フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。
僕は4年生の時に大学を休学し、アフリカのウガンダ共和国でインターンシップをしていました。その経験から言うと、大学休学における最大のメリットは学生という身分を離れ、生き方や進路をゆっくり考えられることです。
この記事では大学を休学することのメリットとデメリットを自分の経験からお伝えします。
大学休学が僕の人生を大きく変えた
休学のメリット・デメリットに入る前に「お前誰だよ」って思う人がいると思うので、簡単に自己紹介と僕の休学経験について話します。
僕は現在、日本とアフリカを3ヶ月おきに往復しながら、フリーランスとしてどこの組織にも所属せず、個人で国際協力の仕事をしています。
アフリカでは貧困層の子どもたちの支援活動をしながら、同時にブログやYouTubeを使い、海外で働くためのスキルやマインド、国際協力や世界の問題、働き方に関する情報を発信しています。
フリーランスとして働き始めたのは2019年からなのですが、その前は大学在学中に起業したNGOの代表として、アフリカで難民支援に携わっていました。
大学生の頃からバリバリ働いてきたタイプの人間なんですが、ここに至る大きなきっかけになったのが、大学4年生の時に休学をしていたことです。
僕は大学4年生の秋学期に半年間だけ大学を休学し、その期間にアフリカに行ってNGOでインターン、元子ども兵の社会復帰支援や難民支援に携わっていました。
そこでの活動について語ると長くなるので割愛しますが、休学をしてアフリカでインターンをしていた時期があったからこそ、その後の起業や現在のフリーランスとしての仕事に繋がったと思っています。
大学休学のメリットは大きく2つある
僕自身は休学をして本当に良かったと思っている人間です。では具体的に何が良かったのか、僕が思うに大学休学のメリットは大きく2つあります。
自分の生き方や進路をゆっくり考えられる
大学休学のメリット、一つ目は自分の生き方や進路をゆっくり考えることができることです。
僕が休学していたのは大学4年生の秋学期です。アメリカに留学していたことが原因で大学卒業に5年かかることが決定していたのですが、5年生を迎える前の半年間大学を休み、アフリカでインターンをすることにしました。
休学を決めた時点では大学卒業後の進路は何も決まっていなかったのですが、休学が終わる頃、大学5年生が始まった頃には「NGOを起業する」という道が決まっていました。
休学をしている間は、まず時間的な余裕が生まれます。僕の場合はウガンダでインターンをしていたので現地での仕事は忙しかったですが、授業の課題に追われたりバイトをしたりする必要がなかったので、 自分が本当にやりたいことだけに集中し、自分の将来や進路についてゆっくり考える時間を確保できました。
大学生という身分を離れられるので、等身大の自分で物事を考えられるようになりますね。
それから、 休学をしている間に僕はウガンダで難民支援に携わっていたのですが、そこでは例えば目の前で両親を殺されたと話す14歳の女の子と出会ったりと、紛争で何もかも失った人たちに話を聞いていました。
休学をして難民支援に携わるというのは非常に稀なので、読者の方が同じ経験をすることは難しいと思いますが、いずれにせよ日本とは全く違った海外の環境に身を置いたことで何のためにこの人生を生きるのか、自分は何のために仕事をしたいのか、考えざるを得なかったんですね。
だから「とりあえず良い企業に入ろう」とか、 「周りのみんなが就活しているから」とかではなくて、自分の心にまっすぐに向き合いながら将来の進路を考えることができました。
その意味で、大学を休学したら普段の生活とは全く違った環境に飛び込んでみるのがいいかもしれませんね。多くの場合それは、日本ではなく海外になるかと思います。
休学をしていると大学に通わなくなるので、相対的には「学生」という身分から離れられるんですよね。特に僕の場合は日本を離れて海外、それも10,000キロ以上離れたアフリカで過ごしていたので、自分が早稲田大学に通っている学生という見方はまずされなくなりました。まぁ、当然と言えば当然ですが。
ありのままの自分で進路や何をしたいのか考えることができる、それが一つ目の大学休学のメリットです。
集中してスキルを磨くことができる
大学休学のメリット、二つ目は自分のスキルを集中して磨くことができることです。
僕は休学をしている間、ほぼ毎日のようにブログを書いていました。インターンで学んだことを書いたり、アフリカで生活する中で感じたことを記事にしていましたね。
ブログの収益化を始めたのも、大学を休学している時だったと思います。
僕は現在フリーランスとして個人で働いていますが、そのために必要なスキルとして大学生にはブログをやることをお勧めしています。
ただ、普通に大学に通っていたら授業やバイトで忙しいので、集中してブログに取り組むのも難しいですよね。
先ほども書いたように、休学をすると時間的な余裕がかなり生まれます。それに大学以外の場所でインターンなど様々な経験を積んでいれば毎日のように色んな学びがあるので、ブログを書くためのネタ作りにも困りません。
そうやって僕は休学期間にひたすら文章を書き続けていたので、Webライティングのスキルやブログ運営のスキルが自然と身につき、そこで学んだことが現在フリーランスとして働く上で大いに役立っています。
特に大学を卒業した後に起業したり、フリーランスになりたいと思っている人は、在学中にどれだけスキルを伸ばせるかが大切です。
ぶっちゃけ起業やフリーランスになることを決めているなら、休学ではなく退学していい気もしますが(笑)、もしそこまでするのが不安なら、休学をしてその期間にガッツリ自分のスキルを高めるのもありだと思います。
以上の二つ、
- 自分の生き方や進路をゆっくり考えることができること
- 集中してスキルを磨けること
が、大学を休学する大きなメリットです。
大学休学のデメリットは、特にない
大学休学の良し悪しを公平に伝えるため、ここからは大学休学のデメリットをお伝えします。
…と思って考えてみたのですが、 大学を休学して悪かったと思い当たることが僕自身はありません。周りの休学経験者にも話を聞いてみたんですが、例えば
- 大学を卒業するのが遅れるから、その期間分の休学費や生活費が増えてしまう
- 同級生が先に卒業してしまうから、就活をする場合は周りから得られる情報が少なくなる
などがデメリットとして挙げられると思います。
ただ、僕の場合はそれらをデメリットとは感じませんでした。その理由を説明します。
休学するとお金がかかる…?
まず、「大学を卒業するのが遅れるから、その期間分の休学費や生活費が増える」ですが、僕が通っていた早稲田大学では休学費は5万円しかかかりませんでした。
また、親が休学について理解してくれたため、その期間の生活費は面倒を見てくれたし、ウガンダに行っている間の生活費はインターン先のNGOから出たため、そこまで大きな出費もありませんでした。
もし休学している間の休学費や生活費が心配なら、休学を始めて最初の2~3ヶ月はがっつりアルバイトをしてお金を稼ぎ、その後にインターンやボランティアをしたり海外に行ったりするプランを立てれば、経済面の心配もなくなると思います。
ただ、大学によっては休学するのに50万円近くかかる場所もあるらしいです。正直僕はそんなにかかることがおかしいと思いますし、実際に一部の大学では休学費の減額を求める署名運動なども起きていますが、いずれにせよ休学を決める前にいくらくらい費用が必要になるか調べておきましょう。
就活の情報が得られなくなる…?
考えられるデメリットの二つ目「周りの友人が卒業してしまうから、特に就活する場合は得られる情報が少なくなる」ですが、そもそも僕の場合は就活することなく休学経験を踏まえて起業したので、関係ありませんでした。
卒業後にどんな進路を歩むかにもよりますが、仮に就活するとしても、就活関連の情報は周りの友人から得られるものだけではないし、 むしろ周りに影響を受けにくくなるから自分らしい就活ができるというメリットもあるんじゃないかと思います。
これらの他にも、「友達がみんな卒業しちゃうから寂しい」というデメリットもあると思います。まぁ、こんな理由で休学をするか迷うくらいなら、休学しなくていいと思いますが(笑)
たしかに僕の周りには休学していた友人や5年かけて大学を卒業した友人は少なかったので、最後の1年間は話し相手もかなり少なかったです。
ただ、僕は休学から復学した時はすでに起業して働きながらの学生生活だったので、ほとんど気になりませんでした。
それに、気の合った友人って同じく休学をして海外でインターンしたり、留学をしていた人なんですよね。彼らとは「みんないなくなっちゃったね」みたいな会話をよくしていたので、逆に仲間意識も強まりました。
さいごに
大学休学のメリットとデメリットを紹介しました。
いずれにせよ休学をする上で大切なことは、「逃げ」の姿勢ではなく「攻め」の姿勢を持つことだと思います。
まだ就活をしたくないからとか、卒業したくないからとか、そういった理由で休学するのではなく、自分が本当にやりたい仕事を明確にしたいから、海外で挑戦したいことがあるから、 そうやって人生に前向きな姿勢で休学すれば、今日話したようなデメリットは簡単に払拭できます。
就職以外の大学卒業後の進路を解説したこちらの記事もあわせて読んでみてくださいね。
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