2016年7月にバングラデシュで起きたテロは、日本に大きな衝撃をもたらしました。僕たちのような国際協力ワーカーも、今一度海外でのテロ対策・安全対策を見直す必要に迫られましたね。
フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。学生時代からNGOに所属し、アジアやアフリカでの支援活動に携わってきました。
ちなみに、バングラデシュにも2度渡航した経験があります。
この記事では、海外、とりわけイスラム圏もしくは、イスラム過激派の活動が確認される国に旅行する人が、旅行中にどんなテロ対策をするべきかまとめています。
今の時代、どんな国に旅行したとしても、もテロに巻き込まれる危険性は存在します。また、スリや窃盗といった犯罪に遭遇することもあるでしょう。
テロ対策のみならず、海外旅行ですぐに実践できる安全対策もまとめています。これから海外旅行する人は、ぜひこれを機会に一読するようお願いします。
海外旅行でテロに遭遇しないために 旅行者ができる6つの安全対策
前述した通り、海外旅行する以上は、どんな国でもテロに巻き込まれる可能性を少なからず存在します。
治安の悪い発展途上国だけではなく、日本人旅行者も多いアメリカやヨーロッパであってもテロが起きる可能性はゼロではありません。
どれだけ慎重に行動していても、海外旅行にリスクは付き物なのです。
しかし、これから紹介する6つの対策を実施すれば、テロに遭遇する可能性は限りなく減らすことができるはず。少なくとも、年に数回海外旅行する僕はこれらの方法を実施しています。
海外旅行のテロ対策① 外国人が集まる飲食店やショップへの出入りには注意する
冒頭で紹介したダッカ人質テロで標的になったレストランは、欧米人を中心に外国人に人気のあるお店でした。当時バングラデシュでインターンしていた大学の友人も、数日前に訪れたばかりだったらしいです。
もちろん、テロ対策を意識し過ぎるあまり人気のレストランに全く足を運べない…というのは、せっかくの海外旅行でもったいない気もします。
ただ、人が一番集まる時間は避けるようにしたり、イスラム圏であればラマダン明けには行かないようにするなど、最低限の対策は講じるべきです。
テロの危険性が少しでもある国を旅行する人は、外国人が集まる飲食店やショップへの出入りには注意を払いましょう。
海外旅行のテロ対策② 現地の生活、文化、宗教を尊重した生活を送る
特にイスラム圏を旅行する人は、現地の生活、文化、宗教を尊重した行動を心がけましょう。
例えば、女性は肌を露出し過ぎないようにしたり、男性も華美な服装はしないなど、目立ち過ぎない格好をしてください。
また、英語の書かれたTシャツを着る人は、どんな内容が書いているのか調べておくことをおすすめします。パンクなTシャツの背中に神を冒涜するメッセージが書かれており、現地の人の反感を食らった…という話も聞いたことがありますからね。
旅行者だからといって、羽目を外した格好をしたり、華美な格好をしたりすることはやめましょう。
海外旅行のテロ対策③ 外出にはできる限り車を使用する
バングラデシュを旅行していた時、テロだけではなく窃盗やスリ対策のためにも、できる限り移動は車を利用していました。
たしかに、公共交通機関を使えば移動費は抑えられます。ただ、テロの可能性がある国を旅行するときは、多少お金がかかってもできる限り車を使いましょう。
タクシーを使うのであれば、宿泊先のホテルで信頼できるドライバーを紹介してもらうことがコツです。
治安の悪い国なら、日本人旅行者が夜間に一人歩きするのはとても危険です。車を使いましょう。
海外旅行のテロ対策④ 金曜日の行動は注意する
特にイスラム圏を旅行する人は、金曜日の行動に注意を払いましょう。
イスラム圏のバングラデシュでテロが起きたのは、ラマダン明けの金曜日の夜でした。旅行者は、宗教行事期間中や集団礼拝がある金曜日など、注意が必要な時期の外出は控えましょう。
海外旅行のテロ対策⑤ 行動パターンを限定しない
旅行というよりは、出張や長期滞在にあてはまることです。日頃から行動パターンを限定せず、定期的に変えることも一つのテロ対策になります。
海外旅行のテロ対策⑥ ネット環境を保ちながら行動する
間接的ではありますが、海外旅行中ネット環境を保つこともテロ対策に繋がります。いつでも緊急の連絡を受け取ったり、道に迷ったときすぐに調べたりできます。
数日間の海外旅行なら、日本から海外Wi-Fiレンタルを持参することをおすすめします。大手はイモトのWiFi が有名です。
出発から帰国まで定額料金でインターネットに繋げるますし、帰国時に空港で返却することができるため、レンタルの手続きも煩わしくありません。
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海外旅行出発前からできる4つのテロ・安全対策
ここまで海外旅行をしている間にできる6つのテロ対策を紹介しました。続いて、日本を出発する前からできるテロ・安全対策を4つ紹介します。
海外旅行ではテロだけではなく、スリや窃盗などの軽犯罪に巻き込まれる可能性もありますから、出発前の準備にはしっかり時間を充ててくださいね。
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海外旅行出発前からできるテロ・安全対策① 旅行先の治安を確認する
海外旅行を計画する段階で、旅先の治安をチェックしておきましょう。
まずは外務省の海外安全ホームページを確認してください。レベル3以上の警告や、テロ特別警戒が発令されている国に旅行するのは見送るのが賢明です。
ただし、海外安全ホームページだけでは現地の”リアル”な治安を把握することは難しい場合もあります。僕は昨年レベル3が出ているアフリカのブルンジ共和国に行きましたが、大きな問題はありませんでした。
日本人在住者や旅人のSNS・ブログをチェックすることも、海外旅行先の治安を把握する一つの方法です。また、Googleで調べれば「旅行記」も出てくるので、一部参考にするといいです。
海外旅行出発前からできるテロ・安全対策② 「たびレジ」に登録する
日本を出発する前に、外務省が提供するサービス「たびレジ」に登録しましょう。
旅レジに登録すると、出発前には治安に関する最新情報が、また旅行中には緊急時の情報が送られてきます。
海外旅行出発前からできるテロ・安全対策③ 大使館や領事館の場所、連絡先をチェックする
テロの危険性がある国のみならず、どんな国であっても海外旅行時には大使館や領事館の場所、また連絡先をチェックしておきましょう。
日本の在外公館による邦人保護は、国際的に高く評価されています。日本のパスポートが世界一信頼されている(≒ビザなし渡航できる国が多い)理由は、手厚い邦人保護活動に理由があると言われています。
何か事件や事故に巻き込まれた時すぐに大使館や領事館に電話できるよう、場所や連絡先は抑えておきましょう。
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海外旅行出発前からできるテロ・安全対策④ 海外旅行傷害保険に加入する
こちらもテロ対策というよりは、海外旅行の基本的な安全対策となります。出発前に海外旅行傷害保険に加入しましょう。
どんなに用心しながら行動しても、海外旅行に予期せぬハプニングは付き物です。スリや窃盗といった犯罪に巻き込まれる可能性は十分あります。リスクを全くのゼロにすることは不可能に近いです。
だからこそ、日本を出発する前には海外旅行保険に加入しておきましょう。アフリカで働くNGO職員も毎回の渡航で加入しています。
現地で何かのトラブルに巻き込まれ、保険に入っていなかったために旅行が台無しになるのはもったいないですからね。
渡航先の国やプラン内容にもよりますが、一週間の海外旅行なら保険費用は約3,000円が平均的な価格と思われます。
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まとめ
もう一度、海外旅行中のテロ対策ならびに出発前からできるテロ・安全対策をまとめておきます。
▼海外旅行中のテロ対策▼
- 外国人がたくさん集まる飲食店やショップなどの民間施設出入りには注意する
- 現地の生活や文化、また宗教を尊重した行動を心がける
- 外を移動するときはできる限り車を利用する
- 特にイスラム圏旅行者は、金曜日の行動は注意する
- 出張や長期旅行では、行動パターンを限定しない
- インターネット環境を常に保つようにする
▼旅行出発前からできるテロ・安全対策▼
- 海外安全ホームページをはじめ、旅行先の治安を確認する
- 緊急時の連絡を受け取れるよう、「たびレジ」に登録する
- 何かあった時にすぐ連絡が取れるよう、旅先の大使館や領事館の場所、連絡先を抑えておく
- リスク管理として、海外旅行傷害保険には必ず加入する
これらの方法を意識しながら、安全な海外旅行を楽しんでくださいね。
【追記】海外旅行傷害保険が付帯されるクレジットカードを持っていこう
記事を読んでくださり、ありがとうございました。さいごに、海外旅行時にできる旅費節約の方法をご紹介します。
これは、僕がアフリカに行く時もやっている方法です。
記事の中で、日本のような治安は期待できない国を旅行するなら、海外旅行傷害保険は必須とお伝えしました。
しかし、当然ですが保険費用が加わってくるため、その分だけ旅費は高くなってしまいます。行く先の国にもよりますが、例えば一週間の海外旅行なら3,000円くらいはかかりますね。
できることなら旅行保険には入らず、少しでも旅費を浮かせたいですよね。もし帰国するまで何も問題が起きなければ、支払った保険代は正直もったいない気もしてしまいます…。
でも、海外旅行では何が起きるか分かりません。安心材料としても、何らかの保険は絶対にあった方がいいです。
ということで、保険費用を節約したいという人は、海外旅行傷害保険が付帯されるクレジットカードを旅行に持っていきましょう。中でも、一番おすすめなのがEPOSカードです。
\エポスカードのお申し込みはこちら/
※なお、盗難やATM吸い込み被害、また一時的な利用不可になる可能性を考慮し、海外旅行には2枚以上のクレジットカードを持っていくのが鉄則です。2枚目、3枚目のクレジットカードとしてもEPOSカードをご検討ください。
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