原貫太オフィシャルブログ

アフリカでの国際協力活動から新時代の働き方、情報発信術まで。※本ブログの内容は個人の見解によるものです。

「国際協力」って結局は何?その定義・意味をもう一度考えよう。

人気記事

僕はオンライン英会話で英語力を向上させました。無料体験が受けられる13のスクールをまとめました!
オンライン英会話で無料体験可能な13スクールを比較した

スポンサーリンク


国際協力に関心がある。国際協力が好きだ。国際協力を仕事にしたい。そんな人たちがたくさんいます。僕も、「あ、原君は国際協力の活動をしているんだね」と声を掛けられます。

 

でも、よくよく考えてみると、「国際協力」という言葉は、「国際」と「協力」という、たった二つの言葉から成り立つ熟語。カバーされる範囲は非常に広い。

 

当たり前のように使われている「国際協力」という言葉は、そもそも何を意味するのでしょうか。

 

 

国際協力=国境を超えて行われる協力活動

f:id:KantaHara:20171106125312j:plain

 

新卒で民間NGOに就職した延岡由規さんは、僕との有料マガジン『国際協力師たちの部屋』で、以下のように述べています。

 

一応、英語で「国際協力」を表すなら、“International Cooperation” 。これはJICAの正式名称を確認してもらえたらお分かりかと。この“Cooperation”の語源は、「“co”(共に)“opera”(働く)“ate”(する/為す)」って感じで。かなりざっくりですが、英語から考えると国際協力=「国境を越えて行われる協力活動」という日本語がでてきます。『vol.1-2 そもそも「国際協力」って何?(延岡)』より引用)

 

その上で、「何のために協力活動をするのか」を考える必要性を書いています。つまり、協力をする「目的」が何か。延岡さんは、その目的を「世界平和の実現」に据え置き、最終的には国際協力の定義を

 

世界の平和を実現することを目的に、国境を越えて行われるすべての協力活動

 

と定義しています。

 

 

あくまでこれは延岡さん自身の定義であり、マガジンの中では、「なぜ国際協力をするのか?」を見失わないためにも、各々が国際協力の定義をしっかりと考える必要性が書かれています。

note.mu

 

 

途上国に足を運んで活動するだけが国際協力?

f:id:KantaHara:20171106141328j:plain

 

「国際協力は、世界平和を実現するために行われる、国境を超えた協力活動」。そうやって定義をしても、「国際協力」という言葉を聞いてあなたがイメージするのは、

 

アフリカの難民キャンプで子どもたちに支援物資を渡す

アジアの農村で貧しい女性に技術支援をする

 

そんな光景かもしれません。半分正解で、半分不正解です

 

 

僕が国際協力の世界に飛び込んでから3年半以上が経過しますが、実際に働いてみると、そんな仕事、つまり実際に途上国へと足を運び、現地での支援活動にあたる人は、ごく一部に過ぎない事を痛感します。

 

 

国際協力に関わる3つの「人」

f:id:KantaHara:20171026164312j:plain

 

国際協力には大きく、

 

考える人…プロジェクトの目的や手順、予算などを設計する人。

つなぐ人…プロジェクトを実施するために必要な「人・物・金」を用意したり、調整したりする人。「裏方」。

やる人…途上国の現場で実際にプロジェクトを実行し、受益者と直接的な関わり方をする人

 

の3つが存在します。(参照:山本敏晴著『「国際協力」をやってみませんか? 仕事として、ボランティアで、普段の生活でも』

 

この「考える人」「つなぐ人」「やる人」の割合は、日本人では概ね「1:8:1」と言われています。つまり、国際協力するとしても、ほとんどの人は国内でのファンドレイジング(資金調達)に走り回ったり、広報やイベントを通じて問題の啓発に携わったりする、「つなぐ人」になるのです。一言で言ってしまえば「裏方」。

 

 

途上国現地にも「つなぐ人」はいますが、直接的に受益者と関わるというよりは、日本から送られてくる資金を管理したり、途上国の首都でプロジェクトを実施するための許可を政府からもらったり、必要な物資を調達したりといったサポート側の役割に回ることが多いのです。これでも限られた人しかなれないでしょう。

 

 

現地に駐在して、支援を受ける人たちと直接関わる活動をする人は、全体の1割にもなりません。実際は、「やる人」の多くには現地人が採用されています。現場での国際協力に携われるのは、非常に限られた人のみなのです。

 

※もっと詳しく知りたい人は、国際協力業界ではレジェンド的存在の山本敏晴氏が書いた『「国際協力」をやってみませんか? 仕事として、ボランティアで、普段の生活でも』を読んでください。国際協力を体系的に学べるので、入門者以外にもオススメです。

 

 

「つなぐ人」だって国際協力をしている

f:id:KantaHara:20171026164154j:plain

 

上記したように、途上国に足を運んで実際にプロジェクトに携わる人は、この世界でもほんの一握りの存在。ほどんどの人は「つなぐ人」になる。

 

でも、改めて言う必要もありませんが、「つなぐ人」がやる活動もすべてをひっくるめて、国際協力なのです。僕はアフリカのフィールドでの「やる人」も、日本の事務所での「つなぐ人」も両方経験していますが、後者が無ければ前者が成り立たないし、逆もまた言えます。

 

 

日常生活の中でできることを実践するのもまた国際協力

f:id:KantaHara:20171130145617j:plain

 

一方で、講演活動や記事執筆などの「伝える」活動を行う過程で、最近の僕は「国際協力」という言葉を、もっと広い意味で捉えるようになってきました。

 

現場に足は運べない。国内での仕事も担当していない。それでも、「日常生活の中でも世界の諸問題を考えながら、自分の身近な所から出来ることを実践していく」こともまた、広義での「国際協力」と捉えるようになってきました。

 

国連やNGOの職員など、援助関係者が現地に出向いて行う支援活動は、出てきた問題に対処する「対処療法」に過ぎません。

 

紛争地や難民キャンプで活動するNGOが存在する。でも、よりマクロな視点から捉えてみると、紛争によって儲かる産業があり、それによって傷つく避難民がいて、彼らを支援する援助団体が存在し、それら援助機関に寄付する(先進国の)市民がおり、そしてその市民の「豊かな」生活を支えている産業の中には、最初に述べた「紛争によって儲かっている産業」も(僅かだとしても)存在する。

www.kantahara.com

 

問題を根本から断とうとしない限り、いくら現場での支援活動を行っても、また別の問題が生じて、上記のサイクルは繰り返されます。そのサイクル自体が、まるで一つのビジネスになってしまっているかのようです。

 

途上国における紛争、貧困、環境破壊といった問題の多くは、先進国の経済活動によって産み出されている部分が多々存在します。その意味で、広義の「国際協力」を実践する人材や組織を増やしていくことは、ゆくゆくは問題が生まれない社会仕組みづくりへと繋がっていく。道は遠くても、ここを馬鹿にすると問題の本質を見失ってしまうのです。