原貫太の国際協力ブログ

フリーランス国際協力師原貫太のブログです。国際協力やNPO・NGO、アフリカ、社会問題などのテーマを中心に解説しています。

フットワークが軽い学生は「準備」ではなく「行動」を起こすべき

「ソーシャルワーク」人気の流れはこれからますます加速していく。生まれた瞬間から何もかも揃っている今の若者たちは、「上の世代」とは違って金品や地位をモチベーションに働くことができない。だから、形式や内容は何にせよ、「社会のためになること」を仕事にしたいと望む若者がドンドン増える

 

大学に入ったら国際問題や平和の研究会に所属したい!という高校生がたまにいるけど、「知識を深められる」「ディスカッション能力が上がる」「コネが作れる」などは得られても、現場で起きている問題の改善にはほぼ繋がらない。いくら話し合いを重ねたって行動を起こさない限り世界は良くならないんだ

 

だから、せっかくフットワークが軽い大学生の間はどんなに規模が小さくても「Take Action」できる団体で活動するのが良い。ボランティアであれインターンであれ国内であれ海外であれ、行動を起こして初めて自分の無力さや可能性に気づける

 

「成長したいから座学で勉強します」「いつか行動を起こすため今は準備します」という人より「今できることを実行します」という人の方が、必要に応じて知識やスキルをその都度身につけるし、もがき苦しみながらも最適解を探し続けるから、結局成長に繋がるし、いつか起こすはずの行動までも近道になる

 

国際協力、社会貢献活動、海外支援、平和を創る活動、NPO/NGO…。

 

今では高校生、なんなら中学生でも、いわゆる「社会に役立つ仕事」に関心を持っている人が多い。僕自身は、中学・高校の頃は今携わっている活動には全く興味が無かったものだから、母校の土曜講座で「国際協力学」を担当させてもらう度に、彼らの熱意というか、真面目さには驚かされる。

 

でも、この「ソーシャルワーク」人気の流れは、これからますます加速していくだろう。生まれた瞬間から何もかもが揃っている今の若者は、「上の世代」とは違って、金品や地位をモチベーションに働くことが難しい。だから、形式や内容は何にせよ、「社会のためになること」を仕事にしたいと望む若者がドンドン増えていく。

 

 

時々、受験勉強に励む高校生から、「大学入学後は国際問題や平和、社会問題の研究会に所属し、社会に役立てる人間になりたい」との声を聞く。

 

たしかに、大学生、さらには大学院生も所属している研究会のレベルは高く、また大学教授との繋がりもあるため、「知識を深められる」「ディスカッション能力が上がる」「コネが作れる」といったことは得られる。

 

ただ、明言しておくと、基本的に研究会は「勉強」をする場所であって、今社会で起きている問題の改善に向けた「行動」を取ることは、ほとんどない。

 

社会人と比べて、学生の強みはフットワークの軽さだ。「時間がたくさんある」と言い換えられるかもしれない。だから、どんなに規模が小さくても、フットワークが軽い学生の間は、"Take Action"する組織に身を置くことを勧めたい。なぜなら、自分の足を動かすことによって初めて、無力感や可能性に気づけるからだ。

 

行動になかなか移すことができない人たちは、「原さんの行動力の源は何ですか?」と僕に訊いてくる。

 

でも、行動力に大した理由など存在しない。自分が「やりたい!」と直感的にでも思ったのであれば、それと真摯に向き合い、そして最後は「とにかく始めてみる」という見切り発車ができるようになれば、自然と行動力なんて上がってくる。

 

実業家の堀江貴文さんは、現在バズワードにもなっている著書『多動力』の中で、「見切り発車は成功のもと」と語っている。

 

何か「行動を起こしたい」と考えている時に、準備にばかり時間を取られているのはもったいない。とにかく始めてしまって、必要になる知識やスキル、ノウハウは実行する過程で身に付け、後から修正を加えていけばいい。「誰か仲間がいないと始められない」ではなく、自分が走っていれば、自然と仲間はそこに集まってくるものだ。

 

先日、ブログの読者から、

 

 いつも原さんからは「行動が全て」ということを学ばせていただいております。

 

とメッセージをもらった。

 

たしかに、数年前の僕にしたら、ウガンダで南スーダン難民支援事業を立ち上げたり、国際協力NGOを起業したり、本を出版したりといった今の活動は、「行動力に溢れている」ように見えるかもしれない。

 

ただ、最近の僕は、「自分むっちゃ行動起こしているな~」と感じたことがほとんど無い。「行動を起こす」ことが日常的になってくると、その生き方が自分の自然体になってくるから。

 

だから、少なくともフットワークが軽く、そして失敗を許してもらえる学生の間は、「準備」や「勉強」に時間を充てるのではなく、ドンドン「行動」を起こすべきだ。