書籍『世界を無視しない大人になるために』や講演の中で、「どうしても忘れられない光景」として度々紹介していた精神障害を抱えた男の子と、5ヶ月ぶりに再会することができた。
再会した時の第一感想は、正直に、「良かった…元気に生きていた!」。今年2月に初めて出会った時、足元に汚物が溜まり全身にハエがたかっている姿を見て、「病気にでも罹ってしまったら、彼は長く生きられないかもしれない」と聞いていたからだ。
そんな彼と久しぶりに再会し、少しの笑顔も見ることができて、本当にホッとした。この5ヶ月間、何度も思い出していた存在だから。
その一方で、ふと心に引っかかたことが。
この5ヶ月という期間、彼はここで一体何をして過ごしていたのだろうか。同じ地球という惑星で、同じ時間を過ごしているという事実。僕が日本で大学に通い、腹一杯飯を食って、忙しく働き回っていた頃、彼は難民居住区で何をしていたのだろうか。
そんな「あたりまえ」が、心に引っかかる。