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原貫太公式ブログ「世界まるごと解体新書」

アジア・アフリカでの活動からニュース解説記事、ライフハックまで。原貫太が世界をまるごと解体します。

【アフリカでボランティアしたい人必読】国際NGO駐在員鈴鹿さんが語る「生き方」(後半)


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←←「【アフリカでボランティアしたい人必読】国際NGO駐在員鈴鹿さんが語る「生き方」(前半)」からの続き

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人生の半分を望まない軍隊で過ごしてきた元子ども兵たち

――ウガンダ、ブルンジ、それぞれで印象強く残っているエピソードはありますか?
ウガンダでは元子ども兵士の社会復帰を支援しているのですが、私がウガンダへ入った去年の6月頃には、8期生の元子ども兵たちが既に1年間訓練を終えていました。8期生の元子ども兵たちの平均年齢はおよそ28歳なので、彼らの場合平均して14年もの間、武装勢力に拘束されていた、つまり人生の半分を反政府軍の中で過ごしてきたことになります。

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現地スタッフと共に職業訓練に臨む元子ども兵の受益者(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

教育もほとんど受けておらず、読み書きも計算も出来ないという状態、自分たちの技術も全く無いという状態から彼らの社会復帰が始まるも、私が彼らと初めて会った時には既に訓練を1年間終えていた。そのため、彼らは洋裁や木工大工のスキルを少しずつ身に付け、それが一つ一つ自信になっていて、さらに故郷の村に帰って自立するとともに、周りの人も助けて地域を良くしていきたい、というのを彼らと話す中で感じ、「壮絶な経験をした」という事前の情報とのギャップ、「人はこれほどまでに変わることが出来るんだ」ということを、彼らから教えてもらった気がします。

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元子ども兵である8期生の方と交流する鈴鹿さん(photo by Kanta Hara)

 

(関連記事→「"13歳で誘拐された元少女兵"が語る壮絶な体験談 生き別れた子供との再会を夢見て」

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――私自身もアイ―シャさん(仮名)にインタビューをして、先日1年ぶりに彼女に再会しました。1年前にインタビューをした際は、壮絶な経験をしたからこそ彼女の姿に暗い印象を覚えたのですが、今年1月からウガンダに駐在し、施設で彼女と一緒の時間を過ごす中で、彼女の楽しそうな様子や明るい雰囲気を感じることが出来て、1年前に感じていた印象とのギャップに、私自身驚かされています。

(関連記事→「ウガンダ北部における子ども兵問題と元少女兵へのインタビュー-テラ=ルネッサンスを訪問して」

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一番大切なのは平和であること

――ブルンジで印象に残っているエピソードを教えてください。
ウガンダと同じく、ブルンジも紛争の影響を強く受けた国の一つです。ルワンダ大虐殺は国際社会にも広く認知されていますが、ブルンジでも虐殺が起こっており、1993年からの紛争では、30万人もの人々が亡くなりました。また、現在でも一人当たりGDP(国内総生産)から考えると、世界最貧国と言われている国です。

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ブルンジの子ども達と鈴鹿さん(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

ちょうど1年前、出張で初めてブルンジへ入国しました。印象的だったのが、現地スタッフであるパシフィックの言葉です。彼自身、幼い頃に紛争に巻き込まれ、家族も虐殺されたという状況の中で、苦労しながらも勉強をするために大学に通う―途中で一度大学を辞めているのですが―など、大変な人生を歩んできた人です。彼は細かい作業も出来る、約束も守れるなど、日本人の気質に似ていて、それ自体も印象的ではあるのですが、もっと印象的だったのが、「ブルンジって色々な問題を抱えているかもしれないけど、何が問題だと思う?例えば教育とか医療とか。」と質問した時に、「その2つも大切かもしれないけど、一番大切なのは『平和』であることだよ」と語っていたことです。平和でなければ、自分たちが自由に行動することも出来ないし、地域を発展させることも出来ない。「教育や医療といった個々の問題に取り組む以前に、平和が存在しないと何もすることが出来ない」という言葉は、家族や親せきを紛争で亡くす経験をした彼だからこそ、重みのある言葉なのかなと感じました。

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パシフィックさん(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

(関連記事→「愛する家族を奪われても、平和のために闘う父-アフリカと日本を繋ぐ想い」

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――私自身も現在アフリカに中期で滞在し、テラ・ルネッサンスのインターン生として活動に携わっていますが、その土地に住まないと分からないことや、気づくことのできない活動の意義があると思っています。駐在員としてアフリカに滞在していることによって、これまでどんな「気づき」や「発見」がありましたか。
先ほどもタンザニアの話の中でお伝えしましたが、日本と比べると文化の違いのみならず、仕事に対するスタンスや生き方も違っているので、「アフリカの人たちを支援する」といった一方的なものではなくて、「僕たち日本人もアフリカの人から学ぶことが沢山ある」というのを、タンザニアから離れて約5年が経つ今も、改めて感じています。

 

お互いが成長できる支援

――「国際協力」というのは一方通行の支援・活動ではなく、お互いが成長できる在り方が、その形として相応しいと僕も感じています。
ブルンジは最貧国とは言われており、農村に出向くと、着ている服もボロボロだし、決して物質的には恵まれているとは言えない生活が広がっていますが、その中でも、彼らは、日本よりもずっと持続可能な形で自給自足の生活を送っていると思います。日本は経済的・物質的には豊かな国になったかもしれないけど、それが果たして持続可能なものかを考えた時、ブルンジの人々のライフスタイルに対して、僕らが上から教えられることはあるのか。(外部からの支援によって)彼らブルンジの人々が物質的には一時的に豊かになったとしても、彼らの今ある生活や自然環境が持続するのかを考えた時、日本人の生き方はロールモデルになるとは思えません。その意味で、「足るを知る」生活というか、彼らの生き方―自然を大切にし、自然を利用しながら生活する生き方―からも、沢山のことが学べると思います。

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ブルンジの子ども(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

一人ひとりの意識や消費行動を変えることで、世界を良くしていける

――最後に、今後の活動に対する意気込みと日本の人たちへのメッセージをお願いします。
日本にいるからこそ、アフリカや世界の現状を変えていく力を、自分も含めて、一人ひとりが持っていると思います。僕は大学生の頃まで、アフリカでの紛争のニュースを聞くたびに、「アフリカの人たちは紛争ばっかり起こしている人たち」だと決めつけて、その原因を考えることから逃げていましたが、今では意識が変わっています。紛争の原因と日本・世界はとても深く結びついていて、日本を含めて先進国は、世界中の資源を大量に消費しています。アフリカで紛争を引き起こしている軍隊や武装勢力の資金源は、レアメタルなどの鉱物資源、石油などがあり、僕たちが消費している携帯やPC、車などに使われている原材料の中には、その利権を巡って紛争が行なわれている背景もあります。

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子ども兵(photo by Kanta Hara)

 

また、このアフリカに紛争が起こっている背景として、奴隷貿易から植民地時代、そして現在に至るまで、アフリカが政治的、経済的、文化的になど様々な形で支配され、自立を阻害されてきたという視点も、アフリカの現状を考える上で重要だと思います。詳しくは、ぜひ書籍の『ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?』を読んでいただければと思います。これらの事実を知ることは非常に辛いですが、反対に考えれば、一人ひとりの意識や消費行動を変える事で、世界のお金の流れや在り方を、自分たちで変える事ができると思っています。

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インタビュー中の様子(photo by 認定NPO法人テラ・ルネッサンス)

 

ただ、上記のような紛争の原因になっているから義務感・責任感だけで行動を変えなければならないとも思っていません。「支援」や「国際協力」といった言葉を使わないでもいいような、人同士の関係、国同士の関係を作れるような活動をこれからもしたいと思います。先ほども話したように、僕たち日本人も、アフリカの人たちの生活や文化、伝統から学ぶことが多々あると思うので、それをここで再発見し、教えてもらいながら、僕たちもサポートできることをしたい。

 

「12,000km離れた国」ではなく、「隣の人」といった感覚。今は飛行機でもアフリカに移動でき、またインターネットも発展しているし、「日本と外国」「先進国と途上国」ではなく、「地球市民=地球で生きている同じ市民」という感覚を持ちたい。「隣の人が困っていたら助けるし、隣の人が喜んでいたら自分も喜ぶ」といった活動をしていきたい。まだまだ問題は沢山あるが、―これは日本でも言えることかもしれないけど―それぞれの地域の人たちが自立して、自分たちのことを自分たちで決めていく自治ができるように、サポートしていきたいと思います。

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テラ・ルネッサンスの職業訓練を受けた元子ども兵たちの修了式の様子(→「もう一度人生を変えたい」 社会復帰を目指す元少年兵・少女兵の式典)(photo by Kanta Hara)

 

日本に暮らしていると、アフリカの情報は本当に少ないです。僕らも「発信」を頑張っていかなければならないけど、支援のことばかりではなく、アフリカの植民地支配の時代から失くしてしまったものもありますが、アフリカの文化や生き方、知恵といったものも発信していきたい。他の地域でも良いですが、アフリカに対するアンテナを持って、少しでも興味を持ってもらえれば嬉しいです。


もどかしい所ですが、日本にいるとアフリカの情報は圧倒的に少ない。海外のニュースと日本のニュースの量を比べた時、原さんも分かっていると思うけど、前者の量は本当に少ない。その辺りを、私たちが関わっている事としてもっと上手に発信出来たらなと思います。


今の日本の世の中というのは、ひとり一人が大きなシステムの中に組み込まれて、その中の一つとして動いているがために、―過労死の問題などもありますが―あまりにも他者のことも、また自分のことでさえも考える余裕が無くなっていると思います。だからこそ、日本人がアフリカから学ぶことは沢山ある。例えば、日本では、「電車で隣に座っている人に話しかけるとおかしい」と思いますが、タンザニアでは決してそんなことは無く、隣に座っていたら挨拶するのが当たり前。他にも、小さな子どもが泣いていたら、誰か知らない人でも自然とその子をあやしている。「関係のない他人の子ども」でなく「みんなで育てていく子ども」。一昔前では、日本でも当たり前だったのだと思いますが、人間的に繋がった社会が、まだアフリカには残っています。

 

日本は人と人との関係、繋がりが、あまりにも分断され過ぎている気がして、それが当たり前になっている社会が、生きにくさを産み出しているのではと思います。

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ダンスを踊る地元の子ども達(photo by Kanta Hara)


――その生きにくさが、過労死の問題など、日本では犠牲も生み出してしまっています。
その人の命や健康よりも優先されるものはないと思います。死んでしまう人が出てしまう社会というのは、何か警鐘が鳴らされているように感じます。今回お話ししたことは、「アフリカ」「日本」と語って一般化してしまっている所もありますが、日本の中でも、地域の課題や、世界で起こっている課題の解決に取り組んで、既存の枠組み・システムを超えて新しい社会を創り出そうという人たちとも出会ってきました。ぜひその一員として、一人ひとりが安心して生活できる社会を目指していきたいです。

 

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