原貫太の国際協力ブログ

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ボリビアの治安を青年海外協力隊が解説【5つの安全対策も紹介します】

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。この記事ではボリビア旅行者向けに、2020年最新情報を含むボリビアの治安や旅行者が現地で気をつけるべきことを解説します。


…が、僕はボリビアを旅行したことがありません(笑)なので今回は、青年海外協力隊サッカー隊員としてボリビア在住の遠藤暁さんに記事を寄稿してもらいました。

 

お楽しみください!

 

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みなさん、こんにちは!青年海外協力隊の遠藤暁(@str_se)です。現在私はボリビアのコチャバンバという街に滞在し、現地の子供たちにサッカーを教えています。

ボリビア 治安

遠藤暁さん。写真はエチオピアで活動していた頃

 

ボリビアと聞いてみなさんが連想するのはウユニ塩湖でしょうか。日本からはるばる旅行に来る人も多いと思います。

 

今回はこれからボリビアを旅行する日本人向けに、現地在住者から見たボリビアの治安を解説します。最新情報もお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

▼遠藤暁さんのブログはこちら▼

www.satoruendo.com

 

 

ボリビアの治安、外務省が発する情報は?

ボリビア 治安

 

ぼくの視点からボリビアの治安について語る前に、まずは外務省の「海外安全ホームページ」に記載されている情報を見ておきましょう。

 

2020年2月21日現在、ボリビアの治安はこのようになっています。

f:id:KantaHara:20200221184526p:plain

海外安全ホームページより引用

 

写真を見てもらえればわかるように、

 

  • レベル2:不要不急の渡航は止めてください
  • レベル3:渡航は止めてください
  • レベル4:避難してください

 

の治安に位置付けられる場所はありませんが、2020年2月現在は国土全体で

 

  • レベル1:十分注意してください

 

という注意喚起が出ています。

 

実はボリビアの治安レベルは、最近まで一部の地域を除いて国土のほとんどがレベル0、つまりこれといった注意喚起は出されていませんでした。「南米=治安が悪い」と思っている人も多くいるなかで、少し意外かもしれませんね。

 

しかし、昨年の10月に行われた大統領選挙によって国全体の情勢が悪化したため、危険レベルが0から1に引き上げられています。2020年2月現在もこの状況は変わっていません。

 

現在のボリビアは全体的には治安は安定していますが、選挙をはじめ何か大きな「イベント」がある際には、現地の治安情報を掴むようにしてください。

 

ラパスの治安は?

ボリビア 治安

国際空港があり、旅行でボリビアに来る際は最初にラパスに降り立つ人が多いと思います。

 

ラパスは先ほど紹介した外務省のホームページの治安で「レベル1」に位置付けられている街です。ぼくが協力隊にボリビアに派遣されてからも、日本人在住者がナイフを突きつけられ持ち物を奪われたケースも起きているので、犯罪がない、治安がいいとは言えません。

 

また、ラパスの空港はラパス県エルアルト市という地域にあるのですが、ここも外務省のホームページではレベル1の治安になっています。

 

このエルアルトは貧困層が多く住んでおり、人の数も多く、実際に足を運んだぼくからしても治安が良さそうな印象は持ちませんでした。

 

国際空港もあり、旅行客が立ち寄る機会も多いラパスですが、海外安全ホームページでもボリビアの中で数少ない危険指定地域に指定されていることもあるため、最低限の安全対策が必要です。

 

サンタクルスの治安は?

ボリビア 治安

 

ラパスのエル・アルト空港以外のもう一つの国際空港が、サンタクルスにある「ビルビル空港」です。海外からの旅行客はラパスかサンタクルスの空港に降り立つことになります。

 

ここサンタクルスの治安も、外務省のホームページでレベル1になっています。

 

街自体がかなり大きく、場所によっても治安が異なるため一概には言えませんが、街の中心部ではスリなどの軽犯罪を警戒しないといけません。ボリビア全土でスリは多いですが、大きな街では特に発生率が高いので注意してください。

 

現地の友達から聞いた話では、一部の地域は治安がかなり悪く、旅行客が一人で出歩くのには危険な地域もあるとのこと。

 

しかし、そういった地域は街の中心部からは離れているので、郊外まで行かなければ身の危険を感じることはあまりないと思います。

 

ウユニ塩湖周辺の治安は?

ボリビア 治安

 

ウユニ塩湖周辺の村の治安が悪いという話は、2018年6月にぼくがボリビアに来てからは一度も聞いたことがありません。

 

世界有数の観光スポットであるウユニ塩湖周辺の治安が悪ければ、旅行客が足を運ばなくなってしまいますからね。治安面の対策はちゃんと行われているのかもしれません。何か具体的な対策がされているかはわかりませんが…。

 

ぼくも一度ウユニ塩湖は旅行したことがありますが、その村でもホテルでも、身の危険や犯罪に合いそうな予感はありませんでした。

 

時期によっては海外からの観光客で溢れかえりますし、日本人グループがたくさん押し寄せることもあるウユニ塩湖。「日本と同じレベルの治安を期待できる」とまでは言い切れませんが、最低限の安全対策をしておけば問題なく過ごせるでしょう。

 

ボリビアの最新治安情報

ボリビア 治安

 

記事を書いている現在、日本人が殺人や首締め強盗など、凶悪な犯罪、命に関わる犯罪に遭った話は聞いていません。

 

しかし、先ほどウユニ塩湖周辺の治安はいいと書きましたが、実はウユニ塩湖へ向かう途中の長距離バスの中で「網棚に置いた荷物が盗まれる」という被害が多いんです


ぼくがボリビアに派遣されてからも、ウユニの村へ向かうバスで「日本人が盗難被害にあった」という注意喚起のメールが大使館から3回ほど届いています。


2019年3月の終わりにも一件、日本人の被害事例が報告されているので、旅行客を狙ったスリや盗難などの犯罪がボリビアで多いのは明らかです。「バスの中は安全」という考えはボリビアでは捨ててください。

 

また、2020年1月にはラパス中心部で行われる抗議集会に関する注意喚起が発表されます。

 

後ほどまた書きますが、デモや抗議集会などの周辺は突発的に治安が悪くなる可能性があるため、旅行者の方はそのような場所には近づかないでくださいね。

 

ボリビア旅行中は意識しよう。5つの安全対策

ボリビア 治安


ボリビアの治安が心配な人は、旅行中に犯罪に遭わないようにするため以下5つの安全対策を意識してください。

 

移動はラジオタクシーを使う

ボリビア国内の移動手段として、旅行者が使うことになるのタクシー。

 

実はボリビアのタクシーは2種類あります。ラジオタクシーと呼ばれるものと、普通のタクシーです。ラジオタクシーは車体に番号が書かれており、その番号が会社に登録されているため安心して乗ることができます。

 

しかし、番号が書いていないタクシーもたくさん道を走っています。極力そのタクシーは避けましょう。車と免許さえあれば誰でもタクシーを名乗れてしまうので、どんな運転手がいるかわかりません。

 

特に女性旅行者の場合は、必ず番号が書いてあるラジオタクシーを使うようにしてください。値段も普通のタクシーとラジオタクシーでは大きな違いがないので、普通のタクシーに乗るメリットはありません。

 

人ごみではカバンを前に抱えて持つ

ボリビアに限らず治安の悪い国・地域ではどこも同じと思いますが、人混みではリュックやカバンは前に抱きかかえるようにして持ってください。

 

背中に背負っていると、気づかぬ間にチャックを開けられて中身を抜き取られることがあります。ボリビアではナイフなどの刃物でカバンを切られ、貴重品を抜き取られる犯罪も起きています。

 

国際空港があるラパスやサンタクルスは人が多いため、歩いている時にスリなどの軽犯罪を避けるためにも、リュックを持つ位置には気をつけましょう。

 

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警察と名乗られても簡単に信用しない

ボリビアの犯罪で多いケースは「ニセ警官」を装って観光客を騙すもの。

 

道端を旅行客が歩いていると、警察を装った人が声をかけてきて、身分証の提示を求めてくることがあります。その後「警察署で詳しくお話を伺います」というセリフとともに近くに停めてある車に乗るよう指示され、車に乗ったら最後、何処かに連れて行かれて身ぐるみを全部剥がされるのです

 

警察を装い観光客に声をかけ、「不法滞在の可能性がないか調べる」などとそれっぽいことを言ってくるケースもあるそうです。

 

しかし、本物の警察であれば突然身分証の提示を求めてきたり、いきなり車に乗るよう指示したりすることはありません。「警察です」と声をかけられたら、とにかく警戒するようにしてください。

 

夜は一人で出歩かない

ボリビアに限らず、海外では基本的にどの国でも言えることですが、夜遅い時間帯、特に22時以降は治安も悪化し犯罪に遭う危険性が高まるため、一人で外を出歩くのは控えましょう。

 

とはいえ観光で来ている人たちは、夜も外でご飯を食べたりしたいはず。

 

遅い時間に外出先からホテルへ帰る際は、先ほど紹介した「ラジオタクシー」を使ってください。レストランやバーなどのお店から帰る際は、店員に「ラジオタクシーを呼んでください」といえば電話で呼んでくれます。

 

夜中0時を過ぎてもラジオタクシーは呼べば来てくれるので、遅い時間の帰宅はラジオタクシー一択と考えてください。間違っても治安の悪くなる夜間に徒歩で帰ったり、道端を走っている普通のタクシーを捕まえたりするのはやめましょう。

 

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デモには近づかない

ボリビアでは政府や議会に納得のいかない一般市民が抗議活動をして、道路封鎖やデモ行進が頻繁に行われます。

 

そういったデモが行われている場所では一時的に治安が悪化し、ちょっとした小競り合いに発展するケースもあるため、デモや集会が行われているのを発見したらその場からすぐ離れるようにしてください。

 

各都市で頻繁にこうしたデモ活動が行われるので、旅行中に遭遇するのも珍しくないはずです。興味本位で近づかないようにしましょう。

 

ボリビアを旅行するなら海外旅行傷害保険を準備しよう

ボリビア 治安


ここまでボリビアの治安事情と旅行者ができる安全対策を紹介しました。

 

一方で、どんなに用心しながら行動していても、海外旅行に予期せぬハプニングは付き物です。リスクをまったくのゼロにすることは難しい。

 

だからこそ、日本と同じ治安は期待できないボリビアを旅行する際は、海外旅行傷害保険を準備しておきましょう。

 

旅行中に何かトラブルに巻き込まれ、保険に加入していなかったためにせっかくの思い出が台無しになるのはもったいないですから。一週間のボリビア旅行なら保険費用は5,000円が平均的な価格です。

 

さいごに ボリビアの治安は良いけど最低限の注意は必要

南米の他の国々と比較すると治安がいいと言われるボリビア。殺人など命に関わる犯罪は確かに少ないです。

 

その一方で、スリや窃盗などの犯罪が多いのは事実。治安面で過度に心配する必要はありませんが、最低限の安全対策は忘れないようにしてください。

 

これからボリビアを旅行する人の参考になれば幸いです。(遠藤暁)

 

【追記】ボリビア旅行の費用を5,000円節約する方法

ボリビア 治安

 

遠藤さん、ありがとうございました!さいごにこのブログの運営者である原貫太から、ちょっとしたトラベルハックをご紹介します。

 

これは、僕が海外に行く時に毎回やっている方法です。

 

記事の中で遠藤さんは、「日本と同じ治安は期待できないボリビアを旅行するなら海外旅行傷害保険を準備してください」とお伝えしています。

 

しかし、当然ですが保険費用が加わるため、その分旅費は高くなってしまいます。例えば一週間のボリビア旅行なら、5,000円くらいがかかるみたいですね。

 

できることなら旅行保険には入らず、少しでも旅費を浮かせたいですよね。もし帰国するまで何も問題が起きなければ、支払った保険代は正直もったいない気もしてしまいます…。

 

でも、行き先は発展途上国のボリビアです。南米の中では比較的治安が良いとはいえ、現地で何が起きるか分かりません。安心材料としても何らかの保険は絶対あった方がいいです。

 

ということで、保険費用を節約したい人は海外旅行傷害保険が付帯されるクレジットカードをボリビアに持っていきましょう。中でもおすすめなのがEPOSカードです。

 

\エポスカードのお申し込みはこちら/
EPOSカード

 

※なお、盗難やATM吸い込み被害、また一時的な利用不可になる可能性を考慮し、海外旅行には2枚以上のクレジットカードを持っていくのが鉄則です。2枚目、3枚目のクレジットカードとしてもEPOSカードをご検討ください。