フリーランス国際協力師の原貫太(@kantahara)です。
このブログでもたびたび使っている僕の肩書き「フリーランス国際協力師」ですが、この言葉は僕の造語になります。辞書を引いても載っていません。
最近ネットで「フリーランス国際協力師って胡散臭い」「中二病っぽい」といったコメントを見かけることが増えました。ツイッターのフォロワーにも話を聞いてみると「国際協力『師』が良くないのかもしれませんね…」という意見も。
今回は「フリーランス国際協力師」という言葉の意味や誕生した背景、そしてこの肩書を名乗る僕の想いをお話しさせてください。
- フリーランス国際協力師とは?
- フリーランス国際協力『師』が胡散臭いらしい
- 「国際協力師」は2005年から存在する言葉です
- 「フリーランス」と「国際協力師」は相反する概念
- フリーランスで国際協力という新しい道を開拓したい
★フリーランス国際協力師として働く僕がアフリカでどんな生活を送っているか、YouTubeにアップしています。こちらもあわせてご覧ください!
フリーランス国際協力師とは?
フリーランス国際協力師とは、特定の組織に所属せずに仕事をする「フリーランス」と、十分な収入を得ながら仕事としての国際協力を続ける「国際協力師」を掛け合わせた造語です。
僕は早稲田大学在学中にNGOを起業し、これまで南スーダンの難民支援などに携わってきました。しかし、働き過ぎなどを原因に昨年5月末「適応障害」という病気を発症し、同年末に自分で起業したNGOを辞めています。
その後、2019年1月から「フリーランス国際協力師」という肩書きを名乗りはじめ、日本とウガンダ共和国を往復しながら国際協力をテーマに仕事をしています。
フリーランス国際協力師として働き始めるまでの過程は、朝日新聞が運営するWebメディア『DANRO』に寄稿した記事「一人でも、きっと世界は変えられる。僕がフリーランスで国際協力に挑む理由」で詳しく書いているので、こちらもあわせて読んでみてください。
フリーランス国際協力『師』が胡散臭いらしい
ネット上のコメントやツイッターのフォロワーから寄せられた意見に目を通すと、フリーランス国際協力師の『師』が胡散臭さを醸し出しているようです。
まず、「フリーランス」という言葉は近年認知度も向上しており、働き方の一つの形態として広く知られていますから、ここに胡散臭さはないようです。また、「国際協力」という言葉も、その実態は一般まで普及していないものの、色々な場面で使われている言葉です。
こうなると、やはり胡散臭さの原因は『師』にあるようです。以前Twitterが炎上した時も「フリーランス国際協力師の『師』は詐欺師の『師』ですか?」といったDMが何通か送られてきました。その着眼点、マジですごい…(笑)
フォロワーの方からも(決してアンチではない)「フリーランス国際協力師よりも、フリーランス国際協力家の方が肩書きとしてはいいのではないでしょうか?」と言われたことがあります。
が、フリーランス国際協力『師』を選んでいるのには、ちゃんとしたワケがあるのです。
「国際協力師」は2005年から存在する言葉です
国際協力師という言葉ですが、これは2005年から存在する言葉です。もちろん僕が作った言葉ではありません。当時僕はまだ11歳ですからね。
国際協力師とは
NPO法人・宇宙船地球号が
2005年ごろから提唱しだした
新しい職業人の概念である。生活するのに十分な給料をもらい
プロとして国際協力を持続的に行っている人々を指す。(山本敏晴のブログ「国際協力師とは」より引用)
NPO法人宇宙船地球号は「本当に意味のある国際協力」を啓発するため、国境なき医師団でも日本理事を務めていた山本敏晴さんが2005年に創設した団体になります(現在は解散)。
文部科学省と連携し、公立の小中学校の総合学習などの枠組みを使って「国際協力師という新しい職業があること」に関する授業や講演も実施していました。
また、山本敏晴さんの著作『国際協力師になるために』は、Amazonの国際協力カテゴリーで常に売上上位をキープしており、国際協力業界で働く人なら一度は目にしたことがある本です。
繰り返しになりますが、「国際協力師」という言葉は僕が作ったものではありません。山本さんのせいにするわけではないですが(笑)、僕が「フリーランス国際協力家」でも「フリーランス国際協力士」でもなく「フリーランス国際協力師」を名乗っているのは、もともと「国際協力師」という言葉が存在したからです。
「フリーランス」と「国際協力師」は相反する概念
「国際協力師とは?本の情報が少し古いので2019年最新情報で解説します」の中でも書きましたが、国際協力師とは具体的に
- 国際公務員(国連職員、世界銀行職員、等)
- 政府機関職員(JICA職員、JBIC職員、JETRO職員、等)
- 政府機関専門家(JICA専門家(技術協力専門家)、等)
- 有給NGOスタッフ(国際大型NGO有給職員、等)
- 開発コンサルタント会社職員
といった職業を指します。これらを見ていただければわかりますが、従来の「国際協力師」とは、組織に所属しながら仕事としての国際協力を行っている人々を指しました。
一方の「フリーランス」という言葉は、特定の組織に所属することなく働く人を指します。そのため「フリーランス国際協力師」という肩書きは相反する意味の言葉を繋げた造語であり、矛盾をはらんだ言葉です。
フリーランスで国際協力という新しい道を開拓したい
僕があえて矛盾する二つの言葉を繋げた「フリーランス国際協力師」という造語を名乗るのには理由があります。
それは、国際協力の分野において、新しい道を開拓したいからです。
これまで国際協力は、国際機関やNGOをはじめ、どこかの「組織」に所属しながら実践する活動と考えられてきました。それに対して、僕は「フリーランス」として働きながら世界を変えることを試みる「新しい国際協力」を追求しています。
時には現地NGOと一緒に公衆衛生の啓発など草の根支援を行い、時にはウガンダ人とYouTubeでアフリカが抱える問題を発信し、時には日本で学生対象に講演を行い、時にはブログで活動の様子を記事にしています。
ウガンダ北東部からメッセージです。苦労しすぎて白髪が100倍くらい増えました笑
— 原貫太 / フリーランス国際協力師 (@kantahara) 2019年4月26日
引き続き草の根での活動を続けていきます。これからもご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
polcaでの支援はこちらhttps://t.co/Cic05ZcXVQ pic.twitter.com/5A5rPSTfE3
収入に関しても、本の売り上げやブログの広告収入、講演謝礼やオンラインサロンの会費など多岐にわたっており、ザックリですが大学新卒初任給の2倍は安定して収入があります。(記事執筆時)
アフリカの現場で個人で活動することに限界を感じる場面も多いです。フリーランス国際協力師という肩書きを「胡散臭い」「中二病っぽい」と批判されることもあります。
でも、新しい分野を開拓していくことにワクワクし、もっと多くの人に国際協力の世界に目を向けてほしいから、僕は「フリーランス国際協力師」という肩書きを使っています。
もっと多くの人が国際協力の分野で活躍し、世界平和のために本気で動く人たちが評価される社会を作っていきたい。そのために、僕は「フリーランス国際協力師」として新しい道を切り拓いていきます。
これからも応援よろしくお願いします。
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