原貫太オフィシャルブログ

アフリカでの国際協力活動から仕事論、情報発信術まで。※本ブログの内容は個人の見解によるものです。

就活解禁した。自衛隊撤退した。それでも大学生の僕は、南スーダン難民を支援する。

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今月1日から2018年春卒業の大学生の就職活動(いわゆる就活)が山場を迎えている。大手企業による採用選考が解禁され、約40万人もの就活生の多くが内定獲得を目指して面接に臨むことになる。

 

そんな中、早稲田大学4年の僕が就活もせずに、国際協力団体コンフロントワールドを設立し、南スーダン難民支援事業を立ち上げているのはなぜなのか。沢山の人たちに質問されるので、今日はその理由と想いを少しだけ書かせて欲しい。

 

僕は今年1月~3月、京都に本部を置くNPOのインターン生としてウガンダ北部に滞在し、元子ども兵の社会復帰支援に加えて、紛争が続く南スーダンから流入してきた難民調査に携わっていた。2ヵ月もの間ウガンダに滞在し、特に南スーダン難民問題のようなまさに”世界の不条理”と向かい合っていると、もうここでは数え切れないほど多くのことを感じる。考えさせられる。


故郷を追われて、着の身着のままウガンダへと逃げてきた人たち。逃げる途中で政府軍に見つかり、夫を誘拐された女性。紛争の混乱のさなか、目の前で両親を銃殺された14歳の少女。たった360円の学費を払えずに、難民居住区内の小学校に通えない沢山の子どもたち。


そんな”世界の不条理”を現地で目の前にすると、自分の存在がいかにちっぽけかを痛いほど感じる。そして、「僕はこの問題のために何ができるのだろう」「僕は一体何のために生きているのだろう」などと、沢山のことを考えさせられる。正直に、難民調査で見せられた多くの不条理を前にして、自然と涙を流してしまった時もあった。

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難民居住区にて



そんな数え切れないほど沢山のことを感じていた中でも、アフリカで芽生えた想いは大きく以下2つに集約できると思う。それが、「今必要とされていることのために、今行動を起こすこと」「自分が心から実現したいビジョンと真正面から向き合うこと」だった。

フランスの哲学者P.リクールの言葉に、”苦しみはそれを見た者に義務を負わせる”という言葉がある。現地で南スーダン難民の苦しみを見た人間として、知った人間として、もう世界を無視することは僕にはできない。今まさにこの瞬間も現地で必要とされていることがあり、それに主体者として関わった以上、例えば「まずは3年間一般企業で働き、スキルやノウハウを得る」といったことは正直に考えられず、現場で必要とされていることのために、全力で行動を起こしていこうと決意を固めた。今もクラウドファンディングで南スーダン難民支援プロジェクトを実行中だ。

そしてもう一つ、「自分が心から実現したいビジョンと真正面から向き合うこと」。私は大学在学中、フィリピン、バングラデシュ、ルワンダ、ブルンジ、ウガンダといった国々に足を運び、いわゆる社会的に弱い立場に置かれた人々や様々な社会課題と向き合ってきた。ポリオ(小児性まひ)を患っているにも関わらず、地面に寝かせられ物乞いをさせられている男の子とも出会った。隣人が隣人を殺すこともあったという、100日間で80万人が虐殺された国へも足を運んだ。12歳の時にある日突然誘拐され、26歳で軍隊を脱退するまで少女兵として強制的に従軍させられた女性とも出会った。

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社会復帰を目指して職業訓練に励む元少女兵たち(photo by Kanta Hara)

 

大学卒業まで1年となり、人生の進路選択を迫られた今、これまで散々色々な”世界の不条理”を見てきた人間として、「では一体、自分はこの人生を使ってどんな世界/社会を作りたいのか?どんな世界/社会が理想だというのか?」を、今一度真剣に考えるべき時期にあると強く思った。


そして、この半年間ほどずっと、ずっと考え続け、「不条理の無い公正な世界の実現=必要最低限の生活と権利が保障され、一人ひとりが尊厳を持ち、自分で未来を決められる社会の実現」が、今の私が思い描く理想の世界/社会なのだという一つの結論に至った。この実現したいビジョンが明確であるならば、それを実現するための一番相応しい手段は、就活ではなく、自分で新たに組織を創ることだった。このビジョンは、コンフロントワールドのビジョンにもなっている。

 

ちなみに私は大学を休学してアフリカで働いていたため、正確には今年で大学生5年目を迎える。同期は既に就職し働き始めているどころか、一個下の学年までも1日から本格的に就活が始まっている姿を見て、全く不安を感じないわけではない。しかし、それ以上の強い想い、そして何よりも世界を変えていくという「ワクワク感」は、その不安を簡単に吹き飛ばしてしまう。

 

一方で、このような決断をすることが出来たのは、自分が恵まれている環境にいるからだとも思っている。だからこそ、僕は、いや僕らは頑張らなくてはならない。自衛隊は先月末で撤退し、これから南スーダンに対する日本の関心はますます薄れていくと思われるが、南スーダン難民たちを取り巻く状況に変化があるわけではない。今取り組んでいる「紛争で故郷を追われた南スーダン難民のサッカーチーム設立!」は、彼らに一縷の希望を与えるものに過ぎないかもしれないが、それでも難民の子どもたちが楽しそうにボールを蹴っている様子を見ると、僕は涙が出そうになる。

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ウガンダ北部にて、南スーダン難民の子どもたちと撮影。(photo by Confront World)

 

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