原貫太のブログ

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発展途上国という言い方、よく考えたらおかしいよ【正しく世界を見るために】

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。最近「発展途上国」という言葉を使うことに違和感を感じています。


ぶっちゃけ、僕はこのブログでも「発展途上国」という言葉をよく使っちゃいます。便宜上、経済的に豊かな国を先進国、貧困や紛争などによって国民の大半が貧しい生活を送る国を発展途上国といった感じで。

 

でも、落ち着いて考えてみたら、この「発展途上国」という言葉を使うのっておかしいですよね。僕の違和感は大きく3つあります。

  1. 「発展途上国」という言葉で括れるほど世界はシンプルではない
  2. 一つの国の中にも絶望的なまでの経済格差が存在する
  3. 全ての国が経済「発展」したら地球環境はダメになる

 

精力的に慈善活動に取り組むあのビルゲイツも、今の時代に「発展途上国」という言葉を使うことは間違っていると指摘しています。その代わりに別の尺度で世界を捉えるべきだと。

 

その別の尺度に関しては、後半部分で紹介します。

 

 

発展途上国という言い方、よく考えたらおかしいよね

発展途上国

 

まずは僕が感じている3つの違和感について詳しく話します。

 

発展途上国という言葉で括れるほど世界はシンプルではない

例えば東南アジアのカンボジアと、アフリカの南スーダンという二つの国を例に考えてみましょう。この二つの国は、どちらも「発展途上国」としてカテゴライズされます。

 

でも、カンボジアは内戦が終わってから25年以上が経過していますし、基本的には国全体で治安が安定しています。僕も足を運んだことがありますが、首都のプノンペンは経済成長著しいです。日本人もたくさん生活していますね。

 

農村部に足を運べば貧困問題もまだ存在していますが、それでも確実に経済成長している国です。

 

一方の南スーダンは2011年7月に独立した世界で最も若い国ですが、2013年からずっと内戦状態が続いており、飢餓や栄養不良で亡くなる子どもたちがたくさんいます。すでに400,000人以上の人々が内戦によって亡くなりました。

 

一つの指標としてこの二つの国のGDP成長率を比べてみると、カンボジアは 6.8% (2017年)、一方の南スーダンはマイナス13.8%です(2016年)。

 

どう考えても、これだけの違いがあるこの二つの国を「発展途上国」という一つの枠組みで囲い込み、同列に語るのはおかしいですよね。

 

「世界の大半の国々は発展途上国だ」と言われていますが、その大半の国々を発展途上国という一つの枠組みだけで見てしまうのは、やはり違和感を感じます。

 

発展途上国の国内では大きな経済格差が存在する

例えば普段僕が暮らしているアフリカのウガンダは、「発展途上国」として捉えられています。

 

ですが、ウガンダの国内では凄まじい経済格差があります。

 

僕が活動しているウガンダ北東部の村では1日100円以下で生活している人が大半ですし、下痢やマラリアなど本来予防・治療できるはずの病気で亡くなってしまう子どもがたくさんいます。

発展途上国

ウガンダ北東部の村の中

 

一方で首都のカンパラに行けば、高級カフェもたくさんあります。そういったカフェだと綺麗におめかしした子どもたちが美味しそうにハンバーガーを食べていたり、ケーキを食べていたりしますね。

発展途上国

首都カンパラのショッピングモール内にあるアミューズメント

 

外国人や富裕層を対象にしたカフェだと、もちろん値段も高いです。日本とほぼ変わりません。お腹いっぱいランチを食べたら、1食でも1000円以上はします。北東部で生活している人たちの生活費約10日分ですね。

 

また、首都のカンパラの中でも大きな経済格差があります。一部の富裕層は洗濯機や大型テレビ付きの高級マンションに暮らしていますが、そこから車で15分も移動すれば路上で生活するストリートチルドレンがたくさんいたり、トタン屋根のスラム街で暮らしている人たちがいるエリアがあります。

 

一つの国の中には都市部と農村部の間で大きな経済格差があるし、一つの都市の中にも富裕層が暮らすエリアと貧困層が暮らすエリアの間には大きな経済格差があるのです。

 

それにもかかわらず、ウガンダを発展途上国という一つの言葉で括ってしまうのは、その国がどういった状況にあるのか考えるのをやめてしまう思考停止にもなりかねません。

 

その意味で、僕はウガンダを発展途上国と呼ぶことに違和感を覚えてしまいます。

 

先進国でも同じことが言える

発展途上国

 

ちなみにこれ、先進国でも同じことが言えますよね。一般的には日本は「先進国」という呼ばれ方をしますが、世界で最も発展している都市の一つである新宿でさえも、路上で暮らしているホームレスがたくさんいます。

 

めちゃくちゃお洒落なカフェでパンケーキを食べているOLや大学生がいる一方で、 寒さに凍えながら生活をしているホームレスの人がいますからね。

 

これだけの経済格差があるのだから、日本を「先進国」として括ってしまう見方にも僕は違和感を感じます。

 

全ての国が「発展」したら地球は壊れる

「発展途上国」という言葉の対として使われるのが「先進国」ですが、言葉の論理から考えると「すべての国が経済成長をするべき」という考え方にも取れます。

 

発展途上国とは、言い換えれば「経済的に発展している途中の状態にある国」という意味ですからね。

 

何なら、発展途上国が昔は「後進国」という言い方をされていたことを考えると分かりやすいかと思います。(経済的に)「後」ろを「進」んでいる「国」ですからね…。

 

でも、 世界に196ある国すべてが経済成長を続け、いつか先進国になる日が来たとすれば、その日にはもう地球環境はダメになっていると思います。

 

現在人間が消費している自然資源の量は、地球1.7個分に相当すると言われています。もし地球上の全員がアメリカ人と同じ水準の生活をしたら地球5.3個分、日本人と同じ水準の生活をしたら地球2.9個分が必要になるらしいです。

 

それから、 GDP成長率2%の国がそのままのペースで1000年間経済成長を続けると、4億倍も経済成長することになります。こんなのどう考えてもありえないですよね。

 

アフリカや東南アジアの中にはGDP成長率7%や8%の国もゴロゴロありますから、2%だと4億倍なので7%だと…考えただけでも恐ろしいです。マジで地球ヤバそう…。

 

グレタ・トゥーンベリさんの登場もあり、近年気候変動の問題が世界中で取り沙汰されていますが、 今の発展途上国がこのまま発展を続けていき、いずれ先進国になれたその日には地球上の資源は枯渇し、環境そのものが食いつぶされてしまうでしょう。

 

その意味で、そもそも「発展」という考え方自体から抜け出すことが大切です。

 

発展途上国に代わる新しい世界の見方

発展途上国

 

冒頭でも軽く紹介しましたが、ビルゲイツは世界を「発展途上国」「先進国」という二分法で捉えることが間違っていると指摘しています。

 

その代わり、世界を4つの所得グループで考えるべきと語っています。

 

  1. 1日2ドル以下で暮らす人たち
  2. 1日2ドル〜8ドルの所得で暮らす人たち
  3. 1日8ドル〜32ドルの所得で暮らす人たち
  4. 1日32ドル以上の所得で暮らす人たち

 

僕が今ウガンダで支援をしている人たちはそのほとんどが一つ目のグループに入ります。一方で、今スマホやパソコン、タブレットでこの記事を読んでいる人、つまり皆さんのほとんどは4つ目のグループにカテゴライズされるはずです。

 

先進国と発展途上国という二分法を用いないことをビルゲイツに決意させたのは、昨年大きな話題になった『ファクトフルネス』という本を読んだことがきっかけらしいです。

 

僕もこの本は読みましたが、 世界の現状を理解する上で素晴らしい良書なので、まだ読んだことのない方はぜひ手に取ってください。

 

「発展途上国」と同じように、「アフリカ」も偏見に満ち溢れている言葉です。こちらの記事もあわせて読んでみてください。

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