自分探しのために一人旅をしたがる人、いや、自分のやりたいことや生きる意味を探すために一人旅をしたがる人が多い。
最近はバックパック一つ背負い、海外を一人旅する大学生なんかも増えてきた。
そんな人たちに対して、学生時代からアフリカで働き、それなりに頭を使って生きる意味を考えてきた人間として、ひとこと伝えたいことがある。
自分探しの一人旅をしたところで、本当の自分なんて簡単には見つからねぇよ。
- 自分探しの一人旅をしたところで、本当の自分なんて見つからねぇよ
- 自分探しをするなら、結局は自分の頭で考えるしかない
- それでも、海外への一人旅を僕はおすすめする
- 一人旅をして自分の世界観が変われば、少しだけ自分探しがしやすくなる
自分探しの一人旅をしたところで、本当の自分なんて見つからねぇよ
「自分探しの一人旅」と表現したら、聞こえはいいかもしれない。けれど、一人旅に出たとしても、そんな簡単に本当の自分なんて見つからない。
やりたいことが見つからない。生きる意味がわからない。だから、それを探すために一人旅をしている。そんな人たちに、海外で何度も出会ってきた。
アフリカで国際協力の仕事をしていた時、こんな大学生の旅人と出会った。
「将来就きたい仕事が決まっていないから、それを探すためにアフリカに来ました。まぁ、自分探しのための一人旅みたいなもんですね。」
そんな彼に対して、僕はこう告げた。「一人旅をする”だけ”では、生きる意味はおろか、やりたいことなんて見つからないよ。」
自分探しをするなら、結局は自分の頭で考えるしかない
自分探しの一人旅をしようがしなかろうが、結局、どんな状況にあっても最後は自分の頭で考えなくてはならない。
誰かから与えられるのを待っているだけではダメだ。運よく「自分」が見つかるわけないのだし、誰かが見つけてくれるものでもない。
「一人旅に出れば、やりたいことが見つかるかもしれない」なんて、そんなのは受け身の姿勢に過ぎない。学校の図書館でも、何なら自宅の机の上でも、頭を使って考えまくれば、やりたいことはきっと見つけられる。
”自分探しの一人旅”なんて、地球上のどこにいたってできるのだ。
僕は自転車に乗っている時やお風呂に入っている時、よく一人で考え事をしている。そこでの閃きが自分の生きる指針となり、今の仕事に繋がったこともある。
別に一人旅に出なくたって、自分探しはどこでもできるんだ。
それでも、海外への一人旅を僕はおすすめする
でも、「考えるためのモチベーションを上げる」という意味で、海外に一人旅に出るのはいい選択肢だと思う。
そして、できれば「下」の世界を見るために、発展途上国を旅することを勧めたい。経済的には貧しい環境に置かれながらも、毎日力強く生きている人たちを見ていたら、嫌でも人生の意味について考えさせられるはずだ。
僕も日本とは全く違った環境が広がる海外、とりわけアフリカのような地域に滞在している時は、自分の感性や思考が研ぎ澄まされるのが分かる。それこそ、心のどこかで自分探しをしている。
路上に暮らすストリートチルドレンや、紛争から逃れてきた難民。日本で生まれ育った僕とは全く異なる状況の人に出会った日は、特に考えさせられる。
宿に戻り、ベッドに寝ころびながら、自分は何のために生きているのか、何をするべきなのか、自然と考えさせられるのだ。
僕はそうやって、自分の生きる道を探してきた。大学生活で携わってきた国際協力の活動こそが、きっと長い長い、「自分探しの一人旅」だったのだと思う。
一人旅をして自分の世界観が変われば、少しだけ自分探しがしやすくなる
日本に生まれ育っただけで、僕らは世界のほとんどの人よりも「上」に立っていると思う。少なくとも、経済的には。
それにもかかわらず、大人たちからはもっと「上」を見させられ、そして「上」を目指すように諭される。もうそんなことする必要なんて無いくらい、僕らは十分すぎる生活を送ってはいないだろうか。
僕は途上国を一人で旅していると、そんなことを考えさせられる。
「海外に出ること、一人旅をすること=自分探し」だなんて、そんな甘い話はない。やりたいことも生きる意味も、向こうから近づいてくるはずはないのだから、結局は自分の頭で考え、自分で見つけなければならない。
でも、自分の見ている世界が数十度、いや数度広がるだけでも、考えようというモチベーションは自然と生まれてくる。その時、自分の頭を使って必死に考え、言葉として落とし込めば、初めて新しい自分と出会うことができると思う。
自分探しの旅のために海外に出ようと考えている人たちは、今自分がいる場所で、もうちょっとだけ考えてみてほしい。
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