フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。
この記事ではヨルダンを旅行する人向けに、2019年最新情報を含むヨルダンの治安や日本人旅行者が現地で気をつけるべき安全対策などを解説します。
…が、僕はヨルダンを旅行したことがありません(笑)ということで今回はヨルダンに7ヶ月滞在し、現地で起業していた南條佑太さんに記事を寄稿してもらいました。
お楽しみください!
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こんにちは!南條佑太と申します。私はヨルダンのアンマンに滞在し、単発仕事のマッチングサービスをはじめる活動に携わってきました。
今回はヨルダンを旅行する日本人向けに、現地で生活していた日本人の視点からヨルダンの治安を解説します。
「ヨルダンの治安は実際どうなの?危なくないの?」そう心配されている方も多いと思います。私も初めてヨルダンに渡航する時は、両親からとても心配されました。
しかし、7ヶ月のヨルダン滞在を終えた今、多くの人が思っているほどヨルダンは危険な国ではなく、特別な覚悟がなくても旅行できる国だと考えています。実際、アラビア語を学ぶための留学生や企業の駐在員が多数ヨルダンに来ており、日本人も300人以上在住しています。
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これからヨルダンを旅行する人向けに、外務省やニュース記事等の2019年最新情報とあわせてヨルダンの治安を解説します。
ヨルダンの治安、外務省が発する情報は?
海外安全ホームページから引用
ヨルダンでは国土のほとんどが黄色い「レベル1(十分注意してください。)」で覆われており、シリア・イラク国境付近のみ「レベル2(不要不急の渡航は止めてください。)」となっています。
ヨルダンは周辺のアラブ諸国と比べて、比較的治安が安定している国の一つと言われています。
しかし、近年のヨルダンでは仕事不足などを背景に、犯罪の発生件数が高い数値で推移しています。日本人の被害例としても、外出中の空き巣、ジョギング中や観光地等での強盗、暴行、投石や痴漢などが報告されているほか、タクシー乗車時に運転手から嫌がらせを受けた事例もあります。
また、2018年8月10日には首都アンマン近郊の音楽祭会場で、警備車両が爆破された事件がありました。翌日には同県サルト市で同事件の捜査に伴う銃撃戦が発生しています。
こういった背景から、外務省はテロに関して最新の治安情報を入手し、安全対策を講じるよう呼び掛けているのです。
私の経験では、これまでのヨルダン滞在中に犯罪やテロの危険を感じたことはほとんどありません。しかし、このように事実を並べてみると、旅行者がテロや犯罪に遭遇する可能性もゼロではないことが分かります。
何か起きるかもしれないという不測の事態に備え、最新の治安情報を入手するように努めてください。
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首都アンマンの治安は?
外務省の治安情報を見ると、空き巣や強盗、ひったくり等の犯罪は特にアンマン市内のスウェフィーヤ地区、シュメサニ地区、アブドゥーン地区、ウム・ゼイナ地区などのビジネス街や高級住宅街で多く発生していることが分かります。
ただ、私個人の話をすると、アンマン市内の図書館でランチを食べにいく際に何十回とPCを置いたままにしていましたが、盗みに遭ったことは一度もありませんでした。
アンマン在住の日本人からも盗難にあった話は聞いたことがないので、アンマンの治安は比較的安定していると考えて問題ないと思います。
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ペトラ遺跡周辺の治安は?
観光地として有名なペトラ遺跡には日帰りコースや2日コース、4日コースなど、様々なルートがあります。
そんなに広いペトラ遺跡内、また周辺地域の治安はどうなっているのでしょうか。
まず、ペトラ遺跡までの道中です。ジェットバスに乗れば荷物を収納するトランクがあります。また、バス内も外国からの観光客だらけですので、基本的には安心です。
私個人はまだローカルバスでペトラ遺跡に行った経験はないため実体験は述べられませんが、『地球の歩き方 ペトラ遺跡とヨルダン レバノン 2019~20』では「よくぼったくってくるので注意」と書いてあります。
地球の歩き方編集室 ダイヤモンド社 2019年02月08日
ジェットバスを利用するのが楽ですし、治安のことを考えても安心できます。
次に、ペトラ遺跡内の治安です。ペトラ遺跡内は観光客と商売を営む人しかおらず、特に危険な香りはしませんでした。ロバに乗らせようとしている人達の「ドンキー!」勧誘がしつこいなと思うくらいです(笑)
全体的に商売っ気が強いガイドや小物売りの人達だらけなので、断り続けるのは疲れます。ただ、彼らも観光客慣れしているので、きっぱりと断っても喧嘩になることはありません。
「日帰りでは疲れるし、ペトラ遺跡をゆっくり観光したい」という方は、ペトラ遺跡のある街ワディ・ムーサに泊まると思います。私は2泊3日ワディ・ムーサに泊まり、夜の22時くらいにも出歩いていましたが、治安の悪さは感じませんでした。
現地の人たちは観光客に慣れているので、ジロジロと見られることもなく、簡単な英語も大体は通じましたね。
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死海周辺の治安は?
続いては死海周辺の治安情報です。ヨルダンで死海を楽しむ場所の選択肢は
の主に3つがあります。基本的には治安は悪くありませんが、遊泳中は貴重品の管理をしっかりしましょう。なお、公共ビーチ、ホテルのビーチにはロッカーがあります。
また、女性はセクハラに注意してください。私は、ホテルと無料ビーチのに行きました。
私が訪れたホテルでは死海そのものよりも併設されたプールに多くの人がいました。そこには外国人観光客が多く、水着の女性もたくさんいましたね。ブルキニを着ている女性だけではなく、通常のビキニを着ている女性もいました。
一方の無料ビーチですが、私が行ったところでは外国人は私だけでした。穴場スポットのような場所だったからかもしれません。
その無料ビーチでは、水着を着ている女性は一人もいませんでした。やはり女性はしっかりとお金を払い、公共ビーチかホテルビーチで死海を楽しむのが治安の面からも安心だと思います。
2019年、ヨルダンの最新治安情報
ヨルダンの治安に関する2019年最新情報ですが、シリア内戦以降の難民の大量流入と中東全体の経済の低迷により、ヨルダンの失業率は約18%と高い水準にあります。
そのため、仕事のない若者たちによって、政府の経済政策に抗議する活動が増えています。2019年2月には330キロメートル離れたアカバからアンマンまで、失業中の若者たち数十名のグループが抗議行進をしました。それに呼応し、マアーン、カラク、テイバン等、他の地域からも若者がデモ行進をしています。
私の探した範囲では、デモ隊と警察隊が衝突したというような情報は見当たりませんでした。しかしながら、外務省や在ヨルダン日本大使館が出す最新の治安情報にはこまめに目を通し、デモには決して近づかないようにしましょう。
ヨルダン旅行中に気をつけてほしい6つの安全対策
移動にはUberやCareemなどの配車アプリを使う。
ヨルダン旅行中の移動にはUberやCareemなどの配車アプリを利用してください。
一般のタクシーにはメーターが導入されていますが、メーターが壊れているという理由で高い値段を請求されたり、細工されてメーター料金が早く上がるようにされていたりと、外国人旅行者はタクシーでのぼったくり被害に注意してください。
実際、私も気づいたら通常の3倍くらいのスピードでメーター料金が上がっていたことがありました。
また、車内でセクハラされる危険性もあります。女性だけでなく男性も気を付けてください。私も一度ゲイと間違われ、タクシー運転手から求愛(?)されたことがあります…。
UberやCareemなどの配車アプリには乗車後の相互評価があるため、ぼったくりやセクハラに遭う可能性が低く、現地の人たちも多く利用しています。
選挙や合格発表の日(タウジーヒ)など街が盛り上がる日はあまり出歩かない
ヨルダンでは、選挙や合格発表の日は一部テンションの上がった人たちが集まり、騒いだり暴走運転をしたりすることがあります。
また、祝砲として実弾を上空にぶっ放す人たちもおり、流れ弾で毎年子供が亡くなるという話も聞きました。
私が初めてヨルダンを訪れた時は、ちょうど選挙期間でした。警備隊が監視をしている前でテンションが上がっている人たちと遭遇したのですが、近くにいた青年から「近づかない方がいい。」と注意を受けましたね。
選挙や合格発表の日(タウジーヒ)など、一時的に治安が悪くなる日はあまり外を出歩かないようにしましょう。
交通事故に気をつける
ヨルダンの治安を語る時、避けて通れないのが交通事故です。テロや盗難よりも、交通事故に注意してください。
ヨルダンは日本よりもかなり自由(?)な交通ルールのため、車通りの多い道路を歩く時は運転手の目を見て、自分の存在に気付いているかに注意を払ってください。
乗っていたタクシーが一度軽い玉突き事故にあったり、隣車線で事故が起こったりと、私もヨルダン滞在中には冷や冷やしたことがあります。2017年の東京都と2018年のアンマンの交通事故データを比較してみたところ、アンマンの単位面積あたりの交通事故での死亡者数は東京の約4.5倍でした。
シートベルトはしっかりする。スマホを見ながら歩かないなど、基本的な安全対策を遵守し、交通事故に注意しながら旅をしてください。
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現地の人たちを尊重する
私の主観としては、ヨルダンの方々は人情深く、気さくで、おもてなしの精神にあふれています。
ただ、他の中東地域を旅行したことのある日本人や、出稼ぎでヨルダンに来ているエジプト人、またイラク難民の方たちから「ヨルダン人は比較的喧嘩っぱやい」という話を聞いたことがあります。
確かにヨルダン滞在中、小さな殴り合いに発展した喧嘩を二度見かけました。日本では殴り合いの喧嘩なんてめったに見かけませんからね。
また、ヨルダンでは銃の問題もあります。
万一,強盗等の被害に遭った際には,「相手が銃を所持しているかもしれない」ということを念頭に置き,抵抗は避け,可能な限り冷静な対応を心がけてください。また,恨みを買わないよう注意してください。
と、外務省の海外安全ホームページにも記載されています。
イスラム教徒の人が「「絶対に許せない!」とキレてしまうのは、自らのプライドを傷つけられたときです。」と、佐々木良昭さんの『面と向かっては聞きにくいイスラム教徒への99の大疑問』にも書かれていました。
あたりまえのことですが、誰でも自分のプライドを傷つけられるのは嫌なものです。ヨルダンで暮らしている現地の人たちをリスペクトし、気持ちの良い旅にしましょう。
宗教行事に注意する(ラマダン、イードなど)
ヨルダンはイスラム教を国教としており、イスラムの慣習に則って社会が動いています。なお、2019年のラマダンは5月5日から6月4日までです。
日本のお盆やお正月のように、イスラムの宗教行事期間では観光地やお店が閉まっていたり、交通機関が通常よりも少ないことがあります。私もイード(犠牲祭)の時期にペトラ遺跡を観光した経験がありますが、通常よりもペトラへ向かうバスの本数が少なくなっていました。
また、ラマダン中、ヨルダンの方は昼間は断食しています。そのため、昼間は閉まっている飲食店が多くなります。
昼間はみんな喉がかわき、はらぺこですので、見せびらかすのは気の毒です。ラマダン中は外で食事をするのは控えましょう。
大雨に注意する
私がヨルダンに滞在していた2018年11月、ペトラ遺跡周辺の地域で大雨が降りました。10人以上の学生が洪水に巻き込まれて命を落とす等、多くの被害を出しました。
日本人観光客がいたこともあり大きなニュースになっていたので、ご存知の方もいるかもしれません。
私は当時アンマンにいたのですが、突発的に雨は降りましたが、水たまりができるくらいでした。現地の方に聞いたところ、「最近は大雨が増えているが、政府は洪水対策などを進められていない」と話していました。
治安からは少し話が逸れますが、ヨルダンを旅行する時は大雨に注意してください。
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ヨルダンを旅行するなら海外旅行傷害保険を準備しよう
ここまでヨルダンの治安事情と旅行者ができる安全対策を紹介してきました。
その一方で、いくら中東地域の中では治安の安定しているヨルダンとはいえども、海外旅行に予期せぬハプニングは付き物です。
だからこそ、日本のような治安は期待できないヨルダンを旅行する際は、海外旅行傷害保険を準備してください。
旅行中に何かトラブルに巻き込まれ、保険に加入していなかったためにせっかくの旅行が台無しになるのはもったいないですからね。一週間のヨルダン旅行なら費用は3,000円程度です。
さいごに
ヨルダンに7ヶ月滞在した経験から、ヨルダンの治安について解説しました。
ヨルダンは中東地域の中では比較的治安が良い国ですが、外国人旅行者が訪問する際にはいくつか注意してほしいこともあります。
基本的な安全対策を守り、楽しいヨルダン旅行にしてくださいね。
【追記】ヨルダン旅行の費用を3,000円節約する方法
南條さん、ありがとうございました!
さいごに、このブログの運営者である原貫太からちょっとしたトラベルハックをご紹介します。僕が海外に行く時にいつもやっている方法です。
記事の中でも、「日本のような治安は期待できないヨルダンを旅行するなら海外旅行傷害保険を準備するべき」と書いてあります。
しかし、当然ですが保険費用が加わるため、その分旅費は高くなってしまいます。例えば一週間のヨルダン旅行なら、3,000円くらいはかかります。
できることなら保険には入らず、少しでも旅費を浮かせたいですよね。帰国するまで何も問題が起きなければ、支払った保険代は正直もったいない気もしてしまいます…。
でも、行き先は中東のヨルダンです。比較的治安が良い国とはいえ、交通事故をはじめ、現地滞在中に何が起きるか分かりません。安心材料としても何らかの保険はあった方がいいです。
保険費用を節約したい人は海外旅行傷害保険が付帯されるクレジットカードをヨルダンに持っていきましょう。中でもおすすめなのがEPOSカードです。
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※なお、盗難やATM吸い込み被害、また一時的な利用不可になる可能性を考慮し、海外旅行には2枚以上のクレジットカードを持っていくのが鉄則です。2枚目、3枚目のクレジットカードとしてもEPOSカードをご検討ください。