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国際協力を簡単に解説するとやることは2つだけ【緊急援助と開発援助】

フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。日本とアフリカを往復しながら国際協力の仕事をしています。

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アフリカのウガンダ共和国で活動する筆者(写真中央)

 

国際協力は難しいイメージを持たれがちですが、簡単に解説するとやることは大きく2つに分けられます。緊急援助と開発援助です。今日はこの2つの言葉だけ覚えてください。

 

国際協力について簡単に、わかりやすく説明します。

 

 

YouTubeでも解説しました。動画のほうがいい方はこちらをご覧ください。アフリカの映像もたくさん使っています⇩

 

国際協力を簡単に説明すると、やることは2つだけ

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国際協力は大きく分けると2つ、

 

  1. 緊急援助
  2. 開発援助


それぞれ簡単に説明します。

 

緊急援助とは?

緊急援助とは、台風や地震などの自然災害が起きた時や、どこかの国で戦争が起きている時に行われる国際協力です。別の言い方をすると、「人道支援」とも呼ばれます。

 

開発援助とは?

一方の開発援助は、緊急援助とは180度対極にあります。これは、基本的には治安が安定し、地元の人たちも普通に生活している国で社会福祉や教育、医療、インフラなどをより向上させるために行われる国際協力です。

 

誰が「主役」かを考えると、わかりやすい

国際協力を簡単に解説

 

この緊急援助と開発援助の違いを考える上では、「誰が『主役』か?」という視点を持つとわかりやすいです。

 

緊急援助の主役は外国人

緊急援助の主役は、その国や地域に助けにやってきた外国人です

 

緊急援助の場合は、自然災害や内戦などによって傷ついた人たちに対して、衣食住など人間としての基本的なニーズを満たすための支援が外国人主導で行われます。

 

衣食住というくらいなので、例えば寒さをしのぐための服を配給したり、清潔な水と栄養のある食べ物を配給したり、一時的にでも生活ができるシェルターを建設したりします。

 

また、必要であれば医者や看護師も派遣され、治療を行う医療支援もあります。例えばみなさんも「国境なき医師団」という団体の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

国際協力に興味を持ち始めたばかりの人であれば、こういった支援をイメージする人が多いかと思います。

 

僕自身も大学4年生の時、東アフリカのウガンダ共和国で緊急援助に携わっていました。当時はウガンダの北に位置する南スーダンの内戦が激しく、100万人を超える難民がウガンダに逃げてきていました。

国際協力を簡単に解説

難民支援に携わっていた時の筆者

 

その難民の中でも最もニーズのある女性や子どもたちを対象に、食料や衛生用品などを支援する緊急援助に携わっていました。気温40度近い炎天下の中で難民の人たちから何が必要ですかと話を聞いたり、物を渡したりしたのを覚えています。

 

緊急援助と開発援助をハイブリッド、つまり融合した形の援助も行われているため一概に言うことはできないのですが、基本的にはこういった自然災害や内戦が起きている地域で行われる「物をあげる」緊急援助は、外国人の価値観で、外国人主導で行われます

 

開発援助の主役は現地人

一方の開発援助では、あくまでも地元の人たちが主役です。例えば地元の人たちが何らかの課題を解決しようとしている時に、外国人が資金や技術の援助を通じて手助けしてあげることが開発援助です。

 

基本的には、地元の人たちが「こういうことをやりたい」と思っているときに、外からやってきた外国人が「すみません、協力させてもらえませんか?」というような形で申し出をし、そこから村単位や町単位でプロジェクトが始まっていくのが基本的な開発援助になります。

国際協力を簡単に

ウガンダで現地の友人と打ち合わせする筆者

 

例えば、村の人たちが小学校の教育レベルをあげたいと考えている時に、外国人がお金を出して学校の設備を整えてあげたり、もしくはお金は全く出さず、例えば学校の先生たちを教育したりするといった国際協力が行われます。

 

繰り返しになりますが、開発援助の主役はあくまでも地元の人たち。外からやってきた外国人は、彼らが望むことを手伝わせてもらう形で協力するのが開発援助です。その意味で「国際協力」なんですね

 

教育を通じた国際協力に関する誤解

開発援助の代表例としてよく取り上げられるのが、教育を通じた国際協力です。「教育支援」といった言い方もされます。

 

もしかしたらこの記事を読んでいる人の中にも、「教育を通じた国際協力は外国人が地元の小学校に足を運び、子どもたちに勉強を教えること」と考えている人がいるかもしれません。

 

ですが、それは大きな誤解です。

 

一時的には勉強を教えられたとしても、その外国人が母国に帰ってしまえば、また教育レベルは下がってしまいます。だから、外国人が生徒に直接勉強を教えるのではなく、その後も高い教育レベルを継続できるように、例えば勉強の教え方を先生に教えたり、より優れた教育システムを学校に導入したりするのが国際協力です。

 

教育支援とは、外国人が地元の子どもたちに直接教育をするのではなく、より高いレベルの教育を受けられるような環境を整えてあげることを言うのです。

 

例えば僕自身も、東アフリカのウガンダ共和国で小学校に通う女の子たちに生理用ナプキンの作り方を教える国際協力をしています。この活動は、広い意味では教育支援と言えます。

国際協力を簡単に解説

ナプキン製作のトレーニングを始めるにあたって行ったガイダンスの様子

 

女の子たちはナプキンがないために、生理になると学校を休まなくてはならないことがあります。繰り返し使える布ナプキンをみんなが使えるようになれば、生理の時も学校を休まなくていいようになり、教育を受ける機会が増えるのです。

 

ただ、僕が直接的に布ナプキンの作り方を教えているわけではありません。布ナプキンを作るために必要な素材や道具は僕の方で購入しましたが、実際に作り方をレクチャーするのは地元のスタッフや新たに設立したクラブの子どもたちです。

 

ここでも、主役は地元の人たちという視点を大切にしています。外国人はあくまでも脇役で、地元の人たちが教育を受けられるような環境づくりをサポートしてあげているイメージですね。

 

押しつけの国際協力にならないようにすることが大切です。

 

国際協力の失敗は、主役が誰かを間違えると起きる

国際協力を簡単に

 

開発援助の主役は地元の人たちと書きましたが、その一方、中には外国人の価値観が押し付けられている開発援助もたくさんあります。

 

そういったものがよく、国際協力の失敗例として批判されています。

 

本来は地元の人たちが望むことを手伝わせてもらうのが開発援助ですが、先進国側、外国人側の利益を追求するために行われ、地元の人たちの生活がないがしろにされているケースもあります。

 

今回詳しくは説明しませんが、そういった国際協力の失敗例を考えるときは、その活動の主役が誰になっているかという視点で見てみるとわかりやすいです

 

でもね、国際協力は海外支援だけではない

国際協力を簡単に

日本の早稲田大学で講演をする筆者

 

この記事では国際協力を簡単に説明するために狭義、つまり狭い意味での国際協力だけを取り上げました。

 

一般の方が「国際協力」という言葉を聞いてパっとイメージされる、いわゆる海外の現場で行われている支援のことですね。

 

ただ、僕自身は何も海外の現場で支援をすることだけが国際協力だとは思っていません。日本にいながらでも実践できる国際協力もあります。例えば、

 

  1. 国際協力に関する情報に触れ、それを発信する
  2. 国際協力に関連するイベントや講演会に足を運ぶ
  3. 日々の消費行動を改める
  4. ボランティアやインターンをする
  5. プロボノをする
  6. 本業の中で国際協力をする
  7. 継続寄付をする

 

こういったものも、「世界を良くするために行われている活動」という意味では、国際協力と呼ぶことができます。

 

一つ一つの行動はそれほど大きな社会的インパクトを起こさないかもしれませんが、より長いスパンで考えると、一人ひとりの市民が自分のできることを実行していくことが、本当の意味での良い世界につながると思います。

 

これら日本にいながらできる国際橋梁については、以下の動画で一つ一つ詳しく解説しました。ぜひご覧ください。

 

さいごに

この記事を書くにあたっては、元国境なき医師団日本理事である山本敏晴の著作『「国際協力」をやってみませんか?: 仕事として、ボランティアで、普段の生活でも』を参考にしました。

 

良くも悪くもフワッとした言葉「国際協力」ですが、体系的に、そして誰にでも理解できるように簡単に解説してくれています。

 

国際協力の世界をさらに詳しく知りたい人は、こちらの本もあわせて読んでみてくださいね。

 

国際協力を仕事にすることに興味がある人は、こちらの記事もあわせてご覧ください

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