心を整えるために、1日30分で出来ることがある。僕は長谷部誠さんの著書『心を整える』を読んで、その方法を学んだ。
メンタルが不調になった時、僕らがやるべきことは心を鍛えることではない。乱れて不安定になってしまった心を、元通りにするために整えることだ。
『心を整える』の中で紹介されていた「毎晩寝る前、ベッドの上で30分間何もせずに過ごす」をやってみると、乱れた心が段々と整っていくのが自分でもわかる。
- 心を整えるため、寝る前に30分ベッドで何もしない時間を作ろう
- なぜ心を整える必要があるのか?
- 心は整えるもの。鍛えるものではない
- 【2019年1月追記】うつ病を克服した今だから感じる「心を整える習慣」の大切さ
心を整えるため、寝る前に30分ベッドで何もしない時間を作ろう
長谷部選手は南アフリカワールドカップの開催期間中、一日の最後に30分「心を整える」時間を作っていたらしい。
大会期間中はチームとして行動するので、練習やミーティングのためにプライベートの時間が限られている日が多かった。みんなとわいわい騒ぐのは楽しいけれど、時間があまりない日に遊びに参加してしまうと、「心を鎮める30分」を作れない。だから僕は、チームとしての行動が終わると、すぐに自室に戻るようにしていた。(『心を整える』より引用)
(中略)
部屋に戻る。電気をつけたままにして、ベッドに横になる。音楽もテレビも消す。そして、目を開けたまま、天井を見つめるようにして、息を整えながら全身の力を抜いていく。
朝から晩まで仕事をして、ネットと常に繋がった生活をしていると、心が鎮まる時間なんてほとんどない。そんな生活を送っている人も多いだろう。
だから僕は長谷部さんを真似して、寝る前に30分「心を整える」時間を作ってみた。
スマホの電源を消し、部屋の電気は薄暗くして、音楽もテレビも付けることなく、ただベッドの上でリラックスする。自然と頭に浮かんできたことに考えを巡らしたり、呼吸に意識を向けてみるのもいい。
実際にこれをやってみると、ざわついた心、乱れた心が少しずつ静まっていくのが感じられる。
頭の中が仕事のことでいっぱいの時こそ、意識的に心を整える時間を作ってみる。そうすると、さっきまで不安に感じていたことが、実は大したことでないように思えたり、自分を客観的に捉えたりすることができる。
なぜ心を整える必要があるのか?
仕事でもプライベートでも何でも、一定以上のパフォーマンスをするためには、心が整っている必要がある。
しかし、夜寝る直前までスマホを見たり、仕事をしたりしている人はいないだろうか?かく言う僕自身、布団に入ってからもスマホで仕事をしていた時がある。
だからこそ、『心を整える』に書かれたこのフレーズを読み、人は一日のどこかで必ず”心を静める時間”を作らなくてはならないことに気づいた。
僕と同年代の方を例にとると、メールやLINEは頻繁に来るし、携帯電話もガンガン鳴ります。連絡が来たら、すぐに確認しないと落ち着かないという人も多い。インターネットやゲームをすれば、時間はあっという間に経ってしまいますし、夜の街に出れば、深夜まで営業している店は数多くあり、時間を潰す手段には困りません。(『心を整える』より引用)
SNSを毎日更新する僕のスマホには、常に何かしらの通知が飛び込んでくる。Twitterのフォロワーも20,000人以上いるため、何かを発信すれば、誰かから必ずリアクションが返ってくる。
24時間息つく暇がまったくないのです。そして、そういう日々に慣れてしまうと、ちょっと間ができたら、逆に落ち着かなくなって、何をしたらいいのか分からなくなってしまうのです。
日々そうやって過ぎ去っていくと、自分を見つめる時間もないですし、心が荒んでいく一方なのではないかと僕は思います。(『心を整える』より引用)
SNS以外にもメールやラインを使いこなしている現代人は、 一日の中で息をつく暇がほとんどない。起きている時間は常にスマホを気にしている、そんな人も多いのではないだろうか?
現代人は常にせわしない生活を送っており、心が鎮まる時間がほとんどない。だからこそ、一日の中で心を整える時間を用意することが大切なのだ。
心は整えるもの。鍛えるものではない
心というものは本来鍛えるものではなく、乱れてしまった時に整えるものだ。
僕にとっての「心」は、車で言うところの「エンジン」であり、ピアノで言うところの「弦」であり、テニスで言うところの「ガット」なのです。??? という感じかもしれませんが、「メンタルを強くする」と言うよりも、「調整する」「調律する」と言った方が適している感覚です。(『心を整える』より引用)
本屋に行けば「心を鍛える方法」「強いメンタルを作るトレーニング」といったタイトルの本がたくさん売られているが、僕は長谷部さんの言っていることが一番しっくり来る。
つまりは「心をメンテナンスする」「心を整える」ということ。僕はそれを常に意識して生活しています。常に安定した心を備えることによって、どんな試合でも一定以上のパフォーマンスができますし、自分を見失わなくてすみます。(『心を整える』より引用)
心が乱れていると、仕事に集中することができない。パソコンのキーボードを叩いていても、余計なことが頭をよぎってしまう。作業机の上にゴミで散らかっていたら、誰だってそっちに気を取られてしまうのと同じだ。
仕事でも日常生活でも、いつも通りのパフォーマンスをするためには、自分の心が整っている必要がある。だからこそメンタルが不安定な時、やるべきことは乱れてしまった心を整えることなんだ。
メンタルが不安定になっていると感じている人は、ぜひ『心を整える』を読んでみてください。余談になりますが、著者の印税は全額ユニセフを通じて世界の子どもたちの支援に寄付されるようです。長谷部さん、あなたはどこまでイケメンなんだ。
【2019年1月追記】うつ病を克服した今だから感じる「心を整える習慣」の大切さ
実はこのブログを最初に出してから4ヶ月後、僕はうつ病になってしまった。
一時期は『心を整える』でも紹介されていた方法を実践し、メンタルを整えることができていた。
しかし、大学を卒業した後の僕は毎日のように仕事に追われ、心を整える時間なんか作れていなかった。
病気になる前の僕は、朝起きてから夜寝るまでずっと仕事をしたり、情報収集をしたりしていた。そんな生活を送っていたら心は疲れていくばかり。病気になっても仕方がないだろう。
人間はいつも走り続けることなんてできない。休むことも人生の大切な時間だ。
うつ病を経験したからこそ、”心を整える”を習慣にしていた長谷部さんを尊敬するし、僕も”何もしない時間”を大事にしようと改めて思った。
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