原貫太の国際協力ブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカ、社会問題などのテーマを中心に解説しています。

駐在員として国際協力するのは難しい。学生の間に途上国の現場を訪れよう。

将来的に国際協力をしたい人であっても、学生の間に途上国の「現場」を体験しておくことを勧めます。その理由として、「時間」と「機会」が挙げられます。

 

まとまった時間が取りやすい

アフリカやアジアにおける途上国を訪れるためには、どんなに短くても一週間前後が必要になります。渡航先の情報収集や予防接種、荷造りといった準備期間まで含めると、もっと長い時間が必要になりますね。

 

 

社会人になって、仕事に就いたり家族を持ったりすれば、まとまった時間を取るのが難しくなる。有給と夏休みを活用してウガンダに来た社会人の友人もいますが、それでも一週間が限界でした。

 

 

だから、スケジュールが比較的自由に調整しやすい学生の間に足を運んでおくべきです。「大人になってからも行けるよね…」と言っているうちに、途上国を訪れるタイミングをドンドンと失っていることに気が付きましょう。色々と柵(しがらみ)が増えてくると、相対的にはフットワークが重くなりますからね。

 

 

駐在員になって受益者と関われる確率は極めて低い

社会人になってからでもスタディーツアーなどに参加することはできますが、例えば現地に中長期で滞在する駐在員となって、直接受益者と関わることができる人というのは稀な存在です。

 

 

国際協力を仕事にしたいと思っている学生は、もしかしたら現地で「子どもたちに勉強を教えている人」「難民に物資を手渡している人」「病人を診察している人」に憧れているかもしれませんが、そんなのは国際協力を仕事にする人の中でもほんの一握りなのです。

 

 

国際協力に関わる3つの「人」

国際協力には大きく、

 

考える人…プロジェクトの目的や手順、予算などを設計する人。

つなぐ人…プロジェクトを実施するために必要な「人・物・金」を用意したり、調整したりする人。「裏方」。

やる人…途上国の現場で実際にプロジェクトを実行し、受益者と直接的な関わり方をする人

 

の3つが存在します。(参照:山本敏晴著『「国際協力」をやってみませんか? 仕事として、ボランティアで、普段の生活でも』

 

この「考える人」「つなぐ人」「やる人」の割合は、日本人では概ね「1:8:1」と言われています。つまり、国際協力を仕事にできたとしても、ほとんどの人は日本国内で資金調達に走り回ったり、広報をして支援者を増やしたり、イベント企画したりする役割に回ります。つまり、「裏方」です。

 

 

途上国現地にも「つなぐ人」はいますが、直接的に受益者と関わるというよりは、日本から送られてくる資金を管理したり、途上国の首都でプロジェクトを実施するための許可を政府からもらったり、必要な物資を調達したりといったサポート側の役割に回ることが多いのです。これでも限られた人しかなれないでしょう。

 

 

駐在員になって受益者と直接関われる人は全体の1割にも満たず、「やる人」の多くには現地人が採用されています。現場での国際協力に立ち会える機会は、大人になってからでも非常に限られているというのが現実なのです。

 

※もっと詳しく知りたい人は、国際協力業界ではレジェンド的存在の山本敏晴氏が書いた『「国際協力」をやってみませんか? 仕事として、ボランティアで、普段の生活でも』を読んでください。国際協力を体系的に学べるので、入門者以外にもオススメです。

 

 

学生時代の方が「現場経験」は積みやすい

言ってしまえば、学生時代に休学制度などを使って「時間」を確保し、民間NGOなどのインターンやボランティアなどの「機会」を活用するのが、「現場経験」を積む上では確率的には一番"楽"だと思います。仮に社会人経験を積んでからNGOや国連に就職できたとしても、現場に駐在して受益者と直接関わることができる確率は、かなり低いからです。

 

だから、学生の皆さんはインターンでもボランティアでも、何なら一人でも現地に足を運んでみるのが良い。僕が初めてアフリカを訪れた時は、計画も実施もすべて一人で行いました。つまり「旅行」ですね。

 

それでも、NGOが運営するHIV/AIDs孤児院や元子ども兵の社会復帰施設を訪問させていただき、受益者と直接関わることも出来ました。

 

少なくとも時間がたくさんある今のうちにトライしておくと良いですよ。大人になってから途上国に足を運ぶこと、さらには受益者と直接関わることはなかなかに難しいからです。