 

また、重みのあるプラスチックはお金になるけど、ペットボトルのような軽いゴミはお金にならないため、回収業者が存在しません。そういった仕組みの欠如も、田舎におけるゴミ問題の根本的な原因になっているようです。

 

 

国際協力の難しさと楽しさ

「私たちがいなくなっても、彼らが自分たちの手でマネジメントできるように。」

 

今回のカラモジャ訪問中、現地で何度も聞いた言葉です。学校に通う子どもたち、先生たち、子どもの保護者たち、地域の人たちと対象を広げながら、まずは彼らにこの活動の必要性や大切さを理解してもらうことが大事です。

 

そしてカラモジャの公衆衛生環境を改善していくためには、「知識」と「仕組み」双方にアプローチしていく必要があると思います。

 

問題が山積みな中、活動を継続することは決して簡単なことではありません。「押し付け」にならないよう現地の人の声を聞きながら、いつ結果が出るかわからないことを少しずつ進めていかなければならないからです。

 

その一方で、こういった国際協力活動に携わる楽しさも感じられました。原さんやサイラスさんが現地のために奮闘する姿、真剣に話を聴いてくれた小学校の先生、インタビューに協力してくれた町の人、彼らの姿を見ていたら「現地の人たちと一緒に活動できるって楽しい」と感じました。

 

外部の人間がやってきて、新しい試みにチャレンジしている。そのことに現地の人たちが関心を持ってくれているのは、本当に素晴らしいことだと思います。だからこそ、挑戦する価値があるのだと思います。

 

 

忘れかけていた気持ちを思い出した

途上国と呼ばれる地域に行きたい。そんな想いを持ちながらも、「でも自分に何ができるのだろう」と悩んでいた時期、私は映画『風に立つライオン』を観ました。

 

広大な自然の中で聴いた『風に立つライオン』の主題歌は、自分はなぜウガンダに来たのか原点に立ち返らせてくれました。

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風に立つライオンを聴きながら見た夕焼け

 

私にできることは本当に小さなことかもしれない。でも、せっかく1年間もウガンダにいるんだから、ちょっとだけ勇気を出して行動していこうと思います。

 

今回の旅でお世話になった人たち、そしてこの大自然に出会うため、もう一度カラモジャに行きます。このプロジェクトに少しでも貢献できるように、自分自身の考えを持って。

 

さいごになりますが、今回のカラモジャ訪問という貴重な機会を与えてくださった原さん、サイラスさんに心から感謝しています。ありがとうございました。

 

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