原貫太オフィシャルブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。

支援と不条理のジレンマ「変わるべきなのは”彼ら”ではなく”私たち”だ」

ウガンダに来てからまだ4日しか経っていないものの、体調不良でパフォーマンスが優れない割には様々な思考やアイデアが湧いてきた。そして同時に、日本にいた時以上の勢いで仕事に向き合っている。

 

アフリカン・パワーなのかどうか分からないが、アフリカの現場にやって来るとどこからともなく根拠のない自信が湧いてきて、それでいてやる気も出てくるわけだが、滞在5日目にして早くも「あるジレンマ」を感じてしまっている。

 

先日、私がインターン生として働く認定NPO法人テラ・ルネッサンスの鈴鹿達二郎さん、RICCI EVERYDAY創設者の仲本千津さんと夕飯をご一緒させていただいた際、二人が口を揃えて言っていたことを日本中のすべての人に届けたい。

 

 

「変わらなければいけないのは先進国だ。

 

お二人とも現地では物凄い事業に取り組んでいる方のため、そのような彼らがこの発言をしているのを見て、少し悲しくもなってしまった。

 

日本にいる時は「(問題が起きている)現場に早く行きたい」と思うものだが、いざ其処にやって来ると、「世界から紛争が無くなるためには、変わるべきなのはそれが起きている現場ではなく、その要因の多くを作り出している先進国」という事実に気付かされる。

 

そして、紛争の要因を作り出している側、さらには世界を「支配」している側を本気で変えていくためには、簡単に言えば凄まじい熱量を注がなければならないことを痛感する。うかうかと毎日を過ごしていられないのだ。

 

このことを考える際、南スーダンは分かりやすい例になる。南スーダン紛争は石油を巡る先進国の利害に翻弄され、紛争が続いているという側面があるからだ。

 

独立前の「スーダン」だった時代からずっと、この国では「石油」という資源をめぐって争いが続いており、さらに日本はこの石油をスーダンから輸入し消費して、僕たちは「豊かな生活」を享受してきた。

 

これから僕は難民に対する人道支援を始めるが、"ジレンマ"を感じるであろう瞬間が早くも目に見えている。

 

つまり、不条理な苦しみに晒される人たちの傷を「今」和らげる必要性があることはあたりまえである一方、言ってしまえばそれは大火災(南スーダン紛争)によって火傷を負った人々にほんの僅かな治療をしているのに過ぎず、(言葉を選ばなければ)「こんなこと(人道支援)していてもキリが無い」と感じる瞬間が来ることが、目に見えているのだ。

 

繰り返すが、「今」苦しんでいる人を「今」支援することは、疑いの余地なく必要なことだ。しかしながら、そもそもの紛争が起こるメカニズムや世界のシステムを変えていかないと、現場での支援はキリが無いものになってしまう。ここを見失ってしまうと、世界から不条理を無くすことはできない。

 

なぜなら、僕らが難民支援などを通じて現場における不条理をなくす努力をしていても、それと同じかそれ以上のスピードで、新たな不条理が産み出されているから。

 

だから、日本にいる間は「早くアフリカの現場に足を運んで不条理な苦しみに晒されている人を支援したい」と思うのだが、ウガンダに来た今は「現場での支援も大切だが、紛争を根本からなくしていくために、日本に戻ってそこから声を上げていきたい」という想いにも駆られてしまう。

 

これを僕は、「支援と不条理のジレンマ」と名付けてみた。

 

もちろん、紛争の原因すべてが先進国側にあるわけではないが、その多くは、特に先進国や一部の途上国をはじめとした経済活動(そしてそれに付随する政治的なパワーバランス)によって引き起こされている側面があり、現行の世界システムである資本主義社会で大きな力を持つ「消費者」と「企業」を中心に、意識や行動に変容をもたらしていかなければならない。

 

なぜこんなにも一生懸命にならなくてはならないのか。それは、現場に来るとその不条理によって傷つけられている人々が、ただただ「被害者」であることを痛感するからだ。

 

南スーダンから逃れてきた難民の方に「なぜあなたの国では紛争が起きているのですか?」と質問してみたが、ほとんどの人は「分からない」と答える。先進国をはじめ、一部の権力者たちが勝手な都合で勝手に始めた紛争で傷ついている人たちは、自分たちがなぜ傷ついているかも分からないのだ。

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「支援と不条理のジレンマ」ウガンダに来て早い段階で、改めてこの事を考えることができた。不条理の無い世界を実現するために、この2か月間全力で活動することをここに誓います。

 

なぜいつまで経ってもアフリカから戦争が無くならないのか、さらに詳しく知りたい人はこの記事もあわせて読んでほしい。

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