原貫太の国際協力ブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカ、社会問題などのテーマを中心に解説しています。

「従軍中は、いつ死んでもおかしくない」 ウガンダ・元子供兵が語る過去と未来(1/2)

“発展途上国でのフィールドワークにおける3つの「きく」-Hear, Listen, and Ask”で書いたように、1年半の訓練*を終えた元子ども兵たちが今後ビジネスを始めていくにあたって、私たちスタッフはフィールドでの調査が増えてくる。
*訓練…職業訓練や基礎教育などすべて含めて

 

先日、現地スタッフ一名、テラ・ルネッサンス職員小川さん・鈴鹿さんと共に、8期生であるミシェル(仮名)の地元に足を運び、彼女たちから話を聞いた。その様子を伝える。

 

 

7年間少女兵として拘束

1999年10月、ミシェルがまだ15歳だった頃、彼女は反政府軍である神の抵抗軍(LRA/Lord's Resistance Army)に誘拐された。

 

「従軍中は、年齢に関係なく、若くてもいつ死んでもおかしくないと思っていました。従軍している間に、妊娠をしたのですが、その状態でも常に移動を続けなければならなかったことが辛かったです。」

 

2006年2月、22歳の頃に彼女は保護された。「保護されてから、村に戻ってこれた時、自分には何の技術もなかったので希望がありませんでした。」

 

その後、他団体でも訓練を受けていたが、自立するためには十分なものではなかった。

 

「テラ・ルネッサンスで訓練を受けられると分かった時は、複雑な心境でした。自分にはできないんじゃないかと不安に思っていましたが、テラ・ルネッサンスの職員や卒業生だった友人が『技術は大した問題じゃないの。学ぶということが問題で、あなたが一生懸命学んでいれば、結果はついてくるものよ。』と励ましてくれたことで、前向きに訓練に励むことができました。」

 

とても社交的なミシェル。他の訓練生たちに教えたり、アドバイスをしたりすることもあるという。訓練には、幼い我が子をいつも連れて来ていた。

 

他の訓練生同様、昨年11月には1年半に及ぶ訓練を修了。今月19日に道具の供与式に臨み、これからは自立に向けて本格的にビジネスを始めていく段階だ(関連記事→「もう一度人生を変えたい」 社会復帰を目指す元少年兵・少女兵の式典)。

 

 

「(1年半の)訓練は、とても素晴らしいものでした。その一方で、大変だったのが、私の赤ちゃんの存在です。しばしば病気に罹っていたため、その度に私は授業に集中できなくなりました。」

 

反政府軍である神の抵抗軍を脱出し帰還した時に、元少女兵は拘束中に出来た子どもを連れていることが多く(チャイルドマザー)、社会復帰が最も困難な状態にあると言われている(関連記事→"13歳で誘拐された元少女兵"が語る壮絶な体験談 生き別れた子供との再会を夢見て)。

 

→→「従軍中は、いつ死んでもおかしくない」 元少女兵が語る過去と未来(2/2)