原貫太のブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカの問題、フリーランスの働き方など様々なテーマを解説しています。

物乞いビジネスとは?衝撃的なレンタルチャイルドの実態も解説

あなたは海外旅行をした時、「物乞い」をされた経験はありますか?僕はかれこれ100回以上物乞いの方に出会ってきました。

 

日本人が海外、例えばインドのような発展途上国を旅行すると、お金や食べ物をせがまれることがあります。初めて物乞いに出会った人なら、その様子を見てショックを受けてしまうかもしれません。

 

今回の記事では、

 

  • そもそも物乞いとはどんな人たちを言うのか?
  • 物乞いがビジネスになっているとは?
  • 物乞いのために貸し借りされるレンタルチャイルドとは?
  • もし自分が物乞いされたら、どう対応すればいいのか?

 

を解説します。

 

 

物乞いとは?

物乞い

 

物乞いとは、「経済的に困窮しており、収入源となる仕事もないため、他人に金銭や物品を恵んでもらうことで生活を送っている人」を指します。

 

現在の日本では、路上で物乞いを見かけることはほとんどありません。日本では物乞い行為は「軽犯罪法」に抵触します。

 

一方のアジアやアフリカ、中南米などの経済的に貧しい国に足を運ぶと、お金や食べ物を恵んでもらおうと路上生活者の多くが物乞いをしています。

 

特にインドのような貧富の格差が大きく、また人口増加も著しい国の都市部に足を運べば、間違いなく物乞いを見かけます。インドには路上生活者が約7,800万人いますが、中には手足切断や精神疾患など、身体に障害を抱えた物乞いの方もいるのです

 

物乞いビジネスとは?

僕が生活する東アフリカのウガンダ共和国でも、首都カンパラには物乞いしている人を見かけます。

 

現地で長く生活する人から、「物乞いの裏にはマフィアや腐敗した政治家が隠れており、路上生活者を物乞いとして使ってお金を稼がせている」という話を聞いたこともあります。

 

これはウガンダだけではなく、インドなど他の途上国でも同様のケースはあると思います。

 

生活するのに最低限の「賃金」を渡しながら、日中にストリートチルドレンや路上生活者を物乞いとして街に行かせ、夜になるとその「売上」を持っていく。

 

こういった「物乞いビジネス」が途上国では蔓延しているのです。これもまた、現地で物乞いをした時にお金を渡してはいけないと言われる理由の一つです。物乞いに渡したお金が、裏社会の取引に使われる可能性もありますからね。

 

物乞いに使われるレンタルチャイルドとは?

物乞い

バングラデシュで筆者撮影

 

「レンタルチャイルド」という言葉を聞いたことはありますか?

 

インドやバングラデシュのような発展途上国には、物乞いのために貸し借りされるレンタルチャイルドと呼ばれる子どもたちが存在するのです。どういうことか、説明します。

 

例えばですが、女性がただ一人道端に立って物乞いをしているより、赤ちゃんや病気、障がいを抱える子どもと一緒に物乞いをしているほうが、より多くのお金を物乞いすることができるのです。2倍~3倍は儲かると言われています。

 

ただ、子どもを家族や知人から借りることのできない人は、マフィアにレンタル料を支払うことで赤ん坊を借りてきます。それが、レンタルチャイルドです。

 

こういったレンタルチャイルドはマフィアに誘拐され、一か所に集められます。中には少しでも可哀想に見せかけ、より多くのお金を物乞いできるようにするため、意図的に手足を切断されたり、目をつぶされたりする子どももいるらしいです。

 

物乞いされたらどう対応するべきか?

海外旅行中にもし自分が物乞いをされたら、どのような対応をすればいいのでしょうか。これまでの僕の経験を踏まえ、年齢別に3つの対応方法をご紹介します

 

お年寄りに物乞いされたら

物乞い

足に障害を抱えた物乞い

 

お年寄りに物乞いをされたら、大抵の場合、僕はポケットに入れておいた少額の現金を渡してしまっています

 

現地の人がお年寄りの物乞いにお金を渡す様子は、これまで何度も目にしてきました。彼らは体が不自由なため、物理的に働けないことが多いからです。

 

彼らはお金の使い方もある程度わきまえており、また僕がバングラデシュで聞いた話では、その多くは組織的ではなく、個人で物乞いをしているようです。(実際のところは不明ですが…)

 

後で紹介する子どもの物乞いのように、裏にマフィアや犯罪組織が隠れていることは可能性としては少ないと聞きました。そのため、僕は年齢が高いとみられる物乞いの方には少額の現金を渡し、すぐにその場を離れるようにしています。

 

大人に物乞いされたら

大人に物乞いされたら、僕は何も渡さずそこからすぐに離れるか、もしくは軽く会話をする程度に留めています。

 

そもそも障がい者を除き、大人に物乞いされることはあまりありません。健康体で、本来なら働くべき人々に対してお金を渡してしまえば、彼らの仕事に対する意欲を奪うことにも繋がりかねません。

 

そのため、物乞いをされても基本的にお金を渡すことはしていません。

 

障がいを抱える物乞いの場合、これも状況によりますが、少額のお金を渡し、足早にそこから立ち去ることにしています。

 

また、記事や書籍を執筆するために記録として物乞いの方の様子を撮影させてもらうことがありますが、その場合は最初に交渉し、撮影させていただいた”お礼”として、少額の現金を渡すこともあります。

 

子どもに物乞いされたら

物乞い

ウガンダで筆者撮影


海外を旅行していて、一番多いのは子どもに物乞いをされることです。道を歩いていると、路上で暮らすストリートチルドレンから物乞いされることが幾度となくあります。

 

子どもに物乞いをされたとき、僕はお金ではなく食べ物を渡すようにしています。渡す食べ物は近くの屋台でも買えるような、安価なローカルフード。大抵は一個20~30円程度で購入できます。

 

子どもたちには店の外で待ってもらい、購入したお菓子を渡して、できれば一緒に食べるようにしています。

 

子どもの物乞いの場合、大きく分けると

 

  1. 個人で物乞いをしている
  2. 親が子どもを物乞いさせている
  3. 裏に親玉(マフィアや犯罪組織、腐敗した政治家など)がおり、物乞いに使われている

 

の3つのケースが存在します。3番目が先ほども紹介した、いわゆる「物乞いビジネス」と言われるものです。

 

可能性として、子どもに渡したお金がドラッグなど悪い用途に使われてしまったり(①)、親がその日暮らしのために使ったり(②)、マフィアや犯罪組織の資金源に入ったり(③)するかもしれません。

 

特に③に関しては、ルポライターの石井光太さんがインドにおける物乞いビジネスの姿を描いた『レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち』を読めば、物乞いの裏に隠された闇が垣間見えるはずです。

 

二〇〇二年、冬。インドの巨大都市ムンバイ。路上にたむろする女乞食は一様に乳飲み子を抱えていた。だが、赤ん坊はマフィアからの「レンタルチャイルド」であり、一層の憐憫を誘うため手足を切断されていたのだ。

時を経て成長した幼子らは“路上の悪魔”へと変貌を遂げる―。三度の渡印で見えた貧困の真実と、運命に翻弄されながらも必死に生きる人間の姿を描く衝撃作。(Amazon商品内容より引用)

 

ということで、子どもから物乞いされたとき、僕はその場で消費できる食べ物を渡すようにしています。

 

さらに、一緒に食べることによって彼らと仲良くなれたと感じたら、「どこで暮らしているのか」「両親はどうしているのか」などを質問したり、写真を撮ったりしています。

 

なお、写真を撮影した場合は、その後彼らに撮った写真を必ず見せています。このような対応をすると、次に街中で彼らと出会った時、再度物乞いされることが少なくなる印象です。

 

途上国で長く暮らしている人は、(特に子どもによる)物乞いが一つのビジネスになっていることも知っているため、お金を渡す人は少ないですね。ストリートチルドレンの実態についても記事を書いているので、ぜひ読んでみてください。

ストリートチルドレンの現状・原因・生活を徹底解説【写真多数】 - 原貫太のブログ

  

さいごに

現在の日本で暮らしていると、「物乞い」という行為を考える機会はまずありません。

 

しかし、飛行機でたった数時間移動した発展途上国に足を運ぶと、物乞いの場面に遭遇することが多々あります。逆に途上国であれば、物乞いがいない国の方が少ないといっても過言ではないです。

 

この記事で紹介した3つの方法は、あくまでも僕個人が物乞いされたときの対応方法です。中にはスリや窃盗を働くことを目的にした危険は物乞い行為もあるので、海外旅行中はくれぐれも安全管理に注意してください。 

 

インドにおける物乞いビジネスの”闇”

世界で最も多くの物乞いが見られる国はインドです。記事中でも紹介しましたが、石井光太さんが書いた『レンタルチャイルド』では、インドにおける物乞いビジネスの”闇”を描いています。

 

非常にショッキングな内容ですが、物乞いビジネスが一体何なのか、関心ある人にはぜひ読んでほしい一冊です。

 

※編集註…「物乞い」という言葉も差別表現であるという指摘も一部ありますが、本記事では内容をわかりやすくするため便宜上使用しています。ご理解ください。