原貫太のブログ

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ボランティアは偽善でいい【ボランティアを仕事にした人がその理由を語る】

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。大学在学中にボランティアで始めた海外支援を、大学を卒業した後も続けています。

ボランティア 偽善

アフリカで難民支援に携わっていた時の筆者

 

ボランティアに取り組む人たちに対して、よく「偽善者だ」「自己満足だ」という批判がぶつけられることがあります。

 

例えば芸能人が炊き出しボランティアに参加すると、「どうせ売名のためにやっている」「所詮は偽善者に過ぎない」「本人の自己満足」こういった批判がネット上に散見されますよね。

 

僕はボランティアを6年以上続けてきた人間ですが、今でも「どうせ偽善者だろ」と批判されることがあります。

 

ただ、最近は逆に「ボランティアは偽善でもいいのではないか?」と考えるようになりました。その理由をお伝えします。

 

 

偽善のボランティアとは何か?

ボランティアは偽善でもいいと考えるようになった理由を説明する前に、そもそも「偽善のボランティア」とは何かを整理しておきましょう。

 

偽善とは、本心からでなく、うわべだけを繕ってする善行や、他人から受ける評価を期待してする善行を意味します。

 

そのため偽善のボランティアとは、以下のように考えることができます。

 

困っている人を助けたり、社会問題を解決したりすることではなく、自分の承認欲求を満たしたり、他人から褒められたりすることを目的としたボランティア。 

 

「偽善で行うボランティアとは、結局は他人のためではなく、自分のためにやっている。そんなボランティアはエゴ(自己満足)でしかない」

 

ボランティアを偽善と批判する人には、こういった考えを持っている人が多いです。

 

ボランティアは偽善でいい理由

ボランティアは偽善と批判されることが多いですが、最近は「ボランティアは偽善だと批判されても別にいいのではないか?」と考えるようになりました。

 

その理由は3つあります。

 

ボランティアのきっかけは何でもいい

ボランティア 偽善

人生で初めての海外ボランティアはフィリピンだった

 

多くの場合、ボランティアを始めて間もない頃の人が「偽善」だと批判されてしまいます。

 

しかし、ボランティアを始めるきっかけというのは何でもいいからこそ、別に偽善でもいいのではないでしょうか?

 

僕が初めて海外でボランティア活動に取り組んだのは、大学一年生の春休み。フィリピンのスタディツアーに参加した時です。

 

正直に言います。僕がこのボランティアに参加した目的は、現地の困っている人たちのためでも、フィリピンの社会問題を解決するためでもなく、就活の話題作りのためでした。完全に偽善者だったのです。

 

もちろん「フィリピンの貧困問題を自分の目で見てみたい」「ストリートチルドレンの子どもたちをサポートしたい」といった目的も多少はありましたが、正直に、この時ボランティアに参加しようと思った主な目的は、就活のためでした。

 

うわべだけは立派な目的を持ちながらも、実際の目的は自分自身に向けられたものだったので、まさに偽善のボランティアでしたね。

 

ボランティア活動中も、今思い返せば明らかに偽善者でした。フィリピンの子どもたちにお菓子を渡して、いい感じの写真を撮って、それっぽいコメントと一緒にSNSにアップして…と、中途半端に意識高い系大学生だったんです。

ボランティア 偽善

 

ただ、フィリピンから日本に帰る直前に、運命的な出会いがありました。

 

すべての活動を終え、日本に帰る飛行機に乗るため空港に向かう途中、たまたま物乞いをする一人の女の子に出会ったことがきっかけで、僕のボランティアに対する考え方は根本から変わったのです。

 

「さんざん色々な場所でボランティア活動に携わってきたというのに、まだここにも困っている子どもがいる。

 

いったい今までのボランティアは何だったのか?もっと目を向けるべき問題や手助けするべき人たちがいたんじゃないか?」

 

自分のやっていたボランティアは、所詮は偽善に過ぎなかったと猛反省し、その後は真剣に国際協力活動を開始して、気づけば6年以上も経っています。

 

たとえボランティアを始めた最初の動機が「偽善」であったとしても、あの時フィリピンに行ってなければ、今の自分はありません。

 

聖人君子のように、最初から何も見返りを求めず、慈悲の心だけでボランティアを始められる人なんてほとんどいません。

 

ボランティアに真剣に関わっていくための最初のきっかけにさえなれば、多少は「偽善」の心があったとしても、別にいいのではないかと思うのです。

 

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ボランティアで助かる人がいるならそれでいい

たとえ偽善のボランティアであったとしても、困っている人が助かっているという結果にさえ繋がっているなら、別に偽善でもいいのではないでしょうか?

 

もちろんボランティアをした結果、それが「有難迷惑」になっていてはダメです。

 

例えばよく批判されるのは、ボランティアで作った千羽鶴を被災地に送るケース。ボランティアの人たちは良かれと思って千羽鶴を作っているのかもしれませんが、人によっては千羽鶴を受け取るより、足りていない物資を受け取った方がよほど嬉しいです。

 

善意で送られてきた千羽鶴を受け取れば、捨てるに捨てられないからこそ、そのボランティアは「有難迷惑」になってしまうのです。

 

でも、たとえ自分の承認欲求を満たしたり、売名行為のためのボランティア活動だとしても、誰に迷惑をかけるわけでもなく、結果としてちゃんと人の役に立っているなら、それでいいと思うのです。

 

寄付も同じです。芸能人が多額の寄付をすると、ネット上では「売名行為だ」「偽善だ」と批判されるケースがよくありますが、その寄付で困っている誰かが救われるという事実は変わりませんよね。

 

たとえ内なる動機が売名や自分の承認欲求を満たすためだとしても、有難迷惑にならず、誰かの役に立っているのであれば、偽善のボランティアでもいいと思います。

 

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偽善だけではボランティアは続かないから

ボランティア 偽善

ウガンダの子どもたちと風船で遊ぶ原貫太

 

偽善のボランティアは長く続きません。

 

自分の行っているボランティアがすべて他人から評価されることはありませんし、すべてが売名に繋がることもありません。

 

お金にもならないから、偽善の心でボランティアを継続し続けるのは非常に難しいです。

 

それにもかかわらず、なぜ偽善で始めたボランティアを僕は6年以上も継続できているのか?その理由は、ボランティアに継続的に取り組むうちに、偽善ではない何か別の目的も考えるようになったからです。

 

たとえ最初のうちはボランティアを「偽善」で始めたとしても、いずれは何か別の目的を自分の中に作らないと、そのモチベーションを継続することはできません。

 

偽善でボランティアをやっている人は、いずれ必ずいなくなります。淘汰されます。

 

逆に言えば、継続的にボランティアをやっている人は、偽善だけではない別の動機が働いているはず。その動機に、まだ気づけていないだけかもしれません。

 

周りから認められたい。承認欲求を満たしたい。こういった偽善の心を完全にゼロにするのは難しいです。

 

でも、偽善ではない何か別の目的もあるなら、周りからの批判なんか気にせず、自信をもってボランティアに取り組めばいいのです。

 

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たとえ偽善と批判されても、周りの評価は気にするな

ボランティア 偽善

ウガンダの女の子たちに手作りの生理用ナプキンの作り方を教える原貫太

 

この記事を読んでいる人の中には、ボランティアをして人の役に立ちたいとか、社会貢献活動をしたいと考えている人もいるはずです。

 

僕はボランティアや社会貢献活動をやりたい人は、心から応援したいと思っています。だからこのブログでは、ボランティアに関する様々な情報を提供しています。

 

でも、たとえボランティアに対する熱い気持ちを持っていたとしても、いつか必ず「偽善者」と批判を受けることがあると思います。

 

いつの時代も、ボランティアをしている人たちに対して「偽善者だ」と批判することで、行動していない自分を自己肯定したがる人が一定数いるからです。僕も何度も言われてきました。

 

これからボランティアを始めたい方に一つお伝えしたいのは、「周りからの評価は気にしなくていい」ということです。

 

結局は自分がどんな信念を持ち、ボランティアに携わるかが大事。周りからの評価というのは、後から自然と付いてくるものだからです。

 

良い評価ばかりを気にしてボランティアを始めたら偽善者になってしまうし、悪い評価ばかりを気にしていたら批判が怖くなって何も行動できなくなってしまう。

 

僕は偽善でボランティアでやっているつもりはありません。困っているアフリカの人たちの力になりたいと本当に思っているし、社会問題を解決したいと思っています。

 

でも、もしかしたら自分の言動が「偽善者」に見えてしまう場面もあるかもしれません。それはもう仕方がないんです。人によって価値観や考え方は違うから。

 

これからボランティアを始める人は、周りからの評価は気にせず、自分の気持ちを信じてボランティアを始めてください。

 

その上で、「偽善だけのボランティア」にはなってしまわないように、自分が何のために困っている人たちを助けたいのか、どんな社会を作りたいのか、考えるようにしましょう。

 

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