原貫太オフィシャルブログ

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世界平和を望む人が99%なのに、戦争はなぜ終わらないのか?

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平和を望む人が世界の99.9%、戦争を起こす人が世界の0.1%。それなのに、なぜ世界平和は実現しないのだろうか。

 

僕は大学生の時から、戦争によって虐げられるアフリカの人々を支援してきた。

 

14年間、反政府軍に拘束されていた元少女兵。目の前で両親を銃殺されたと、涙ながら語る10歳の女の子。医師の資格を持ちながらも、戦争ですべてを奪われた男性。

 

彼らの”ナマ”の声を聞いてきた人間だからこそ、平和とは何なのか、世界が平和になるためにはどうすればいいのか、真剣に考え続けてきた。

平和とは

南スーダン難民支援に携わっていた時の筆者

 

平和に関心を持つあなたに、23歳が考える「世界平和」を伝えたい。

 

 

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あなたにとって世界平和とは

平和とは

 

平和とは、人によって定義が様々に分かれるもの

あなたにとって、世界平和とは何だろうか。

 

国際協力に携わる多くの人が、「平和な社会を創りたい」と本気で思い、行動を起こしている。しかし、「平和とは?」と質問された時、それに対する答えは人それぞれだろう。

 

世界平和と一言で表しても、その定義は様々に存在する。だからこそ、自分なりの「世界平和」を定義しなければ、結局は夢物語で終わってしまう。

 

僕が定義する世界平和とは、「不条理の無い世界=生活と権利が保障され、誰もが自分で未来を決められる社会」だ。

 

世界中のどんな人であっても、衣食住の生活や教育を受ける権利、政治に参加する権利が保障された社会。そして、何かによって縛られるのではなく、意志を持ち、自分自身の未来を決められる社会。

 

それこそが、平和が実現された世界だと僕は考えている。

 

 

でも、世界は戦争で溢れている

平和とは

 

戦争のない世界なんて、今まで存在しただろうか。

でも、世界を見渡せば、戦争に脅えながら生活を送る人々が、今この瞬間もどこかにいる。

 

2011年に始まったシリア内戦の犠牲者は、つい先日34万人を超えたと発表された。その内、10万人以上が民間人であり、犠牲者の中には女性や子どもがたくさん含まれている。

 

南スーダンで起きている戦争も、いまだ終わりが見えていない。戦争によって200万人以上の難民が故郷を追われ、僕が活動していた隣国ウガンダだけでも、100万人以上が避難してきている。難民の中にはキリスト教を信仰する人も多いが、クリスマスまでに彼らが母国に帰還できる見込みは絶望的だろう。

 

シリアや南スーダンで起きている戦争は、世界で今起きている戦争のほんの一部に過ぎない。規模の小さい紛争や、まだ武力紛争とまでは至ってない対立も含めると、数え切れないほどたくさんの”戦争”が世界で起きている。

 

きっと、僕が生まれた時にも、世界のどこかで戦争は起きていた。そして、僕が死んでいく日にも、どこかで戦争が続いているだろう。

 

戦争のない世界なんて、今まで存在したのだろうか。

 

 

なぜ戦争は終わらないのか

平和とは

 

戦争が無くならない二つの理由

なぜ、世界から戦争がなくならないのだろうか。

 

人類が誕生した時から、僕たちがずっと考え続けてきた問いだ。世界の名だたる研究者が一堂に会しても、簡単に答えを導き出すことはできない。

 

それでも、戦争がなくならない理由の一端を理解することはできる。

 

「アフリカから紛争(内戦)が無くならない2つの原因をわかりやすく解説」という記事では、植民地支配から脱却して数十年が経つにもかかわらず、いまだアフリカで戦争が無くならない原因をまとめた。そこでは、欧米諸国により、数百年にわたりアフリカが従属させられてきた歴史的背景に加えて、先進国とアフリカとの間にある経済的・政治的なシステムを指摘した。

 

この記事では詳細は割愛させてもらうが、関心ある人はぜひ読んでみてほしい。

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僕が戦争の”リアル”を初めて経験した時

平和とは


平和な日本で生まれ育った僕は、これまで戦争に巻き込まれたことは一度もない。きっと、日本語で書かれたこの記事を読んでいる人のほとんどは、人生で一度も戦争を経験したことがないだろう。

 

でも僕は、アフリカで起きる戦争の”リアル”を体験したことがある。

 

東アフリカに位置するウガンダ共和国。大学4年生で初めてこの国を訪れた僕は、そこで元少女兵アイ―シャさんと出会った。あれは、今年1月のことだった。

 

 

ウガンダでは20年以上戦争が続いた

平和とは

 

アフリカ東部に位置する国、ウガンダ共和国。この国の北部では、1980年代後半から20年以上にわたって続いた内戦の影響により、衣食住といった人間としての基本的ニーズを満たせずに暮らす人々が未だ多く残っている。

 

1990年代半ば以降、反政府組織神の抵抗軍による村の襲撃や子どもの誘拐が多発し、一時期は約200万人もの人々が避難民としての生活を余儀なくされた。

 

神の抵抗軍は戦力を補強するため、毎晩のように村や避難民キャンプを襲って子どもを誘拐。これが、ウガンダの子ども兵士問題に繋がった。

 

 

戦争の”捨て駒”、子ども兵士

平和とは

 

誘拐された子どもたちは、その後強制的に兵士に仕立て上げられていった。神の抵抗軍は3万人以上の子どもを誘拐し、兵力の約8割を子ども兵士に頼っていたとも言われている。

 

子ども兵士は、水汲み、食事の準備、荷物運びといった雑用から、政府軍との戦闘や村の襲撃、新たな子どもの誘拐まで、多くの仕事につかされた。中には、地雷原を渡る際の「人間地雷探知機」、また弾除け、つまり「人間の盾」として利用される子どももいたという。

 

 

少年兵ではなく、少女兵

平和とは

 

「少年兵」という言葉に聞き覚えがある人は多いだろう。しかし、子ども兵士の中には、女子、つまり少女兵も存在する。

 

ウガンダ内戦でも、多くの少女兵が生まれた。中には、大人の兵士と強制結婚をさせられ、望まない妊娠をする子もいた。

 

現地の関係者から、こんな話を聞いた。「神の抵抗軍は子ども兵士を洗脳するため、自分の手で肉親や兄弟、親戚を襲わせるんだ。」

 

子ども兵士に自身の家族や地元の村を襲わせることは、彼らが脱走するのを防ぐ一つの手段だった。その結果、戦争が終わった後も、子どもたちの帰る場所はなかった。

 

 

戦争の小さな犠牲者、アイーシャさんの体験談

平和とは

アイ―シャさん(写真右)


神の抵抗軍に14年間拘束され続けていた元少女兵、アイ―シャさん。ウガンダ北部のグルにて、彼女が僕のインタビューに応じてくれた。

 

彼女はわずか12歳で誘拐され、26歳で脱退するまでの実に14年間、望まない兵士として過ごすことを余儀なくされた。

 

以下は、拙著『世界を無視しない大人になるために 僕がアフリカで見た「本当の」国際支援』の中でも紹介した、彼女の従軍中の体験談だ。その内容を少しだけ紹介したい。

 

 

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2000年12月19日の真夜中、アイーシャは反政府軍である神の抵抗軍(LRA)に誘拐された。当時、わずか12歳だった。そこには、数え切れないほど多くの困難が彼女を待ち受けていた。

 

 

「一日中重い荷物を持たされ、森の中を走りました。休息は夜に少し取るだけ。非常に辛く、苦しいものでした」「水も食料もない状態で、本当に辛かったです。軍隊にいる間、常に戦闘が続いていました。昔はいつ死んでもおかしくないという思いで生きていました」

 

 

神の抵抗軍での厳しい生活に慣れることは、非常に難しかったと彼女は話す。人が殺されるところを、数え切れないほど目の当たりにした。襲撃や、軍隊という過酷な環境に彼女を慣れさせるため、神の抵抗軍はアイーシャにその現場を見せたがっていたのだ。

アフリカ 紛争

 

 

2000年から2003年までの3年間、北部ウガンダの茂みを歩き回った。その後、ウガンダ政府軍による神の抵抗軍の掃討が勢いを増すと、ウガンダに滞在することは厳しくなる。2004年、彼女らは合計4回にわたって拠点をスーダン内へと移した。

 

 

「とても長い距離を歩かされて、4日間ずっと移動し続けたこともありました」。スーダンに拠点を置いている間も、越境してきたウガンダ政府軍によって何度か掃討があったため、拠点を更にコンゴ民主共和国へと移した。

 

 

彼女は、日夜「神の抵抗軍」と行動を共にしなければならなかった。それは、若い彼女にとって非常に辛く、苦しみを伴うものだった。

 

 

コンゴ民主共和国滞在時、彼女は脱走を試みる。脱走のリスクは当然大きかった。脱走に失敗して再度捕まれば、それに対する上官からの罰は非常に厳しく、非人道さを極めていた。

 

 

他の子ども兵が脱走することを防ぐために、脱走しようとして捕まった者は、見せしめとしてひどい罰を受けるのだ。時にそれは、命を失う事にも繋がった。「ある夜に他の仲間と脱走を試みましたが、捕まり、鞭で200回叩かれました。それからは脱走する事は諦めました」

アフリカ 紛争

 

 

コンゴの密林を、反乱軍と共に動き回る。そんな生活が長く続いたある日、彼女に子どもが産まれた。

 

 

少女兵の多くは、従軍中に反政府軍の兵士と強制結婚をさせられ、子どもを授かることもある。中には、兵士との性交渉中にHIVに感染し、帰還後もエイズを発症する、また穢れた存在だと差別や偏見を受け、コミュニティから疎外されるなど、社会復帰がより困難な状態に置かれる。

 

 

「幼い子どもを連れながら、政府軍から逃れるために茂みの中を走るのはとても大変でした」。子どもを抱き、銃を担ぎ、身の回りの物を背負い、茂みの中を走る。その辛さを言葉にすることはできないと、彼女は語る。

 

 

コンゴから中央アフリカ共和国に移動し、またコンゴに戻り…、そんな生活が長く続いた。2014年、彼女は政府軍に救出されたが、2000年からの実に14年間、彼女は少女兵としての生活を強いられた。

アフリカ 紛争

 

 

救出後の生活は、茂みでの生活とは全く違うと彼女は語る。「人々はお互いの権利を尊重し合っています」

 

 

拘束されていた頃は何も言う事ができず、ただ上官からの命令に従うしかなかった。荷物を運べと言われれば荷物を運び、村を襲えと言われれば村を襲った。命令に背けば、時には殺されるまで罰が下された。

 

 

「拘束から逃れて戻ってきた時、私には3人の子どもがいました。持ち物は何もありませんでした。それでも、幸せでした。拘束から逃れられた、ただそれだけで幸せに感じました」

 

  

援助機関で社会復帰訓練を受けている心境を、彼女はこう語る。

 

 

「訓練所では、多くの技術を身につけることができています。以前はずっと人に頼り、物を借りていましたが、今の自分は能力を身につけ、自分で物事を行うことができるようになってきました」

 

 

「ここで技術訓練や基礎教育を受けられる、その事が、今の自分を幸せにしてくれます。ここでの学びを活かし、卒業後はもう一度、自分の人生を変えたい。そして、子どもたちの未来を支えたい。そう願っています」

アフリカ 紛争

 

 

平和とは何か、共に、真剣に考えたい

平和とは

きっと、多くの人にとってウガンダ内戦で起きた”悲劇”は受け入れがたいものだろう。でも、これは紛れもなく、世界のどこかで実際に起きていた話なのだ。

 

戦争をする人は、世界の1%にも満たない。そして、残りの99%の人は、本当の平和を望んでいるはず。それにもかかわらず、いつまで経っても世界が平和にならないのは、なぜなのか。

 

その理由の一つは、戦争をしている1%が”本気で”戦っているにもかかわらず、平和を望む99%の人たちの繋がりが弱く、そして僕たちがそこまで本気で平和を追い求めていないからだ。

 

僕たちが今暮らしている社会には、「共通しているものを見つけようとせず、違いや欠点を見つけては批判する。」という風潮が、どことなく漂っているように思える。その姿勢が、対立や争いの火種になっていることもあるだろう。

 

たしかに、違いや欠点を指摘し合うことも大切だ。しかし、それ以上に、人と共通していること、共通しているビジョンに目を向けることが、他者との繋がりを作るために欠かせない。世界平和を望む人なら、なおさらだろう。

 

「世界から戦争をなくしたい」「本当の平和を実現したい」と思っている人たちのビジョンは、「より良い世界を創る」という意味において、根底で共通している。

 

だからこそ、批判ではなく、提言を。平和とは何か、共に、そして真剣に考えたい。

 

お互いの違いを乗り越え、世界平和を実現するために協働できる在り方を模索することが、今の世界には求められている。そして僕たちは、そのことを真剣に考えなくてはならない。

 

 

【書籍紹介】世界を無視しない大人になるために 僕がアフリカで見た「本当の」国際支援

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誰だって、一度は思ったことがあるだろう。今この瞬間にも、世界には紛争や貧困で苦しんでいる人がいるのはなぜなのだろうと。その人たちのために、自分にできることはなんだろうと。

 

僕は、世界を無視しない大人になりたい。  —本文より抜粋

 

ある日突然誘拐されて兵士になり、戦場に立たされてきたウガンダの元子ども兵たち。終わりの見えない紛争によって故郷を追われ、命からがら逃れてきた南スーダンの難民たち。

 

そんな彼らと出会いながら、僕は本当にあるべき国際支援を考え続けた。そして、平和がいかに大切で、いかに尊いものであるかを、心から実感した。

 

『世界を無視しない大人になるために 僕がアフリカで見た本当の国際支援』では、”世界の不条理”に苦しめられながらも、強く、そしてしなやかに生きる人々の「声なき声」を書いた。アイ―シャさんの体験談を聞いた後、僕がどんな行動を起こしていったのかもまとめている。

 

アフリカで感じた平和に対する想いを込めた一冊。ぜひ読んでほしい。

 

 

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